グロース市場をけん引?好業績のAI関連12銘柄

グロース市場をけん引?好業績のAI関連12銘柄

投資情報部 鈴木 英之 栗本奈緒実

2024/11/27

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グロース市場をけん引?好業績のAI関連12銘柄

日経平均株価は一進一退の展開です。トランプ氏の減税・規制緩和への期待から、NYダウが最高値を更新するなど、米国株の上昇は追い風になっています。反面、企業業績への不透明感やトランプ氏の関税強化等を警戒する向きも多く、日本株の上値は抑えられています。日経平均株価はおおよそ38,000円~40,000円のボックス圏で推移しています。

これに対し、中小型株は出遅れを修正する動きが出ています。東証グロース市場は11/26(火)時点では前月末に1.2%上昇とプラスを維持しており、同期間に1.6%下落となっている日経平均をアウトパフォームしております。東証グロース市場上場銘柄は内需株が多く、米国の関税強化の影響を受けにくいことや、米長期金利の上昇が一服していることが追い風になっています。決算発表シーズンが終了し、個別銘柄の業績変動リスクが後退したことも支援材料といえます。

そこで、今回の新興株ウィークリーでは、出遅れ修正の兆しをみせている東証グロース市場上場銘柄のうち、成長の期待されるAI(人工知能)関連銘柄の中から、業績面でも堅調な銘柄を抽出すべく、スクリーニングを行ってみました。

スクリーニング条件は以下の通りです。

(1)東証グロース市場に上場

(2)SBI証券銘柄検索ウィンドウに「AI(人工知能)」と入力し、出力される銘柄

(3)11/25(月)まで20営業日の1営業日当たり平均出来高2万株以上

(4)東証33業種で情報・通信またはサービスに所属

(5)直近四半期(3ヵ月)の売上高・営業利益がともに前年同期比10%超増加

(6)今期会社予想売上高・営業利益がともに前年同期比10%超増加

(7)「継続企業の前提」で疑義が生じていない

(8)取引所または日証金、当社による信用規制・注意喚起銘柄を除く

図表の銘柄は、上記(1)~(8)の条件をすべて満たしています。掲載は(3)の平均出来高が大きい順です。

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【参考】 日経平均株価と東証グロース市場指数の推移

【参考】 11/19(火)~11/26(火)で株価上昇が大きかった東証グロース市場指数構成銘柄

■図表 グロース市場をけん引?好業績のAI関連12銘柄

取引 チャート ポートフォリオ コード 銘柄名  株価
(11/25終値・円)
過去20営業日の平均出来高(株) 今期会社予想
営業増益率(前期比)
4165 4165 4165 4165 プレイド 1,588 1,184,725 159.9%
4448 4448 4448 4448 kubell 612 713,880 黒字転換
4418 4418 4418 4418 JDSC 923 118,205 491.9%
5588 5588 5588 5588 ファーストアカウンティング 1,530 115,670 32.1%
5586 5586 5586 5586 Laboro.AI 991 112,405 36.3%
5026 5026 5026 5026 トリプルアイズ 1,403 103,980 157.2%
9343 9343 9343 9343 アイビス 3,540 89,015 168.1%
5038 5038 5038 5038 eWeLL 1,874 55,620 22.3%
4264 4264 4264 4264 セキュア 1,993 47,360 59.6%
4167 4167 4167 4167 ココペリ 384 28,500 130.1%
4414 4414 4414 4414 フレクト 1,630 28,460 25.7%
5034 5034 5034 5034 unerry 2,216 20,655 34.0%
  • ※Bloomberg、会社公表データをもとにSBI証券が作成

一部掲載銘柄を詳細に解説!

■プレイド(4165)~CX(顧客体験)プラットフォームで企業の販促を支援。今期は大幅増収増益を計画

★日足チャート(6ヵ月)

★業績推移(百万円)

■CX(顧客体験)プラットフォーム「KARTE」を提供

ウェブサイトやスマートフォンアプリを運営している企業等を顧客とし、CX(顧客体験)プラットフォーム「KARTE」を、クラウド方式で提供(2015年に提供開始)しています。

企業は「KARTE」を活用することにより、ウェブサイトやスマートフォンアプリ上のリアルタイム行動データ等をユーザー単位で解析することができます。

すなわち、企業はUUやPVといった、いかに多くのユーザーが見たか等の「塊のデータ」だけでは対応できない、一人ひとりの興味や状態に合わせたコミュニケーション施策を打つことが可能になります。また、最近はマーケティング領域にとどまらず、カスタマーサポート領域での活用も増えています。

提供企業の業種は、人材・求職・転職、アパレル、不動産・建築・建設、製造・メーカー、金融他など様々です。このプラットフォームを提供以降、約10億人分の「企業が自社で収集した顧客データ」を解析してきたことが、強みとなっています。

AI(人工知能)が発達し、大量データを処理できる高い学習能力を有し、様々なサービスに活用できる「強いAI」が登場するようになってきました。そうした中、AIに学習させるデータの種類や質が差別化要因になるとみられますが、約10億人分の「企業が自社で収集した顧客データ」は、その相対的な価値が増大すると考えられます。

25.9期は大幅増収増益を見込む

CXプラットフォームをクラウドで提供することが主業務であり、顧客から徴収する月額料金を伸ばしていくことが重要です。

同社売上高(94.9期)の82%は、サブスクリプション方式で売上高が計上される「プロダクト」であり、四半期を経るごとに着実に成長し、24.9期は前期比23%増加しました。「サービス、その他」も伸長し、24.9期は売上高109億円(前期比27%増)と大幅な増収になりました。

成長過程にもかかわらず、販管費の伸びが前期比6.9%増にとどまり、営業損益は2.6億円となり、前期の営業赤字8.81億円から黒字転換となりました。追加成長投資の影響を控除した調整後営業利益は5.1億円となり、こちらも前期の赤字4.9億円から黒字転換となりました。

25.9期は売上高135億円(前期比23%増)、営業利益6.7億円(同160%増)と大幅な増収増益が会社計画です。

株価は本決算を発表した11/12(火)終値985円に対し、11/25(月)には1,630円まで上昇し、年初来高値となりました。ただ2021年につけた高値5,080円からは68%下げた水準です。

■ファーストアカウンティング(5588)~経理関連業務をAIで自動化。業績は安定拡大

★日足チャート(6ヵ月)

★業績推移(百万円)

AI技術を用い、経理業務をDX

経理特化型AIのSaaS企業。請求書や領収書の入力・確認、内容の商号をAIを用いて自動化するサービスを提供しています。領収書やレシートの画像解析から仕訳の自動化といった領域は、同社がパイオニアです。

創業者はかつて、食品小売のeコマース会社を経営していました。その際、経理関連の人為的ミスや課題にぶつかったことをきっけかに、現在の事業を開始。会計関連OCR(文字認識)ベンダーで国内売上高シェアNo.1を誇ります(同社資料より)。

■安定的な収益形態。直販とパートナー企業による販売

収益形態は、ストック比率(23.12期)が約89%と安定的。月額固定の利用料のほか、処理件数に応じた利用料や、初期設定などのイニシャルフィーが収益源です。

直接販売以外にも、IBMやNRI等のコンサルティングファームやシステムインテグレーターなどがパートナー企業として、同社製品の販売を行ってます。また、中小企業向けとしては、会計ベンダー向けにOEM販売を行っています。

■大企業を中心に導入社数は増加

導入実績(24.9末時点)は135社に上ります。日清食品や富士通など大企業を中心に、同社サービスを導入する企業が増えています。直近1年間(23.3Q~24.3Q)で28社増加のうち、大企業は21社増加でした。そのため、顧客単価の高さが特徴として挙げられます。

■前期に黒字転換以降、安定成長

今期3Q(24.1-9月期)時点で業績は堅調。売上高が12億円(前年同期比41%増、通期計画に対する進捗率75%)、営業利益1.7億円(同121%増、同101%増)でした。3Qの営業利益の進捗率は、通期会社計画を既に上回りました。前期に(23.12期)に黒字化して以降、10%強の営業利益率が続く見通しです。

新興のSaaSビジネスで重しとなりやすい広告宣伝費は、最低水準を維持。売上高に対する広告宣伝費の割合(24.3Q)は1.8%です。一方で、人的資本の投資に力を入れてます。特許件数は権利72件、出願83件に到達するなど無形資産の差別化強化や、海外での採用活動(海外事業の営業開始は25.12期からの可能性も)等の分野に成長投資を行っています。

新着記事(2024/11/27)

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