株価底入れ?好業績中小型半導体関連8銘柄

株価底入れ?好業績中小型半導体関連8銘柄

投資情報部 鈴木 英之 栗本奈緒実

2024/12/04

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株価底入れ?好業績中小型半導体関連8銘柄

12/3(火)の東京株式市場では、日経平均株価が大幅高となり、終値ベースでは11/12(火)以来の高値水準を回復しました。利下げ期待を背景に、米ナスダック指数が上昇したことが要因とみられます。米国が対中半導体規制を強化する方針と報道されましたが、半導体製造装置の規制について、日本やオランダ等の企業の適用除外が認められ、東京市場で値がさの半導体関連株が大幅高したことで、日経平均株価の上昇が加速しました。

ちなみに、半導体関連株全般については、これまで調整が長期化していました。生成AI(人工知能)の普及を背景に、GPUやHBM(広帯域メモリ)など、需要が旺盛な分野がある一方、車載向け等は需要が低調で、業績が悪化している半導体関連銘柄も増えています。ただ、調整の進展で、株価に割安感が出てきた銘柄も散見されるようになり、半導体関連銘柄に底入れ機運が出始めているようにも見受けられます。

そこで今回の新興株ウィークリーでは、半導体関連銘柄が底入れした場合に、中小型半導体関連銘柄のリード役になり得る銘柄を抽出すべく、以下のスクリーニングを行ってみました。

スクリーニング条件は以下の通りです。

(1)東証グロース市場またはスタンダード市場に上場

(2)SBI証券銘柄検索ウィンドウに「半導体」と入力し、出力される銘柄

(3)12/2(月)まで20営業日の1営業日当たり平均出来高2万株以上

(4)直近四半期(3ヵ月)の営業利益が前年同期比10%超増加、または黒字転換

(5)取引所または日証金、当社による信用規制・注意喚起銘柄を除く

図表の銘柄は、上記(1)~(5)の条件をすべて満たしています。掲載は(3)の平均出来高が大きい順です。

【参考】 日経平均株価と東証グロース市場指数の推移

【参考】 11/26(火)~12/3(火)で株価上昇が大きかった東証グロース市場指数構成銘柄

■図表 株価底入れ?好業績中小型半導体関連8銘柄

取引 チャート ポートフォリオ コード 銘柄名  株価
(12/3終値)
年初来株価騰落率 過去20営業日の平均出来高(株)
6890 6890 6890 6890 フェローテックホールディングス 2,572 -3.2% 605,435
6855 6855 6855 6855 日本電子材料 2,231 23.3% 400,400
5381 5381 5381 5381 Mipox 570 26.1% 329,190
7711 7711 7711 7711 助川電気工業 2,186 85.9% 259,820
4970 4970 4970 4970 東洋合成工業 5,870 -29.6% 78,200
5942 5942 5942 5942 日本フイルコン 504 7.7% 64,320
6877 6877 6877 6877 OBARA GROUP 4,235 12.2% 29,500
6832 6832 6832 6832 アオイ電子 2,000 -29.5% 21,010
  • ※BloombergデータをもとにSBI証券が作成

一部掲載銘柄を詳細に解説!

■日本電子材料(6855)~ウェハテスト用プローブカードが好調。株価に割安感

★日足チャート(1年)

★業績推移(百万円)

■半導体ウェハテスト用プローブカードで大手

当社は半導体ウェハテストで用いられるプローブカードの大手企業です。

プローブカード(Proveは「深針」、Cardは「基板」を意味)は半導体製造前工程で半導体の良否を判定するウェハテストで用いられる消耗品です。当社の売上構成比(24.3期)の99%はこのプローブカードを供給する半導体検査用部品関連事業で、残りは電子管部品関連事業となっています。

アジアを中心とする海外顧客にも販売しており、海外売上高比率(24.3期)は44%となっています。

■通期会社計画は9/25に利益面で「上方修正」

8/7に発表された25.3期1Q決算では、売上高が49億円(前年同期比20%増)、営業利益が11億円(同357%増)と増収・大幅増益でした。

25.3通期会社計画については、期初段階で売上高210億円(前期比20%増)、営業利益24億円(同175%増)でしたが、1Q決算発表時にいったん取り下げられました。しかし、9/25に改めて公表し直され、売上高206億円(前期比18%増)、営業利益36億円(同313%増)と、利益面で期初予想から上方修正されました。

11/8に発表の25.3期2Q累計決算では、売上高98億円(前年同期比23%増)、営業利益20.5億円(前年同期は0.2億円)と好調を持続しました。メモリ向けに高付加価値製品が拡販されていることに加え、国内工場の稼働率向上により大幅増益となっています。

プローブカードではライバルとなる日本マイクロニクス(東証プライム・6871)についても、24.12期3Q累計は大幅増益となり、24.12期は営業利益が118%増える見込みで、業界環境の好転がうかがえます。

大手半導体製造装置メーカーの見方では、旺盛なAIサーバー需要等を背景に、2024年の前工程市場は期初の想定を上回る勢いのようです。2025年もAI向け投資の比率が向上すると見込まれるうえ、NAND型フラッシュメモリも在庫調整の進捗から投資回復が見込めそうです。

業績は当面拡大が期待できそうです。会社予想1株利益(EPS)190円に対し、12/3終値2,231円で計算された予想PERは11.7倍にとどまっており、割安感が強まっています。

■Mipox(5381)~「塗る・切る・磨く」とともに発展。活況なデータセンター投資が追い風

★日足チャート(1年)

★業績推移(百万円)

■半導体等ハイテク分野他に研磨剤を製造・販売

1925年の創業以来、コア技術である「塗る・切る・磨く」とともに発展してきた会社です。

売上高(24.3期)の81%は製品事業で、研磨剤の製造・販売を行っています。HDD関連、半導体、光ファイバー等に向けたハイテク関連製品が37%(対全社売上高)、自動車・鉄鋼等に向けた一般研磨関連製品が44%(同)を占めています。受託事業(売上構成比19%)では、顧客から材料の支給を受け、当社グループ保有の設備で受託加工しています。

強みは、高い精度と性能、厳しい要件等が求められるハイテク分野で超精密研磨加工技術を培い、研磨が困難な材料も加工することができることです。また、そうしたハイテク分野から一般用とまで多種多様な研磨剤を揃え、顧客の要望に合わせた製品やサービスを提供することができます。また製品事業と受託事業では、設備や人的リソースが共有され、技術やノウハウが蓄積されています。

HDD、光ファイバー向けが好調で、会社計画営業利益を上方修正

11/14に発表された25.3期2Q累計決算では売上高が56億円(前年同期比30%増)、営業利益が6.39億円(前年同期は5.09億円赤字)、経常利益が4.43億円(同3.69億円赤字)と増収・黒字転換を果たしました。

利益率の高いハイテク製品が前年同期比で2倍超増えるなど、主力の製品事業が増収となり、営業損益は大幅な改善となりました。なお、海外売上高比率(24.3期)は約40%あり、円安の方が利益が増えやすい傾向があります。2Q累計期間では円高傾向のため、前年同期に1.11億円あった為替差益の効果は剥落し、経常損益の改善をその分、抑えました。

25.3通期では、売上高100億円(前期比6%増)、営業利益9億円(前期は4.42億円赤字)、経常利益8億円(同1.86億円赤字)が会社計画です。

世界的にデータセンター投資が活況で、利益率の高い光ファイバー向け、HDD向けが好調です。2Q決算発表時に営業利益は2億円上方修正されました。予想経常利益は据え置きです。

全体的な半導体株安もあり、株価は下落基調を辿ってきました。株価は年初来高値788円(9/27)から27%下げた水準にあり、PBR(株価純資産倍率)も1倍前後で、そろそろ底入れに期待したいところです。

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