波乱相場でも堅調?好業績スタンダード銘柄10選

波乱相場でも堅調?好業績スタンダード銘柄10選

投資情報部 鈴木 英之 栗本奈緒実

2025/02/26

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波乱相場でも堅調?好業績スタンダード銘柄10選

2月相場も最終週に突入しました。2/25(火)終値時点では日経平均株価は前月末比3.3%下落、TOPIXは2.3%下落するなど冴えない展開です。トランプ米大統領の関税政策に対する不透明感、ウクライナ和平に向けた混乱、日銀の追加利上げ観測による円高等を背景に、足元では投資家のリスク許容度が低下しているように見受けられます。

ただ、中小型株は引き続き、相対的に底堅い動きになっています。上記と同じ期間、東証スタンダード指数は0.9%上昇、同グロース市場は3.2%上昇を維持しました。大型株がグローバルな投資環境の悪化に翻弄される中、出遅れ感の強い中小型株が選好されやすくなっています。

そうした中、前回、前々回の「新興株ウィークリー」では、決算発表が終了し、当面の好決算が確認された東証グロース銘柄について、ご紹介させていただきました。今回は好業績の東証スタンダード市場銘柄をご紹介させていただきたいと思います。スクリーニング条件は以下の通りです。

①東証スタンダード市場に上場

②2/21(金)まで過去20営業日の1日当たり平均出来高が2万株以上

③3月決算銘柄

④24年10-12月期、24年4-12月期がともに前年同期比30%超の営業増益

⑤24年10-12月期(前年同期比)の営業増益率が、24年4-12月期(同)よりも大きい

⑥24年4-12月期の営業増益率が、25.3期会社予想営業増益率を上回る 

⑦24.3期営業利益が3億円超で、25.3期会社予想営業増益率が10%超

⑧取引所または日証金、当社による信用規制・注意喚起銘柄を除く

図表の銘柄は、上記条件をすべて満たしています。掲載は24年4-12月期営業増益率が高い順です。

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【参考】 日経平均株価と東証グロース市場指数の推移

【参考】 2/18(火)~2/25(火)で株価上昇が大きかった東証グロース市場指数構成銘柄

■図表 波乱相場でも堅調?好業績スタンダード銘柄10選

取引 チャート ポートフォリオ コード 銘柄名
(決算期末)
株価
(2/25終値)
4-12月期
営業増益率
(前年同期比)
25.3期会社予想
営業増益率
6855 6855 6855 6855 日本電子材料 2,245 12213.0% 313.8%
1914 1914 1914 1914 日本基礎技術 672 182.3% 46.2%
9067 9067 9067 9067 丸運 438 181.0% 110.2%
1965 1965 1965 1965 テクノ菱和 3,130 78.6% 60.9%
5268 5268 5268 5268 旭コンクリート工業 668 73.5% 28.5%
4113 4113 4113 4113 田岡化学工業 1,071 67.9% 48.8%
8920 8920 8920 8920 東祥 661 64.2% 26.3%
1723 1723 1723 1723 日本電技 3,750 46.6% 20.0%
1921 1921 1921 1921 巴コーポレーション 1,148 44.5% 10.1%
7906 7906 7906 7906 ヨネックス 2,467 38.8% 12.8%
  • ※会社公表データ、BloombergデータをもとにSBI証券が作成。

一部掲載銘柄を詳細に解説!

■テクノ菱和 (1965)~「空調衛生設備工事事業」に展開。業績予想を上方修正

★日足チャート(1年)

★業績推移(百万円)

■「空調衛生設備工事事業」に展開

1949年12月、三菱重工業の冷凍機を使用した冷蔵庫・ショーケースなどの冷凍工事施工を主目的として名古屋に設立。1966年に東京に移転し、1989年から現社名となっています。

「空調衛生設備工事事業」が受注高(24.3期)の約96%を占める主力事業で、その他は「電気設備工事事業」、「冷熱機器販売事業」を展開しています。海外受注高はほとんどなく、国内設備投資動向に影響を受けやすい会社です。

業績は順調です。25.3期3Q(累計)は売上高570億円(前年同期比12%増)、経常利益55億円(同63%増)と増収増益でした。国内設備投資の堅調を受け、好調な受注工事を消化しました。

将来につながる受注高は817億円(前年同期比21%増)と大幅に伸びました。半導体、化学薬品向けに大型受注を獲得して全体をけん引しました。

■設備投資の国内回帰が今後も追い風

設備工事事業は建設業界に属しており、国内にビルや工場が相次ぎ建設される事業環境が好ましい業種といえます。

米中貿易摩擦や世界経済のブロック化、世界的なサプライチェーンの再構築を図る動きが強まっており、国内設備投資を押し上げる要因になっています。台湾TSMC社による熊本工場の建設はその一例でしょう。

また、経済安全保障推進法(22年4月公布)では、国民にとって重要な物質の確保や基幹インフラの提供が求められており、国内において物資を製造する工場も出てきています。

「第2次トランプ政権」の本格始動を背景に、世界的サプライチェーンの再構築が加速した場合、設備の国内回帰の動きが強まる可能性もありそうです。当社にとって追い風になりそうです。

なお、産業設備工事事業の受注額のうち、半分程度がクリーンルーム向けとなっており、半導体設備投資増加の恩恵も受けています。

■好配当期待銘柄に変貌?

好調な受注を背景に、会社側は2/5に業績・配当見通しを以下のように修正しました。9月に続く上方修正です。

売上高 830億円→848億円(前期比15%増)

経常利益 75億円→96.6億円(同51%増)

会社側は中長期経営ビジョン(最終32年度)およびその中間目標としての中期計画(同26年度)を定めており、1株配当金について、中期経営ビジョンの期間は現状維持か増配の方針を示しています。すなわち、32年度(33年3月期)までは1株配当金100円(2/26終値での予想配当利回り3.2%)が期待でき、好配当利回り期待銘柄と評価できそうです。

■日本電技(1723)~空調計装等で高い利益率。高配当利回りにも期待

★日足チャート(1年)

★業績推移(百万円)

■空調等の設備を制御し、快適化・効率化・省エネ化等を実現

「空調計装関連事業」が売上高(24.3期)の90%を占める主力事業です。オフィスビル、工場、病院、研究所、学校、商業施設等の新設、増設、改修に伴い、空調自動制御システム設計、施工、保守・点検等のサービスを行っています。また、空調を自動制御するための機器類(自動制御盤やセンサー、サーモスタット等)を販売しています。

建物等全体を受注するゼネコン、そこから設備工事等を受注するサブコン等があり、同社はサブコンをおもな取引対象としています。24.3期末の繰越工事額のうち、高砂熱学工業(1969)、テクノ菱和(1965)、三機工業(1961)、ダイダン(1980)向けが、大口受注先として挙げられます。

その他、「産業システム関連事業」も展開。食品工場の生産、搬送ライン向けに各種FA機器の据付、保守、生産管理システムの販売等を行っています。

■サブコンともども業績は好調

1/29(水)に発表された25.3期3Q累計業績は以下の通り堅調でした。

売上高 261億円(前年同期比4%増)

営業利益 57億円(同46%増)

受注高 351億円(同9%増)

中間期に業績予想が上方修正されているうえ、収益の4Q依存度が高めであり、今回の業績修正は見送られました。ただ、過去4年間の3Q累計・営業利益進捗率は45%で、25.3期は会社予想に対し77%であり、再度上方修正される可能性もありそうです。

事業環境は良いようです。新設工事では首都圏の再開発案件が継続しているうえ、既設工事ではアフターコロナ時代を見据えたオフィス縮小による改修や、省エネ対応が増えているようです。長期的にもZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)への対応、スマート工場実現に向けた取り組みがビジネスチャンスとなりそうです。

受注先であるサブコンの業績も好調の様です。25.3期3Q累計の営業増益率(前年同期比)は、高砂熱学13%、テクノ菱和78%、三機工業136%、ダイダン158%と、いずれも増益で、事業環境の良さを裏付けています。

■高利益率、高い配当利回りに期待

サブコン(同社受注先である前述の4社平均)の予想PERは、市場平均(東証プライム市場14.86倍・2/25時点)より低めになることが多いようです。上述したサブコンの平均も11倍台です。当社の予想PERも11.3倍であり、その意味では妥当な評価といえます。

ただ、売上高営業利益率は18%と、上記サブコン4社の平均9%を上回っています。配当政策としても、DOE(株主資本配当率)5%を掲げており前向きです。業績予想上方修正期待と合わせ、株価再評価の余地はありそうです。

テクニカル的には、今の所、25日移動平均線を下値支持ラインとして右肩上がりの形状です。ここから下値は、押し目買いの増加に期待したいところです。

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