市場予想が上昇中!?増益期待中小型10銘柄

投資情報部 鈴木 英之 栗本奈緒実
2025/06/18

当ページの内容につきましては、SBI証券 投資情報部長 鈴木による動画での詳しい解説も行っております。東証グロース市場・スタンダード市場の中小型株を中心に、好業績が期待される銘柄や、投資家の皆様が気になる話題についてわかりやすくお伝えします。
新興株ウィークリー
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市場予想が上昇中!?増益期待中小型10銘柄
東京株式市場が堅調です。日経平均株価は4/7(月)取引時間中の31,000円割れから、5~6月にかけては38,500円前後まで値を戻しそこで跳ね返される展開が続いていました。しかし6/18(水)取引時間中には38,500円を上回る展開となっており、保ち合い放れの様相を呈しています。足元では中東情勢が一時的な波乱をもたらしましたが、事態収拾への期待が高まりつつあるようです。
そうした中、東証スタンダード市場指数および同グロース市場指数はともに、本年高値を更新する動きが続いています。トランプ関税に絡む不透明感がぬぐい切れない中、グローバルなサプライチェーンの混乱に影響されにくい内需株が相対的に多いことや、市場全体としては業績拡大が期待できることが追い風とみられます。
今回の新興株ウィークリーでは、株価が堅調な東証スタンダード市場および同グロース市場上場銘柄の中で、市場予想業績が上昇中、すなわちアナリストの業績見通しが強き方向に傾いている銘柄を抽出すべく、スクリーニングを行ってみました。
①東証スタンダード市場、または同グロース市場に上場
②時価総額100億円超
③過去20営業日の平均出来高2万株超
④予想EPSを公表しているアナリストが2名以上
⑤市場予想EPS(Bloombergコンセンサス)が過去4週間で上昇
⑥今期・来期の市場予想が増収・営業増益
⑦取引所または日証金による信用規制・注意喚起銘柄を除く
図表の銘柄は、上記条件をすべて満たしています。掲載は、今期市場予想営業増益率が大きい順です。
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【参考】 6/10(火)~6/17(火)で株価上昇が大きかった東証グロース市場指数構成銘柄

市場予想が上昇中!?増益期待中小型10銘柄
取引 | チャート | ポートフォリオ | コード | 銘柄名 | 株価 (6/17・円) |
今期市場予想営業増益率 | 来期市場予想営業増益率 |
7803 | 7803 | 7803 | 7803 | ブシロード | 768 | 307.8% | 29.6% |
4419 | 4419 | 4419 | 4419 | Finatextホールディングス | 1,192 | 77.1% | 48.9% |
8572 | 8572 | 8572 | 8572 | アコム | 419.3 | 72.4% | 5.9% |
286A | 286A | 286A | 286A | ユカリア | 996 | 37.8% | 27.9% |
6677 | 6677 | 6677 | 6677 | エスケーエレクトロニクス | 2,553 | 20.9% | 1.4% |
6834 | 6834 | 6834 | 6834 | 精工技研 | 5,430 | 20.7% | 11.8% |
6547 | 6547 | 6547 | 6547 | グリーンズ | 2,271 | 20.5% | 9.1% |
6524 | 6524 | 6524 | 6524 | 湖北工業 | 2,430 | 8.3% | 17.2% |
7906 | 7906 | 7906 | 7906 | ヨネックス | 2,856 | 7.3% | 8.2% |
8871 | 8871 | 8871 | 8871 | ゴールドクレスト | 3,415 | 7.1% | 35.1% |
- ※Bloombergデータ、会社発表データをもとにSBI証券が作成。市場予想はBloombergコンセンサス。
一部掲載銘柄を詳細に解説!
■ユカリア(286A)~「医療経営相互支援」が中核。米社と提携した「生成AIエージェント」に期待
★日足チャート(6ヵ月)

★業績推移(百万円)

■「医療経営総合支援」等を通じ医療・介護を強固なインフラに
2005年に設立され、2024年に東証グロース市場に上場された会社です。病院の経営支援・運営支援を提供する「医療経営総合支援」事業を起点に、様々なサービスやプロダクトを開発・展開しています。各事業が連携し、「現場」を支えることで医療・介護という社会インフラを強固なものへ変えていくことを目指しています。
主力事業は「医療経営総合支援事業」で売上高の32%、営業利益(調整前)の81%(ともに24.12期)を占めています。提携医療法人(26病院)等に総合支援サービス、不動産賃貸、資金融資等を行い、経営指導料・支援報酬、DXサービス月額使用料、不動産賃料、利息等といったおもに経常的収益を得ています。
「シニア関連事業」は売上高の35%、営業利益の9%(同)を占め、上記経営支援と有機的関連性を有する介護施設の運営、入居相談、照会サービス等(対価は紹介料、入居費用)を行っています。また「高度管理医療機器事業」は子会社であるシンシア(7782・東証スタンダード市場)により展開され、長時間の装用でも瞳の酸素不足を防ぎ目への負担が少ない素材を採用したコンタクトレンズの製造・販売を行っています。
■25.12期も増収・営業増益を予想
25.12期は売上高237億円(前期比19%増)、営業利益29億円(同27%増)が会社計画です。
主力の「医療経営総合支援」では、提携医療法人数や外部コンサルティングサービスの増加を、「シニア関連」では、入居相談、施設紹介サービスの成長、事業譲受した新ホームの収益貢献が予想されています。
5/15に発表された25.12期1Q決算では、売上高46.7億円、営業利益3.5億円を計上。前年同期は四半期決算導入前のため比較はできませんが、「売上高は期初計画に対し堅調に推移」(会社資料)している模様です。
なお、子会社のシンシアは5/15付で業績予想を上方修正し、25.12通期会社計画営業利益を2.68億円→3.42億円としています。
■米Hippocratic AI社と業務提携
同社は5月に米Hippocratic AI社と業務資本提携を行いました。この会社は、23年5月に設立後、本年には早くもユニコーン(企業評価額10億ドル以上)の地位を獲得した企業です。
同社の事業は、生成AIを搭載した「エージェント」に、手術前ガイダンスや退院後フォローアップ、慢性疾患の日常ケア等、看護師やサポートスタッフが担当していた業務を任すことで人手不足に対応する仕組みです。人と比べて数十分の1のコストで利用できるとされています。
医療DXに貢献する業務資本提携になる可能性がありそうです。
■精工技研(6834)~データセンター向け製品も手掛ける精密機器メーカー。IR活動を強化中
★日足チャート(1年)

★業績推移(百万円)

■データセンター向け製品も手掛ける精密機器メーカー
1972年に金型の設計・製造業として創業した精密機器メーカーです。
80年代以降、CDやDVDの普及に貢献した「光ディスク成型用金型(CDやDVDを高精度で大量生産するための金型)」や、現在でも広く世界標準として採用されている「光コネクタ研磨機(光通信に使う部品の端を、正確に研磨するための機械)」など手掛け、成長を遂げてきました。
現在の事業はおもに以下の2つです。
▸精機関連事業:売上高構成比(25.3期)の46%を占め、車載用成形品や精密金型などを手掛けています。
▸光製品関連事業:売上高構成比(25.3期)は全体の54%に止まりますが、営業利益は全体の79%を占める稼ぎ頭です。近年需要が拡大中のデータセンター向けの光通信用部品や、光部品製造装置・測定機器など手掛けています。通信サービス会社などが顧客です。
アジアや欧米などに、子会社8社と関係会社3社を擁しており、海外売上高比率は、20.3期~24.3期まで、30%台後半から40%近辺で推移しています。
■営業利益、中計目標を2年前倒しで達成
旺盛なデータセンター(DC)需要を背景に業績は堅調です。直近業績(25.3期)は、売上高199億円(前期比26%増)、営業利益28億円(同167%増)と大幅増収増益でした。特に、営業利益は中計目標である「27.3期に25億円以上」を2年前倒しで達成した格好です。光製品部門の営業利益は、前期から約5.7倍となり業績拡大に貢献しました。26.3期の会社予想も同様に、売上高220億円(前期比10%増)、営業利益30億円(同6%増)と増収増益が維持される計画です。
DC市場の拡大は続く見通しです。DCサービスの国内市場だけでも、2029年予測で5.4兆円と2023年比147.4%まで拡大予測です(『データセンタービジネス市場調査総覧 2025年版 市場編』より)。また、生成AIは大量の計算のため、DC需要増加の大きな要因の一つとなります。Bloombergの試算によると生成AIへの支出額予想は、2032年までに1.80兆ドルと2024年実績の0.21兆ドルから8倍超まで拡大する見通しです。
DC関連銘柄という話題性に加え、受注や業績の伸長もあり2024年に株価は急騰しました。しかし、その後AI・DC関連の半導体株や電線株が下落し、連れ安していました。しかし、前述の直近決算内容が好感され、徐々に買い戻されています。当面は本年1月につけた年初来高値5,800円近辺の数字を抜けられるか否かが意識されます。
■IR活動を強化中
所有者別株式分布(25.3期期末時点)では、個人株割合が約62%と高水準です。東証スタンダード市場上場銘柄の所有者別割合で個人は平均49%(6/16時点、直近日経会社情報より集計)です。
5/14(水)に前期(25.3期)の本決算を発表後、5/20(火)に個人投資家向け会社説明会を実施。中期経営計画で掲げられた行動目標の一つに、個人投資家向けIRの強化があります。
IRの強化により、中長期的な投資スタンスの株主が増えてくれば、株価の安定化も期待できそうです。
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