自民党総裁選前に買いたい?中小型株8選

投資情報部 栗本奈緒実
2025/09/24

当ページの内容につきましては、SBI証券 投資情報部長 鈴木による動画での詳しい解説も行っております。東証グロース市場・スタンダード市場の中小型株を中心に、好業績が期待される銘柄や、投資家の皆様が気になる話題についてわかりやすくお伝えします。
新興株ウィークリー
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自民党総裁選前に買いたい?中小型株8選
9月第3週(9/16~19)の日経平均株価は、史上初となる終値ベースで45,000円を突破。東京株式市場の足元の堅調さの背景には、新政権への期待感が大きな要因の一つと考えられます。
石破首相が9/7(日)に辞任の意向を表明し、自民党総裁選が10/4(土)に投開票が行われます。9/22(月)に告示を迎え、5人の候補者が出揃いました。
世論調査では、高市・前経済安全保障担当相と小泉農林水産相が、 次期総裁にふさわしい候補として名前が挙がっているようです。調査媒体や対象期間によって結果は異なる場合もありますが、この2人のいずれかがトップに立っている状況と思われます。自民党総裁選の投票方式は、フルスペック方式のため、党所属の国会議員のほか、党員・党友会が投票権を有しています。国会議員票は、小泉氏がリードしているとの調査が見受けられます。同氏の出陣式には代理人含めた党所属の国会議員92人出席するなど(2024年5月総裁選で獲得した国会議員票は75票)、党内指示の強さを示しています。党員調査では未定層も多いとされ、確実視される候補はまだいません。
株式市場では、候補者の掲げる公約に関連性がある企業や分野の株が選好されています。複数の候補者が防衛・経済安保の強化を掲げていることから、石破首相の辞任表明以降、主力株では三菱重工業(7011)などの重工大手3社が同時に買われる場面も見られました。
今回の「新興株ウィークリー」では、上記の関連銘柄の中から、安定的な業績推移を見込む中小型株を抽出すべく、以下のスクリーニングを行ってみました。
・東証スタンダード市場または同グロース市場に上場
・売買高(25日移動平均)が2万株以上
・各種資料・報道等から、自民党総裁選候補者の公約等に関連性があるとみられること
・会社計画の予想売上高が前期比増益
・直近業績と今期会社計画の各利益項目に、いずれも赤字がないこと
・取引所または日証金、当社による信用規制・注意喚起銘柄を除く
今回紹介する銘柄は上記条件を全て満たしており、掲載は会社計画の増収率が大きい順です。なお、東証プライム市場に上場する自民党総裁選関連銘柄に関しては、9/26(金)の日本株投資戦略で紹介予定です
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【参考】 9/16(火)~9/22(月)で株価上昇が大きかった東証グロース市場指数構成銘柄

【銘柄一覧】自民党総裁選前に買いたい?中小型株8選
取引 | チャート | ポートフォリオ | コード | 銘柄名 | 株価 【9/22・円】 |
キーワード | 関連性 |
3446 | 3446 | 3446 | 3446 | ジェイテックコーポレーション | 1,255 | 半導体・先端/供給網(国産化・調達多元化) | 放射光用ミラー等の先端光学。先端製造・研究投資の拡大で需要波及 |
4019 | 4019 | 4019 | 4019 | スタメン | 1,294 | 人的投資・リスキリング(賃上げと人材投資) | 従業員エンゲージメントSaaS。賃上げ・人的投資促進で導入・拡張に追い風か |
4475 | 4475 | 4475 | 4475 | HENNGE | 1,745 | サイバーセキュリティ | ID連携・ゼロトラストのSaaS基盤。官公庁のゼロトラスト移行で採用拡大期待 |
3927 | 3927 | 3927 | 3927 | フーバーブレイン | 868 | サイバーセキュリティ | セキュリティ運用・製品。能動的サイバー防御や情報機関創設で需要拡大期待 |
5724 | 5724 | 5724 | 5724 | アサカ理研 | 1,260 | 半導体・先端/供給網(国産化・調達多元化) | レアメタル回収・再資源化。供給網国産化と資源循環政策の追い風 |
6946 | 6946 | 6946 | 6946 | 日本アビオニクス | 4,480 | 防衛・経済安保 | 防衛装備品が主力製品。防衛強化で監視・計測機器の受注機会増に期待 |
8226 | 8226 | 8226 | 8226 | 理経 | 430 | 防衛・経済安保 | 宇宙・航空・防衛産業向け商社。経済安保強化で官公需や監視システム需要を取り込み? |
9067 | 9067 | 9067 | 9067 | 丸運 | 646 | ガソリン税の旧暫定税率廃止 | 物流・倉庫中堅。旧暫定税率廃止で燃料負担減、運送採算改善に期待 |
- ※会社発表情報、各種資料・報道等から、候補者が掲げる公約との関連性があるとみられるもの
一部掲載銘柄を詳細に解説!
日本アビオニクス (6946)~防衛装備品が主力。防衛予算増額を背景に、受注残高が急増
★日足チャート(1年)

★業績推移(百万円)

■陸・海・空の防衛装備品が主力
情報システムが主業。売上高の約8割を占め、営業利益の大半を稼ぎ出しています(25.3期)。対空戦闘指揮装置や艦船の情報表示装置、自動警戒管制システムといった防衛装備品が主力製品です。また、JAXA(宇宙航空研究開発機構)の認定企業として、高速・高周波向けのハイブリッドICを供給しています。
一方、電子機器事業は売上の約2割を占めていますが、同年度は2.5億円の赤字となりました(同)。精密接合技術を強みに、スマートフォンやEV向けの接合ソリューションを提供。また、温度差や熱変化を可視化するサーモグラフィーを提供し、研究開発や製造現場、診断など幅広い分野で利用されています。
主要取引先として、日本電気、富士通、住商エアロシステムが挙げられます。それらの会社を通じ、防衛省向けに防衛装備品が納入されている格好です。
海上自衛隊艦船のうち、護衛艦50艦、潜水艦22艦、掃海艦艇21艦が運用中で、そのほとんどに同社製の情報表示装置が搭載されています(25.3期同社決算説明資料より)。
「遠距離攻撃(スタンド・オフ)」や「無人機活用」が重点領域になっている中、同社が得意とするセンサーや情報処理装置は欠かせない製品です。防衛費が増大された場合、受注機会の拡大が想定されます。
■防衛予算増額を背景に、受注残高が急増
23.3期までは2期連続での減収でしたが、直近の業績は防衛予算増額の追い風を受け、堅調な業績推移が続いています。
今期1Q(25.4-6月期)時点でも、同様の要因を背景に、売上高50億円(前年同期比23%増)、営業利益5.8億円(同79%増)と増収増益。また、将来の売上高につながる受注残高も両セグメントで大きく積み上がりました。特に、防衛装備品を扱う情報システム事業の期末受注残高が1Q末時点で324億円(同139%増)と貢献した形です。
自民党総裁選を経ても、防衛費増大の政策は継続が見込まれます。防衛関連需要を取り込む同社の業績拡大と、それに伴う株価上昇余地は、引き続き意識される局面にあると考えられます。加えて、防衛関連株の中でも重工大手と比べ、中小型銘柄は業績へのインパクトが大きく表れやすい点が特徴です。
HENNGE(4475)~ クラウドセキュリティサービス「HENNGE One」。ゼロトラストへの需要増が追い風
★日足チャート(1年)

★業績推移(百万円)

■クラウドセキュリティサービス「HENNGE One」。ゼロトラスト関連銘柄
クラウドセキュリティサービス「HENNGE One」等を提供。
同サービスは、会社で使用されるMicrosoft 365やGoogle、Salesforceなど多数のクラウドへの入り口を、一つにまとめながら、安全を守るサービスです。230超のSaaSに対応し、導入前後の手厚いサポートも強みとして挙げています(同社HPより)。
東証上場企業の同社サービス導入数は18.8%、導入企業数は3,290社に上り多様な業種・業態での導入実績を有します(25.6末時点)。
現在、民間企業をはじめ、官公庁でもゼロトラスト化への適用が掲げられています。従来のセキュリティシステムは、社内ネットワークに入れさえすれば信頼する境界防衛型が主流でした。しかし、クラウドの利用や在宅勤務が普及し「社内=安全」が成り立たなくなり、一度侵入されると内部で自由に動かれてしまうリスクが増えました。「ゼロトラスト」は使用するたびに確認を求められる仕組で、社内ネットワークに入った後もずっと見張りがあるようなイメージです。
2022年デジタル庁が政府情報システムへのゼロトラスト適用方針を策定。2025年には内閣サイバー(NISC)が統一基準群(令和7年度版)を決定するなどゼロトラスト志向の枠組みを継続して整備しています。
官公庁・自治体のゼロトラスト化は今後も進む見通しで、サイバー防衛の強化を重視する高市氏の路線とも整合しています。同社のようなIDaaS(ID管理をクラウドで提供するサービス)を提供する企業は、官公庁・自治体・企業の共通インフラ的ポジションになりやすい構成です。なお、2025/9/24時点で、中央官庁での導入事例は明確に提示されていませんが、自治体での導入実績は複数有しています。
■収益性の向上維持に期待
トップラインである売上高は前期(24.9期)まで7期連続で2桁台の増収を達成しています。
会社計画の今期(25.9期)業績計画は、予想売上高108億円(前期比30%増)、経常利益17億円(同75%増)と拡大が続く見通しです。
次回の決算発表は本決算にあたり、ARR(年間経常収益、サブスクの定期収入の土台)や、収益性の向上を維持できる否かに注目が集まります。売上高営業利益率は23.9期10%、24.9期12%と2桁台になり、今期予想数値は16%と大きく向上する見通しです。
※同銘柄は、9/26(金)が権利付最終日です。9/29(月)の権利落ち日以降に買い付けができても、配当等の権利を確保することはできませんので、ご注意ください。会社計画の配当金は1株当たり4円で、9/22(月)の終値に基づく予想配当利回りは0.23%です。
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