決算発表目前!上方修正・株高に期待の8銘柄

決算発表目前!上方修正・株高に期待の8銘柄

投資情報部 栗本奈緒実

2025/10/29

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決算発表目前!上方修正・株高に期待の8銘柄

10/27(月)の日経平均株価は史上初となる5万円台に到達し、AI・半導体関連など大型ハイテク株が上昇をけん引しました。

2025年度に入って以降の上昇率を比較すると、日経平均株価+41%、東証プライム市場指数+24%、東証スタンダード市場指数+18%、東証グロース市場指数+12%(期間:2025/3/31~2025/10/28)と大型株の優位が鮮明となっています。流動性や投資制約の観点から、機関投資家は時価総額の小さい銘柄を投資対象にしにくい面も影響しています。

一方、10月下旬に入り3月期決算企業の第2四半期決算発表が本格化。年度の半分を過ぎたことで、上期進捗の可視化を手掛かりに、関税や為替見通しなどにより保守的に策定された通期計画の見直し余地が意識されつつあります。

そこで、今回の「新興株ウィークリー」では、7-9月期決算発表で好業績・通期計画の上方修正が期待される銘柄を探してみました。

スクリーニング条件は下記の通りです。

・東証グロース市場、または東証スタンダード市場に上場

・売買代金(25日移動平均)が1億円以上

・売買高(25日移動平均)が2万株以上

・時価総額が100億円以上

・3月を決算期末とする企業で、11月以降に中間決算を発表予定

・会社計画の通期売上高が前期比10%以上

・1Q時点で経常利益が黒字

・1Q時点の売上高と経常利益の進捗率が、直近3期平均を上回っている

・取引所または日証金、当社による信用規制・注意喚起銘柄を除外

掲載は、経常利益1Q進捗率:直近-3期平均の進捗率(%pt)が高い順です。「今期1Q時点の通期計画に対する経常利益の進捗率(%)」-「直近3期の1Q時点の通期計画に対する経常利益の進捗率(%)」で計算され、数値が大きい方が今期業績が直近3期と比較し“良いペース”で業績が推移していることを示します。


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【参考】10/21(火)~10/28(火)で株価上昇が大きかった東証グロース市場指数構成銘柄

【銘柄一覧】決算発表目前!上方修正・株高に期待の8銘柄

取引 チャート ポートフォリオ コード 銘柄名 株価
【10/28・円】
次回の決算
発表予定日
経常利益1Q進捗率
直近ー3期平均の進捗率(%pt)※
3856 3856 3856 3856 Abalance 895 11/14(金) 36.7
5729 5729 5729 5729 日本精鉱 12,970 11/7(金) 28.8
6834 6834 6834 6834 精工技研 9,700 11/13(木) 13.5
1384 1384 1384 1384 ホクリヨウ 2,716 11/12(水) 11.2
6039 6039 6039 6039 日本動物高度医療センター 4,755 11/13(木) 10.8
1965 1965 1965 1965 テクノ菱和 5,380 11/7(金) 5.0
8769 8769 8769 8769 アドバンテッジリスクマネジメント 661 11/13(木) 4.7
5621 5621 5621 5621 ヒューマンテクノロジーズ 2,295 11/14(金) 2.0
  • ※会社発表データ、Quick Workstation Astra ManagerデータをもとにSBI証券が作成
  • ※経常利益1Q進捗率:直近ー3期平均の進捗率(%pt)は、「今期1Q時点の通期計画に対する経常利益の進捗率(%)」ー「直近3期の1Q時点の通期計画に対する経常利益の進捗率(%)」の数値

一部掲載銘柄を詳細に解説!

■日本動物高度医療センター(6039)~「家族化」で拡大するペット市場のけん引役?

★日足チャート(1年)

★業績推移(百万円)

■完全紹介制の動物病院、ジャーメック

一般(かかりつけ)の動物病院から完全紹介制で、ハイレベルな専門医療を提供する二次病院です。通称、JARMeC(ジャーメック):Japan Animal Referral Medical Center)で知られています。

2005年に川崎本院を設立。現在は、他に東京、名古屋、大阪の合計4院を運営。全国の動物病院の約36%に当たる4,000以上の動物病院と連携しています(25.3期末時点)。

二次診療は、売上高および営業利益の約7割を占める主力事業です。残りの約3割は、画像診断や、酸素ハウスなどの医療機器の販売・レンタルが占めています。

■「人間(家族)化」を背景に、拡大するペット市場

ペットの飼育頭数は、年々減少または横ばいで推移しています。しかし、国内のペット関連市場は、市場全体でも一貫して増加が想定されており、2027年度(予測)は2.02兆円と、10年前比で1.3倍超まで拡大する見込みです。(『ペットビジネスに関する調査を実施(出典:2025年・矢野経済研究所)』)

ペットの数が減るのに市場拡大が期待される背景には、「ペットの家族化」の進行があります。

ペットの家族化:ペットの飼い主がペットを家族の一員のように扱い、より高品質な製品やサービスのために進んで支出することを指します。

毎月当たりの獣医にかかる医療費の平均支出(犬1頭)は、

2019年:3,951円 → 2024年:4,894円 と1.2倍超まで増加。

平均寿命も

犬 2010年:13.87歳 → 2024年14.90歳

猫 2010年:14.36歳 → 2024年15.92歳 と伸びています。

(出典:『令和6年(2024年)全国犬猫飼育実態調査』より)

また、総務省の家計調査でも、ペット関連サービスに関する支出の増加が長期的に確認されています。餌のみならず、医療・トリミングなどの分野でも、プレミアム・ヘルス志向が強まっている傾向です。

■業績は拡大傾向、九州・福岡エリアでも新病院開業予定

今期(26.3期)は成長投資を拡大させ、来期(27.3期)から成長スピードを向上させる戦略です。

成長戦略の一つ目である地理的拡大では、福岡への新規進出(土地取得 の契約締結 済み)と、名古屋のリニューアル(診察能力2.5倍に拡大)予定で、28.3期から増収に寄与する見通しです。

■四半期利益とKPIは過去最高を更新

26.3期1Q(25.4-6月期)には、売上高・各利益、重要なKPIである初診数・総診療数・手術数の全てで、四半期として過去最高を更新。

価格改定を行い診療数を保守的に見ていましたが、需要超過が恒常化している格好です。

同決算発表と同時に通期業績計画の上方修正を実施し、株価は大幅上昇しました。10/28(火)時点で、予想PERは約20倍、PEGレシオ(経常ベース)はほぼ1倍と適正水準です。そのため、業績見通しの拡大が再び行われた場合、上値の更新余地も残ってるといえるでしょう。

次の決算発表予定日は11/13(木)です。

■テクノ菱和(1965)~“空調と水回り”のインフラを作る設備エンジニアリング会社

★日足チャート(1年)

★業績推移(百万円)

■空調と水回りの設備エンジニアリング

工場・病院・オフィスの“空調と水回り”のインフラを作る設備エンジニアリング会社です。

空調・換気・給排水を設計~施工~保守までを一気通貫で担っています。

半導体や医薬品など高い清浄度が求められる工程で使う専用空間である「クリーンルーム」分野に、創業時の1960年代から取り組んでおり、自社の強みとしています。

海外からの受注はほとんどないため、国内の設備投資需要の影響を受けやすい点が特徴です。


4-6月期の受注減は「一過性」?

直近1Q(4-6月期)では、売上高は204億円(前年同期比26%増)、経常利益は24億円(同184%増)と大幅増益を達成。しかし、将来の売上となる受注高が前年同期比18%以上減少しました。半導体関連などの複数の大型物件を前年同期に受注したため、その反動あったと会社側は説明しています。

国土交通省『設備工事業に係る受注高調査/管工事(*同社主業の建設業法の区分)』によると、民間受注(25年4月~7月)は4カ月連続で前年比2桁台以上の増加と、市場全体では堅調基調を維持している格好です。

■業績予想の上方修正を実施。PEGレシオ0.35

9/30(火)には、旺盛な需要や生産性の向上などを背景に、通期(26.3期)業績計画の上方修正を実施し、成長余地を織り込みました。

10/28(火)時点で、株価は上場来高値の更新トレンドを追っています。しかし、予想PER11.4倍に対するPEGレシオ(経常ベース)は0.35と、割安水準の1未満を大きく下回っています。

次回の決算発表予定日は、11/7(金)です。

新着記事(2025/10/29)

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