2026年のテンバガー候補銘柄5選
投資情報部 栗本 奈緒実
2025/12/17
当ページの内容につきましては、SBI証券 投資情報部長 鈴木による動画での詳しい解説も行っております。東証グロース市場・スタンダード市場の中小型株を中心に、好業績が期待される銘柄や、投資家の皆様が気になる話題についてわかりやすくお伝えします。
新興株ウィークリー
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2026年のテンバガー候補銘柄5選
2025年も終盤を迎えています。足元の株式市場では、米労働市場への先行き懸念等を背景に、12/16（火）の日経平均株価は終値で5万円を割り込みました。
一方、2025年が始まってからを確認すると、日経平均株価の騰落率は+27.4％です（2024年末の終値と2025/12/12終値を比較）。年末までまだ約2週間を残していますが、株式市場が全体的に堅調なパフォーマンスとなった年だったと考えられます。
市場別に確認すると、同期間の騰落率は、東証プライム市場：+23.0％、東証スタンダード市場：+18.7％、東証グロース市場：+4.7％と、大型株優位の形となりました。新興株ウィークリーで対象となる中小型のグロース株にとっては、相対的には伸び悩んだ1年だったと言えるでしょう。
そのような中、好パフォーマンスを発揮した中小型グロース株もありました。そこで、今回の「新興株ウィークリー」では、2025年に活躍した銘柄の中から、2026年成長期待のテンバガー候補銘柄を探してみました。
スクリーニング条件と手順は以下の通りです。
・東証グロース市場に上場
・時価総額100億円以上
・売買高移動平均（25日）が2万株以上
・取引所または日証金、当社による信用規制・注意喚起銘柄を除外
この中から、「2025年に上昇率が大きかった銘柄上位20銘柄（2024/12/30終値と2025/12/12終値を比較） 」を残し、
・前期経常利益が1億円以上
・今期会社予想が増収
・今期会社予想が増益率が20-100％（PEGレシオが低くなりやすくならないように）
・PEGレシオ※が2以下
※PEGレシオとは、成長も加味して株価が割高か割安かを判断する指標。PER ÷ 予想成長率で計算される。本稿のPEGは、「予想PER/今期会社予想の経常増益率」で計算
抽出された銘柄は、以上の条件をすべて満たします。
▹ 掲載は、時価総額が大きい順です。
【参考】 12/9（火）～12/16（火）で株価上昇が大きかった東証グロース市場指数構成銘柄
【銘柄一覧】 2025年活躍！2026年のテンバガー候補銘柄5選
| 取引 | チャート | ポートフォリオ | コード | 銘柄名 | 株価 【12/12・円】 |
2025年の株価上昇率 （2024/12/30～2025/12/12） |
| 7806 | 7806 | 7806 | 7806 | ＭＴＧ | 4,765 | +128.1% |
| 4013 | 4013 | 4013 | 4013 | 勤次郎 | 1,214 | +197.5% |
| 7409 | 7409 | 7409 | 7409 | ＡｅｒｏＥｄｇｅ | 5,650 | +224.2% |
| 9553 | 9553 | 9553 | 9553 | マイクロアド | 575 | +153.3% |
| 6039 | 6039 | 6039 | 6039 | 日本動物高度医療センター | 1,070 | +125.2% |
- ※会社発表データ、Quick Workstation Astra Managerデータ、各種報道等を基にSBI証券が作成
- ※ＡｅｒｏＥｄｇｅ（7409）は、12/26（金）を権利付最終売買日として1：3の株式分割を予定
- ※日本動物高度医療センター（6039）は、12/12（金）を権利付最終売買日として1：5の株式分割を実施しており、表の株価【12/12・円】は当該分割を調整した株価。
- ※ＡｅｒｏＥｄｇｅ（7409）は、12/26（金）を権利付最終売買日として1：3の株式分割を予定
一部掲載銘柄を詳細に解説！
■ＭＴＧ （7806）～美容・健康医療のファブレスメーカー。「ReFa」は新製品やリピート品の販売好調、チャネルも多様化
★日足チャート（1年）
★業績推移（百万円）
■「ReFa（リファ）」等を展開。美容・健康領域のファブレスメーカー
美容・健康領域のファブレスメーカー。ドライヤーやシャワーヘッドなど美容機器で人気「ReFa（リファ）」や、体に貼るだけでトレーニングの効果を得るEMS機器「SIXPAD（シックスパッド ）」などのブランドを手掛けています。
小売店や美容サロンでの販売の他、宿泊施設やジムでの製品設置による体験型マーケティングなど複数チャネルで販売を拡大している点が特徴です。
シャンプーやオイル製品等、リピート購入が期待される低価格帯商品の展開など、商品・顧客層の拡大にも注力しています。他には、リカバリーウェアブランド「ReD（レッド）」の展開など睡眠時間の減少を背景に、拡大が見込まれる市場にも、2025年7月に新規参入しました。
■“おうち美容”への需要を背景に、美容家電の市場は成長予想
同社の事業領域である、美容家電市場は、“おうち美容”への需要などを背景に拡大が見込まれています。中でも、同社主力製品であるドライヤーはAI温度制御など、高機能・高価格帯製品の投入も進んでおり、2025年～2033年の間に年平均成長率（CAGR）6.80％が予測されています（出所：IMARC Group「日本ヘアドライヤー市場規模、シェア、動向および種類、用途、流通チャネル、地域別予測2025年〜2033年」）。
■ReFaがけん引し、業績堅調。今期も過去最高を更新予定
前期（25.9期）は売上高988億円（前期比37％増）と過去最高を更新し、経常利益107億円（前期比2.9倍）と大幅増益となりました。イベントやギフトシーズンでの集客増、新型ヘアアイロンなどの新製品の投入、専門店・ドラッグストアでの展開拡大など、多様な施策が奏功した格好です。また、ReFaがけん引する形で、国内市場はリテールを中心に新製品・リピート品など製品全般的に販売が堅調でした。
今期（26.9期）の業績計画も、売上高1,200億円（前期比21％増）、経常利益130億円（同11％増）といずれも大幅増収増益で過去最高実績の更新を予想しています。
■マイクロアド （9553）～「データ×広告」。TikTok Shop関連ビジネス拡大？
★日足チャート（1年）
★業績推移（百万円）
■「データ×広告」。サイバーエージェント系企業
データに基づいたネット広告の最適化サービスや、コンサルティングサービスなどを提供する企業。顧客は、広告主や広告代理店、メディア等です。2022年に東証グロース市場に上場しました。
サイバーエージェント（4751）の社内事業を前身として設立され、現在も同社が議決権の48％超を保有する持分法適用会社です（25.3期末時点）。
同社が運営・提供を行うデータプラットフォーム「UNIVERSE」にあるデータ保有企業やメディアとの契約数は220以上に上ります（出典：「 事業計画及び成長可能性に関する事項」2025年11月）。提供元のデータ保有企業からデータの提供を受けています。顧客から得た収益である広告費は、データ契約企業との契約に基づき按分される構造です。膨大なデータを活用しているため、多岐にわたる業界でのプロダクト開発が可能な点が特徴であり、強みと言われています。
直近業績は前期（25.9期）は期中に2回の通期計画の上方修正を実施。さらに、通期実績も事前予想を上振れました。
■海外・地方自治体を含めた事業拡大！ TikTok Shop関連ビジネス拡大？
TikTok Shopの「公式認定パートナー」として、出店支援や販促支援なども担っています。TikTok Shopは「TikTokアプリ内」において、ライブコマースで販売を行うサービスです。
他SNSでメジャーな従来のライブコマースは、顧客を外部リンクを経由しECサイトに飛ばす仕組みです。一方、TikTok Shopは、アプリ内で決済まで完了するためコンテンツとECが完全に一体化している一枚岩の構造が強みです。
欧米や中国など海外では、TikTok Shopは既に市場で存在感を見せています。TikTok Shop米国における売上規模は、2023年（2023年7月〜同年12月）が約12.5億ドル、2024年（2024年1月〜同年12月）が約80.1億ドル（約1兆1,850億円）となり、日本円ベースで年間1兆円超の市場規模となりました（出典：Momentum Works, Tabcut「TikTok Shop in the U.S. 2024」「TikTok Shop in the U.S. H1 2025」）。
日本では、2025年6月に満を持してTikTok Shopが本格展開を開始。同社はこれに合わせ、同月にライブコマースに特化した『TikTok Shop』総合支援の専門子会社『UNIVERSE PULSE』を設立しました。また、企業支援や販促のための新番組（25年12月開始）を立ち上げました。他には、市場に先行しノウハウを有する中国企業と合弁会社を設立。地方自治体と共同し、TikTokコマースの実施等を行っています。
そのほか、海外では中国・インドネシアの現地企業を2026年1月に連結子会社化予定など、海外を含めた積極的な規模拡大を図っている最中です。また、広告ツールの多様化で、「どのツールを使用するのが効果的か」等のデータ×広告の交通整理役への需要は高まると予想されます。
成長期待市場で投資が進んでおり、人員増加やM＆Aも積極的に行っているようです。2026年以降の業績拡大を見据え、種まきをしている企業といえるでしょう。
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