「総選挙」「地政学的リスク」で再注目!? 防衛・造船7銘柄

「総選挙」「地政学的リスク」で再注目!? 防衛・造船7銘柄

投資情報部 鈴木 英之

2026/01/21

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「総選挙」「地政学的リスク」で再注目!? 防衛・造船7銘柄

2026年の東京株式市場は好調なスタートを切りました。米国株高が追い風となったことに加え、日本で早期解散・総選挙の観測が台頭し、政権安定化や政策実現への期待が高まり、株高が加速しました。日経平均株価は1月14日には、終値ベースで過去最高値となる54,341円まで上昇しました。


1月14日に高市首相が自民党と日本維新の会の幹部に対し、通常国会(1月23日召集)冒頭に衆議院を解散する意向であることが報じられました。多くの報道で、2月8日(日)の総選挙が有力視されました。1月19日には高市首相から正式にこれらの選挙スケジュールが発表されました。総選挙では、新しい連立の枠組みや「責任ある積極財政」に加え、防衛力強化に向けた安全保障関連3文書改定について、国民の信を問う形になりそうです。


株式市場では、総選挙を控えた段階では「国策テーマ」が強く意識される傾向にあります。与党勝利シナリオが優勢になるにつれて、防衛力強化や海洋安全保障は確実に加速しそうです。2026年度予算案では、防衛費が過去最高水準(8.8兆円)に達する見込みです。広く防衛関連銘柄に加え、艦艇・潜水艦・輸送船など海洋防衛力の整備に直結する造船関連企業は、政策予算の恩恵を長期的に受けやすい状況です。米国のトランプ大統領がグリーンランド領有を主張し始めるなど、地政学的リスクは2026年を通じ株式市場で意識され、防衛関連銘柄への注目が続く可能性もありそうです。


こうした中、先週の「日本株投資戦略(解散・総選挙は追い風?防衛・造船関連銘柄)」では、日本の安全保障と深い関わりを有する「防衛」および「造船」に関する銘柄を抽出し、ご紹介しました。今回の「新興株ウィークリー」はその中小型株版として、以下のスクリーニングを行いました。


・東証グロース市場またはスタンダード市場に上場
・時価総額1,000億円未満
・事業内容から「防衛」または「造船」に関係ある銘柄と判断されること
・直近四半期(累計)営業利益が前年同期比で増益または黒字転換  ※直前決算が本決算の場合は前期営業利益
・信用規制・注意喚起銘柄を除外


図表の銘柄は上記条件をすべて満たしています。掲載はコード番号順です。





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「総選挙」「地政学的リスク」で再注目!? 防衛・造船7銘柄

取引 チャート ポートフォリオ コード 銘柄名 株価
【1/20・円】
投資のポイント
6208 6208 6208 6208 石川製作所 1,644 防衛機器の売上高(2025年3月期)が全体の68%を占める
6469 6469 6469 6469 放電精密加工研究所 3,435 三菱重工業と資本業務提携。防衛装備品の大幅増産を計画
6493 6493 6493 6493 NITTAN 784 防衛省向けに防災設備・消火設備を供給。米軍への納入実績も
6637 6637 6637 6637 寺崎電気産業 4,560 大型船舶内の発電システムやエンジン等を安定稼働させるシステムを供給
6838 6838 6838 6838 多摩川ホールディングス 769 高周波無線機器の販売・製造。沿岸監視設備向け製品が防衛向け
6946 6946 6946 6946 日本アビオニクス 5,630 防衛整備品が主力の情報システム機器が売上高(2025年3月期)の約8割を占める
7018 7018 7018 7018 内海造船 16,500 従来のカーフェリー建造に加え、近年は防衛省向け造船も強化。南西諸島防衛に貢献
  • ※BloombergデータをもとにSBI証券が作成。「投資のポイント」は会社資料、各種報道等をもとに作成。

一部掲載銘柄を詳細に解説!

■石川製作所(6208)~防衛機器がまさに主力業務

防衛機器が売上高の68.5%(2025年3月期)を占めています。機雷や地雷等の待受型迎撃装備を主力とし、そのほか、ダンボール製函印刷機や受託生産事業も展開しています。

防衛機器事業は古い歴史を有しています。1936年に政治・経済ともに戦時色が強まる中、それまでの繊維機械産業から軍事産業へ転換を図ることになりました。1939年には国の方針に従い全面的に軍事生産に転換。以後終戦に至るまで機雷、爆雷などを生産していました。戦後は1953年頃から兵器の国産が進められるとの情報により防衛機器部門への進出を決意。1954年に保安庁(防衛庁の前身)が設立されると、その要請に応じ、温存していた技術者や工場施設を活用する一方、研究開発施設を設立しました。

売上高(2025年3月期)の47.4%が防衛省向け、同11.1%が三菱重工向け(防衛機器)です。本来は海上・陸上自衛隊が取引先でしたが、2017年にFDR(フライトデータレコーダー)を製造販売する会社を買収し、航空自衛隊へも販路が拡大しました。

昨年11月7日に発表された2026年3月期第2四半期累計(2025年4月~9月)は売上高74.4億円(前年同期比22.8%増)、営業利益4.6億円(同46.6%増)と大幅増収増益でした。主力の防衛機器部門が大幅に伸長しました。ただ、同四半期累計期間(上半期)に予定していた売上高が下期に先送りされたため、期初予想を下回りました。2026年3月期(通期)は期初予想と変わらずで、売上高190億円(前期比17.3%増)、営業利益10億円(同44.4%増)が会社計画です。


■日本アビオニクス(6946)~「遠距離攻撃(スタンド・オフ)」や「無人機活用」を支える情報処理装置等を提供

情報システムが主業。売上高の約8割を占め、営業利益の大半を稼ぎ出しています(2025年3月期)。対空戦闘指揮装置や艦船の情報表示装置、自動警戒管制システムといった防衛装備品が主力製品です。また、JAXA(宇宙航空研究開発機構)の認定企業として、高速・高周波向けのハイブリッドICを供給しています。残りは電子機器事業です。
主要取引先として、日本電気、富士通、住商エアロシステムが挙げられます。それらの会社を通じ、防衛省向けに防衛装備品が納入されている格好です。海上自衛隊艦船のうち、護衛艦50艦、潜水艦22艦、掃海艦艇21艦が運用中で、そのほとんどに同社製の情報表示装置が搭載されています(2025年3月期同社決算説明資料より)。
「遠距離攻撃(スタンド・オフ)」や「無人機活用」が重点領域になる中、同社が得意とするセンサーや情報処理装置は欠かせない製品です。防衛費の増大が見込まれ、受注機会の拡大が想定されます。

昨年10月29日に発表された2026年3月期第2四半期累計(2025年4月~9月)は売上高127億円(前年同期比39.5%増)、営業利益19.7億円(同72.1%増)と大幅増収増益でした。主力の情報システム事業が大幅増収増益となり、受注高・受注残も伸びました。会社側は2026年3月期会社計画を売上高225億円→250億円(前期比24.2%増)、営業利益32億円→40億円(同43.1%増)と上方修正しました。総選挙を経ても、防衛費増大の政策は継続が見込まれます。防衛関連需要を取り込む同社の業績拡大と、それに伴う株価上昇余地は、引き続き意識される局面にあると考えられます。加えて、防衛関連株の中でも重工大手と比べ、中小型銘柄であり、業績へのインパクトが大きく表れやすい点が特徴です。



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