開催直前!盛り上がりに期待のサッカーW杯関連銘柄は?

開催直前!盛り上がりに期待のサッカーW杯関連銘柄は?

投資情報部 鈴木 英之/栗本 奈緒実

2022/11/18

開催直前!盛り上がりに期待のサッカーW杯関連銘柄は?

11/20(日)、いよいよサッカーW杯がカタールで開幕し、12/18(日)までの大会開催期間は熱戦を繰り広げる予定です。

カタールはアラビア半島の東部にある、面積11,427平方キロメートル、秋田県よりやや狭い小さな半島国家です。サウジアラビアに隣接し、ペルシャ湾を挟みイランと接しています。ロシア・ウクライナ戦争で話題の天然ガス(LNG)では、世界最大級の輸出国です。日本にとっても原油や天然ガスの大切な資源調達先です。日本は世界最大級の天然ガス輸入国であり、カタールにとって日本は主要な輸出相手国となっています。人口は約280万人(2020年6月/カタール開発計画・統計庁)で大阪市(275万人/2022年11月・大阪市)と同程度です。

カタールの首都はドーハです。日本のサッカー史上あまりにも有名な「ドーハの悲劇」はこの都市で起きました。1993/10/28、翌年の米W杯での悲願の初出場を勝ち取るべく最終予選まで勝ち進んだ日本は、出場まであと1勝とし、最終節でイラクと対戦し、リードして後半45分まで進みました。しかし、ロスタイムの時間に同点ゴールを許し、最後の最後でW杯出場を逃してしまいました。

日本は、1994年米大会の次、1998年のフランス大会以来、今回で7回連続の出場となっています。日本は予選E組に属し日本時間11/23(水)22時にドイツ、11/27(日)19時にコスタリカ、12/2(金)4時にスペインと対戦する予定です。対戦国のうち、ドイツは過去優勝4回(西ドイツ時代を含む)、スペインは1回の強豪国で、予選E組は勝ち上がることが難しい「死の組」と言われています。正直、W杯直前での盛り上がりに欠ける印象はありますが、通常ならば決勝シリーズに進まないと対戦できない国と対戦できる訳で、一定の盛り上がりをみせることが期待できます。仮に、ドイツやスペインに勝つようなことがあれば、かなりの盛り上がりになる可能性もありそうです。

いずれにせよ、世界トップクラスの選手がぶつかり合う4年に1度の大会は世界中の人々の関心を集めると思われます。株式市場でも改めて注目される可能性がありそうです。

図表1は、SBI証券銘柄検索ウインドウへ「サッカー」「ワールドカップ」と入力して得られた銘柄や、各種報道等をもとに、株式市場で「サッカーW杯関連銘柄」として紹介されている銘柄を、やや網羅的に集めてご紹介したものです。ただ、1日当たりの平均出来高(11/16までの20営業日)が5万株未満の銘柄を除き、前期実績および、今期会社予想の純利益が黒字の銘柄に絞りました。

図表1 盛り上がりに期待のサッカーW杯関連銘柄は?

取引 チャート ポートフォリオ コード 名称 株価(11/16) 前期純利益
(百万円)
今期会社予想純利益(百万円) サッカー・W杯との関係
2503 2503 2503 2503 キリンホールディングス 2,128 59,790 134,000 日本サッカー協会とオフィシャルパートナー契約(基本合意)
3034 3034 3034 3034 クオールホールディングス 1,138 5,489 6,500 日本障がい者サッカー連盟とパートナーシップ契約
3911 3911 3911 3911 Aiming 454 1,170 620 コナミより「実況パワフルサッカー」の開発・運営受託
4324 4324 4324 4324 電通グループ 4,490 108,389 94,500 日本サッカー協会と「JFAパートナーシップ契約」(基本合意)
4676 4676 4676 4676 フジ・メディア・ホールディングス 1,029 24,879 27,000 12/2の日本対スペイン戦を生放送
4751 4751 4751 4751 サイバーエージェント   1,244 24,219 15,000~20,000 テレビ朝日と出資の「ABEMA」が全64試合無料放送
4839 4839 4839 4839 WOWOW 1,236 4,239 1,600 国内外のサッカー試合を幅広く放映
6758 6758 6758 6758 ソニーグループ 11,390 882,178 840,000 サッカーの審判補助システムを開発、採用が進む
7033 7033 7033 7033 マネジメントソリューションズ 3,605 678 832 日本障がい者サッカー連盟(JIFF)とパートナー契約
7676 7676 7676 7676 グッドスピード 2,033 381 620 広範にスポーツ支援。名古屋グランパス他を支援
7780 7780 7780 7780 メニコン 2,841 6,481 6,800 日本クラブユースサッカー東西対抗戦(U-15)特別協賛
8022 8022 8022 8022 美津濃(ミズノ) 2,683 7,717 8,500 スポーツ用品。サッカースパイク等を販売
8114 8114 8114 8114 デサント 3,435 6,229 10,000 スポーツ用品。ウェア、ユニホーム等を販売
9270 9270 9270 9270 バリュエンスホールディングス 2,701 969 1,300 関東1部リーグ「南葛SC」のメインパートナー
9409 9409 9409 9409 テレビ朝日ホールディングス 1,323 20,999 17,000 日本対コスタリカ戦放映予定。「ABEMA」に出資
9561 9561 9561 9561 グラッドキューブ 854 201 312 スポーツメディア「SPAIA」を展開
9766 9766 9766 9766 コナミグループ 6,720 54,806 55,000 Aimingに「実況パワフルサッカー」の開発・運営委託
  • ※Bloomberg、会社データ等、当社検索ウィンドウ、各種報道等をもとにSBI証券が作成。掲載はコード番号順。
  • ※バリュエンスホールディングス(9270)は貸株注意喚起銘柄(11/18時点)に指定されていますので、ご注意ください。

掲載銘柄の投資ポイント

ソニーグループ(6758)~電子機器からゲーム、音楽、映画等に拡大。サッカーでは審判支援システムが活躍

★週足チャート(過去3年)

  • ※データは2022/11/18(週足)9:30時点。
  • ※当社チャートツールを用いてSBI証券が作成。
  • ※上記は過去の実績であり、将来の運用成果を保証または示唆するものではありません。

★通期業績推移(百万円)

  • ※当社Webサイトの業績表示ツールをもとに、SBI証券が作成。

■第2四半期発表時に業績予想上方修正

当社は電子機器の開発・生産を祖業とし、現在ではゲーム、音楽、映画、金融等の幅広い事業に進出している会社です。

売上(カッコ内は営業利益)構成比(23/3期・上半期・全社費用及びセグメント間取引消去前)は

ゲーム&ネットワークサービス・・・25.6%(13.9%)
音楽・・・12.9%(20.4%)
映画・・・13.1%(11.5%)
エンタテインメント・テクノロジー&サービス・・・23.7%(19.2%)
イメージング&センシング・ソリューション・・・12.3%(14.0%)
金融・・・11.6%(19.9%)

となっています。

2023/3期の会社予想営業利益は第1四半期決算発表時(7/29)に1兆1,100億円でしたが、11/1(火)の第2四半期発表時に1兆1,600億円(前期比3.5%減)に上方修正されました。

第1四半期決算発表時点では第2四半期以降の前提ドル・円レートを1ドル130円に設定していましたが、第2四半期決算発表時に下期の同レートを140円に変更しました。円安進行時に製造コスト増となりやすいゲーム&ネットワークサービスに悪影響が想定されますが、音楽、映画、イメージング&センシング・ソリューションは円安メリットが追い風になりそうです。


■サッカーをVARで革新?

サッカーを含む多くのスポーツでは、試合の微妙な局面を映像で確認し、主審に伝えて判定を手助けするビデオ・アシスタント・レフェリー制度(VAR)が本格的に導入されるようになりました。このシステムを担うのは英国のホークアイ・イノベーションズですが、実はこの会社はソニーグループ(6758)の傘下企業です。

ホークアイ・イノベーションズのゴール判定技術は、2018年のロシアW杯で初めて採用されました。ブラジル代表のネイマール選手が反則を受け、一度PK(ペナルティキック)判定されたものの、VARにより判定が取り消されるという出来事も起きました。FIFAによれば、ロシアW杯での64試合のうち、判定が覆された例が17回あったようです。

2022年のカタールW杯では、サッカーにおけるオフサイド判定について「半自動的システム」を採用することを、FIFAが決定しています。

近年、日本のスポーツ産業は、海外に比べて市場成長の面で後れを取っていると言われます。その理由のひとつは、海外勢がインターネットをはじめ、テクノロジーの活用に積極的で、その面で日本が遅れていると考えられているためです。遅れをとっていると称される日本市場の中でも、ソニーグループはスポーツテックの分野で、有力なプレイヤーになりそうです。

なお、ソニーグループは「感動」と「人」を軸にした長期視点で経営を行うとしています。VARに象徴されるスポーツテックは、そうした長期視点に合致したビジネスであると考えられます。

※ソニーグループ(6758)は、SBI証券企業調査部も調査対象にしています。近況については、以下のレポートをご参照ください。

業績アップデート:ゲーム、半導体の動向を引き続き注視したい(2022/11/15付)

コナミグループ (9766)~世界的人気のサッカーゲーム

★週足チャート(過去3年)

  • ※データは2022/11/18(週足)9:30時点。
  • ※当社チャートツールを用いてSBI証券が作成。
  • ※上記は過去の実績であり、将来の運用成果を保証または示唆するものではありません。

★通期業績推移(百万円)

  • ※当社Webサイトの業績表示ツールをもとに、SBI証券が作成。

■「エンタテインメント」と「スポーツ」

当社はゲームコンテンツ等を手掛ける「エンタテインメント」とスポーツジム運営等を行う「スポーツ」、主にこれら2つの分野で事業展開をしている企業です。

1969年に創業され、1973年からメダルで遊ぶ業務用ゲーム機器の製造を開始しました。以降、家庭用ゲームソフトやモバイルゲーム等、時代の変化を敏感にとらえながら新しいコンテンツを手掛け続け、今に至ります。

昨今、ゲームを競技として行う「eスポーツ」が盛上りを見せています。当社はeスポーツに対する取り組みに早期から注力しており、新たなユーザー体験の創出に取り組んでいます。大会の開催も積極的に行っており、2020/4にはプロeスポーツプレイヤーを目指すためのスクールを開校し世間で話題となりました。


■大人気サッカーゲーム『eFootball(旧ウイイレ)』  久保選手とパートナー契約を結ぶ

大人気サッカーゲームシリーズ『eFootball(旧:ウイニングイレブン)』は、当社を代表するコンテンツの1つです。全世界でシリーズ累計販売本数1億1,250万本超*、モバイルゲームの累計ダウンロード数も5億超*と1995年の発売以降、世界各地で人気を誇っています。同シリーズでは、次世代を担う若手サッカー選手のサポートに取り組んでおり、2021/3にはカタールW杯で日本代表に選ばれた久保建英選手とパートナーシップ契約を締結しています。

11/2(水)に発表された2023/3期第2四半期決算では、今冬は世界的にサッカーに対する注目度、熱量が高まると予想し、『eFootball(旧ウイイレ)』に関して新機能の追加やコンテンツの拡充を続ける方針を示しています。直接的な言及ではなかったものの、間もなく開催予定のカタールW杯が連想されるような内容でした。

(*販売本数は2022/9末時点、ダウンロード数は2022/3時点のもの。企業HPより参照)

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