NISA活用も!20万円未満で買える「8月優待銘柄」は生活応援型?

NISA活用も!20万円未満で買える「8月優待銘柄」は生活応援型?

投資情報部 鈴木 英之

2023/07/28

NISA活用も!20万円未満で買える「8月優待銘柄」は生活応援型?

日経平均株価は6/19(月)取引時間中高値33,772円、および7/3(月)同高値33,762円がダブルトップの形状となりました。その後は、ネックラインとなる6/27(火)取引時間中安値32,306円や25日移動平均線を割り込んだことから、チャート的には調整局面となっています。足元は低下傾向に転じた25日移動平均線に上値を抑えられながら一進一退の展開になっています。

もっとも、上記の6/19(月)高値33,772円から7/12(水)取引時間中安値31,791円まで、下落率は5.9%にとどまっており、急騰後のスピード調整の域を出ていないように見受けられます。

そうした中、7月下旬から決算発表が本格化しています。今の所発表社数は限定的ですが、市場予想を上回る四半期決算を発表している銘柄が多いようにみられ、今後も決算発表が多くの銘柄にとって「好材料」になると期待され、それらを好感する形で株価反発が本格化する可能性もありそうです。

ちなみに、これから決算発表を迎えるのは、決算月が3月、6月、9月、12月の銘柄が中心です。今に先立つ7月中旬にかけては、2月、8月等の決算の銘柄が中心でした。株式市場では、決算発表を終えた2月、8月決算の銘柄も物色されているようです。決算発表の終了で業績変動リスクがいったん後退したこと、好業績銘柄が多く、再評価されるタイミングになっていること等が要因と考えられます。小売・外食等に属す銘柄が多く、経済の正常化や、インバウンド需要の回復、値上げ効果等が追い風になったようです。

今回の「日本株投資戦略」では、8月に権利確定日を迎える「株主優待銘柄」についてご紹介します。8月優待銘柄は、決算月が2月、または8月の銘柄がほとんどすべてであり、小売・外食に属す銘柄が多くなっています。これらの業界を取り巻く環境が総じて改善していることは「優待ファン」の投資家にとっても安心材料になるでしょう。「衣」「食」に関連する生活密着型の銘柄が多く、有利な価格・条件でこれらの銘柄の商品やサービスを経験できることも、魅力となっています。

なお、権利付最終日に優待実施銘柄を買い、権利落ち日に売ることで、効率良く株主優待の権利獲得を考える投資家の方もいらっしゃいます。ここで注意すべき点は、買い付ける時の株価が予想外に高くなったり、売る時の株価が予想外に安くなったりなど、相当額の売却損がでてしまうケースです。配当取りも同様で、権利落ち日には配当実施分だけ株価が下がることが多くなっています。ノーコスト・ノーリスクで株主優待や配当を享受することは難しいでしょう。

それでも、コストやリスクを軽減して、株主優待の権利を確保する方法はあります。ひとつは、複数銘柄に投資をし、リスク分散を図る方法です。


もうひとつは「つなぎ売り」を活用した取引です。「つなぎ売り」で株主優待をお得に活用する方法については、SBI証券のWebページでご紹介していますので、ご参考ください。ただ、「つなぎ売り」をした場合、信用取引の「売り」により、配当調整金を支払う必要が出て、実質的に配当を受け取れなくなるなど、重要な注意点*(下記脚注の詳細参照)もあります。メリットとデメリットを十分理解した上でのご利用をお願い申し上げます。

今回、「8月株主優待銘柄」として、ご紹介したい銘柄は、以下の条件により抽出された銘柄です。


(1)東証上場銘柄

(2)8月に株主優待の権利確定を予定する銘柄

(3)7/25(火)までの20営業日で、1営業日当たりの平均出来高が2万株以上

(4)投資金額が20万円未満で株主優待の権利を得られる銘柄であること

(5)株主優待の権利確保に必要な最短保有期間の条件がない

(6)8月決算企業の場合、第3四半期累計の営業、経常、純損益がすべて黒字。2月決算の場合、第1四半期の同損益がすべて黒字。

(7)継続企業の前提に疑義が生じていない

(8)信用取引規制(注意喚起・日々公表は除く)が実施されていない(2023/7/27時点)

(9)信用取引を行なえる銘柄

図表の銘柄は、(1)~(9)の条件をすべて満たしています。

また、これらはSBI証券の「株主優待検索ページ」にて、閲覧回数の多い順番(7/26時点)で並べられています。

*重要な注意点 ~つなぎ売りを利用した場合の「配当金(現物と信用)受け払いの差額」~

※権利付き最終日の大引け時点でつなぎ売りをしている場合、現物については税金が差し引かれた配当金(配当金の約80%)を受取り、一般信用売り建玉については配当落ち調整(配当金の100%)金をお支払いいただきます。したがいまして、配当金の約20%の差額をお客さまにご負担いただくことになります。

※現物株式の配当金は、源泉税(20.315%)が差し引かれた金額で支払われます。

※一般信用売り取引の場合は、配当落ち調整金として配当金の100%をお支払いいただきます。

※権利付き最終売買日と権利落ち日をまたいで信用売建玉がある場合、権利落ち日に予想配当金相当額(予定配当調整金)をあらかじめ委託保証金現金から拘束させていただき、配当金が確定後に拘束金から支払いを行います。信用売建玉に対する支払予定配当金相当額合計(予定配当調整金合計)は、「口座管理」>「信用建余力」>「建余力・追加保証金」の「増担保・配当調整金」に表示させていただいております。

■図表 20万円未満で買える「8月優待銘柄」は生活応援型?

取引 チャート ポートフォリオ コード 銘柄名 株価(円)(7/27) 8月予想配当(円) 信用取引 優待獲得最低株数での優待内容概要
7453 7453 7453 7453 良品計画(8) 1,796.5 20.0 一般・制度 買物優待カード(5%割引)
3048 3048 3048 3048 ビックカメラ(8) 1,070 10.0 一般・制度 買物優待券(1,000円)1枚
3387 3387 3387 3387 クリエイト・レストランツ・ホールディングス(2) 1,070 3.0 一般・制度 優待食事券2,000円相当
7513 7513 7513 7513 コジマ(8) 653 14.0 一般・制度 買物優待券(1,000円)1枚
7085 7085 7085 7085 カーブスホールディングス(8) 774 5.0 一般・制度 クオカード500円相当
4668 4668 4668 4668 明光ネットワークジャパン(8) 667 12.0 一般・制度 クオカード500円相当
2337 2337 2337 2337 いちご(2) 271 0.0 制度 (全株主)抽選でJリーグ観戦チケット
2157 2157 2157 2157 コシダカホールディングス(8) 1,113 7.0 一般・制度 株主優待券2,000円相当
7545 7545 7545 7545 西松屋チェーン(2/20) 1,710 13.0 一般・制度 買物カード1,000円相当
3222 3222 3222 3222 ユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス(2) 1,115 8.0 一般・制度 買物優待券(100円割引)30枚、または食品
8127 8127 8127 8127 ヤマトインターナショナル(8) 311 6.0 一般・制度 (300株)自社商品1,000円相当
4433 4433 4433 4433 ヒト・コミュニケーションズ・ホールディングス(8) 1,528 15.5 一般 1,000円相当のUCギフトカード
3086 3086 3086 3086 J.フロント リテイリング(2) 1,369 16.0 制度 「大丸」・「松坂屋」買物優待カード(10%割引)
3548 3548 3548 3548 バロックジャパンリミテッド(2) 887 0.0 一般・制度 クーポン(2,000円相当)1枚
8233 8233 8233 8233 高島屋(2) 2,024.5 14.0 制度 株主優待カード(10%割引)
8167 8167 8167 8167 リテールパートナーズ(2) 1,515 12.0 一般・制度 買物優待券(100円)10枚、またはJCBギフトカード1,000円相当
8237 8237 8237 8237 松屋(2) 1,043 2.5 制度 買物優待カード(10%割引)
3608 3608 3608 3608 TSIホールディングス(2) 710 0.0 制度 優待割引クーポン(1冊7枚綴)
8185 8185 8185 8185 チヨダ(2) 1,007 14.0 一般・制度 株主優待券(20%割引)5枚
8260 8260 8260 8260 井筒屋(2) 386 0.0 制度 買物優待券(7%割引)10枚、自社インターネットショッピングサイトでの買物優待割引(7%割引)
  • ※会社公表データ、SBI証券株主優待検索ページを参考にSBI証券が作成。
  • ※銘柄名右横が(2)と記載された銘柄は2月末が決算期末の銘柄であり、「8月配当」は中間予想配当を意味しています。
  • ※銘柄名右横が(8)と記載された銘柄は8月末が決算期末の銘柄であり、「8月配当」は期末予想配当を意味しています。
  • ※信用取引欄に「一般」とある銘柄は「一般信用取引」の対象銘柄です。また「制度」となる銘柄は「制度信用取引」の対象銘柄です。
  • ※「優待獲得最低株数での優待内容」は、優待獲得最低株数を保有時の株主優待の内容についてその概要を示しており、すべてを示していないこともありますので、ご注意ください。また、保有株数により、株主優待の内容が異なることもありますので、ご注意ください。
  • ※ヤマトインターナショナルは株主優待の権利が確定する最低株式数が300株ですが、売買代金は10万円を下回っております。
  • ※上表の中で権利付き最終日は、西松屋チェーン(7545・2/20が決算期末)のみ8/16(水)で、他の銘柄はすべて8/29(火)です。

株主優待の一部をご紹介

■良品計画(7453)

西友のプライベートブランド商品であった「無印良品」の事業基盤の確立、事業規模拡大を目的に、89年6月に分離独立して設立されました。23年5月末現在、国内555店舗、海外(中国大陸他東アジア中心)617店舗、計1,172店舗を展開するグローバルな小売業です。

23.8期は上半期の段階では売上高2,833億円(前年同期比15%増)、営業利益101億円(同46%減)と不振。しかし、7/7(金)に発表された同3Q(23.3-5期)決算では売上高1,524億円(前年同期比20%増)、営業利益124億円(同109%増)と回復。売上高(同3Q)の38%を占める海外で、中国の回復(ゼロコロナ政策からの反動増)が目立ちました。23.8通期では、売上高5,850億円(前期比17%)、営業利益300億円(同8%減)が会社計画です。

株価は7/7(金)終値1,372.5円でしたが、決算発表が好感され、7/25(火)には一時1,838円まで上昇しました。ただ、コロナ前の18年6月には一時4,000円を超えた高値水準にあり、そこからは半値未満の水準に止まっています。

23.8期の配当は上半期1株20円(実績)に続き、期末にも20円、年間で計40円(7/27終値1,796.5円に対し2.2%)が会社予想配当です。また、8/29(火)時点で100株以上保有の株主に対し、買い物の際、5%の割引が適用される優待カードが贈呈される予定です。2月末株主に対しても同様の株主優待が実施されてきています。全国の無印良品店舗他で使え、発行から約半年(有効期限はカード券面に記載)使用できます。利用限度の金額・回数は設定されていないため、無印良品での買い物頻度が高い消費者の方には一考の価値もありそうです。

■ユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス(3222)

関東地方1都6県に計530店舗(23.7.10時点)を展開する食品スーパーの持株会社。「マルエツ」305店舗(23.2期売上構成比53%)、「カスミ」194店舗(同40%)、「マックスバリュ関東」31店舗(同6%)を展開。イオン(8267)の子会社であり、丸紅(8002)の持分法適用会社でもあります。

食品スーパーを展開する同社の業績は、巣ごもり消費の増加で21.2期に営業利益が191億円(前期比104%増)まで膨らんだ後は反動減となり、22.2期は121億円、23.2期は63億円へと縮小してきました。しかし24.2期1Q営業利益は11億円(前年同期比54%増)と改善傾向。値上げで顧客当たりの販売単価が減ったものの来店客数の増加でカバーしました。24.2期通期では営業利益92億円(前期比44%増)が会社計画です。24.2期の配当は上半期・期末ともに1株8円、年間で計16円(7/26終値1,115円に対し1.4%)が会社予想配当です。

8/29(火)時点で100株以上保有の株主に対し、「株主様ご優待券」(100円割引券)が贈呈されます。「マルエツ」、「カスミ」、「マックスバリュ関東」の各店舗において1,000円の買物ごとに1枚使用できます。贈呈枚数は、保有株式数により異なり、以下のようになっています。

・100~499株・・・30枚   ・500~999株・・・60枚  ・1,000~1,999株・・・100枚

・2,000~2,999株・・・150枚   ・3,000~4,999株・・・180枚  ・5,000株以上…300枚

食品スーパーは生活に密着しており、株主優待を利用してそれを応援することは、一考の価値があるかもしれません。ただ、店舗が関東に集中しているので、他の地方の人々はこの優待を利用しにくいと考えられます。

そこで同社では、株主優待について上記の優待券に代わり、「ご優待品」(5種類の食品から選択 1,000株未満と同以上で内容に差)を選択できる仕組みになっており、関東以外の投資家にも恩恵が期待できる形になっています。

なお、「ご優待券」「ご優待品」ともに、同条件で2月末時点の株主にも贈呈される制度となっています。

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