決算発表本格化!上方修正期待銘柄を探る

決算発表本格化!上方修正期待銘柄を探る

投資情報部 鈴木英之/栗本奈緒実

2024/04/26

決算発表本格化!上方修正期待銘柄を探る

東京株式市場は荒っぽい展開になっています。日経平均株価は3/22(金)取引時間中に過去最高値41,087円を付けた後、4/19(金)には一時36,733円まで下落しました。しかしその後は反発に転じました。

4/19に上記安値を付けた時点で、高値からの下落率が10.6%25日移動平均線(4/19時点で39,544円)からのかい離率が7.1%(※)に達し、値頃感が強まったことで、反発しやすくなったとみられます。米国のインフレ圧力の高さを示す材料の発表が一巡したこと、対立するイスラエルとイランが落とし所を探っている空気感が強まったことも、投資家の押し目買い意欲につながったものと考えられます。

※一般的に株価はテクニカル上、25日移動平均線からのかい離率が上下78%に達すると、目先は逆方向に反転しやすいという傾向があります。

ただ、半導体関連銘柄に対する不透明感が払しょくされたとは言い難いでしょう。為替介入の可能性もくすぶり、外為相場が反転するリスクもあります。当面は株価が乱高下する可能性が残っていると考えられます。

そうした中、東京株式市場では決算発表シーズンが始まりました。4/23(火)に発表のニデック(6594)は、営業利益(前年度比)について、前期63%増、今期予想41%増とする好決算を発表しました。しかし、実績・予想とも市場予想を下回ったことが嫌気され、4/24(水)は一時大きく下げる場面がありました。

決算発表では、実績や会社予想が増収や増益だったら買われる、減収や減益だったら売られるとは限りません。市場予想(各種情報ベンダーが集計する市場コンセンサス)の収益(特に利益)と比較され、強かったのか弱かったのかという点も株価に影響します。

そこで、今回の「日本株投資戦略」では、東証プライム市場の3月決算銘柄を対象に、利益面で会社予想および市場予想を上回りそうな銘柄を抽出すべく以下のスクリーニングを行ってみました。

(1) 東証プライム市場上場銘柄

(2) 3月決算銘柄

(3) 業績予想を公表しているアナリストが2名以上

(4) 市場予想EPS1株利益)が過去4週間で上昇

(5) 直近四半期累計(4-12期)の営業損益増減率(前年同期比)が24.3通期市場予想営業損益増減率(前期比)を上回っている。

(6) 直近四半期累計(4-12期)の営業損益「進捗率」(※1)が、前年同期(2022.4-12期)の「進捗率」(※2)に対して向上

※1・・・ 直近四半期累計営業損益を通期市場予想営業利益で割った数値

※2・・・前年同期の営業損益を23.3通期営業利益で割った数値

(7) 24.3期市場予想営業利益が会社予想営業利益を上回っている

(8) 25.3期の市場予想営業利益が前期比10%超の増益見通し

(9) 2024年に入って以降、予想営業利益の下方修正を行っていない

(10) 信用取引の規制銘柄に該当していない

図表の銘柄は上記条件のすべてを満たしています。ここで市場予想はBloomberg社が集計した市場コンセンサスとなっています。また、営業利益のデータを公表していない銘柄(ここでは三菱重工)は、経常利益を分析の対象にしています。

掲載は、23.412期営業増益率順になっています。

こちらでは図表に紹介した銘柄の一部について、詳細にコメントいたします。

決算発表本格化!上方修正期待銘柄を探る

取引 チャート ポートフォリオ コード 銘柄名

株価

(4/25)

23.4-12期
営業増減率
24.3期予想
営業増減率
25.3期予想
営業増益率
9020 9020 9020 9020 東日本旅客鉄道 2,880.5 166.5% 121.2% 16.2%
7011 7011 7011 7011 三菱重工業(経常※) 1,328 82.2% 60.7% 12.1%
6651 6651 6651 6651 日東工業 4,140 68.9% 53.0% 12.3%
5802 5802 5802 5802 住友電気工業 2,380 56.4% 22.9% 23.9%
9697 9697 9697 9697 カプコン 2,622.5 43.1% 16.8% 10.1%
5805 5805 5805 5805 SWCC 3,800 32.0% 17.4% 18.6%
8056 8056 8056 8056 BIPROGY 4,546 22.9% 19.7% 18.5%
7912 7912 7912 7912 大日本印刷 4,493 16.6% 13.6% 12.7%
6490 6490 6490 6490 日本ピラー工業 6,050 3.0% -1.2% 10.9%
9401 9401 9401 9401 TBSホールディングス 4,076 -15.6% -20.7% 10.2%
  • ※Bloombergデータ、会社公表データをもとにSBI証券が作成
  • ※三菱重工業(7011)は、営業利益の項目がないため、経常利益を使用
  • ※24.3期予想、25.3期予想ともにBloomberg社が集計した市場コンセンサス
  • ※この表の情報は4/25(木)時点で作成されています。それ以降の情報は織り込んでいませんのでご注意ください

掲載銘柄の一部を解説!

■住友電気工業 (5802)~ワイヤーハーネスなど世界トップ級の製品多数。自動車向け好調で過去最高業績更新に向け順調

★日足チャート(1年)

  • ※データは2024/4/26(日足)10:15時点。
  • ※当社チャートツールを用いてSBI証券が作成。
  • ※上記は過去の実績であり、将来の運用成果を保証または示唆するものではありません。

★業績推移(百万円)

  • ※当社Webサイトの業績表示ツールをもとに、SBI証券が作成。

■電線の世界的大手。ワイヤーハーネスなど、世界トップ級のシェア製品が多数

1897年(明治30年)電線事業で創業。国産初の高圧地下送電線ケーブルや世界最長の海底電力ケーブルなどを手掛けてきました(会社HPより)。また、自動車用のワイヤーハーネス(組電線)*では世界トップクラスのシェアを誇るほか、多数の高シェア製品を擁しています。

*ワイヤーハーネス…電力や信号を自動車の隅々まで伝える役割を持った部品の集合体。人間に例えると血や神経に相当。

祖業の銅電線の製造技術の開発を礎に、事業の多角化を推進。現在では、以下の5事業をメインとしています(売上高と営業利益の比率は19.3-23.3期の平均)。

▹ 自動車 (売上高比率:53%、営業利益:38%)

全世界シェアの25%(会社調べ)を占めるワイヤーハーネスやEV充電コネクタ、交通管制システムの開発等を展開。

▹ 環境エネルギー (同:23%、同:23%)

電力を供給するための電力用電線・ケーブル、スマートエネルギーシステムなどを展開。あらゆる製品の「原料」となる銅荒引線の生産も行っています。国内最大規模の風力発電事業にも参画しており、社会の脱炭素化の流れも追い風です。

▹ 情報通信 (同:7%、同:15%)

光ファイバ・コネクタ、アクセス系ネットワーク製品など5G通信の根幹を支える製品を多数展開。光ファイバ・光ケーブルは伝送損失は世界最小値を記録し(17年9月)、伝送容量は世界記録を更新しています(23年3月)。

▹ エレクトロニクス (同:8%、同:11%)

プリント回路や電子ワイヤー製品など、スマートフォンや家電、自動車等の身近なデジタル機器に使用される製品を展開。

▹ 産業素材他 (同:10%、同:14%)

超硬素材を用いた切削工具やPC鋼材などを展開。

タイでの製造業拠点設立を皮切りに、世界40カ国以上で事業を展開。海外売上高比率は63%に上ります(23.3期)。地域ごと売上高割合は、アジアが50%(うち中国が半分)、アメリカが31%、ヨーロッパ・その他が18%です(同)。


■自動車向け好調、過去最高業績更新に向け順調

今期3Q(23.4-23.12期)時点の業績は、売上高3兆2,219億円(前年同期比10%増)、営業利益1,483億円(同56%増)と過去最高売上と営業利益を更新。10-12月期単体でも過去最高の営業利益となり、好調が続いています。好業績を背景に、通期会社計画の売上高・各利益項目を上方修正しました。

半導体等の部品緩和に伴う自動車生産の回復が販売増につながった他、利益面では生産性の向上が寄与した形です。前期の10-12月期営業利益と比較すると、数量増加が+160億円となったのに対し、体質改善は+250億円となりました。

堅調な業績推移を受け、株価は上場来高値水準です。上値の軽い状態であると考えられることから、5/10(金)の本決算発表で示される25.3期の見通し次第で、さらに一段高となる期待感も持てるでしょう。

■日東工業 (6651)~国内設備投資増加が追い風。高配当利回りにも期待

★日足チャート(1年)

  • ※データは2024/4/26(日足)10:15時点。
  • ※当社チャートツールを用いてSBI証券が作成。
  • ※上記は過去の実績であり、将来の運用成果を保証または示唆するものではありません。

★業績推移(百万円)

  • ※当社Webサイトの業績表示ツールをもとに、SBI証券が作成。

■電気設備の関連機器メーカー

コア事業は、電気・情報インフラ関連のうち製造・工事・サービスを請け負う部門で売上高(23.3期)の58%、営業利益(同)の76%を占めています。この事業では、発電所から送られる高圧の電気を変圧して分電盤に送る配電盤や、安全に電力を供給するための分電盤、サーバーを格納するキャビネット等を製造・販売しています。

電気・情報インフラ関連のうち仕入・販売等を行う事業は売上高(23.3期)の31%、営業利益(同)の19%を占めています。その他、電子部品関連の製造事業を行っています。将来が期待される事業としては、EV(電気自動車)やPHV(プラグイン・ハイブリッド車)の充電設備等にも展開しています。


■業績好調。高配当利回り銘柄の側面も

業績は好調です。堅調な国内設備投資の増加を受け、電気・情報インフラ関連のうち製造・工事・サービスを請け負う部門が好調です。会社側は2/5に24.3期の業績予想を上方修正し、営業利益予想を101億円から111億円としました。

事業環境の好調を味方にしているのみならず、価格改定努力を積み重ねており、業績拡大の確度を高めています。中長期的には、国内で半導体工場の増設が続くのみならず、グローバルなAI関連企業の日本進出も想定され、電力需要の大幅増が期待されることから、電気・情報インフラ関連の需要増が期待されます。

投資面では、23.3期から大幅増配に踏み切っていることも注目点になりそうです。会社側は分母の肥大化を防ぎ、ROEを高めることを目標とし、23.3期に配当性向を100%超に高める大きな変革を実施しました。

24.3期も上記会社予想業績の上方修正に伴い、通期の予想1株配当を185円から206円に上方修正しました。仮に今期も同額の1株配当が計画された場合、株価(4/24・4,150円)に対する配当利回りは4.9%に達する見通しです。

高配当利回りが期待できる銘柄としての側面も、投資評価につながりそうです。

株価は3/1に付けた高値4,645円から10%程度下げた水準にあり、押し目買いが期待される水準になってきたと言えるでしょう。

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