NISA向き?50万円未満で買える好業績・好配当期待11銘柄

投資情報部 鈴木英之/髙田航輝
2026/07/03

当ページの内容につきましては、SBI証券 投資情報部長 鈴木による動画での詳しい解説も行っております。東証プライム市場を中心に好業績が期待される銘柄・株主優待特集など、気になる話題についてわかりやすくお伝えします。
日本株投資戦略
※YouTubeに遷移します。
NISA向き?50万円未満で買える好業績・好配当期待11銘柄
6月末の日経平均株価は70,062円32銭となり、月終値としては史上初めて7万円の大台に乗せました。月終値の前月末比上昇率は5.6%で、月足としては3ヵ月連続の上昇となりました。3月末が年初来安値だったことも手伝い、6月末終値の3月末終値に対する「3ヵ月上昇率」は37.2%に達しました。「3ヵ月上昇率」としては、1985年以降で最大の上昇率でした。また、東証プライム市場の6月・月間売買代金は285兆円となり、過去最高を記録しました。
このように堅調かつ活況な東京株式市場ですが、物色対象はかなり偏っていました。6月末まで3ヵ月間の上昇率を東証プライム市場銘柄(時価総額1,000億円以上)についてみると、太陽誘電、キオクシアホールディングス、村田製作所、イビデンなど「AI・半導体関連銘柄」が上位を占めました。東証プライム市場の4~6月の全営業から計算した「騰落レシオ」は99%でした。指数だけ見ると堅調な3ヵ月でしたが、株価が低迷していた銘柄も多かったというのが現実です。
ただ、逆に考えれば、東京株式市場には数多くの出遅れ銘柄が控えていると考えることもできます。過去、平成バブル相場では、当初は含み資産株・金利敏感株に集中し、最後は日経平均採用銘柄の品薄株への物色がシフトしました。ITバブルでは、いわゆるネット株に集中した後はオールドエコノミー株へと物色が変化していきました。今回も、半導体・AI関連銘柄で得た利益が他の銘柄にシフトしていく可能性は十分ありそうです。
今回の「日本株投資戦略」では、「AI・半導体関連銘柄」に物色が集中するあまり、好条件への評価が不十分とみられる銘柄を抽出すべく、以下のスクリーニングを行ってみました。
(1)東証プライム市場に上場
(2)時価総額1,000億円以上
(3)3月決算銘柄
(4)2027年3月期第1四半期(2026年4~6月期)市場予想純利益が前年同期比黒字転換または20%以上の増益
(5)2027年3月期(通期)の市場予想純利益が会社予想を上回り、前期比20%以上の増益見通し
(6)2028年3月期(通期)の市場予想純利益が前期比10%以上の増益見通し
(7)2027年3月期市場予想純利益と7/1(水)終値で計算した予想PERが20倍未満
(8)2027年3月期市場予想年間1株当たり配当金と7/1(水)終値で計算した予想配当利回りが2%以上
(9)7/1(水)終値が5,000円未満で、かつ、本年3/31(火)終値に対し上昇
(10)取引所または日証金、当社による信用規制・注意喚起銘柄を除く
※市場予想はBloombergコンセンサス
掲載銘柄は上記条件をすべて満たしています。
掲載の順番は、(4)の条件である、2027年3月期第1四半期市場予想純利益の増益率順(黒字転換を最優先)としています。なお(9)にある通り、株価5,000円(100株投資した場合の売買金額は諸コスト抜きで50万円)未満を条件としていますので、NISA枠内での分散投資も可能となっています。
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NISA向き?50万円未満で買える好業績・好配当期待11銘柄
| 取引 | チャート | ポートフォリオ | コード | 銘柄名 | 株価 (7/1・円) |
2026年4~6月期市場予想純増益率 | 2027年3月期市場予想PER(倍) | 2027年3月期市場予想配当利回り |
| 7261 | 7261 | 7261 | 7261 | マツダ | 1,093 | 黒字転換 | 7.7 | 5.04% |
| 4183 | 4183 | 4183 | 4183 | 三井化学 | 2,126.5 | 2,508.4% | 15.9 | 3.56% |
| 7211 | 7211 | 7211 | 7211 | 三菱自動車工業 | 314.3 | 735.0% | 12.8 | 3.28% |
| 6471 | 6471 | 6471 | 6471 | 日本精工 | 1,163.5 | 518.7% | 18.4 | 3.05% |
| 6652 | 6652 | 6652 | 6652 | IDEC | 3,300 | 203.2% | 16.1 | 3.94% |
| 6103 | 6103 | 6103 | 6103 | オークマ | 4,775 | 122.9% | 18.0 | 2.16% |
| 7951 | 7951 | 7951 | 7951 | ヤマハ | 1,137 | 101.5% | 17.0 | 2.43% |
| 3132 | 3132 | 3132 | 3132 | マクニカホールディングス | 3,211 | 45.4% | 16.5 | 2.57% |
| 7182 | 7182 | 7182 | 7182 | ゆうちょ銀行 | 3,087 | 41.6% | 16.4 | 3.07% |
| 6807 | 6807 | 6807 | 6807 | 日本航空電子工業 | 2,350 | 24.8% | 18.6 | 2.23% |
| 7186 | 7186 | 7186 | 7186 | 横浜フィナンシャルグループ | 1,739 | 20.2% | 14.8 | 2.71% |
- ※Bloombergデータ、QUICKデータをもとにSBI証券が作成。
- ※市場予想はBloombergコンセンサス。
一部掲載銘柄を解説!
オークマ(6103)~NC装置を自社開発する世界有数の総合工作機械メーカー。フィジカルAIでの活躍に期待
★日足チャート(6か月)

★業績推移(百万円)

◎「機械+制御+情報+知能化」の工作機械メーカー
NC旋盤、マシニングセンタ、複合加工機、NC研削盤などを展開する総合工作機械メーカーです。工作機械を制御するNC装置を自社開発する世界有数の総合工作機械メーカーとして、「機電情知」、すなわち機械・電気制御・情報・知識創造の融合技術を基盤に、製品、加工技術、ビフォアセールス、アフターサービスまで提供する「ものづくりサービス」を展開しています。
マシニングセンタは2026年3月期売上高の56.1%を占める主力事業です。工具を自動交換し、複数工程を1台で行う工作機械で、箱物部品、金型、大型構造部品などの加工に用いられます。NC旋盤は同14.5%を占めています。ここでNCとはNumerical Control(数値制御)のことです。旋盤は材料を回転させ、工具を当てて円筒形状や軸物、内外径、端面などを加工する工作機械です。複合加工機は売上高の25.8%を占めています。旋削、フライス加工、穴あけなどを1台に集約し、工程数の削減を実現する機械です。熟練技術者不足への対応や省人化、多品種少量生産に適した高付加価値製品として位置付けられています。
地域別売上構成比(2026年3月期)は、アジア・パシフィック29.6%、米州29.0%、日本26.7%、欧州14.6%です。海外売上高比率は73.3%となり、会社が掲げていた「グローバル70」を達成しました。
◎売上は過去最高、課題は利益率の回復
2026年3月期は、売上高2,358億円(前期比14.1%増)、営業利益155.1億円(同5.8%増)、売上高営業利益率6.6%、連結受注高2,408億円(同11.6%増)、受注残高1,014億円(前期末比5.0%増)となりました。売上高は過去最高を更新し、下期受注高も1,291億円と過去最高を記録しました。
その背景には、門形マシニングセンタの増産、大手EVメーカー向け大型案件の売上計上に加え、米州における航空・宇宙、防衛、データセンター、エネルギー関連需要の拡大があります。2026年3月期の自己資本比率は72.0%、ROEは5.3%でした。財務体質は良好ですが、資本効率については中期目標に対して改善途上にあります。
また、2桁の売上成長に対し、営業増益率は1桁台にとどまりました。増収効果が48億円あった一方で、人的資本投資が19億円、経費増加等が17億円、売価・為替影響が5億円のマイナス要因となり、利益を圧迫しました。部材コストや輸送コストの上昇、米国関税負担、人材投資が同時に発生したため、売上拡大がそのまま利益率改善には結び付いていません。
2027年3月期の会社計画は、売上高2,450億円(前期比3.9%増)、営業利益190億円(同22.5%増)です。売上高の伸び率を大きく上回る営業増益を見込んでおり、数量拡大よりも、売価改善、為替影響、合理化、操業度向上による利益率回復が焦点となります。地域別では、米州と欧州で売上拡大を見込む一方、アジア・パシフィックは減少する計画です。これは、2026年3月期に中国を中心とするアジア地域で大型案件が寄与した反動を織り込んだものとみられます。
◎防衛・宇宙関連の側面も。フィジカルAIはビジネスチャンスに
中期経営計画2028では、2028年度に売上高2,700億円、営業利益率11%以上、ROE8%以上を目標に掲げています。さらに2030年ビジョンでは、売上高3,000億円、営業利益率15%以上、ROE13~15%を目指しています。
フィジカルAIは、製造現場の実機データ、センサー情報、加工条件、機械状態をAIが理解し、異常検知や原因推定、改善提案、さらには機械制御まで行う技術領域です。熟練技術者の減少が進む中、現場で生成されるデータを活用し、人の判断を補完・代替するフィジカルAIへの期待が高まっています。
同社にとって、フィジカルAIは大きな事業機会となる可能性があります。単にAIモデルを実装するだけでなく、工作機械本体、CNC、OSP、加工ノウハウ、保守データを一体的に保有している点が強みです。決算説明会資料では、物理空間でAIが異常状態を検知し、必要に応じて機械を動かす「経験から学ぶフィジカルAI」と、仮想空間で工学知見をもとに原因分析や改善策を提示する「フィジックスAI」を融合する方向性が示されています。
同社はこれまでも、AI機械診断、AI加工診断、サーモフレンドリーコンセプト、加工ナビ、ファイブチューニングなどの知能化技術を積み重ねてきました。2016年にはAIをCNCに内蔵したAI機械診断機能を開発し、2025年度には新たなセンサーを追加することなく旋削主軸の診断を可能にする機能も開発しています(2026年4月販売開始)。
中期的な成長の軸は、「本機販売」から「ものづくりサービス」への拡張にあります。NC旋盤やマシニングセンタ、複合加工機の販売だけでなく、OSP、AI診断、自動化、遠隔保守、加工ノウハウ、エンジニアリングを組み合わせることで、顧客の設備投資効率を高めるとともに、同社自身も単価、利益率、サービス収益を引き上げる余地があります。
特に、米州の航空・宇宙、防衛、エネルギー分野、欧州の航空・防衛分野、日本の防衛・半導体・発電分野、中国の金型・半導体製造分野、さらにインド市場の成長などを背景に、重厚長大かつ高精度な加工分野で5軸制御マシニングセンタや複合加工機の需要が拡大すれば、同社の製品ミックスには追い風となるでしょう。
一方で、利益率改善には依然として課題が残ります。売上高営業利益率を現在の6.6%から2028年度の11%以上へ引き上げるためには、増収効果だけでは不十分です。売価改善、合理化、変動費削減、グローバル生産最適化、人的資本投資の回収に加え、米国関税や部材価格上昇の影響を吸収していく必要があります。
株価は6月中旬以降戻り歩調にあります。フィジカルAI、防衛・宇宙等複数の投資テーマに絡んでおり、まずは年初来高値5,200円奪回に期待したいところです。
マクニカホールディングス(3132)~アクティビストが大量保有する半導体商社
★日足チャート(6か月)

★業績推移(百万円)

◎半導体を主力に、サイバーセキュリティやCPSソリューションにも展開する技術商社
同社は半導体とサイバーセキュリティの事業領域をコアとする技術商社です。
前身であるマクニカ・富士エレホールディングスは、2015年にマクニカと富士エレクトロニクスが経営統合し、設立されました。その後、2022年に現在のマクニカホールディングスに社名を変更しています。
決算説明資料の区分では、主な事業は「半導体事業」「サイバーセキュリティ事業」「CPSソリューション事業」の3つに分かれています。半導体事業が全体のうち、売上高で84.7%、営業利益で77.3%を占めており稼ぎ頭となっています。(※1)
半導体事業では世界の半導体メーカーから半導体を調達し、卸売を行っています。サイバーセキュリティ事業はリスク対策やセキュリティ戦略の策定、セキュリティ製品の導入支援などを行います。最後に、CPSソリューション事業では自動運転EVバスやモノづくりの現場のDX化などを展開しています。CPSとはサイバーフィジカルシステムのことで、現実世界で集めたデータをデジタル世界で分析し、現実世界にフィードバックする仕組みです。同社がもつ半導体とネットワークで培った技術力を応用しています。
※1:2026年3月期通期実績を参照。
◎今期業績予想は増収増益、増配を計画
2027年3月期通期の会社予想業績は売上高1兆3,000億円(前期比7.1%増)、営業利益520億円(同24.0%増)で増収増益を計画しています。年間の1株当たり配当金の予想は80円で、前期比10円の増配です。予想配当利回りは2.55%です。(※2)
会社説明資料によると、半導体関連ではAIサーバー向けの需要が国内外ともに堅調に推移すると予想。国内産業機器市場の回復を期待しています。また、サイバー攻撃が多発しているなかで、サイバーセキュリティを経営課題ととらえる企業が増加しており、国内外ともにサイバーセキュリティ需要増加を見込みます。
※2:7月2日の終値で算出。
◎今後の展開とリスクを整理
米・OpenAI社の上場延期観測や韓国半導体大手のSKハイニックスの株価下落など、直近では半導体銘柄にとって逆風で、投資家心理を冷ます内容の材料が出てきています。同社が半導体商社として評価を受ける場合は、半導体市況や関連銘柄の株価下落は、同社株価にもマイナスの影響を与えそうです。
一方でAIのソフトウェア関連製品の売上が好調である点には注目すべきだと考えます。同社はAI開発・運用のためのソフトウェア関連も取り扱っています。半導体商社として「ハード」部分を扱うとともに、システム系の「ソフト」部分も展開しています。2026年3月期のシステム系AI商材の売上高は前年比110%増と大きく伸びています。(※3)
2026年初から株価上昇のけん引役はAI・半導体関連銘柄でしたが、半導体製造やメモリー、電子部品など「ハード」領域を手掛ける銘柄が多かったと思われます。AIが普及しマーケットの関心が「ハード」から「ソフト」に移った場合、同社は別の軸で評価され、株価にプラスの影響を与える可能性があると考えられます。
また、2026年3月にはアクティビストとして知られる、ダルトン・インベストメンツ・インクがマクニカホールディングス株式について大量保有の変更報告書を関東財務局に提出しており、保有割合を7.16%から8.18%に引き上げています。アクティビストが株主になると、資本効率の改善や株主還元の強化などを株主総会で提案することがあり、個人投資家もその恩恵を受ける可能性があります。
リスクについては、半導体市況の悪化、為替変動、アクティビストが保有割合を引き下げた場合の売り圧力が考えられます。
※3:2026年3月期決算説明会資料より。
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