アメリカNOW! ~テック株物色の中心に躍り出たストレージ関連とアナログ半導体~

アメリカNOW! ~テック株物色の中心に躍り出たストレージ関連とアナログ半導体~

投資情報部 榮 聡

2026/02/02

先週の米国株式市場は、1/28(水)に史上最高値を更新しましたが、その後大手テクノロジーの決算に対する反応がまちまちとなり、1/30(金)には次期FRB議長候補として過去にタカ派として知られたウォーシュ氏が指名され、週末にかけて反落となりました。今週の株価材料として、10-12月期決算発表、1月雇用統計、次期FRB議長候補に指名されたウォーシュ氏に対する市場の評価が注目されます。

今回は先週の決算発表を受けてテクノロジー株物色の中心に躍り出た印象のあるストレージ関連とアナログ半導体から、シーゲイト テクノロジー(STX)サンディスク(SNDK)テキサス インスツルメンツ(TXN)メタ プラットフォームズ A(META)アルファベット A(GOOGL)を選んでご紹介いたします。

図表1 S&P500指数の一目均衡表(日足、3ヵ月)

グリーンランド領有問題を受けた下落から回復し、一時、初めて7,000ポイント台を付けましたが、週末にかけて反落しました。

※当社WEBサイトを通じてSBI証券が作成

図表2 業種別指数騰落率・個別銘柄騰落率

S&P500業種指数騰落 5日 1ヵ月 3ヵ月
コミュニケーションサービス 4.2% 6.1% 11.2%
エネルギー 3.9% 12.0% 16.5%
公益事業 1.7% 0.1% -2.8%
生活必需品 0.8% 7.7% 9.6%
資本財・サービス 0.7% 4.7% 6.7%
不動産 0.7% 2.7% 1.7%
金融 0.7% -2.8% 2.0%
S&P500 0.3% 1.2% 1.4%
情報技術 -0.4% -1.7% -6.2%
素材 -1.2% 7.0% 15.2%
一般消費財・サービス -1.4% 2.9% -0.1%
ヘルスケア -1.7% -0.6% 7.3%
騰落率上位(5日) 騰落率
ベライゾン・コミュニケーションズ 12.7%
テキサス・インスツルメンツ 11.5%
AT&T 11.1%
メタ・プラットフォームズ 8.8%
チャーター・コミュニケーションズ 7.5%
騰落率下位(5日) 騰落率
ユナイテッドヘルス・グループ -19.5%
パランティア・テクノロジーズ -13.6%
サービスナウ -12.1%
インテュイット -11.5%
CVSヘルス -10.2%

注:個別銘柄の騰落率上位、下位はS&P100指数が母集団です。銘柄名はBloombergの表記により、当社WEBサイト・本文中の表記と異なる場合があります。
※BloombergデータをもとにSBI証券が作成

先週の米国株式市場

S&P500指数は週間で0.3%の上昇の一方、ダウ平均は0.4%、ナスダック指数は0.2%の下落でした。

先々週に相場下落の要因となったグリーンランド問題から市場の関心が薄れて1/28(水)にはS&P500指数が初めて7,000ポイントを付けました。しかし、大手テクノロジー決算への反応がまちまちとなる中で反落、1/30(金)には次期FRB議長候補として過去にタカ派として知られたウォーシュ氏が指名されることが発表されて続落しました。

FOMCは波乱なく通過しました。市場予想通り金利は据え置かれ、「雇用の下振れリスクが後退し、過去3回の利下げの効果を見極められるタイミング」とコメントされました。

大手テクノロジーの決算に対する市場の反応はまちまちでした。メタ プラットフォームズ A(META)はAI導入がネット広告の好調につながっていると好感される一方、マイクロソフト(MSFT)はクラウドサービスの伸び鈍化が嫌気されました。テスラ(TSLA)は、AI企業への転換を本格化するとの発表が注目されました。アップル(AAPL)はiPhoneの販売好調と中国売上の回復が確認されました。

業種指数では、携帯電話契約者数が予想以上となって好感された通信サービス、シェブロン、エクソンモービルの決算が市場予想を上回り、中期的にはベネズエラ事業拡大の材料もあるエネルギーの上昇が目立ちました。個別株で上昇トップのベライゾン コミュニケーションズ(VZ)は、1/30(金)に発表した10-12月期決算で、後払い携帯電話契約の純増数が市場予想を上回り、2026年についてもCEOが強気の見通しを示したことが好感されました。

今週の米国株式市場

10-12月期の決算発表はS&P500指数採用企業の33%が発表を終えた段階で、EPSは前年同期比11.9%増の予想(既発表企業の実績と未発表企業の予想の混合ベース)となっており、前週の同8.2%増から大きく上方修正され、企業業績の好調が確認されました。この結果を踏まえると、さらなる高値更新が十分に期待されます。

今週の株価材料として、10-12月期決算発表、1月雇用統計、次期FRB議長候補に指名されたウォーシュ氏に対する市場の評価が注目されます。

10-12月期決算発表は、発表企業数でピーク週を迎えます。テクノロジー企業では、パランティアテクノロジーズ、AMD、アルファベット、アーム、アマゾンなど、テクノロジー企業以外では、ウォルトディズニー、ファイザー、アッヴィ、イーライリリィ、フィリップモリスなどが発表予定です。

1月雇用統計の非農業部門雇用者数は前月比7.8万人増の予想です。米国の雇用市場は減速基調にあるものの、足もとでは減速のスピードが落ちて安定化しつつあるというのが市場コンセンサスです。これを確認する形になるとみられます。

次期FRB議長に指名されたウォーシュ氏は、2006年~2011年にFRB理事を務めた経験があり、過去にはタカ派として知られていました。利下げを求めるトランプ氏に指名されたことから、今回は利下げに向けてFRBメンバーを説得する形になると見られます。市場が懸念していたのは、トランプ氏に近過ぎるFRB議長の誕生だと思われますが、その点では市場の懸念は小さい指名とみられます。

経済指標では上記のほか、2/2(月)に米国の1月ISM製造業景気指数(前月の47.9から48.5に改善の予想)、2/4(水)に米国の1月ADP雇用統計(前月比4.5万人増の予想)、1月ISM非製造業景気指数(前月の54.4から53.5に悪化の予想)、2/6(金)に米国の2月ミシガン大学消費者信頼感(前月の56.4から55.0に悪化の予想)、などの発表が予定されています。

今週の5銘柄

先週の決算発表を受けて、ストレージ(記憶装置)とアナログ半導体がテクノロジー分野の物色の中心に躍り出た印象です。HDD(ハードディスクドライブ)のシーゲイト テクノロジー(STX)、SSD(ソリッドステートドライブ)のサンディスク(SNDK)、アナログ半導体のテキサス インスツルメンツ(TXN)をご紹介します。

また、先週の決算発表において主要銘柄で好決算が目立ったメタ プラットフォームズ A(META)、今週の決算発表予定銘柄からアルファベット A(GOOGL)を選んでご紹介します。

なお、ストレージとアナログ半導体について詳しくは、以下のレポートをご参照ください。

2025年11月26日掲載の外国株投資戦略「AIデータセンター拡大はストレージにも波及、枯れた技術で恩恵は大きく長く!?」

2026年1月19日掲載のアメリカNOW!「テキサスインスツルメンツなど株価出遅れのアナログ半導体に注目」

図表3 ストレージ関連銘柄とアナログ半導体の株価推移

※BloombergデータをもとにSBI証券が作成

図表4 今週の5銘柄の投資指標

注:予想PERは今期予想EPSに基づいて計算しています。
※BloombergデータをもとにSBI証券が作成

今週の注目銘柄

取引 チャート 銘柄 株価
(1/30)
予想PER
(倍)
ポイント
買付チャートシーゲイト テクノロジー(STX)407.69ドル32.0

【HDDの需給が逼迫】

・ウエスタンデジタルと並ぶHDDの大手です。データセンターの拡大で「確定受注生産」の取引条件が受け入れられるほど需給がタイトになっています。HDDメーカーは世界的にも限られているため、大手への恩恵は大きく、かつ、長期化することが期待されます。

・10-12月期決算は、売上が前年同期比22%増、調整後EPSが同53%増で、それぞれ市場予想を3%、10%上回って好調でした。1-3月期売上は28~30億ドルのガイダンスで10-12月期の28.3億ドルから増加見通しです。

買付チャートサンディスク(SNDK)576.25ドル37.9

【HDDの需給逼迫がSSD需要急増へつながる】

・フラッシュメモリを使ったストレージ(記憶装置)のSSD(ソリッド・ステート・ドライブ)を提供する会社です。フラッシュメモリは、日本のキオクシアとの合弁企業で生産しています。データセンターの投資拡大でストレージの需要が高まる中で、HDDの供給が逼迫して、SSDの需要が急増しています。

・10-12月期決算は、7-9月期との比較で売上が31%増、EPSが5.1倍となり、市場予想に対してそれぞれ13%、77%と大幅に上回りました。データセンターのストレージ向けにSSDの需要が急増して、フラッシュメモリの価格が大幅に上昇しています。

買付チャートテキサス インスツルメンツ(TXN)215.55ドル33.7

【アナログ半導体市場が改善基調】

・10-12月期売上が前年同期比10%増となったのに対し、1-3月期の売上ガイダンスが同8~17%増で、業績の伸びが緩やかに改善しつつあります。1-3月期ガイダンスは売上・EPSとも市場予想を上回って決算翌日の株価は10%近く上昇しました。

・2025年の分野別売上は、インダストリアル(売上構成比は33%)が前年比12%増、自動車(同33%)が同6%増、パーソナルエレクトロニクス(同21%)が同7%増、データセンター(同9%)が同64%増、コミュニケーション(同3%)が同20%増でした。

買付チャートメタ プラットフォームズ A(META)716.50ドル22.1

【1-3月期の売上ガイダンスが高い】

・1-3月期売上ガイダンスは535~565億ドル(前年同期比26~34%増)で、市場予想の514億ドルを大幅に上回りました。2026年設備投資は1,150~1,350億ドル(2025年は722億ドル)と大幅に増やしますが、AI導入の効果が出ていると考えられ、前回の決算発表時と違って市場ではネガティブに捉えられませんでした。

・10-12月期決算は、売上が前年同期比24%増、EPSが同11%増、それぞれ市場予想を3%、8%上回って好調でした。アド・インプレッション(広告の表示回数)が前年同期比18%伸びており、AI導入の効果が出ていると考えられます。

買付チャートアルファベット A(GOOGL)338.00ドル28.6

【メタ好調で同業の同社にも期待】

・ネット広告を主力事業とする同業のメタプラットフォームズの決算が好調であったことから、同社にも好決算の期待がかかります。昨年11月に発表した人工知能モデル「Gemini3」の性能が高いとの評判を得て、また、自前のAIアクセラレータ「TPU」を擁することで他のハイパースケーラーに比べてAIのコストが抑えられることなどで市場の注目を集めています。

・10-12月期決算は、売上が前年同期比23%増、EPSは同15%増の予想です。2/4(水)引け後に発表の予定です。

注:予想PERはBloomberg集計のコンセンサス予想EPSによります。使用した予想EPSの決算期は、シーゲイトテクノロジー、サンディスクは2026年6月期、その他は2026年12月期です。
※会社資料、BloombergデータをもとにSBI証券が作成

主要イベントの予定

  経済指標・イベント 企業決算・イベント
2月
2(月)
・米ISM製造業景気指数(1月)
・アトランタ連銀ボスティック総裁の講演
パランティアテクノロジーズウォルトディズニー
3(火) ・米求人労働異動調査(12月)
・ワーズ米自動車販売台数(1月)
アドバンストマイクロデバイセズファイザー
エマソンエレクトリック、ペプシコ
4(水) ・米ADP雇用統計(1月)
・米ISM非製造業景気指数(1月)
アルファベットアームホールディングスアッヴィ
イーライリリィ、ウーバーテクノロジーズ
5(木) ・米チャレンジャー人員削減(1月)
・米新規失業保険申請件数(1月31日に終わる週)
アマゾンドットコム、モノリシックパワーシステムズ
マイクロチップテクノロジー
6(金) ・米雇用統計(1月)
・米ミシガン大学消費者信頼感(2月、速報値)
・米消費者信用残高(12月)
フィリップモリスインターナショナル
オンセミコンダクター
8(日) ・スーパーボウル(NFL優勝決定戦)  
9(月) ・NY連銀1年インフレ期待(1月)  
10(火) ・米NFIB中小企業楽観指数(1月)
・米ADP週次雇用統計(1月24日に終わる4週間)
・米3年国債入札
コカ・コーラ、ロビンフッドマーケッツ
11(水) ・米消費者物価指数(1月)
・米10年国債入札
マクドナルドクラフトハインツ、アルベマール
12(木) ・米新規失業保険申請件数(2月7日に終わる週)
・米中古住宅販売件数(1月)
・米30年国債入札
・ミランFRB理事の講演
・ダラス連銀ローガン総裁の講演
ブリティッシュアメリカンタバコ
コインベースグローバル、アプライドマテリアルズ
アリスタネットワークス
13(金) ・ユーロ圏実質GDP(10-12月期、改定値) コアウィーブ

注:日付は現地時間によります。(E)はBloombergによる予想を示します。企業決算の赤字でのハイライトは、当社顧客保有人数の1~30位、青字のハイライトは31~50位を示します。
※Bloombergデータ、各種報道をもとにSBI証券が作成

※本ページでご紹介する個別銘柄及び各情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。

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