【アメリカNOW!】先週の好決算銘柄:AMD、ルメンタム、データドッグ、ハウメット、アルベマール

投資情報部 榮 聡
2026/05/11
先週の米国株式市場は、米国による停戦条件提示に対するイランの返答を待つ中で原油価格がピークアウトとなり、企業業績の好調に注目が集まって相場上昇が続きました。今週の株価材料として、米国とイランの停戦交渉、トランプ大統領の訪中、4月小売売上高が注目されます。
今回は先週の決算発表銘柄から、アドバンスト マイクロ デバイシズ(AMD)、ルメンタム ホールディングス(LITE)、データドッグ A(DDOG)、ハウメット エアロスペース(HWM)、アルベマール(ALB)を選んでご紹介いたします。
図表1 S&P500指数の一目均衡表(週足、2年)
「一時的」と考えられるイラン戦争の影響で相場が下落して株式需給が整理され、相場が上昇しやすくなっていると考えられます(詳しくは、4/20(月)付本レポートの「米国市場が高値更新したことについての解釈」の部分をご参照ください)。
図表2 業種別指数騰落率・個別銘柄騰落率
| S&P500業種指数騰落 | 5日 | 1ヵ月 | 3ヵ月 |
| 情報技術 | 7.0% | 19.4% | 17.8% |
| S&P500 | 2.3% | 8.5% | 6.6% |
| コミュニケーションサービス | 1.9% | 12.3% | 12.4% |
| 一般消費財・サービス | 1.8% | 8.6% | 7.2% |
| 素材 | 0.6% | -1.7% | -3.9% |
| 資本財・サービス | 0.2% | 1.0% | -0.9% |
| 不動産 | 0.1% | 3.4% | 3.8% |
| 生活必需品 | -0.2% | 2.1% | -3.6% |
| ヘルスケア | -1.2% | -2.7% | -8.2% |
| 金融 | -1.4% | 0.9% | -2.7% |
| 公益事業 | -4.0% | -4.9% | 0.3% |
| エネルギー | -5.4% | -2.7% | 0.3% |
| 騰落率上位(5日) | 騰落率 |
| アドバンスト・マイクロ・デバイセズ | 26.3% |
| インテル | 25.4% |
| クアルコム | 23.8% |
| オラクル | 14.0% |
| CVSヘルス | 10.3% |
| 騰落率下位(5日) | 騰落率 |
| ペイパル・ホールディングス | -10.1% |
| チャーター・コミュニケーションズ | -9.8% |
| アルトリア・グループ | -8.6% |
| コノコフィリップス | -7.6% |
| コムキャスト | -6.6% |
注:個別銘柄の騰落率上位、下位はS&P100指数が母集団です。銘柄名はBloombergの表記により、当社WEBサイト・本文中の表記と異なる場合があります。
※BloombergデータをもとにSBI証券が作成
先週の米国株式市場
S&P500指数は週間で2.3%、ダウ平均は0.2%、ナスダック指数は4.5%の上昇でした。S&P500指数とナスダック指数は最高値の更新が続いています。
米国がイランに停戦条件を提示してイランによる返答待ちが続く中、散発的な攻撃の応酬もありましたが、原油価格はピークアウトとなりました。一方、企業業績の好調が注目されて株式相場は上昇が続きました。
半導体株を中心にAIデータセンター投資から恩恵を受ける銘柄群の株価上昇が続き、フィラデルフィア半導体株指数は、週間で11.1%の上昇となりました。先行した銘柄には利食いに押されるものもありましたが、代わって物色が強まるものが出て、AI関連銘柄内で物色が循環している印象です。
業種指数では、半導体株がけん引して情報技術が7.0%の大幅上昇となりました。原油価格がピークアウトしたエネルギーや公益事業が下落しました。上昇2位のインテル(INTC)は、半導体チップ製造でアップルと協議していると伝わったことで大幅な株価上昇が続きました。
今週の米国株式市場
株式市場の関心は、イラン戦争から好調な企業決算にシフトしていると見られます。S&P500指数採用銘柄の1-3月期EPSは、5/8(金)までに発表が終わった443社の集計で、前年同期比25.3%増、市場予想に対して17.8%上回っています。
非常に高い伸びには、アルファベット、アマゾン、メタの投資の評価替えなど一時要因による押し上げを含みますが、これを差し引いても好調との評価は変わりません。米国とイランの継続的な戦闘が再開するようなことがなければ、相場は上値を試す可能性が高いと考えられます。
今週の株価材料として、米国とイランの停戦交渉、トランプ大統領の訪中、4月小売売上高が注目されます。
先週米国が提示した14項目の停戦条件に対してイランは仲介国のパキスタンを通じて回答し、これに対してトランプ大統領は「全く受け入れられない」とSNSに投稿しています。これを受けてアジア時間のWTI先物価格は98ドル台に上昇しています(日本時間11日(月)午前9時)。全面的な戦闘再開の可能性は小さいと見られますが、不透明感が残っています。
トランプ大統領は5/14(木)、5/15(金)と訪中して、習近平主席との首脳会談に臨む予定です。米中関係の安定を実現することによって、低迷が続く支持率の回復を狙うと予想され、相場にはポジティブな影響が期待できるでしょう。
5/14(木)発表予定の4月小売売上高は、前月比+0.4%の予想で、2月の同+0.7%、3月の同+1.7%に続いて堅調な個人消費を示唆する見通しです。
経済指標では、5/11(月)に4月中古住宅販売件数(前月比+2.0%の予想)、5/12(火)に4月消費者物価指数(前年比+3.7%の予想、前月は同+3.3%)、5/13(水)に4月生産者物価指数(前年比+4.8%の予想、前月は同+4.0%)などの発表が予定されています。
企業イベントでは、1-3月期決算の発表は概ね終わって2-4月期決算の発表が始まります。通信機器のシスコシステムズ、半導体製造装置のアプライドマテリアルズなどAI物色に影響を与える企業が注目されます。
今週の5銘柄
今回は先週決算発表を行ったS&P500指数採用銘柄から、好決算と考えられる銘柄を図表3にリストアップし、ここからアドバンスト マイクロ デバイシズ(AMD)、ルメンタム ホールディングス(LITE)、データドッグ A(DDOG)、ハウメット エアロスペース(HWM)、アルベマール(ALB)を選んでご紹介いたします。
図表3 先週の好決算銘柄の決算概要(S&P500指数採用銘柄対象)
※BloombergデータをもとにSBI証券が作成
図表4 今週の5銘柄の投資指標
※BloombergデータをもとにSBI証券が作成
今週の注目銘柄
| 取引 | チャート | 銘柄 | 株価 (5/8) |
予想PER (倍) |
ポイント |
| 買付 | アドバンスト マイクロ デバイシズ(AMD) | 455.19ドル | 63.7 | 【AI需要を背景に強い売上ガイダンス】 ・CPU(中央演算処理装置)、GPU(画像処理装置)の両方を手掛ける半導体大手。CPUではサーバー用の「EPYC」を擁し、「Instinct」シリーズでAI半導体市場に参入しています。 ・4-6月期の売上ガイダンスは、AIデータセンター向け需要を背景に、109~115億ドルとして市場予想の105億ドルを大幅に上回りました。1-3月期の部門別売上は、データセンターが前年同期比57%増、クライアント&ゲーミングが同23%増、組み込みが同6%増でした。 | |
| 買付 | ルメンタム ホールディングス(LITE) | 903.80ドル | 51.2 | 【光通信の部品メーカー】 ・光部品メーカーです。AIデータセンターでの計算量増加によって光通信に対する需要が急拡大して恩恵を受けています。OCS(optical circuit switches)、CPO(co-packaged optics)といった新技術への対応で高成長が続く見通しです。 ・4-6月期ガイダンスは、売上が9.6~10.1億ドル(前年同期比100~110%増相当)で、調整後営業利益率は1-3月期実績の32.2%から35.0~36.0%へ改善が続く見通しです。 | |
| 買付 | データドッグ A(DDOG) | 200.16ドル | 82.7 | 【AIを利用したアプリの開発で需要が拡大】 ・クラウド開発者やIT運用者向けの監視、分析、セキュリティ関連プラットフォームを提供します。複雑化した顧客の業務システムの効率化を支援、生成AIアプリ監視サービスなどを育成しています。 ・2026年12月期の売上ガイダンスを43.0~43.4億ドルに引き上げ、市場予想の40.9億ドルを大きく上回ったことで、5/7(木)に株価が31.3%上昇しました。顧客が開発するAIを利用したアプリがパイロットプロジェクトから全面展開に進むことで同社製品への需要が拡大すると期待されます。 | |
| 買付 | ハウメット エアロスペース(HWM) | 270.56ドル | 55.8 | 【製品需要の好調が続く】 ・旧Alcoaの下流部門が源流で、航空機エンジンや産業用ガスタービンの部品が主力です。航空機エンジンは商業用、軍用とも需要は堅調で、産業用ガスタービンはデータセンター向けに需要が拡大しています。売上、利益とも10%台前半での成長が続けられるポジションにあると期待されています。 ・1-3月期に売上の54%を占めるエンジン製品部門(航空機エンジン、産業用ガスタービンを含む)の売上は前年同期比29%増、調整後EBITDAが同44%増と好調です。 | |
| 買付 | アルベマール(ALB) | 203.52ドル | 21.3 | 【リチウムの価格回復とリストラで利益回復】 ・リチウム、臭素、精製用触媒の特殊化学品メーカーで、リチウム生産では世界最大手です。EV需要の低迷を受けてコスト削減を行った一方、リチウム市況は予想よりも強いEV向け需要(特に欧州で)や定置用蓄電システム(BESS)向け需要の拡大を受けて2025年6月を底に回復基調にあることから、2026年、2027年と業績回復が期待されています。 ・1-3月期の売上をけん引したエネルギー・ストレージ部門の売上は前年同期比70%増で、数量が同14%増、価格が同51%増でした。 |
注:予想PERはBloomberg集計のコンセンサス予想EPSによります。使用した予想EPSの決算期は、ルメンタムホールディングスは2027年6月期、その他は2026年12月期です。
※会社資料、BloombergデータをもとにSBI証券が作成
主要イベントの予定
| 経済指標・イベント | 企業決算・イベント | |
| 11(月) | ・米中古住宅販売件数(4月) ・米3年国債入札 |
|
| 12(火) | ・米NFIB中小企業楽観指数(4月) ・米消費者物価指数(4月) ・シカゴ連銀グールズビー総裁の講演 ・米10年国債入札 |
リゲッティコンピューティング(E) Dウェーブクオンタム |
| 13(水) | ・ユーロ圏実質GDP(1-3月期、改定値) ・米生産者物価指数(4月) ・米30年国債入札 ・ボストン連銀コリンズ総裁の講演 ・ミネアポリス連銀カシュカリ総裁の講演 |
オクロ(E)、アプライドマテリアルズ |
| 14(木) | ・トランプ大統領が訪中(15日まで) ・米輸入物価指数(4月) ・米新規失業保険申請件数(5月9日に終わる週) ・米小売売上高(4月) ・クリーブランド連銀ハマック総裁のあいさつ ・バーFRB理事の講演 |
シスコシステムズ |
| 15(金) | ・米鉱工業生産(4月) | |
| 17(日) | ・中国鉱工業生産・小売売上高(4月) | |
| 18(月) | ・日本実質GDP(1-3月期、速報値) ・米NAHB住宅市場指数(5月) |
ネビウスグループ |
| 19(火) | ・米中古住宅販売成約(4月) ・フィラデルフィア連銀ポールソン総裁が基調講演 |
ホームデポ |
| 20(水) | ・S&Pグローバル日本製造業PMI(5月) ・S&Pグローバルユーロ圏製造業PMI(5月) ・FOMC議事要旨 ・米20年国債入札 |
エヌビディア、パロアルトネットワークス アナログデバイセズ、ターゲット |
| 21(木) | ・米住宅着工・建設許可件数(4月) ・米新規失業保険申請件数(5月16日に終わる週) ・S&Pグローバル米国製造業PMI(5月) ・米10年インフレ連動債入札 |
ウォルマート、ロウズ |
| 22(金) | ・米ミシガン大学消費者信頼感(5月、確報値) | ロスストアーズ、ワークデイ |
注:日付は現地時間によります。(E)はBloombergによる予想を示します。企業決算の赤字でのハイライトは、当社顧客保有人数の1~30位、青字のハイライトは31~50位を示します。
※Bloombergデータ、各種報道をもとにSBI証券が作成
※本ページでご紹介する個別銘柄及び各情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。
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