【アメリカNOW!】業績予想上方修正銘柄(2):テキサス インスツルメンツ、テラダイン、モノリシック パワー、アマゾン、データドッグ

【アメリカNOW!】業績予想上方修正銘柄(2):テキサス インスツルメンツ、テラダイン、モノリシック パワー、アマゾン、データドッグ

投資情報部 榮 聡

2026/05/25

先週の米国株式市場は、米国、イランの停戦交渉進展に対する期待から長期金利の上昇が一服となって週後半に反発、週間で上昇となりました。今週の株価材料として、米国とイランの停戦交渉、4月個人消費支出物価指数、ローマ教皇によるAIに関する回勅の発布が注目されます。

今回は先週号に続くアナリストが通期の予想EPSを上方修正した銘柄の第2弾として、テキサス インスツルメンツ(TXN)テラダイン(TER)モノリシック パワー システムズ(MPWR)アマゾン ドットコム(AMZN)データドッグ A(DDOG)を選んでご紹介いたします。

図表1 S&P500指数の一目均衡表(日足、3ヵ月)

長期金利の上昇一服を受けて週後半に反発しました。短期間の相場均衡点を示す「転換線」を2営業日は割り込んだものの、すぐに回復しました。

※当社WEBサイトを通じてSBI証券が作成

図表2 業種別指数騰落率・個別銘柄騰落率

S&P500業種指数騰落 5日 1ヵ月 3ヵ月
ヘルスケア 3.3% 3.8% -4.8%
公益事業 3.3% -2.1% -3.9%
不動産 3.0% 1.5% 2.2%
一般消費財・サービス 1.9% 0.9% 6.4%
金融 1.6% 0.8% -1.0%
情報技術 1.0% 9.4% 22.4%
S&P500 0.9% 4.3% 8.2%
資本財・サービス 0.2% -0.6% -2.8%
素材 0.0% -3.6% -5.8%
エネルギー -0.4% 3.9% 7.5%
生活必需品 -1.0% 1.2% -3.6%
コミュニケーションサービス -1.9% 3.6% 10.3%
騰落率上位(5日) 騰落率
クアルコム 18.2%
IBM 15.8%
アドバンスト・マイクロ・デバイセズ 10.2%
インテル 10.2%
メルク 9.9%
騰落率下位(5日) 騰落率
インテュイット -18.6%
ウォルマート -8.5%
ディア -5.8%
ネクステラ・エナジー -5.2%
エヌビディア -4.4%

注:個別銘柄の騰落率上位、下位はS&P100指数が母集団です。銘柄名はBloombergの表記により、当社WEBサイト・本文中の表記と異なる場合があります。
※BloombergデータをもとにSBI証券が作成

先週の米国株式市場

S&P500指数は週間で0.9%、ダウ平均は2.1%、ナスダック指数は0.5%の上昇でした。

週前半は原油高を背景とする長期金利の上昇が株価を抑えましたが、週後半には停戦交渉の前進に対する期待から長期金利が上昇一服となり株価は反発しました。

5/20(水)にトランプ大統領がイランとの停戦交渉は最終局面にあるとツイートしてから流れが変わりました。米国、イラン双方から様々な情報が飛び交って停戦交渉は依然として不安定感が残っていましたが、株式市場の停戦交渉前進に対する期待は維持されました。

注目のエヌビディア決算は、主要指標が実績、ガイダンスとも市場予想を上回って好調でしたが、同社株価は3月末から3割近く上昇していたため、利益確定売りに押されました。一方、AI需要の強さを確認したことから、テクノロジー株の物色を再び刺激しました。

業種指数では、年初来のパフォーマンスが劣後しているヘルスケア、公益事業、不動産が上位となりました。個別銘柄で上昇トップのクアルコム(QCOM)は、エッジAIでの活躍の思惑がある中、5/22(金)には自動車メーカーのステランティスとの提携拡大が好感されました。上昇2位のインターナショナル ビジネス マシーンズ(IBM)は、米国政府による量子コンピュータ関連企業9社への出資20億ドルのうち、10億ドルが割り当てられることが好感されて5/21(木)に16%上昇しました。

今週の米国株式市場

S&P500指数は年初来9.2%上昇と好調です。1-3月期決算の発表を経て2026年のEPS(一株あたり利益)は年初に予想されていた前年比13%増から同22%増まで上方修正されたことが株価上昇の主因と考えられます。

S&P500指数の予想PERは、2026年予想EPS基準では22.2倍と割高感が否めないものの、2027年予想EPS基準では19.3倍と20倍を下回って、業績の伸びが平均以上となっている環境では許容される水準と見られます。

米国とイランの停戦交渉がまとまってホルムズ海峡の封鎖が解かれれば、一段高の可能性が高いでしょう。

今週の株価材料として、米国とイランの停戦交渉、4月個人消費支出物価指数、ローマ教皇によるAIに関する「回勅」の発布が注目されます。

米国とイランの停戦交渉は、トランプ大統領が5/20(水)に交渉の最終局面とツイートして合意に対する期待が高まりましたが、米国、イラン双方からウラン濃縮とホルムズ海峡の解放に関して様々な情報が発信されており、交渉はなお不安定な状況にあると見られます。

4月個人消費支出物価指数は、総合指数が前年比+3.8%の予想(前月は同+3.5%)、コア指数は同+3.3%の予想(前月は同+3.2%)です。原油高の影響が反映される見通しです。

5/25(月)にローマ教皇レオ14世が産業革命以来135年ぶりとなる「回勅」(全世界のカトリック教会に向けた公式書簡)をAIに関して発布する予定です。「人工知能の時代における人間の尊厳の保護」に焦点を当てた内容となる見通しです。

バチカンで行われる発布式にはアンソロピックの共同創業者クリストファー・オラー氏も登壇予定です。AI革命の社会的インパクトの大きさを示唆するイベントと言えるでしょう。

経済指標では上記のほか、5/26(火)に5月コンファレンスボード消費者信頼感(前月の92.8から92.0に悪化の予想)、5/28(木)に1-3月期実質GDP改定値(前期年率+2.0%の予想)、4月耐久財受注(前月比+3.9%の予想)、4月新築住宅販売件数(前月比-3.5%の予想)などの発表が予定されています。

企業イベントでは、セールスフォース、マーベルテクノロジー、HP デルテクノロジーズ、コストコホールセール、ベストバイなどの決算発表が予定されています。

今週の5銘柄

今回は前週に続いて通期予想EPSが上方修正された銘柄をご紹介いたします。5/12(火)までに1-3月期決算の発表が終わったS&P500指数採用の435銘柄を対象に以下のスクリーニングを行いました。

【スクリーニング条件】

・今期予想EPSの修正率(過去3ヵ月)が1%以上

・来期予想EPSの増加率が10%以上

・時価総額が500億ドル以上

先週は図表3の上位銘柄を中心にサンディスク、GE ベルノバ、コンフォート システムズ、シーゲイト テクノロジー、クアンタ サービシーズをご紹介いたしました。

今回は2番手銘柄として、テキサス インスツルメンツ(TXN)、テラダイン(TER)、モノリシック パワー システムズ(MPWR)、アマゾン ドットコム(AMZN)、データドッグ A(DDOG)を選んでご紹介いたします。

図表3 通期予想EPSの修正率が大きい銘柄(S&P500指数採用銘柄対象、5/12(火)のデータによる)

※BloombergデータをもとにSBI証券が作成

図表4 今週の5銘柄の投資指標

注:予想PERは今期予想EPSに基づいて計算しています。
※BloombergデータをもとにSBI証券が作成

今週の注目銘柄

取引 チャート 銘柄 株価
(5/22)
予想PER
(倍)
ポイント
買付チャートテキサス インスツルメンツ(TXN)309.21ドル40.0

【実績、ガイダンスとも市場予想を上回る】

・アナログ半導体の大手です。売上の6割以上を産業機器と自動車向けが占めています。アナログ半導体業界は、ここ数年需要の低迷が続いてきましたが、昨年後半から回復の動きが強まりつつあるとみられます。

・1-3月期決算は売上が前年同期比19%増、EPSが同31%増、市場予想に対してそれぞれ7%、22%上回って好調でした。4-6月期売上見通しも50~54億ドルとして、市場予想の48.5億ドルを上回りました。産業機器向けは力強い回復の動きが続いているほか、データセンター向けが伸びています。

買付チャートテラダイン(TER)358.44ドル49.7

【半導体検査装置の大手】

・半導体検査装置の大手で日本のアドバンテストがライバルです。2025年12月期の売上構成比は、半導体テスト79%、製品テスト11%、ロボティクス10%です。

・1-3月期決算は売上が前年同期比87%増、EPSが同3.4倍と好調で業績予想の上方修正につながりました。売上の約70%がAI関連需要で押し上げられています。4-6月期の売上ガイダンスは1-3月期比やや減少となったことから決算後に株価が下落しました。一方、半導体の微細化が2ナノ、1.4ナノなどに進むことや協働ロボットの普及が中期成長のカタリストと期待されています。

買付チャートモノリシック パワー システムズ(MPWR)1,589.81ドル66.2

【オプティカル、スイッチ向け製品が伸びる】

・電源ICを中心としたアナログ半導体メーカー。電圧変換・制御(DC)製品が売上の多くを占めます。クラウド・AIサーバー向け製品が2024年12月期から伸びてアナログ半導体メーカーではいち早くAI関連の恩恵を受けてきました。

・1-3月期にはコミュニケーション向けの売上がオプティカル・モジュール、スイッチなど向けに伸びて10-12月期比33%増えました。2つ目の成長柱として認識されたことで、業績予想の上方修正につながったとみられます。1-3月期決算は、売上、調整後EPSとも前年同期比26%増と好調でした。

買付チャートアマゾン ドットコム(AMZN)266.32ドル25.8

【投資の成果が出始めている】

・同社の幅広い事業で投資の成果が現われ始めています。1-3月期のクラウド事業の伸びは前年同期比28%増と10-12月期の同24%増から加速、OpenAIとの新規提携により、当面の高い伸びが期待されます。独自開発のAI半導体「Trainium」も成長をけん引します。また、小売事業では、即日配達サービスと対話型AIショッピングアシスタント「Rufus」の投入によって市場シェアを拡大できると期待されます。

・1-3月決算は、売上が前年同期比17%増で市場予想を2%上回り、調整後EPSは同2%増で市場予想に一致しました。

買付チャートデータドッグ A(DDOG)222.32ドル90.7

【AIを利用したアプリの開発で需要が拡大】

・クラウド開発者やIT運用者向けの監視、分析、セキュリティ関連プラットフォームを提供します。複雑化した顧客の業務システムの効率化を支援、生成AIアプリ監視サービスなどを育成しています。

・1-3月期決算は売上が前年同期比32%増、EPSが同30%増で、それぞれ市場予想を5%、15%上回りました。2026年12月期の売上ガイダンスを市場予想の40.9億ドルを大きく上回る43.0~43.4億ドルに引き上げました。顧客が開発するAIを利用したアプリがパイロットプロジェクトから全面展開に進むことで同社製品への需要が拡大すると期待されます。

注:予想PERはBloomberg集計のコンセンサス予想EPSによります。使用した予想EPSの決算期は、いずれも2026年12月期です。
※会社資料、BloombergデータをもとにSBI証券が作成

主要イベントの予定

  経済指標・イベント 企業決算・イベント
25(月) 米国市場休場(メモリアルデー)
・ローマ教皇がAIに関する「回勅」発布
 
26(火) ・シカゴ連銀全米活動指数(4月)
・S&PコタリティCS住宅価格(3月)
・米コンファレンスボード消費者信頼感(5月)
・米2年国債入札
オートゾーン
27(水) ・米5年国債入札 セールスフォース、HP
28(木) ・米実質GDP(1-3月期、改定値)
・米個人所得・個人支出(4月)
・米個人消費支出物価指数(4月)
・米耐久財受注(4月)
・米新規失業保険申請件数(5月23日に終わる週)
・米新築住宅販売件数(4月)
・米7年国債入札
デルテクノロジーズ、コストコホールセール、ベストバイ
29(金)    
6月
1(月)
・米ISM製造業景気指数(5月)  
2(火) ・米求人労働異動調査(4月) パロアルトネットワークス、ダラーゼネラル
3(水) ・米ADP雇用統計(5月)
・米ISM非製造業景気指数(5月)
・米地区連銀経済報告(ベージュブック)
ブロードコムクラウドストライクホールディングス
メドトロニック
4(木) ・チャレンジャー人員削減(5月)
・米新規失業保険申請件数(5月30日に終わる週)
 
5(金) ・ユーロ圏実質GDP(1-3月期、確報値)
・米雇用統計(5月)
 

注:日付は現地時間によります。(E)はBloombergによる予想を示します。企業決算の赤字でのハイライトは、当社顧客保有人数の1~30位、青字のハイライトは31~50位を示します。
※Bloombergデータ、各種報道をもとにSBI証券が作成

※本ページでご紹介する個別銘柄及び各情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。

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