投資のプロにインタビュー 意外と知らないETFの世界(三井住友DSアセットマネジメント編)

投資のプロにインタビュー 意外と知らないETFの世界(三井住友DSアセットマネジメント編)

投資情報部 髙田 航輝

2026/09/11

投信と株式のハイブリッド? ETFの魅力に迫る

今回のテーマはETFです。

ETFって、「知っているようで、よく知らない」商品カテゴリーじゃないでしょうか?

かく言う筆者も、このレポートを掲載するにあたって、ETFを勉強する前までは、なんとなくしか理解できていなかったと思います(正直言って、株式や投資信託と比べて、地味な商品カテゴリーだなと思っていました)。

ところが、ETFについて調べているうちに、株式と投資信託のいいところを兼ね備えた、魅力的な商品であることがわかってきました。

今回の投信探求では、意外と知らないETFの世界をみなさんにご紹介しようと思います。

このレポートでは、前半部分でETFの基本について解説していきます。商品の性質や、一般的な投資信託との違いについて触れています。後半では、投資のプロである運用会社の方へのインタビューを掲載しています。運用会社が本当に伝えたいETFの魅力などをお伝えできればと思います。

※今回は三井住友DSアセットマネジメント様にご訪問し、ETFの魅力についておうかがいしました。
 「投資のプロにインタビュー」シリーズでは今後も投資のプロにテクニックや商品の魅力についてインタビューする予定です。
 特定の企業、商品をお勧めする意図はございませんので、予めご了承ください。

ETFとは何か?

【ETFのキホン】

ETF(Exchange Traded Fund)とは「上場投資信託」を意味しています。一般的な投資信託とは異なり、上場しているため、株式と同様に取引所で売買することができます。一般的な投資信託は1日1回だけ基準価額が算出されますが、ETFは取引所で売買されているため、取引時間中(※1)は市場価格がリアルタイムで変動することが多いです。

ETFは日本だけでなく、海外でも上場・取引されており、SBI証券では国内ETFだけでなく、海外ETFも取引することが可能です。

銘柄によって異なりますが、NISA成長投資枠で買付可能なETFもあります。

※1:東京証券取引所の取引時間は平日の9時~11時30分と12時30~15時30分。


【ETFの歴史】

世界で初めてETFが上場した国って、どこだと思いますか?

意外にもカナダがETF上場第1号なんです。1990年にカナダのトロント証券取引所で上場した「Toronto 35 Index Participation Units(TIPS35)」が世界初のETFといわれています。トロント証券取引所の時価総額上位35銘柄の値動きに連動する投資成果を目指す商品でした。この商品自体は現在上場していませんが、ファンドの統合などを経て、TIPS35をルーツとするETFは現在も取引されています。

1993年にはアメリカ初のETFである「SPDR S&P 500 ETF Trust」が上場しました。S&P500指数と連動するような投資成果を目指すETFであり、こちらは現在(※2)も上場していて、取引することができる銘柄です。

日本では1995年に国内初のETF「日経300株価指数連動型上場投資信託」が上場しました。国内初のETFが参照した指数は日経平均株価やTOPIXではありませんでした。

※2:2026年9月1日時点。


【ETFの種類と特徴】

ETFも一般的な投資信託と同様にアクティブ型とインデックス型に大別されます。

インデックス型は日経平均株価やS&P500などの指数に連動するような投資成果を目指す商品です。ほかにも日経半導体株指数や金価格を参照する銘柄もあります。アクティブ型は連動対象指標が存在しません。ファンドマネージャーや運用会社がベンチマークとなる指数を上回るような投資成果を目指すタイプのETFです。日本ではインデックス型の銘柄数の方がアクティブ型よりも多いです。

また、ETFの組入銘柄や運用商品も多岐にわたります。国内株式や、外国株式、債券、金などのコモディティなど様々です。ほかにも、メキシコや韓国など特定の国の株式を参照する商品や、株価指数や個別株の株価にレバレッジをかけたETFも存在します。

ETFと投資信託はここが違う!

続いてETFと一般的な投資信託の代表的な違いを確認していきます。

【タイムリーに取引できる】
一般的な投資信託とETFの違いのひとつは取引価格です。一般的な投資信託は1日1回算出される基準価額で取引が可能です。一方でETFは上場していますので、市場価格でタイムリーに取引が可能です。

例えば日経平均株価が前日比で前場は安く、後場は高かったとします。日経平均株価連動型の投資信託を買う場合、終値をもとに基準価額を算出するため、前日よりも高い価格で買うことになります。一方で、日経平均株価連動型ETFの場合、前場に買い付けることができれば、前日よりも安い価格で買うことができます。

タイミングによっては、このように上手くいかないケースもありますが、1日の中で買うタイミングを選択できる点は、ETFの強みだといえます。


【指値、成行など注文価格を指定できる】

一般的な投資信託は投資家が買付・売却単価を指定して発注することができません。金額や口数を指定して発注し、いくらで買えるか(売れるか)は基準価額が公表されるまでわかりません。一方で、ETFは株式と同様に、「指値」や「成行」などの方法で注文を出すことができます。そのため、指値注文を入れることで「これ以上高い価格では買いたくない」や「これ以上低い値段では売りたくない」など、投資家の希望を注文に反映させることが可能です。もしくは「このタイミングは逃せない」と成行で注文を入れることができます。

代表的なETFのご紹介

今回は純資産総額が大きい、代表的な国内ETFを一部ご紹介します。

表を見てわかるように、様々な指数や商品、業種に特化した銘柄があることがお分かりいただけると思います。

このように、様々な種類のETFを自分のポートフォリオや好みによってカスタマイズしていけるところがETFの大きな魅力であると思います。

表には掲載されていませんが指数の2倍の動きをするレバレッジ型の銘柄や、指数と逆の動きをするインバース型の銘柄も存在します。

また、海外ETFの中には、個別株式の株価の2倍の動きをするように設計されたETFもあるんです。

じっくり長期保有をすることのほかに、ユニークな商品性と値動きを楽しめることもETFの魅力といえるのではないでしょうか。

投資のプロにインタビュー(三井住友DSアセットマネジメント編)

(髙田)
まず初めに、ETFの魅力や活用術を教えてください。


(橋本さん)
まずはリアルタイムで取引できるのは大きな魅力だと思います。様々な種類の投資信託を株式と同じように、市場で取引できるのは大きな魅力じゃないでしょうか?
また、2023年からは日本でもアクティブ運用型のETFが解禁されました。商品ラインナップが広がることで、ETFの魅力も高まっているのではないでしょうか?


(島村さん)
一般的な投資信託との違いで言うと、日次データでポートフォリオの全組入銘柄が確認できることも魅力の一つですね。
アクティブファンドのファンドマネージャーがどんな銘柄を選んでいるのかって、やっぱり気になりますよね?一般的な投資信託では月次レポートで、10銘柄ほどしか開示されていないし、レポートが公表されるまでのタイムラグがありますよね。日次で確認できるETFなら、よりフレッシュな情報を知ることができます


(髙田)
アクティブって聞くとコストが高いっていうイメージでしたけど、ETFだと比較的低コストで運用できるんですね!
私自身、株式が好きなので、ファンドマネージャーに選ばれた銘柄は気になりますね。

オルカン(eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー))の積立が結構スタンダードな投資手法になっていますが、ETFとの相性はどうでしょうか?


(橋本さん)
全世界株式のみで積立投資を行うことの弱点って出口戦略だと思うんですよ。全世界株式って株式だけに投資をしているので、70歳をゴールと決めて積み立てていても、69歳で世界の株価が暴落したら、保有している銘柄も大きく下落してしまう可能性があります。そこで、債券などを組み合わせてポートフォリオで管理することが大切だと思います。債券を投資対象としたETFなら、株式のように簡単に取引できるので。全世界株式を投資対象とする銘柄と株式以外の資産をETFで併せ持つのはリスク分散として効果的だと思います。

(島村さん)
多様な資産に、タイムリーにアロケーション(資産配分)を変更できるところはETFの利点だと思います。
年齢や相場環境によって、資産構成の見直しはした方がいいと思うんですよ。20代は全世界株式でコツコツ積み立てる。60代でリタイアしたら、リスクを抑えて、債券なども組み合わせるとか・・・。ETFを通じて債券や金などの商品に投資できるのは魅力だと思います。


(髙田)
今持っている資産を補強するという意味でもETFを組み合わせるなどして活用できるということですね。

ところで、8月にETFの新ブランド「SMBC Prime ETF」を立ち上げられていますが、どのようなシリーズになるのでしょうか?


(橋本さん)
「SMBC Prime ETF」では三井住友DSアセットマネジメントの知見、リサーチ力を生かし、品質にこだわったETFを提供しようという思いが強いです。
幅広い個人投資家の方に金融資産のコアとなる商品として、ETFを使ってほしいと思っています。
おかげさまで、R&Iファンド大賞2026では3年連続最多受賞を獲得することができました。当社の強みであるアクティブ運用もETFに生かしていけると思います。


(髙田)
ETFであればNISA対象の商品も多いですし、個人投資家にはありがたいですよね。
シリーズ第1弾のSMBC Prime 日本短期債券ETF(年1回決算型)(636A)とSMBC Prime 日本短期債券ETF(毎月決算型)(635A)が9月11日に上場予定ですが(※1)、第1弾が国内債券を投資対象にしているのは意外でした。私の中で、三井住友DSといえば国内株式のイメージが強かったので・・・

※1:2026年9月3日インタビュー時点での情報


(島村さん)
金利のある世界」は、これからの重要な投資テーマだと思います。金利がつく環境では、株式に加えて、安定した利回りをとりにいくために債券に投資することの重要度が増してきます。当社には国内債の運用・リサーチに強いチームがありますので、その運用力を活かして、円建ての短期債券ETFを上場させます。「金利のある世界」の第一歩として、自信をもってお届けできる商品だと思います。


(髙田)
国内のETF市場はアメリカのETF市場と比較して、まだまだ発展途上だと思うのですが、私を含め、個人投資家が知らないETFの魅力を知ることができました。今後、「SMBC Prime ETF」でどのような商品が登場するのか、楽しみになりました。本日はありがとうございました。

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