FOMCで0.5%の利下げ!今後市場の方向感は?
投資情報部 鈴木 英之
2024/09/19
米国時間9/18(水)まで開催されていたFOMC(米連邦公開市場委員会)において、政策金利を5.25~5.50%から0.5%ポイント引き下げ、4.75~5.00%とすることが発表されました。
短期金利市場では、FOMC直前において0.5%ポイントの利下げが65%織り込まれた形になっていました。それを反映し、米国では株価が上昇し、10年国債利回りが低下し、円高・ドル安(一時1ドル139円台)が進んでいました。したがって、短期金利市場からみれば、サプライズがほぼない決定になったとみられます。
むしろ、短期金利市場が利下げに対し、やや前のめりになり過ぎていた印象があります。FOMC直前の短期金利市場は、年末時点の政策金利水準見通しについて4.25~4.50%が33.5%、4.00%~4.25%が41.8%との織り込み方でした。しかし、FOMCメンバーが新たに示した年末時点の政策金利見通しでは、19人中7人が4.50%~4.75%、同9人が4.25%~4.50%と、短期金利市場よりも高めの予想になっています。パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長も「0.5%ポイントの利下げをFOMCの新たな行動ペースと想定すべきではない」と述べています。
すなわち、大幅利下げが続くとのシナリオに基づいた売買は目先反転する可能性がありそうです。9/18(水)の米国市場ではS&P500指数が下げ、長期金利が上昇し、外為市場では円安・ドル高となりました。同じ流れが当面続く可能性がありそうです。
米国株の上昇が一服した場合、今後日本株にも逆風が吹く可能性はあります。ただ、外為市場で円高・ドル安が一服する可能性が大きいとみられ、そのことが日本株の下支え要因になりそうです。日経平均株価の予想EPS(1株利益)は足元で過去最高水準にあり、企業業績は堅調です。秋相場では日本株が再び上昇に転じる可能性がありそうです。
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