「石破ショック」で株価急落?買いチャンスは?

投資情報部 鈴木 英之

2024/09/30

週明け9/30(月)の東京株式市場では、日経平均株価が大幅反落しました。午後には一時37,797円(前週末比2,031円安)まで急落しました。また、外為市場では、ドル・円相場が141円台半ばまで、9/27(金)に一時1ドル146円台半ばまで進んだことを考えると、5円程度円高・ドル安が進んだことになります。

9/30の株価急落は、石破氏の総裁選勝利によりもたらされたため「石破ショック」と称されるかもしれません。同氏の経済政策に不透明感が指摘され、当面は要注意との指摘も出てきそうです。ただ、市場参加者は以下の諸点に注意が必要と思われます。

(1)9/30の株価急落は、いわゆる「高市トレード」の巻き返しの部分が大きそうです。9/27(金)取引時間中に、自民党総裁選挙の第1回目投票で、高市氏がトップとなり、その後は同氏勝利を織り込む展開となりました。同氏は緩和的金融政策を主張していたため、この日は円安・ドル高が進み、国内金利上昇が追い風になりやすい銀行株が売られる展開でした。しかし、逆転劇により石破氏が勝利したことで、取引終了後は「高市トレード」の巻き戻し(円買い・ドル売り、株式の利益確定売り)が生じ、その流れが9/30も続きました。したがって、9/30の急落は石破氏の経済政策を嫌気した面だけではないと考えられます。

(2)複数メディアから、「衆議院10/9解散、衆議院選挙公示10/15、同選挙投開票10/27」を有力視する報道が続いています。実際、午後に石破氏から同方針が表明されています。早期の解散・総選挙が実現した場合「衆議院解散以降総選挙まで、日本株は上昇する確率が大きい」との経験則を想起する必要がありそうです。

東証再開(1949年)後の解散総選挙は、2021年まで計25回ありましたが、解散日の日経平均終値に対し、投開票日(多くはその翌営業日)終値の日経平均株価は、上昇19回、下落6回、平均上昇率2.12%という経験則があります。特に2000年以降の8回については、上昇6回、下落2回、平均上昇率4.27%と好パフォーマンスです。

(3)そもそも、石破氏の経済対策について、その全容が明らかになった訳ではありません。株式市場にプラス面とマイナス面があるとみられますが、9/30の株価急落は、そのマイナス面を先行して織り込んだ可能性があり、今後市場が遅れてプラス面を評価する可能性がありそうです。事実、石破氏は基本的に岸田路線を検証し、脱デフレを確実なものにする意向であり、むしろ、これまでと大きく変わらない可能性がありそうです。

以上から、9/30の株価急落は「行き過ぎ」とみられ、反発の場面は近いと思われます。ただ、9/30(月)~10/4(金)の週は、雇用統計をはじめ、米国でも重要日程が目白押しであり、それらを横目にみながらの展開が想定されます。

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