「FOMC」「日銀会合」を経て、市場の流れは変わるのか?

投資情報部 鈴木 英之

2024/12/19

12/18(水)の米国株式市場では、主要株価指数が下落し、特にNYダウは50年ぶりの10営業日続落となりました。12/19(木)の東京株式市場は、米国株安を嫌気して売り先行となり、日経平均株価は寄り付き直後に一時726円安となりました。

日米の株安は、FOMC(米連邦公開市場委員会)の結果が嫌気された面が大きいとみられます。

米国時間12/18(日本時間12/19早朝)にFOMCの結果が発表され、FRB(米連邦準備制度理事会)が政策金利を0.25%引き下げ、4.25~4.50%とすることが発表されました。これについては、市場の予想通りで驚きはないとみられます。

市場が驚いたのは、FOMCメンバーによる政策金利見通しの変化であると考えられます。9月に開催されたFOMC後の同見通しでは、12月の0.25%利下げを前提とした場合、FRBは2025年に0.25%の利下げを4回程度行うという見通しでした。しかし、今回のFOMCを経て、利下げ回数見通しは2回に下方修正されました。市場はFRBがタカ派的方向にスタンスを変えたとみたようです。

注意すべきは、FOMCメンバーのインフレ見通しが引き上げられたことです。2025年のコアPCE予想中心値は9月時点の2.1~2.3%から今回は2.5~2.7%に引き上げられました。トランプ関税等によるインフレ見通しへの影響が意識され始めた可能性がありそうです。

2025年の米政策金利見通しについて、市場の「いずれにせよ低下局面」との平均的見方が、「利下げはいつ、どこで止まるのか」との見方に変わりつつあるのではないでしょうか。その変化が、今回の株価下落の要因であるとみられます。FOMC後の「FEDウォッチ」(日本時間12/19午前10時40分)では、2025年末までの追加利下げ回数(1回につき0.25%の利下げを前提とした場合)について、1回の確率が37.6%、2回の確率が27.8%、0回の確率が20.6%と、織り込まれています。市場で「2025年利下げナシ」も視野に入ってきたということでしょう。

こうした中、12/19(木)午前に、日銀金融政策決定会合の結果も発表され、政策金利は0.25%で据え置きとなりました。

FOMCと日銀金融政策決定会合を通過し、2024年内の重要な経済イベントはほぼ発表を終えた形になっています。日本株については、イベントリスク後退もあり、年内の日経平均は38,000~40,000円のボックスを維持できそうです。

米国でFOMCメンバーのスタンスがタカ派的に変わったことで、米金利は高止まりしやすくなり、円高・ドル安が進みにくくなるとみられます。「円高シナリオの後退」は、日本株を下支える要因になりそうです。

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