【マーケットフラッシュ】「日経平均1,088円高」が示唆する?乱高下の予感

投資情報部 鈴木 英之

2025/10/30

「日経平均1,088円高」が示唆する?乱高下の予感

■日経平均、1,088円高で史上初の51,000円台に到達

10月29日(水)の東京株式市場で、日経平均株価の終値は前日比1,088円47銭高となり、史上初めて51,000円台に乗せました。
ただし、取引全体を通じて日本株市場の高揚感が続いているとは言い難い状況でした。
この日、東証全体の値動きを示すTOPIX(東証株価指数)は続落し、東証プライム市場では値下がり銘柄が全体の約86%に達しました。
日経平均が1,000円超上昇したにもかかわらず、保有銘柄が下落した投資家も少なくなかったと考えられます。

■アドバンテスト(6857)、日経平均上昇に1,077円寄与

この日の取引で、日経平均株価の上昇幅1,088円のうち、アドバンテストが1,077円分を押し上げました。
同社は前日、2026年3月期第2四半期決算を発表し、通期業績予想を上方修正。さらに自社株買いの実施も公表しました。
好材料が重なった結果、同社株は前日比4,000円高のストップ高で取引を終えました。
このほか、ソフトバンクグループ(9984)や東京エレクトロン(8035)などの値嵩株も上昇し、日経平均を押し上げました。

■半導体関連株が主役、日経平均は乱高下の可能性も

日経平均への寄与度が高い半導体株が主役に戻ることで、今後は日経平均株価の値動きが激しくなる可能性があります。
この日の上昇で「保ち合い放れ」となった半導体関連銘柄も多く、テクニカル面では上昇基調の継続が期待される形状です。
一方で、10月29日時点の日経平均終値は25日移動平均線を7.7%上回っており、乖離率は7~8%が「過熱」の目安とされるため、短期的な反転には注意が必要です。

FOMC(米連邦公開市場員会)はややタカ派的?

米国時間10月29日(日本時間10月30日未明)、FOMCの結果が発表されました。市場予想どおり、米政策金利は0.25%引き下げられ、誘導目標は3.75~4.00%となりました。

一方、12月会合での追加利下げについて、パウエル議長はFRB(米連邦準備制度理事会)内で意見が分かれていることを示唆しました。12月の利下げを確実視していた市場は、この発言を「釘を刺された」と受け止めたようです。

ただし、米国時間10月29日の米株式市場では、テック株を中心に堅調な相場が続きました。ややタカ派的なFOMCの結果は、円安・ドル高要因になりやすいとみられます。

東京株式市場にとって、今回のFOMC結果発表は「無事通過」と評価できるでしょう。

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