年初から乱高下!2025年はいったいどうなる?

年初から乱高下!2025年はいったいどうなる?

投資情報部 鈴木英之 栗本奈緒実

2025/01/07

12月最終週の日経平均は大幅高!自動車業界再編期待の思惑広がる

12月第4週(12/23-27)の日経平均株価は、前週末比1,579円高(+4.1%)と週足ベースで反発。米株式市場では、サンタクロースラリーが発生し、FOMC後に軟調だった米大型テック株に買い戻しが入りました。米株高のほか、日本独自の材料で、27日(金)から新NISAの2025年分の非課税枠が使用可能となり、個人投資家による買い需要の強まりも寄与し、日経平均は約5ヵ月ぶりに4万円台を回復しました。しかし、翌週の大発会は反動による売りの発生等で、再び4万円の心理的節目を割りました。

日経平均株価採用銘柄の騰落率上位(12/20~12/30・図表7)の首位は、ホンダ(7267)です。12/23(月)に日産(7201)との経営統合の協議入りとあわせ、同社の時価総額(12/23時点)の16%超にあたる1.1兆円の大規模な自社株買いを発表し、需給の引き締まりが意識されました。また、自動車業界再編に向けた動きが活発化するとの思惑から他自動車メーカーも買われ、複数ランクインしました。

日経平均株価採用銘柄の騰落率下位(12/20~12/30・図表8)は半分が12月決算企業で、権利落ち日以降、売りが広がったもようです。2位の東宝(9602)は、12/23(月)、2024年の配給映画作品の興行収入が過去最高の910億円~920億円になりそうだと見通しを発表。しかし、株価が最高値水準にあったこともあり、材料出尽くしによる利益確定売りが広がりました。

2025年の大発会で日経平均は、3年連続マイナスとなりました。日米長期金利が高水準に位置していることや、米政府による日本製鉄のUSスチール買収阻止等で、米政策への警戒感が重しとなった格好です。しかし、翌1/7(火)は、米半導体株の上昇を背景に、主力半導体株が上昇をけん引。前場時点では、前日比957円高と、6日(月)の下落分(587円安)を打ち消しました。1月第1週(1/6-10)は10日(金)に12月米雇用統計が発表予定で、見定めようとする動きが続くでしょう。

図表1 日経平均株価およびNYダウの値動きとその背景

図表2 日経平均株価

図表3 NYダウ

図表4 ドル・円相場

図表5 主な予定

図表6 日米欧中央銀行会議の結果発表予定

図表7 日経平均株価採用銘柄の騰落率上位(2024/12/20~12/30)

図表8 日経平均株価採用銘柄の騰落率下位(2024/12/20~12/30)

年初から乱高下!2025年はいったいどうなる?

2024年相場が終わり、2025年相場が始まりました。日経平均株価の2024年終値は39,894円54銭となり、前年比6,430円37銭(6.9%)高となりました。年間終値として、1989年末38,915円87銭を上回り、35年ぶりに過去最高値更新となっています。

2024年の米国株(S&P500指数)は年間で23.3%上昇しました。暗号資産も上昇し、リスク資産全般が買われ、日本株もそれに追従する流れとなりました。東証が先導した市場改革、バフェット氏に促された日本株再評価、米金利高に伴う円安・ドル高も日本株のプラス材料になりました。脱デフレが進む中で、多くの企業が「価格の正常化」に成功し、企業業績も拡大しました。

日経平均の年間上昇率は2023年(28.2%上昇)に続き2桁の上昇となっています。アベノミクス相場の開始を2012年と考えた場合、同年以降昨年まで、平均年間上昇率は13.4%上昇という高いパフォーマンスになりました。また、昨年末まで50年間の日経平均株価年間平均上昇率は6.9%の上昇です。失われた20年(※)という長期的な停滞期を経て、プラスを確保しました。

※バブル経済が崩壊した後の日本経済の長期低迷期を指しています。明確な定義はなく、ここでは1990年~2011年頃をイメージしています。

図表9  日経平均株価の年間騰落率(過去50年)

2025年はどうなるのでしょうか。「十干十二支」では、「乙巳(きのとみ)」となります。「乙」は飛躍に向けてかがんでいる状態で、「巳(へび)」は再生、復活、長寿につながるとみられます。また、相場格言には「辰巳天井」という言葉があり、相場がピークアウトしやすいことを警告しています。

巳年のおもな出来事を明治以降について振り返る(図表10)と、東京遷都、日露戦争終結、NY大暴落、太平洋戦争開始、スターリン暴落、平成バブル相場の天井形成、米同時多発テロ、日銀の異次元緩和とつながっており、非常に波乱に富んだ干支といえそうです。

ただ、良いことも悪いことも、永遠に続くことは難しく、「いきなりの変化に注意すべき」と理解したいと思います。

年始年末の東京市場では、12/30(金)・1/6(月)に日経平均株価が累計974円下げた後、1/7(火)は大きく買いが先行するなど荒っぽい展開です。トランプ次期政権の政策に対する不透明感や日本の長期金利上昇で売られ、半導体市場の成長に対する期待や円安で買い直されるという展開です。仮に半導体銘柄の動意が強まると、日経平均株価の動きも激しくなる可能性がありそうで、早速「いきなりの変化に注意すべき」かもしれません。

図表10 明治時代以降の「巳年」におけるおもな出来事

図表11は2025年の重要なスケジュール(予定)です。

もっとも重要なスケジュールとしては、1月の「トランプ大統領」就任(20日)が最右翼といえるかもしれません。実際に同氏の政策が出揃ってくるまでは、市場で警戒感が先行する場面が多くなる可能性もありそうです。

現状では、関税強化に象徴される保護主義的政策が警戒されているようです。ただ、トランプ氏の本質はビジネスマンであり、株安を許容するとも考えられません。諸外国との駆け引きを通じて、現実な政策に落としどころをみつけていくことになりましょう。同氏の政策が次第に明らかになり、不透明感が後退してくれば、株価も上昇しやすくなるでしょう。

図表11 2025年のおもな予定

損失は限定的!日経平均の予想に応じたオプション取引戦略を動画でご紹介

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