年度上半期を復習し、1年後の日経平均株価を予想する

投資情報部 鈴木英之 植田雄也
2025/09/30
日経平均株価が最高値更新
■9月第4週(9/22~9/26)の株式市場動向
・日経平均株価9/26終値は前週末比309円18銭(0.68%)高と週足ベースで続伸。
・9/22~9/25には3営業日続伸。9/25に最高値更新。
・米株安と関税リスクで9/26は反落。
・日経平均株価の変動要因
①日銀のETF売却方針:前週末に発表されたが、「長期的に実施」との見方で冷静な買い戻し
②総裁選討論会:財政拡張期待が相場を押し上げ
③中間配当権利付き最終日(9/26):個人投資家の買いが活発化
④円安・財政期待・配当取り(~9/26)という複数の好材料が重なりました
■ 騰落率の傾向(9/19~9/26)
・上昇率上位:半導体関連株、AI関連株が中心。エヌビディアの大型投資報道を受けて、AIに対する期待感と楽観論が強まりました。
・下落率上位:医薬品が中心。トランプ米大統領がブランドまたは特許取得済みの医薬品に100%の関税を課すと発表したことが嫌気されました。
■ 9月第5週のスタート(9/29)
・9/29(月)は3月末決算企業の中間配当落ち日となり、配当落ち影響度は約300円で終値ベースで下落スタート。
・今週は米雇用統計が10/3(金)に発表予定(政府機関閉鎖なら発表延期も)です。
Bloombergコンセンサスでは、前月比5万1,000人増と、8月の2万2,000人増を上回る見込みです。
失業率は4.3%と約4年ぶりの高水準で横ばいとなると予想されています。
年内2回の利下げ期待が維持されるか注目が集まります。
図表1 日経平均株価およびNYダウの値動きとその背景

図表2 日経平均株価

図表3 NYダウ

図表4 ドル・円相場

図表5 主な予定

図表6 日米欧中央銀行会議の結果発表予定

図表7 日経平均株価採用銘柄の騰落率上位(9/19~9/26)

図表8 日経平均株価採用銘柄の騰落率下位(9/19~9/26)

年度上半期を復習し、1年後の日経平均株価を予想する
■日経平均株価のパフォーマンス(9/29終値時点)
・9月の月間上昇率は5%、月足騰落率は6ヵ月連続のプラス。
・25年度上半期(25/4~25/9)はすべての月で上昇、上昇率は26%。
■波乱のスタート
・同上半期は波乱のスタートでした。
・米国が4/2に決めた相互関税に対し、中国が対抗措置を発表、
4/7の日経平均株価は前日比2,644円安(過去3番目の下げ幅)。
■急落後は右肩上がりで上昇
・4/7に日経平均株価は一時30,792円まで下落。
・その後はほぼ右肩上がりで上昇、9/19には一時45,852円まで上昇しました。
■日経平均株価のおもな上昇要因
(1)関税交渉は各国と米国の交渉が次第に進展しました。
日米関税交渉・・7月下旬に25%から15%に引き下げられることで合意。
(2)FRB(米連邦準備制度理事会)による利下げ期待が高まりました。
労働指標の悪化を受け、9月19日のFOMC(米連邦公開市場委員会)で0.25%の利下げ。
Fedウォッチでは年内0.25%×2回の利下げを66.8%織り込んでいます(9/30時点)
(3)米国では生成AI(人工知能)普及が進行しました。
それを受けデータセンター等への投資熱が高まりました。
S&P500は25年4月~9月に18.7%上昇(9/29時点)。
銅先物価格(近年は日経平均株価と強い相関)も上昇。
東京株式市場でもこうした投資熱の恩恵を受ける銘柄が買われました。
(4)「新NISA」を通じた個人資金の株式市場への流入が継続しました。
(5)上場企業による増配・株式分割の実施が増えました。
「新NISA」資金も流入し、高配当銘柄や株式分割銘柄が人気化。
(6)日本経済のデフレからインフレへの転換が鮮明。
春闘で5%超の賃上げが実施されました。
インフレを加味した名目GDPは25年4~6月期に6%を超える上昇となりました。
上場企業の4~6月期業績は減益とはいえ、予想外に堅調に推移しました。
(7)地政学的な不透明感が継続し、世界的に軍事費(防衛費)増額傾向が続きました。
■1年後の日経平均株価は?
・1年後に約5万円が可能と考えます。(予想PER18倍で現状維持、採用銘柄11%増益が前提)
・日経平均株価の予想EPS(1株利益)は2,512円(9/29時点)。
・来期の日経平均採用銘柄予想増益率(Bloombergコンセンサス)は11%増です。
・1年後の予想EPSは2,763円との試算・・・2,512円×1.11=2,763円
・上記予想EPS(2,763円)に予想PER16倍~20倍を乗じ、1年後株価をシミュレーション(3通り)。
予想PER16倍(PER低下)・・・44,208円(2,763円×16倍)
予想PER18倍(PER現状維持)・・・49,734円(2,763円×18倍)※約5万円
予想PER20倍(PER上昇)・・・55,260円(2,763円×20倍)※少々バブルの香り?
・鉄鋼・自動車・半導体製造装置(一部)の業績回復が鍵でしょう。
・緩やかなインフレ継続に期待です。
26年~27年の予想インフレ率は1.8~2.0%(Bloombergコンセンサス)
図表9 日経平均採用銘柄の値上がり率上位(25/3/31~25/9/30)

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・ 日経平均VIは、相場の下落時に急上昇するという特徴があります。
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