年初は警戒!? 新ハロウィン投資で激変相場を乗り切る方法【日経平均・米国株】

年初は警戒!? 新ハロウィン投資で激変相場を乗り切る方法【日経平均・米国株】

投資情報部 土居雅紹 根津真由子

2025/12/02

2025年も終盤へ。11月第4週は米利下げ期待で日本株上昇!

■11月第4週(11/24~11/28)の株式市場動向

日経平均株価11/28(金)終値は50,253円91銭で、前週末比1,628円03銭(約3.35%)の上昇でした。
24(月)は振替休日で休場でしたが、25(火)から日経平均株価は4営業日続伸しました。


・日経平均株価の変動要因

①週初め(11/25):米ハイテク株高の流れを引き継ぎ、日本でもハイテク株が堅調に推移する中、米OpenAIに出資しているソフトバンクが約9.9%下落し、日経平均株価の上値を抑える展開となりました。同社株は1銘柄で日経平均株価を333円ほど押し下げました。

②週中(11/26~27):米利下げ期待による米株高が相場の追い風となりました。27日には終値ベースで5万円台を回復しました。

③週末(11/28):米株市場が感謝祭で休場で材料に欠けたことに加え、月末を意識した手控えムードが広がりました。


■ 騰落率の傾向(11/21~11/28)

上昇率上位:印刷技術を基盤に半導体部材関連を展開しているTOPPANホールディングス(7911)が上昇率首位。同社はGoogleとTPU(=Googleが独自設計するAI向け半導体)を共同開発する米ブロードコム向けのシェアが高いとされており、22.3%上昇しました。

下落率上位ソフトバンク(9434)は25日には9.9%安となりました。Googleの生成AI「Gemini 3」への高評価を受けて、米OpenAIに出資する同社の株価が下落しました。OpenAIへの集中投資に対する警戒感も背景にあるとみられます。


■ 12月第1週のスタート(12/1)

いよいよ2025年も終盤に差しかかりました。
アメリカでは、3日にISM非製造業景況指数とADP雇用統計、5日にはPCE価格指数といった政策金利の判断に影響を及ぼし得る指標の発表が相次ぎます。予想外の内容となれば、投資家心理に悪影響を及ぼす可能性もあるので注意が必要です。

図表1 日経平均株価およびNYダウの値動きとその背景

図表2 日経平均株価

図表3 NYダウ

図表4 ドル/円相場

図表5 主な予定

図表6 日米欧中央銀行会議の結果発表予定

図表7 日経平均株価採用銘柄の騰落率上位(11/21~11/28)

図表8 日経平均株価採用銘柄の騰落率下位(11/21~11/28)

年初は警戒!? 新ハロウィン投資で激変相場を乗り切る方法【日経平均・米国株】

■「ハロウィン効果」のアノマリー
「Sell in May and go away. Don't come back until St. Leger's Day.」
(5月に売って相場から去れ。そしてイギリス競馬の「セントレジャーステークス」が開催される9月半ばまで戻ってくるな)
という有名な相場格言があります。これをハロウィンに置き換えて、
「10月末のハロウィンまでには相場に戻ってくることを忘れるな」とすることもあります。

いずれも、5月から9月までは英米の株式相場が軟調になりやすいというアノマリー(市場の経験則)を示しています。このアノマリーは「半年効果」または「ハロウィン効果」と呼ばれ、日本株でも海外投資家の影響が強まった2000年前後からしばしば言及されるようになりました。


■過去30年のハロウィン効果
図表9は、日米の主要株価指数(日経平均、TOPIX、S&P500、NYダウ、NASDAQ100)の過去30年(1996年1月~2025年11月)の各月平均変化率を示したものです。

まず、日本株(日経平均=赤太線、TOPIX=紫太線)を見ると、ハロウィン投資の投資期間とされる10月~4月(図のオレンジ矢印)では、1月と10月がやや軟調です。休止期間とされる5月にはパフォーマンスが落ち、7~9月は顕著に悪化しています。

一方、米国株は2月にやや下がり、7月と10月が堅調という点が日本株と異なります。ただし、年末が強く、8~9月が軟調という点は共通です。

これだけ見ると、「10月か翌年4月までの相場が強い時期だけ投資する」ハロウィン投資は有効に見えます。


■従来の「ハロウィン投資」はコロナで賞味期限切れ?
図表10は、過去30年間、「5月に売って10月に戻る」というハロウィン投資と、全期間保有した場合のパフォーマンス比較です(配当・手数料・税金は考慮せず)。

結果を見ると、NASDAQ100(緑実線)とハロウィン投資は相性が悪いようです。ITバブル前後は効かず、その後一時回復しましたが、2016年以降はGAFAMの躍進とともに有効性が急低下しています。

S&P500は2020年のコロナショックまではハロウィン投資の効果がありましたが、その後はコロナ禍、ウクライナ戦争、トランプ関税など荒れ相場が続き、効果が薄れています。
日経平均は比較的効果が保たれていましたが、最近はハロウィン投資の効果が落ちている兆しがあります。

図表9  日米の主要株価指数の過去30年の各月の平均変化率

図表10 従来の「ハロウィン投資」の有効性はコロナまで?

■コロナでハロウィン効果はどこに?
図表11は、コロナ後(2020年1月~2025年11月)に限定した日米株の月別平均変化率です。過去30年と異なり、1~4月のパフォーマンスが悪化し、逆に5~8月が良好でした。
この傾向が続くなら、「5~8月保有、9月休み、10~12月再投資」=新ハロウィン投資が有効な戦略になりそうです。

ただし、期間が約6年と短く、コロナショック、ウクライナ戦争、2025年のトランプ関税など固有イベントの影響が大きいため、アノマリーとして定着するかどうかには注意が必要です。


■「新ハロウィン投資」は日米株ともに有効か?
図表12は、日経平均・S&P500・NASDAQ100で

①全期間保有
②旧ハロウィン投資(10~4月)
③新ハロウィン投資(5~8月+10~12月)

のパフォーマンスを試算したものです(配当・手数料・税金は考慮せず)。
結果は明快で、旧ハロウィン投資は全期間保有を大きく下回る一方、新ハロウィン投資は3指数すべてでアウトパフォーム。NASDAQ100でも効果ありでした。この結果を見る限り、「新ハロウィン投資」はコロナ後の新常識になる可能性もありそうです。


■まとめ
・従来の「ハロウィン投資」(10月~4月)は、過去30年では一定の効果があったが、コロナ後はパフォーマンスが低下。
・コロナ後(2020年~)は、1~4月が弱く、5~8月が強い、という逆転現象が発生。
・新戦略「新ハロウィン投資」=5~8月+10~12月保有、9月休みが、日米株ともに有効性を示唆。
・特にNASDAQ100でも効果が確認され、旧ハロウィン投資を大幅にアウトパフォーム。

図表11 コロナ以降の6年:年初は警戒! 「ハロウィン効果」に変化ありか?

図表12 コロナ後には5月~8月と年末に保有する「新ハロウィン投資」が有効?

新着記事(2025/12/02)

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