満月の日は株が下がる?月と日経平均の不思議な関係

満月の日は株が下がる?月と日経平均の不思議な関係

投資情報部 土居雅紹 根津真由子

2026/04/14

引き続き中東情勢に左右される日本株

■ 4月第2週(4/6-4/10)の株式市場動向

日経平均株価の4/10(金)終値は、56,924円11銭で、前週末比3,800円62銭高(+7.15%)と週足ベースで大幅反発となりました。
米国とイランの停戦期待を背景に投資家心理は改善したものの、その後再び中東情勢の先行き不透明感が意識される場面もあり、不安定な値動きとなりました。
総じて地政学リスクに左右される展開となり、いまだ警戒感は拭えません。


■ 騰落率の傾向(4/3-4/10)(図表4・5)

・上昇率上位:キオクシアホールディングス(285A)が上昇率トップ。NAND型フラッシュメモリ製造の大手企業です。フラッシュメモリを共同で開発する米サンディスクの株価上昇を受け、同社株にも買いが続いています。4/10(金)には初の3万円台に乗せ、上場来高値を連日で更新しました。

・下落率上位:ARCHION(543A)が下落率トップ。日野自動車と三菱ふそうトラック・バスの経営統合により設立され、4/1(水)に上場した企業です。上場直後は期待感から買いを集めていましたが、その反動で利食い売りに押されました。


■ 4月第3週のスタート(4/13)

日経平均株価の4/13(月)終値は56,502円77銭で、前週末比421円34銭安(-0.74%)と反落。
米国とイランは4/11-4/12にパキスタンにて協議を行いましたが、戦争終結に向けた合意には至りませんでした。
トランプ米大統領はホルムズ海峡の封鎖を開始すると表明しており、中東情勢への懸念はいまだ解消されず、リスク回避の売りが広がりました。

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図表1 日経平均株価の値動きとその背景

図表2 日経平均株価

図表3 日米欧中央銀行会議の結果発表予定

図表4 日経平均株価採用銘柄の騰落率上位(4/3-4/10)

図表5  日経平均株価採用銘柄の騰落率下位(4/3-4/10)

満月の日は株が下がる?月と日経平均の不思議な関係

■満月と日経平均株価 ― 月は相場も動かすのか?

夜空に浮かぶ月は、満ち欠けによって姿を変え、潮の干満にも影響を与える存在です。そのわかりやすさから、古来より暦の基準や占星術の対象として親しまれてきました。満月の夜はひときわ明るく、しかも干満差が最大となる「大潮」と重なるため、サンゴの産卵がこのタイミングに行われることでも知られています。さらに、夜行性の動物の活動が活発になるなど、月の影響は陸上の生き物にも及ぶとされています。

では、人間も地球に暮らす生物と考えれば、月の満ち欠けが人間の行動、ひいては「株式市場」に影響を与えていても不思議ではありません。
そんな素朴な疑問から、月齢カレンダーと日経平均株価を並べて眺めてみると、ある違和感を覚えました。
「最近、満月の日って日経平均、弱くない?」
そこで、過去半年間について「満月と東証の取引日が重なった日」に限定し、日経平均株価の騰落率を調べてみました。

結果にはちょっとした驚きがありました。
過去半年、満月の日の日経平均株価は、すべて下落していたのです。もちろん、最近の相場は値動きが荒れがちです。世界情勢やSNSでの発言ひとつで市場が大きく振れる場面も珍しくありません。偶然が重なっただけ、という可能性は十分あります。これだけでは、「月が相場を動かす」というには材料不足です。

直近半年の満月の日の騰落率
2025年11月5日 -2.50%
2025年12月5日 -1.05%
2026年2月2日 -1.25%
2026年3月3日 -3.06%
2026年4月2日 -2.38%


■2024年11月以降の値動きと満月の関係

そこで次に、2024年11月(米国大統領選挙のあった月)以降の日経平均株価の推移に、満月の日をプロットしてみました(満月が祝日・休日の場合は除外)。
チャートを眺めると、「満月の日に下がっているように見える」場面は確かにあります。ただし、2025年4月初旬の急落局面(トランプ関税ショック)と満月は重なっていませんし、相場の天井からの下落が必ず満月だった、というわけでもありません。視覚的印象だけでは判断が難しそうです。

そこで、少し理屈っぽくなりますが、満月かどうかで日経平均株価の日次騰落率を説明できるかを回帰分析してみました(分析期間:2024/11/1~2026/4/9)。

分析結果※
・満月だけでは日経平均株価の変動は説明できない(補正R²=0.005)
・ただし「満月の日は下がりやすい傾向」は統計的に確認(有意水準10%)、影響度は-0.73%
※満月のデータは「国立天文台 暦計算室」

 これは例えば、満月の日に
 日経平均株価が5万円だったら → 約366円の下押し圧力
 日経平均株価が6万円だったら → 約439円の下押し圧力
と、影響があるとしたら小さな数字ともいえません。

なお、新月についても同様に分析しましたが、統計的に有意な関係は見つかりませんでした。
さらに期間をさかのぼり(2023/1/4~2024/10/31)同様の分析を行ったところ、この時期には満月・新月ともに有意な関係は確認されませんでした。


■考えられる背景と、付き合い方の提案

直近半年で満月の日の下落が続き、2024年11月以降のデータでも「満月の日には下押し圧力があったかもしれない」という結果が出ました。ただし、サイコロでも同じ目が10回連続で出ることはあります。今回の結果は、あくまでこの期間、この条件に限った観測結果にすぎません。

仮に満月と株価に何らかの関係があるとしても、その理由はさまざま考えられます。例えば――
・満月の夜は明るく、夜間の軍事行動が行われやすい
・潮位が高く、大型艦船の運行や上陸作戦が行いやすい
・政治・軍事の意思決定や重要な会議の日程に、月齢を気にする文化的背景が影響している
・月の明るさや周期に敏感な人が、意思決定の中枢にいる
など、想像を始めるときりがありません。

重要なのは、満月だけで株価を説明できるわけではないという点です。このため、「今日は満月だから売りだ」と機械的にショートする戦略が有効とは言えません。

次回の満月は5月2日(土)、次々回は5月31日(日)で、いずれも東証は休場です。その次の6月30日(火)、7月29日(水)は取引日になります。
満月を「相場のジンクス」のようなものとして頭の片隅に置きつつ、決めつけず、かといって油断もしない。そんな距離感で相場に向き合うのが、ちょうどよさそうです。

図表6  日経平均株価と満月(2024/11/1~2026/4/9)

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