「日経平均が高値更新継続」でも注意すべきポイントは?

「日経平均が高値更新継続」でも注意すべきポイントは?

投資情報部 鈴木英之 植田雄也

2026/06/02

日経平均株価・TOPIXはともに史上最高値を更新

■ 5月第4週(5/25-5/29)の株式市場動向

日経平均株価の5/29(金)終値は66,329円50銭で、前週末比2,290円43銭(+4.72%)高と週足ベースで大幅続伸しました。
AI・半導体関連株への資金流入に加え、米・イラン情勢の改善が追い風となりました。5/29(金)の日経平均株価とTOPIXはともに史上最高値を更新し、東証プライム市場の売買代金も過去最高を記録するなど、リスクオンムードが一段と強まりました。


■ 騰落率の傾向(5/25-5/29)(図表45

・上昇率上位:太陽誘電(6976が2週連続上昇率トップ。積層セラミックコンデンサ(MLCC)を中心とする電子部品メーカーです。
AIサーバー向けMLCC需要の拡大を背景に、追加投資による生産能力増強の可能性が示されたことが好感され、収益拡大期待から買いが集まりました。同製品最大手の村田製作所(6981)なども買われ、関連株への物色が強まる展開となりました。

・下落率上位:ARCHION543Aが下落率トップ。全体としてAI・半導体関連株への資金集中の裏側で、非テック・内需・資源関連が相対的に売られた構図です。株価指数が史上最高値を更新する中でも市場内部では選別色の強い展開となりました。


6月第1週のスタート(6/1

日経平均株価は前週末比604円83銭高の66,934円33銭と続伸し、終値ベースで連日の史上最高値を更新しました。NT倍率は17.03倍と過去最高水準に達しており、AI・半導体関連株を中心とする指数寄与度の高い銘柄への資金集中が続いています。

6/27(土)開催|無料・先着申込順
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FX・先物オプション・CFDなど、各種デリバティブ商品に特化した対面型投資イベント「SBI DERIVATIVES DAY 2026」を2026年6月27日(土)に開催します。 著名ゲストやエキスパートによる講演を通じて、市場環境の見通しから具体的な戦略設計、リスク管理まで、投資アイデアや実践に役立つテクニックを学べます。

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2026/6/27(土)11:00開場・17:00閉会|無料|先着申込順|対面開催(一部オンデマンド配信あり)|定員700名|
お申し込み期限:2026/6/19(金)12:00まで

会場

TODAホール&カンファレンス ホールA
〒104-0031 東京都中央区京橋一丁目7番1号 TODA BUILDING 4階
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図表1 日経平均株価の値動きとその背景

図表2 日経平均株価

図表3 日米欧中央銀行会議の結果発表予定

図表4 日経平均株価採用銘柄の騰落率上位(5/22-5/29)

図表5 日経平均株価採用銘柄の騰落率下位(5/22-5/29)

「日経平均が高値更新継続」でも注意すべきポイントは?

■限られた銘柄が日経平均株価の上昇をけん引

5月相場が終わりました。日経平均株価の5月末終値は66,329円50銭の過去最高値(月終値ベース)で、前月末比7,044円58銭(11.88%)高となりました。月足としては2カ月続伸です。中東情勢が落ち着きを見せる中、米国株式市場と連動しつつ、半導体・AI関連銘柄がけん引する展開になりました。

図表6は、日経平均株価の変化と「予想PER」・「予想EPS(1株利益)」の推移を示したものです。

「日経平均株価」=「予想EPS」×「予想PER」として計算されます。

「予想EPS」は企業業績の見通しを示しており、「予想PER」は投資マインドの強弱を示していると考えられます。今回の日経平均株価の上昇相場は、本年3月末に付けた安値51,063円72銭を起点にしていると考えられます。3月末から5月末までの上昇率は3割弱にも達しています。「上昇の中身」をみると予想EPSが2ヵ月で37%上昇しており、「企業業績の見通しが強くなったこと」が株価上昇の原動力と考えられます。

5月中旬までに3月決算銘柄等の決算発表が終わりましたが、多くの上場企業が増益予想となっています。日本経済新聞社の集計によると、3月決算上場企業の純利益は2026年3月期が前期比12.5%増益、2027年3月期が5.2%増益予想となっています。

企業業績の拡大を示す象徴的な例となったのが、NAND型フラッシュメモリー大手のキオクシアホールディングス(285A)の決算です。同社は5/15(金)に決算発表を行い、2026年3月期の純利益が5,544億円とほぼ前期比倍増になったことを発表しました。さらに2027年3月期は第1四半期(2026年4~6月期)だけで、1兆3千億円弱(前年同期比117%増)の純利益が見込まれるとの発表を行いました。これを受けて通期の市場コンセンサスや日経予想が大きく「上方修正」され、日経平均株価の予想EPS上昇に貢献しました。

ただ、物色対象がAI・半導体関連銘柄に偏り、あまり広がりを見せていないという、「問題点」があります。日経平均株価の騰落レシオ(25日)は過去25日間の日経平均採用銘柄の値上がり銘柄数を、値下がり銘柄数で割って求められる比率(%)ですが、5月末時点でも100%を割り込んでいます。このことは、足元では日経平均採用銘柄でさえ、値上がり銘柄数が値下がり銘柄数よりも少ないことを示しています。6月の最初の営業日となった6/1(月)の東京株式市場では、日経平均株価が前週末比604円も上昇しました。しかし、東証プライム市場では値下り銘柄数が全体の71%も占めていました。

図表6 日経平均株価と予想PER・予想EPSの推移

■日経平均株価に上昇余地も、個別には「過熱感」に注意か?

上記したように、日経平均株価の騰落レシオ(25日)は過去25日間の日経平均採用銘柄の値上がり銘柄数を、値下がり銘柄数で割って求められる比率(%)です。一般的には、日経平均株価が買われ過ぎか、売られ過ぎか判断するために使われるオシレータ(振り子)系テクニカル指標であり、120%以上で買われ過ぎ、70%以下で売られ過ぎと判断されます。

相場上昇が過熱気味になると、多くの銘柄が買われることで騰落レシオが上昇し、過熱圏に達するとみられます。逆に悲観相場では、多くの銘柄が売られることで騰落レシオが下落し、割安圏に達するとみられます。この騰落レシオに、25日移動平均線乖離率やRSI(相対力指数)を併用することで、売買のタイミングを図ることができます。

5月末時点で騰落レシオ(25日)が93.1%にとどまっているということは、出遅れ銘柄がまだ多く存在していることを示しています。日経平均株価への寄与度が高いファーストリテイリング(9983)やアドバンテスト(6857)、東京エレクトロン(8035)等もランキング外で出遅れています。したがって、現在人気化している銘柄から出遅れ銘柄へ物色が拡散し、日経平均株価の上昇が続く可能性は十分ありそうです。平成バブル相場では、含み資産株から日経平均品薄株等へ物色が拡散。IT相場ではネット銘柄からオールドエコノミー株へと物色が広がり、その後に日経平均株価が下がりました。現在の東京株式市場でも、物色がAI・半導体株から他にシフトし、日経平均株価自体は高値を維持するかもしれません。

上昇をけん引してきた銘柄群には過熱感・割高感も台頭しつつあり、そこは素直に注意したいところです。

図表7は日経平均採用銘柄について、5月の月間上昇率が大きかった銘柄順に20銘柄をランキングしたものです。ご参考までに4月の騰落率も記載しています。多くの銘柄が4月から続伸基調であること、今期・来期の増益率について、市場の期待が強いことが読み取れます。ただ、予想PERが高く「十分評価された」と見受けられる銘柄も増えていると思います。

図表7 日経平均採用銘柄上昇率ランキング(5月の上昇率ランキング・上位20銘柄)

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信用取引のご注意事項

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信用取引は、差し入れた委託保証金額の約3倍の取引を行うことができます。そのため、現物取引と比べて大きなリターンが期待できる反面、時として多額の損失が発生する可能性も含んでいます。また、信用取引の対象となっている株価の変動等により、その損失の額が、差し入れた委託保証金額を上回るおそれがあります。この場合は「追加保証金」を差し入れる必要があり状況が好転するか、あるいは建玉を決済しない限り損失が更に膨らむリスクを内包しています。
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・ 日経平均VI先物取引は、一般的な先物取引のリスクに加え、以下のような日経平均VIの変動の特性上、日経平均VI先物取引の売方には特有のリスクが存在し、その損失は株価指数先物取引と比較して非常に大きくなる可能性があります。資産・経験が十分でないお客さまが日経平均VI先物取引を行う際には、売建てを避けてください。

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・ 日経平均VIは、急上昇した後に数値が一定のレンジ(20~30程度)に回帰するという特徴を持っています。
日経平均VIは、短期間で急激に数値が変動するため、リアルタイムで価格情報を入手できない環境での取引は推奨されません。

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