決算発表本格化!好決算が期待されるのは?

決算発表本格化!好決算が期待されるのは?

投資情報部 鈴木英之 植田雄也

2026/07/28

AI・半導体の調整で二極化鮮明に

■ 7月第4週(7/21-7/24)の株式市場動向

日経平均株価の7/24(金)終値は64,611円15銭で、前週末比470円03銭高(0.73%)と週足ベースで上昇しました。週前半は、米SOX指数の上昇やTSMCの値上げ報道を背景にAI・半導体関連株が買い戻され、日経平均株価は上昇しました。週半ば以降は、円安・日銀の利上げ観測で銀行株が買われる一方、米ハイテク株安とAI投資過熱への警戒から半導体株が売られ、7/24は下落となりました。


■ 騰落率の傾向(7/17-7/24)(図表4・5)

・上昇率上位:イビデン(4062)が上昇率トップ。AIデータセンター向け半導体パッケージ基板の大手です。
7月前半の下落の反動に加え、大手証券による投資判断の最上位への引き上げが買いを誘いました。

・下落率上位:J.フロント リテイリング(3086)が下落率トップ。大丸松坂屋・パルコを傘下に持つ百貨店大手です。
高島屋(8233)、三越伊勢丹HD(3099)と百貨店大手が軒並み売られ、上半期に株価が上昇したインバウンド消費関連の「勝ち組」への利益確定売りが集中しました。


■ 7月第5週のスタート(7/27)

7/27(月)の日経平均株価は前週末比+320円04銭高の64,931円19銭と上昇しました。

東証プライム市場における値上がり銘柄数は90%を占めるなど、物色はAI・半導体関連銘柄から出遅れ銘柄へのローテーションが続いています。続く7/28(火)は売りが大きく先行する波乱の展開です。

今週は米大型テック企業の決算が最大の焦点で、マイクロソフト、メタ、アップル、アマゾンが相次いで決算を発表。同時に、米FOMC、日銀会合、米GDP速報値・PCEデフレーターが集中し、原油高、利上げ観測、円安への政策当局の評価が注目されます。
国内では、アドバンテスト(6857)・東京エレクトロン(8035)・キオクシアホールディングス(285A)などの決算があります。

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図表1 日経平均株価の値動きとその背景

図表2 日経平均株価

図表3 日米欧中央銀行会議の結果発表予定

図表4 日経平均株価採用銘柄の騰落率上位(7/17-7/24)

図表5 日経平均株価採用銘柄の騰落率下位(7/17-7/24)

決算発表本格化!好決算が期待されるのは?

◎発表社数ベースでは8/7(金)がピークの見込み

本レポート作成時点(2026年7月28日)では、今週は6月に四半期末・期末を迎えた上場企業の決算発表が本格化する入り口の局面にあります。以下では、①決算発表の集中時期と主要企業の発表予定日、②2026年6月の日銀短観にみる業績上振れ期待業種、の2点を整理し、今後の決算シーズンを展望したいと思います。中東紛争の影響も懸念されますが、その影響を冷静に見極める必要があります。

2026年4~6月期の決算発表は7月下旬から本格化し、8月上旬にピークを迎える見通しです。図表6の通り、8/7(金)には667社が発表を予定(7/22時点)しており、単日として最多となる見込みです。7/31(277社)と8/14(345社)にも発表が集中しており、7月末から8月中旬にかけての約3週間に発表が集中する構図です。

主要企業の発表予定日をみると、半導体関連ではアドバンテスト(6857)が7/29(水)、東京エレクトロン(8035)が7/30(木)、キオクシアホールディングス(285A)とTDK(6762)が7/31(金)と、決算発表が本格化する初動で相次いで発表を行う予定です。その後、8/3(月)に三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)、8/4(火)にトヨタ自動車(7203)、8/6(木)にソフトバンクグループ(9984)と、金融・自動車・情報通信の主要企業の発表が続き、翌8/7の発表ピーク(667社)につながる流れとなっています。

半導体製造装置・部材から金融・自動車・通信まで、主要業種の代表企業が8/7のピークに向けて先行して発表を行う形となっており、これらの決算内容が市場のセンチメントを方向づける可能性がある点には留意したいと思います。

図表6 決算発表予定社数と主要企業の発表予定日(7/21~8/14)

◎決算発表での注目業種は?

7/1(水)に公表された日銀短観(6月調査)では、大企業の業況判断DI(最近)が製造業+22%ポイント、非製造業+37%ポイントとなり、いずれも3月調査時点で見込まれていた先行き予測(製造業+14、非製造業+29)を大きく上回る結果となりました。中東情勢の悪化にもかかわらず、AI・半導体関連需要の拡大や円安、インバウンド需要の底堅さが業況の上振れにつながったとみられます。

業種別の変化幅(図表7)をみると、物品賃貸(+27pt)が上振れ幅最大で、企業の設備投資意欲の強さやリース需要の底堅さを反映しているとみられます。非鉄金属(+21pt)と宿泊・飲食サービス(+21pt)が僅差で続き、前者は半導体関連需要の拡大、後者はインバウンド需要の回復が業況を押し上げた形とみられます。加工業種の中では業務用機械(+14pt)や造船・重機等(+13pt)の改善も目立っています。

一方、石油・石炭製品は3月調査の先行き予測(+27)から6月調査実績(+9)へ18ポイント下振れしており、原油高やサプライチェーンの混乱が響いた形で、素材業種の中では明暗が分かれています。決算発表が本格化する中で、こうした業績上振れ期待業種(物品賃貸、非鉄金属、宿泊・飲食サービス、業務用機械など)に属する企業の決算内容が市場予想対比でどう評価されるかが、今後の株式市場のセンチメントを左右する材料になるとみられます。

★まとめ

決算発表は8/7(金)をピークに7月末から8月中旬にかけて集中します。この間、半導体関連(アドバンテスト、東京エレクトロン、キオクシア、TDK)から金融・自動車(三菱UFJ、トヨタ自動車)、通信(ソフトバンクグループ)まで主要企業が先行して発表を行う日程です。日銀短観(6月調査)では非鉄金属や物品賃貸、宿泊・飲食サービスなど一部業種で3月調査時点の先行き判断を上回る業況改善がみられており、これら業績上振れ期待業種に属する企業の決算発表内容には特に注目したいと思います。

図表7 3月調査の「先行き」に対し6月調査の「最近」が大きく上振れた業種

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