妻のへそくりでiDeCo(イデコ)に積み立ててもよい?

多くの人が「へそくり」をしたことがある、もしくは現在もしていることでしょう。一般的に、へそくりとは個人的に密かに蓄えているお金のことを指します。ここでは世間のへそくり事情や使い方、個人型確定拠出年金「iDeCo(イデコ)」によるへそくりの効率的な積み立て方まで紹介します。

妻のへそくりは夫の1.7倍?

明治安田生命が2017年に発表した「家計」に関するアンケート調査には、夫婦のへそくりに関する項目があります。それによれば、2017年のへそくり金額は、20代〜50代の平均で72万6,572円となっており、前年からは約17万円減少しています。

また夫婦別では、夫が54万770円であるのに対し、妻は91万1,687円と夫の約1.7倍近く貯めているという結果になりました。これは妻が家計を管理しているという家庭が多いことが影響していると同時に、妻のほうが「万一に備えて使えるお金」に対する意識が高いことを表しているのかもしれません。

へそくりはどんな時に使うといいの?

ではへそくりはどのような時に使うとよいのでしょうか。当然その目的は人によってそれぞれですが、万が一に備えて貯めておくというのが一般的でしょう。明治安田生命の同調査の結果をもう一度みると、「へそくりの目的はなんですか」という質問に対して、もっとも多かった回答が「いざというときのため」(70.9%)で、次いで「趣味のため」(38.8%)、「将来のため」(23.8%)となっています。

これを男女別で見てみると、夫は「いざというときのため」が60.2%、「趣味のため」が50%、「将来のため」が16.5%。対して妻は「いざというときのため」が82.4%、「趣味のため」が26.8%、「将来のため」が31.6%となっています。

この結果から分かるように、夫婦間でへそくりの使用目的は異なっています。夫と比べて妻のほうが、「いざというときのため」や「将来のため」といった、突然働けなくなってしまった時のことや老後生活のことを考慮した回答が目立ちます。

へそくりをiDeCo(イデコ)で積み立てればさらに大きくなる

へそくりは自分以外の人に知られていないお金です。タンスにこっそりしまっている人もいれば、銀行のへそくり用預金口座に隠されている場合もあるでしょう。より効率的にへそくりを貯める方法の選択肢として、iDeCo(イデコ)を利用するのはいかがでしょうか。iDeCoは、国が設定した「じぶん年金」を作るための制度です。毎月積み立てをして、老後の資金づくりをする目的の貯蓄制度です。

最低積み立て金額は5,000円ですから、へそくりにぴったりと言えます。しかも、このお金は60歳まで引き出すことができません。こっそりしまっておいて、60歳以降の老後生活で自分の趣味や楽しみのために使うことになります。

さらに魅力的なのは、iDeCoでは毎月の掛金を支払う時(拠出時)、運用している間(運用時)、運用してきたお金を受けとる時(給付時)のそれぞれで税制上の優遇があります。

例えば、年収500万円の人が毎月1万円をiDeCoで積み立てると、所得税20%、住民税10%とすると、年間約3万6,000円の税金が軽減できます。へそくりを貯めたら、さらにへそくりが生まれる可能性があるという、メリットの大きい制度なのです。

これまでiDeCoに加入できるのは自営業の人や勤務先に企業年金がない会社員などに限定されていましたが、法改正によって2017年1月以降は20〜60歳のほぼ全員が加入できるようになったため、一気に知名度が上がりました。

せっかく貯めてきたあなたのへそくり......。もっと効率的に貯めて、運用して、しかも税制優遇を受けられるようにしてはいかがでしょうか?あなたの老後生活がもっと明るくなること請け合いです。

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