2023年度下期のパフォーマンス
2023年9月末から2024年3月末の期間における「AIラップ」のパフォーマンスは+11.51%(※1,3)となりました。なお、一般的なロボアドバイザーは+16.52%(※2,3)、世界株式は+22.04%でした。「AIラップ」は同期間において、市場全体への警戒感を維持しながらもプラスリターンを確保することはできましたが、特に大きく上昇した米国株式への投資配分が低位に留まったことなどが響き、結果として2024年3月末時点では一般的なロボアドバイザーとの比較で-5.00%の差となりました。「AIラップ」の投資対象である8種類の専用投資信託(以下、「投資対象ファンド」と表示)は、米国市場の終値を翌営業日に取り込み基準価額に反映しています。本レポートの運用実績は、2024年3月28日までの米国市場の値動きが反映されています。
リバランスと「AI予測」を振り返る
「AIラップ」は、2023年9月末から2024年3月末までの期間において、計6回のリバランスを行いましたが、以下のグラフの通り、新興国株式、米国債券、金の3資産を主軸とする投資配分は概ね維持しながらも、2023年11月には株式資産を比較的多く保有した一方、2024年3月には債券と金で全体の6割強を占めるような投資配分としました。※グラフが示す投資配分の推移は、実際に各月に実施されたリバランス約定日時点(ex. 2024年3月は2024年3月7日時点)の比率を示しています。
この期間の「AI予測」(8つの資産の将来リターンに関する予測)は、以下のように推移したと考察しています。- 2023年10月から11月では、全体としてマーケットの見通しが改善する方向への予測となっていましたが、2023年12月以降は悪化する方向への予測が続いていました。
- 特に新興国株式と金において相対的に高いリターンを期待する予測結果となっていました。新興国株式については、欧米株式と比較して相対的に割安感があったことから、リスクオフ局面への耐性も期待しつつ、米利上げへの警戒感が後退する局面等における上昇余地を見込んでいたものと考えられます。また金についても、リスクオフ相場に耐性がある資産として評価をしていたものと考えられます。
2023年10月の投資配分と月間パフォーマンス
2023年10月の「AIラップ」は、8つの資産のうち新興国株式を比較的多く保有していたことが特にマイナスに影響した一方で、下落が比較的小幅だった米国債券等の保有が奏功したことに加えて、唯一プラスリターンとなった金を約19%保有していた結果、一般的なロボアドバイザーと比較して1.89%下落を抑える結果となりました。(※4,5)なお、金が上昇した要因として、米国の財政不安や中東を巡る地政学リスクの高まりで、市場がリスク回避姿勢を強め、安全資産である金に資金が流入したことが挙げられます。※1 「AIラップ」の運用実績について
2023年9月末から2024年3月末まで、または表示している期間において、「AIラップ」に投資していた場合の運用実績です。過去の運用実績であり将来の運用成果等を示唆又は保証するものではありません。 リバランスは最適ポートフォリオとの乖離がないように実施したと仮定して計算しています。(※3)
※2 一般的なロボアドバイザーの運用シミュレーションについて
一般的な運用アルゴリズム(ノーベル賞を受賞した理論に基づき、金融機関において広く使われている平均分散法を採用。平均分散法における期待リターンはCAPMを用いて算出しており、リスク許容度はやや高めとし、5%~40%の保有比率制限を設けて最適ポートフォリオを算出)を用いて、投資対象ファンドに分散投資を行ったと仮定したシミュレーション結果を示しています。(※3)
※3 運用実績又は運用シミュレーションの計算方法について
2023年9月末から2024年3月末までの、または表示している期間における、投資対象ファンドの基準価額(信託報酬やその他の費用、投資対象ファンドを通じて保有するETFの分配金が考慮されています。)をもとに、「(計算期間終了日時価/計算期間開始日時価)-1」で計算したものを%表示しています。運用手数料を年率0.66%(税込)徴収したと仮定して計算を行っています。本文及びグラフ上で表示している割合は年率ではありません。計算後の数値の小数第3位以下を切り捨てて表示しています。将来の運用成果等を示唆又は保証するものではありません。各数値の比較において、表示上の数値を用いて計算すると数値が一致せず誤差が生じる場合があります。
※4 AI予測の好事例のみを示しており、市場動向等によっては上記のような運用ができない場合があります。毎月の運用実績は、「AIラップ」ウェブサイトにてマンスリーレポートをご確認ください。
※5 2023年10月の運用実績等および投資対象ファンドの騰落率については、それぞれ前月末の値を基準として当月末までを対象期間として計算しています。「(当月末の評価額(基準価額)/前月末の評価額(基準価額)-1」で計算を行い%表示をしています。計算根拠については、※1,2,3をご参照ください。
市場動向を振り返る
<10月>株式市場は、米国の金融引き締め長期化見通しが意識されて長期金利が上昇し、欧米を中心に下落基調となりました。為替は、米国の長期金利上昇を受けて日米の金利差拡大が意識され円安・ドル高が更に進行しました。<11月>株式市場は、FRBの追加利上げ観測が後退するなどし、欧米を中心に上昇基調となりました。為替は、米国の長期金利が低下し、日米金利差の縮小が意識される中で、円高・ドル安となりました。<12月>株式市場は、米国のインフレ鈍化およびFRBによる利上げ終了観測等から欧米を中心に上昇基調となりました。為替は、FRBによる利上げ終了およびその先の早期利下げを織り込む形で米国債利回りが低下したことに加え、日銀による金融政策変更が意識され円高・ドル安となりました。<1月>株式市場は、FRBの早期利下げ観測が後退して軟調となる局面もありましたが、下旬に入ると、米国経済の軟着陸や企業決算への期待が高まる中、欧米を中心に上昇基調となりました。為替は、米国で長期金利が上昇した一方、日銀による早期のマイナス金利政策解除への期待がやや後退したため日米金利差が拡大して、円安・ドル高傾向となりました。<2月>株式市場は、米国ハイテク企業の好決算等が好感されたことで上昇し、日米の株価指数が史上最高値を更新する展開となりました。また中国では、政府が相次いで打ち出した相場支援策が奏功して、上昇基調となりました。為替は、米国の雇用統計が強い結果となったこと等で、早期の利下げ観測が後退し米長期金利が上昇したことや、日銀による金融緩和の長期化観測などから円安・ドル高傾向となりました。<3月>株式市場は、米国ハイテク企業の業績への期待の高まりや、欧米の中央銀行の金融政策が利下げに向かうとの観測が好感されたことなどで、欧米を中心に上昇基調となり、欧米などの株価指数が繰り返し最高値を更新する展開となりました。為替は、上旬から中旬にかけて日銀によるマイナス金利の解除観測から円高になる局面がありましたが、月末にかけて再び円安・ドル高傾向となりました。おかげさまで「SBIラップ」は2周年を迎えました
2022年3月31日より提供を開始した「SBIラップ」は、2024年3月末で2周年を迎えることができました。日頃より、多くのお客さまにご利用いただいておりますこと心より感謝申し上げます。サービス面では、開始当初から提供している「AIラップ」に加えて、2023年7月には「SBIラップ 匠の運用コース(愛称:匠ラップ)」も加わり、特色ある運用コースが集まった唯一無二のラップサービスとなりました。以下コラムでは、このようにお客さまとともに進化を続けてきた「SBIラップ」の2年間を振り返りつつ、注目を集めている新NISA制度と「SBIラップ」の組み合わせについても説明しておりますので、是非ご一読いただければ幸いです。最新の投資配分の確認方法
「AIラップ」ではAIによる予測技術を利用して投資配分を決定しています。最新の投資配分が気になる方は、「AIラップ」契約後のサマリー画面にてご確認いただくことができます。口座開設・ログインはこちらスマートフォンでの利用方法
SBI証券スマートフォン専用サイトや各種アプリを経由して、スマートフォンでも「AIラップ」を便利にご利用いただけます。詳しくはコラムでご紹介しています。■本資料について
・投資環境に関する過去の事実等の情報提供や作成時点での見解をご紹介するために、「AIラップ」の投資運用業務を行う株式会社FOLIOが作成した資料です。
・記載内容は作成時点のものであり、将来の市場環境の変動や運用成果等を示唆又は保証するものではありません。
・信頼できると考えられる情報を用いて作成しておりますが、その正確性、完全性等について保証するものではありません。
■株式会社SBI証券
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第44号、商品先物取引業者 加入協会:日本証券業協会、一般社団法人 金融先物取引業協会、一般社団法人 第二種金融商品取引業協会、一般社団法人日本STO協会、日本商品先物取引協会
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