① サービス開始以降の市場環境と投資判断の振り返り② 野村アセット運用チームは2024年の市場環境をどう見るか?③ お客さまアンケートの結果について
① サービス開始以降の市場環境と投資判断の振り返り
市場環境の振り返り
2023年7月から10月下旬にかけては、米国経済指標の堅調さを背景に、FRB(米連邦準備制度理事会)が高水準の政策金利をより長く維持するとの観測が強まりました。その結果、米長期金利が上昇(債券価格は下落)して、株式市場では金利敏感な銘柄等を中心に軟調に推移しました。一方、11月に入ると、米労働市場の軟化やインフレ率の減速を背景に、米利上げ局面の終了が市場で意識され金利は低下(債券価格は上昇)、世界的に株式市場は上昇しました。期間:2023年6月30日~2023年11月30日、日次
・将来の傾向を示唆又は保証するものではありません。
・ Bloombergが提供する米国10年国債利回り(米ドル建て、ICE BofA Current 10-Year US Treasury Index)、S&P500指数(米ドル建て)のデータを基にFOLIOにて作成したものです。
投資判断の振り返り
匠ラップでは、中長期的な視点でリターンとリスクのバランスをみたときに最適と考えられる株式60%、債券40%の配分をベースポートフォリオとしており、2023年7月から12月にかけては、ベースポートフォリオ対比で定量戦略、定性戦略ともに債券に対して積極的、株式に対して中立的または消極的な投資姿勢をとってきました。また投資配分の特徴の一つとして、株式ファンドのなかでは、金利低下時に好パフォーマンスが期待できる「世界株(グロース)」ファンドを一番多く保有していました。期間:2023年7月19日~2023年12月8日
・運用実績は過去のものであり、将来の運用成果等を示唆または保証するものではありません。
その結果、2023年7月から10月下旬にかけては米長期金利の上昇(債券価格は下落)を受け、債券に対する積極的な投資姿勢がネガティブに作用しましたが、11月以降は、米金利が大きく低下(債券価格は上昇)したため、積極的な姿勢がポジティブに作用しました。また、匠ラップの投資対象ファンド自体の運用戦略に目を向けると、「世界株(グロース)」ファンドにおいては、ITセクター、特にサイバーセキュリティの需要の高まりによる中長期的な成長が期待できるとの判断からソフトウェア銘柄を比較的多く保有していたことが奏功し、パフォーマンスにプラスの効果(ベンチマークに対する超過リターン)をもたらしました。債券ファンドでもパフォーマンス向上を目指し積極的な投資行動をとったことがプラスに寄与しました。匠ラップは、各ファンド単体でのリターンとポートフォリオ全体でのリターンの両方が見込める商品となっており、その相乗効果がプラスの効果をもたらしました。期間:2023年7月19日~2023年12月18日、日次
※運用実績は過去のものであり、将来の運用成果等を示唆または保証するものではありません。
※匠ラップの運用実績について 2023年7月19日(サービスリリースした7月15日に申込を行い最短で運用を開始した場合の投資対象ファンドの最初の買付約定日)から表示日まで、または表示している期間において、匠ラップに投資していた場合の運用実績です。 投資対象ファンドの基準価額(信託報酬やその他の費用が考慮されており、分配金は当該ファンドに再投資したものと仮定しています。)をもとに計算しています。リバランスは最適ポートフォリオとの乖離がないように実施したと仮定し、運用手数料を年率0.77%(税込)徴収したと仮定して計算を行っています。
② 野村アセット運用チームは2024年の市場環境をどう見るか?
匠ラップの今後の投資判断を見据え、野村アセットの運用チームが2024年の市場環境をどう見ているかをご紹介します。まず実体経済においては、2023年よりも成長速度が減速する可能性が高いと予想しています。その要因としては、米国を中心に金融政策引き締めの効果が現れ、借金増を伴い増加してきていた個人消費支出や低金利下で借入れをしていた企業の投資支出が今後抑制されると予想されることなどが挙げられます。そして最大の消費国である米国経済が減速することで、グローバル経済にもその影響が波及することも懸念されます。期間:2020年3月~2023年10月、月次
(出所)サンフランシスコ連銀のデータを基にFOLIO作成
金融政策に関しては、2024年はその転換期になると考えます。欧米の中央銀行は物価上昇の再燃を避けるために金融引き締めの転換に慎重な姿勢を見せ続けてきましたが、足元では景気・物価減速が鮮明化してきており、これまで引き締めを続けてきた中央銀行メンバーの発言にも引き締め姿勢を緩めるようなメッセージが散見され始めています。(出所)FRBのデータを基にFOLIO作成
金融政策の転換が意識される中で債券利回りは低下(債券価格は上昇)していくと考えており、その場合にはこれまで苦戦を強いられてきた債券が魅力的な資産となり得るため、積極的な投資姿勢とする方針です。また株式に関しては、特に2024年前半にかけて金融政策の引き締めからの転換というポジティブ材料と景気減速というネガティブ材料の綱引きの中で、不安定な動きが生じる可能性があると考えますが、年後半には景気の安定化が確認されるとともに株式市場も安定軌道に乗る可能性が高いと考えます。結果として、現在はやや消極的である株式に対する投資姿勢を、景気の持ち直しとともに徐々に積極的な投資姿勢へと転換していくことを考えます。また、株式市場内の物色動向についてもリターンの源泉とすることを目指します。具体的には、「世界株(バリュー)」ファンドと比べて、金融緩和期に恩恵を受けやすい「世界株(グロース)」ファンドに積極的な投資姿勢をとることが想定されます。 通常モデル運用では過去の動きをもとに将来予測を行い、投資戦略を決定しますが、近年ではコロナショックや紛争など、過去のデータにはないような事象が金融資産に影響を与えるようなイベントが起きています。このような変動性が高く、不確実・複雑・曖昧な状況こそが、運用者の経験をベースに最適な投資戦略を考える匠ラップの真価が発揮される状況であると考えています。大きく変化することが想定される2024年の市場環境に適切に対応し、投資家の皆さまに安定したリターンをお届けできるような投資判断を目指して参ります。③ お客さまアンケートの結果について
2023年10月に匠ラップをご利用いただいているお客さまを対象に、アンケート調査を実施させていただきました。ご協力いただいた皆さま、ありがとうございました。始めるきっかけとなったのは「SBIラップ AI投資コースとの併せ持ち」
SBIラップならではの特色、AIを活用した最先端のサービスである「SBIラップ AI投資コース」との併せ持ちができることをきっかけに、匠ラップを始めていただいた方が多いようです。※2023年10月27日から11月10日までの期間に実施したアンケートにおける2,717件の回答を集計。
「AI投資コース」は、資産運用にAIを活用し、市場動向を先読みしてあらゆる相場局面に対応することで、人を凌駕するパフォーマンスを目指します。一方で「匠の運用コース」は、野村アセットマネジメント独自の投資戦略を活用し、想定リスク年率10%程度で、市場環境に左右されにくい安定した収益の獲得を目指します。両コースを「併せ持ち」していただくことで、投資効率の改善も期待できます。 匠ラップが組み入れている各アクティブファンドのご紹介・毎月のパフォーマンスの振り返りも公開中です。 今後もお客さまからの貴重なお声に真摯に向き合い、より良いサービスのご提供に向けて改善に努めてまいります。引き続き匠ラップをご愛顧賜りますよう、よろしくお願いいたします。※ 本コラムについて
市場環境に関する過去の事実等の情報提供や作成時点での見解をご紹介するために野村アセットマネジメントの情報をもとにFOLIOが作成した資料です。そのため、上記のような投資判断を今後行うことを保証するものではございません。将来の投資成果を示唆あるいは保証するものではありません。
記載内容は作成時点のものであり、将来の市場環境の変動や運用成果等を示唆または保証するものではありません。
信頼できると考えられる情報を用いて作成しておりますが、その正確性、完全性等について保証するものではありません。
※当資料で使用した指数について
「S&P 500株価指数」は、スタンダード&プアーズが公表している株価指数です。
「ICE BofA Current 10-Year US Treasury Index SM/®」は、ICE Data Indices, LLCまたはその関連会社(「ICEデータ」)の登録商標です。当ファンドは、ICEデータによって支持・推奨・販売・販売促進されるものではなく、また、ICEデータは当ファンドに関して一切の責任を負いません。