2024年6月の実績、投資配分、寄与度
「SBIラップ 匠の運用コース(愛称:匠ラップ)」(以下、「匠ラップ」といいます)は、野村アセットマネジメント独自の投資戦略と、同社が厳選したアクティブファンドを活用することで、リスクを抑えながら効率的にリターンを追求することを目指す「おまかせ運用」サービスです。2023年7月15日より提供を開始し、2023年7月19日に運用を開始しています(※1)。2024年6月の世界の株式市場を振り返ると、米国ではFRB(米連邦準備制度理事会)が年内の利下げ見通しを後退させたことが重石となったものの、経済指標の鈍化等を受けて市場の利下げ期待は根強く、ハイテク株等が上昇を牽引して堅調に推移しました。一方で欧州では特にフランスにおける政情不安が嫌気される等で、また中国では欧米との関係悪化懸念や国内景気の不透明感等で軟調な推移となりました。為替は、米国金利の低下期待が後退したことで、日米の金利差が当面縮まらないとの見方から円安・ドル高が加速し、一時1ドル=161円台まで円安が進み、1986年12月以来の歴史的水準を更新する場面もありました。 以下は、そのような環境下における2024年6月の約1ヵ月間の匠ラップのパフォーマンスと各投資対象ファンドの騰落率(円建て)、および匠ラップの投資配分です。(※1,5,7)2024年6月のパフォーマンスの振り返り
024年6月の匠ラップは、以下のような投資環境を想定し、株式、REIT、米国ハイ・イールド債券という比較的リスクが高い資産への投資比率を59.0%として、匠ラップの運用戦略において参考とする株式60%、債券40%よりもやや低めのリスク水準で運用を行いました。- 経済指標と比較してリスク資産価格が安定的に推移してきており、これまで顕在化してこなかった金利上昇の影響が突発的に現れて景気の腰折れやリスク資産価格急落が生じる可能性について警戒を怠るべきではない(*)との考えを維持
- (*)米国経済を下支えしてきた超過貯蓄の枯渇や、消費者ローンの延滞率上昇といった、リスク資産価格が大きく下落するいわゆるハードランディング(強行着陸)につながりうる景気減速材料も増加している一方で、市場で景気悪化に対する警戒感が薄れているためリスクへの備えが必要ではあるが、この警戒姿勢を解くことができるとすれば米国の利下げがきっかけになると想定
- 先進国においてもインフレ率のピークアウトが確認される中、既にスイスやスウェーデンなど先進国の一部の中央銀行が利下げを決定していることからグローバルな金融緩和サイクルが緩やかに始まりつつあると評価(**)
- (**)欧米の政策金利は既に景気を刺激も抑制もしないと定義される中立金利より高い水準で維持されていると見られ、実体経済への影響が蓄積されていると考えられるため、今後の経済指標によっては、政策金利を据え置く期間が長引く可能性はあるものの、利上げを再開する可能性は非常に低いと予想
リリース来の実績
以下の折れ線グラフは「匠ラップ(※1)(赤色線)」「合成指数(※2)(青色線)」の比較グラフで、開始点は2023年7月19日です。運用開始日の2023年7月19日から2024年6月28日の期間で、匠ラップの運用実績は+15.58%(※1,3)となり、参考とする合成指数(※2,3)との比較では-3.99%(※4)となりました。また以下は、直近1ヵ月、3ヵ月、6ヵ月および匠ラップのリリース来のパフォーマンスです。(※6)*合成指数の値は運用にかかる費用等を考慮していません。
・運用実績は過去のものであり、将来の運用成果等を示唆または保証するものではありません。
・匠ラップは、オールウェザー戦略の考えを取り入れ、株式60%、債券40%の資産配分を参考としながら、事前想定リスク年率10%程度でリターンの最大化を目指し、資産配分を決定します。本グラフでは、匠ラップの運用戦略に基づく資産配分の決定がどれだけパフォーマンスに寄与しているかを示すために、前述の資産配分の参考値に基づきFOLIOが作成した合成指数(※2)を用いて、パフォーマンスの比較を行っています。
※1 匠ラップの運用実績について 2023年7月19日(サービスリリースした7月15日に申込を行い最短で運用を開始した場合の投資対象ファンドの最初の買付約定日)から表示日まで、または表示している期間において、匠ラップに投資していた場合の運用実績です。 投資対象ファンドの基準価額(信託報酬やその他の費用が考慮されており、分配金は当該ファンドに再投資したものと仮定しています。)をもとに、「(計算期間終了日基準価額/計算期間開始日基準価額)-1」で計算したものを%表示しています。リバランスは最適ポートフォリオとの乖離がないように実施したと仮定し、運用手数料を年率0.77%(税込)徴収したと仮定して計算を行っています。(※3)
※2 合成指数の推移について 「合成指数」のシミュレーションにあたっては、匠ラップが参考とする資産配分である株式60%、債券40%の割合でMSCIワールド・インデックス(配当込み、円換算ベース)とFTSE世界国債インデックス(除く日本、ヘッジあり・円換算ベース)を合成して計算しています。投資対象ファンドの基準価額に市場価格が反映されるタイミングを考慮し、合成指数の計算期間開始日および終了日を前倒して表示しています。(※3)
※3 運用実績および合成指数のシミュレーションについて 本文およびグラフ上で表示している割合は年率ではありません。計算後の数値の小数第3位以下を切り捨てて表示しています。将来の運用成果等を示唆または保証するものではありません。分配金やリバランス時の譲渡益にかかる税金は考慮していません。
※4 表示期間における、匠ラップの運用実績と合成指数のシミュレーションの比較です。小数第3位以下を切り捨てて表示しているため、表示上の数値を用いて計算すると数値が一致せず誤差が生じる場合があります。
※5 表示の投資配分はリバランス実施時に目標とする比率であり、実際の運用では市場変動等の影響により表示の比率と乖離が発生することがあります。
※6 1ヵ月、3ヵ月、6ヵ月のパフォーマンスは、それぞれ直近Nヵ月前の資産の評価額と2024年6月28日における評価額に基づいて計算しています。匠ラップリリース来のパフォーマンスは、2023年7月19日の資産評価額と2024年6月28日における評価額をもとに計算しています。表示している割合は年率ではありません。将来の運用成果等を示唆または保証するものではありません。
※7 騰落率グラフは2024年5月31日の基準価額を基準として、2024年6月28日における各投資対象ファンドおよび、匠ラップのリターンを示したものです。各投資対象ファンドの騰落率の計算は、「(2024年6月28日時点の基準価額/2024年5月31日時点の基準価額)-1」で行い、%表示をしています。寄与度グラフは騰落率グラフのデータを用いて、匠ラップの投資配分(指定期間の途中で行われたリバランスも考慮)に従って、匠ラップのリターンに対する各投資対象ファンドの寄与度を示したものです。投資対象ファンド毎に約定に要する日数が異なる点や計算期間中に実施されるリバランスの影響により、騰落率グラフが示す各投資対象ファンドのリターンがプラスであっても、寄与度グラフにおいてはマイナスとなる場合があります(逆の場合もあります)。匠ラップのリターンの算出方法については、※1をご参照ください。将来の運用成果等を示唆または保証するものではありません。
2024年6月のマーケットを振り返る
ここで2024年6月のマーケットを振り返ります。【米国市場概況】
米国株式市場の指標であるS&P500は上旬、公表された経済指標などから景気減速懸念が高まり、市場で利下げ期待が強まったことなどが支えとなり上昇基調となりました。 中旬にはFRBが年内の利下げ見通しを後退させたことが重石となった場面があったものの、ハイテク株などが上昇を牽引して堅調に推移し、最高値を連日で更新する場面もありました。 下旬は、景気指標が経済の減速を示唆したことなどが嫌気された一方で、引き続き利下げ観測やハイテク株の上昇などが下支えして一進一退の推移となり、最終的に前月比+3.46%となりました。【先進国市場概況】
日本株式市場の指標であるTOPIXは、上旬から中旬にかけて、フランスの政治情勢や米国の景気減速に対する懸念が嫌気されるなどで下落基調となりました。しかし下旬に入ると、記録的な円安・ドル高進行から日銀の利上げ観測が高まり銀行株が上昇するなどで、月末にバブル崩壊後の高値を上回る場面もあり、最終的に前月比+1.33%となりました。 欧州株式市場の指標であるストックス欧州600指数は上旬、ECB(欧州中央銀行)による利下げ決定などから堅調に推移しました。しかし中旬以降は、欧州における景況感の悪化やフランスを中心とした政治の不透明感等が重石となり下落、その後持ち直す場面もありましたが月末にかけて再び下落して、最終的に前月比-1.30%となりました。【新興国市場概況】
中国株式市場の指標である上海総合指数は上旬から中旬にかけて、国内景気の先行きや欧米との関係悪化への懸念が重荷となり下落基調となりました。下旬に入っても、先端技術分野等を巡る欧米との対立や、根強い国内景気の先行き不透明感から軟調な推移となり、最終的に前月比-3.86%となりました。 インド株式市場の指標であるインドSENSEXは上旬、総選挙で与党連合圧勝との事前予想に反して与党連合が大幅に議席数を減らす結果となったことから、一時的に大きく下落しましたが、利下げなど景気刺激策への期待が高まり、堅調に推移しました。その後も個人消費の回復観測等が好感されて最高値をつける場面もあり、最終的に前月比+6.85%となりました。【為替・その他】
ドル・円為替相場は、上旬に労働需給の緩和を示す指標等からFRBによる年内利下げ期待が高まり、円高・ドル安になる場面がありました。しかしその後、日銀が国債買い入れ減額の先送りを決定するなど現状維持姿勢を示した一方で、米国では年内の利下げ見通しが後退したことで円安・ドル高に転じ、一時37年半ぶりの1ドル=161円をつけるなど、前月比で2.26%円安・ドル高となりました。 米国10年債利回りは上旬、景気減速懸念等からFRBの早期利下げが意識されて低下しました。その後、労働市場の改善を示す指標等から一時的に上昇する場面もありましたが、米CPI(消費者物価指数)上昇率が市場予想を下回ったこと等で再び低下した後、月末にかけては早期利下げ観測の後退により再上昇して、4.4%付近で6月を終えました。各指数等のデータはBloombergが提供する値を用いています。表示されている値(米国10年債利回りを除く)は、小数第3位以下を切り捨てています。
運用会社FOLIOからのメッセージ
参考指数を大きく上回るリターンを獲得した「世界株(グロース)」がプラスに寄与匠ラップでは、「匠」の戦略が詰まったアクティブファンド(≠インデックスファンド)を活用し、市場平均を上回るリターンの獲得を目指しています。2024年6月におけるアクティブファンドの活用の例として、「世界株(グロース)」とその参考指数である「MSCIワールド・インデックス(配当込み、円換算ベース)」を比較してみると、「世界株(グロース)」は6月月間で+8.32%と参考指数を+2.58%上回りました。(※8)今後も「匠」ならではの運用によって、投資環境に左右されにくい安定した収益の獲得を目指します。なお、以下のコラムでは海外の年金からも受託があり、野村アセットマネジメント社の看板戦略である2つの世界株投資戦略のうち、中長期で持続性のある「複数の成長テーマ」を選別し、構造的な成長ドライバーを有する企業に集中投資する「世界株(グロース)」の魅力を解説しています。※8 グラフ等について ・将来の傾向や投資収益等を示唆又は保証するものではありません。
・「世界株(グロース)」は野村アセットマネジメント社から提供された「ラップ専用・世界株式アクティブ(グローバル・マルチテーマ)」の分配金再投資基準価額データ(信託報酬等の費用考慮後)を用い、またBloombergが提供する「MSCIワールド・インデックス(配当込み、円換算ベース)」のデータを参考指数として用いて、2024年5月31日を基準としてFOLIOにて計算し作成したものです。小数第3位以下を切り捨てて表示しています。
・「ラップ専用・世界株式アクティブ(グローバル・マルチテーマ)」の基準価額に市場価格が反映されるタイミングを考慮し、「MSCIワールド・インデックス(配当込み)」の計算期間開始日および終了日を前倒して表示しています。
・「ラップ専用・世界株式アクティブ(グローバル・マルチテーマ)」と「MSCIワールド・インデックス(配当込み)」の2024年6月の月間騰落率である+8.32%と+5.74%との比較が+2.58%です。小数点以下第3位を切り捨てて計算している箇所があるため、小数点以下第2位の数値が必ずしも一致しない場合があります。
・信頼できると考えられる情報を用いて算出しておりますが、情報の正確性、完全性等について保証するものではありません。
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・投資環境に関する過去の事実等の情報提供や作成時点での見解をご紹介するために、匠ラップの投資運用業務を行う株式会社FOLIOが作成した資料です。
・記載内容は作成時点のものであり、将来の市場環境の変動や運用成果等を示唆または保証するものではありません。
・信頼できると考えられる情報を用いて作成しておりますが、その正確性、完全性等について保証するものではありません。
■株式会社SBI証券
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第44号、商品先物取引業者 加入協会:日本証券業協会、一般社団法人 金融先物取引業協会、一般社団法人 第二種金融商品取引業協会、一般社団法人日本STO協会、日本商品先物取引協会
■株式会社FOLIO
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第2983号 加入協会:日本証券業協会、一般社団法人日本投資顧問業協会