2024年2月の実績、投資配分、寄与度
2024年2月の世界の株式市場は、米国ハイテク企業の好決算等が好感されたことで上昇し、日米の株価指数が史上最高値を更新する展開となりました。また中国では、政府が相次いで打ち出した相場支援策が奏功して、上昇基調となりました。為替は、米国の雇用統計が強い結果となったこと等で、早期の利下げ観測が後退し米長期金利が上昇したことや、日銀による金融緩和の長期化観測などから円安・ドル高傾向となりました。以下は、そのような環境下における2024年2月の約1ヵ月間の匠ラップのパフォーマンスと各投資対象ファンドの騰落率(円建て)、および匠ラップの投資配分です。(※1,5,7)2024年2月のパフォーマンスの振り返り
2024年2月の匠ラップは、以下のような投資環境を想定し、短中期的なリスクオフ局面への警戒感から株式、REIT、米国ハイ・イールド債券という比較的リスクが高い資産への投資比率を56.0%として、匠ラップの運用戦略において参考とする株式60%、債券40%よりもやや低めのリスク水準で運用を行いました。- これまでの経済を下支えしてきた政策などによる景気浮揚効果が剥落することにより、実体経済が減速すると想定。
- 足もとでは、特に米国において雇用市場が堅調さを示していることなどから、市場では経済が緩やかに減速するソフトランディング(軟着陸)が広く予想されているものの、他方で、消費者ローンの延滞率の急上昇と相まって消費の減速につながる可能性や、低金利環境下で発行した社債の多くが2024年以降に償還を迎え高金利での借換えを迫られるなど、これまで顕在化しなかった景気減速材料が表出した場合には、ハードランディング(強行着陸)になることも想定。
- ソフトランディング、ハードランディングのいずれのシナリオが到来したとしても、利下げとともに債券利回りは低下(債券価格は上昇)していくと想定。
リリース来の実績
以下の折れ線グラフは「匠ラップ(※1)(赤色線)」「合成指数(※2)(青色線)」の比較グラフで、開始点は2023年7月19日です。運用開始日の2023年7月19日から2024年2月29日の期間で、匠ラップの運用実績は+8.85%(※1,3)となり、参考とする合成指数(※2,3)との比較では-1.83%(※4)となりました。また以下は、直近1ヵ月、3ヵ月、6ヵ月および匠ラップのリリース来のパフォーマンスです。(※6)*合成指数の値は運用にかかる費用等を考慮していません。
・運用実績は過去のものであり、将来の運用成果等を示唆または保証するものではありません。
・匠ラップは、オールウェザー戦略の考えを取り入れ、株式60%、債券40%の資産配分を参考としながら、事前想定リスク年率10%程度でリターンの最大化を目指し、資産配分を決定します。本グラフでは、匠ラップの運用戦略に基づく資産配分の決定がどれだけパフォーマンスに寄与しているかを示すために、前述の資産配分の参考値に基づきFOLIOが作成した合成指数(※2)を用いて、パフォーマンスの比較を行っています。
※1 匠ラップの運用実績について 2023年7月19日(サービスリリースした7月15日に申込を行い最短で運用を開始した場合の投資対象ファンドの最初の買付約定日)から表示日まで、または表示している期間において、匠ラップに投資していた場合の運用実績です。 投資対象ファンドの基準価額(信託報酬やその他の費用が考慮されており、分配金は当該ファンドに再投資したものと仮定しています。)をもとに、「(計算期間終了日基準価額/計算期間開始日基準価額)-1」で計算したものを%表示しています。リバランスは最適ポートフォリオとの乖離がないように実施したと仮定し、運用手数料を年率0.77%(税込)徴収したと仮定して計算を行っています。(※3)
※2 合成指数の推移について 「合成指数」のシミュレーションにあたっては、匠ラップが参考とする資産配分である株式60%、債券40%の割合でMSCIワールド・インデックス(配当込み、円換算ベース)とFTSE世界国債インデックス(除く日本、ヘッジあり・円換算ベース)を合成して計算しています。投資対象ファンドの基準価額に市場価格が反映されるタイミングを考慮し、合成指数の計算期間開始日および終了日を前倒して表示しています。(※3)
※3 運用実績および合成指数のシミュレーションについて 本文およびグラフ上で表示している割合は年率ではありません。計算後の数値の小数第3位以下を切り捨てて表示しています。将来の運用成果等を示唆または保証するものではありません。分配金やリバランス時の譲渡益にかかる税金は考慮していません。
※4 表示期間における、匠ラップの運用実績と合成指数のシミュレーションの比較です。小数第3位以下を切り捨てて表示しているため、表示上の数値を用いて計算すると数値が一致せず誤差が生じる場合があります。
※5 表示の投資配分はリバランス実施時に目標とする比率であり、実際の運用では市場変動等の影響により表示の比率と乖離が発生することがあります。
※6 1ヵ月、3ヵ月、6ヵ月のパフォーマンスは、それぞれ直近Nヵ月前の資産の評価額と2024年2月29日における評価額を元に計算しています。匠ラップリリース来のパフォーマンスは、2023年7月19日の資産評価額と2024年2月29日における評価額をもとに計算しています。表示している割合は年率ではありません。将来の運用成果等を示唆または保証するものではありません。
※7 騰落率グラフは2024年1月31日の基準価額を基準として、2024年2月29日における各投資対象ファンドおよび、匠ラップのリターンを示したものです。各投資対象ファンドの騰落率の計算は、「(2024年2月29日時点の基準価額/2024年1月31日時点の基準価額)-1」で行い、%表示をしています。寄与度グラフは騰落率グラフのデータを用いて、匠ラップの投資配分(指定期間の途中で行われたリバランスも考慮)に従って、匠ラップのリターンに対する各投資対象ファンドの寄与度を示したものです。投資対象ファンド毎に約定に要する日数が異なる点や計算期間中に実施されるリバランスの影響により、騰落率グラフが示す各投資対象ファンドのリターンがプラスであっても、寄与度グラフにおいてはマイナスとなる場合があります(逆の場合もあります)。匠ラップのリターンの算出方法については、※1をご参照ください。将来の運用成果等を示唆または保証するものではありません。
2024年2月のマーケットを振り返る
ここで2024年2月のマーケットを振り返ります。【米国市場概況】
米国株式市場の指標であるS&P500は上旬、米国の物価上昇の減速観測やハイテク企業の好決算、経済のソフトランディングへの期待などが支えとなり堅調に推移しました。しかし中旬に入ると、米CPI(消費者物価指数)の伸び率が市場予想を上回りFRB(米連邦準備制度理事会)の早期利下げ観測が後退したことなどが重石となり、一進一退の動きとなりました。その後下旬には、半導体銘柄等を中心に一段とハイテク企業の業績期待が高まったことなどを背景に再び上昇に転じ、最終的に史上最高値を更新し前月比+5.17%と大きく上昇しました。【先進国市場概況】
日本株式市場の指標であるTOPIXは上旬、小幅に推移しました。中旬から下旬にかけては、米ハイテク株高の流れを受けて半導体関連銘柄に買いが広がったことや、円安進行を支えに輸出関連株の業績の上振れを期待した買いが入ったことなどを背景に上昇基調となり、最終的に前月比+4.88%となりました。欧州株式市場の指標であるストックス欧州600指数は上旬、小幅に推移しました。中旬から下旬にかけては、米ハイテク株の上昇などが好感される場面もありましたが、翌月初の主要な物価統計の公表を控え上値が重い展開が続き、最終的に前月比+1.84%となりました。【新興国市場概況】
中国株式市場の指標である上海総合指数は上旬、下落してスタートしましたが、その後は、中国当局の相次ぐ相場支援策(本土株の空売り抑制や企業価値向上の支援など)が好感され上昇基調に転じました。中旬以降も政策期待から上昇基調が続き、下旬には国内ハイテク産業への支援方針が示されたことなどが好感され上昇する場面もあり、最終的に前月比+8.12%となりました。インド株式市場の指標であるインドSENSEXは上旬、2024年度の成長予想の上方修正が好感される局面がありましたが、足元の経済指標の悪化が重石となり一進一退の推移となりました。中旬にはインド準備銀行による利下げ期待などから堅調な展開となりましたが、下旬にかけて上値の重い展開となり、最終的に前月比+1.04%となりました。【為替・その他】
ドル・円為替相場は、米国の雇用統計が強い結果となったこと等で早期の利下げ観測が後退し米長期金利が上昇したことや、日銀による政策転換への期待感が後退したことなどから円安・ドル高が進行、中旬から下旬にかけては149円台から150円台での動きとなり、最終的に前月比で2.08%円安・ドル高が進みました。米国の雇用統計が強い結果となったことや、CPIおよびPPI(米卸売物価指数)も市場予想を上回ったことなどを背景にFRBによる早期利下げ観測が後退し、米国10年債利回りは、3.9%台から4.2%台に上昇しました。各指数等のデータはBloombergが提供する値を用いています。表示されている値(米国10年債利回りを除く)は、小数第3位以下を切り捨てています。
運用会社FOLIOからのメッセージ
匠ラップでは、「匠」の戦略が詰まったアクティブファンド(≠インデックスファンド)を活用し、市場平均を上回るリターンの獲得を目指しています。アクティブファンドの活用の例として、前月に続き2024年2月に好パフォーマンスを発揮した「世界株(グロース)」とその参考指数である「MSCIワールド・インデックス(配当込み、円換算ベース)」について、匠ラップのサービスリリース以降の月間騰落率を比較してみると、「世界株(グロース)」は過去8ヵ月のうち6ヵ月において参考指数をアウトパフォームしていたことがわかります。(※8) 今後も「匠」ならではの運用によって、投資環境に左右されにくい安定した収益の獲得を目指します。 なお、以下のコラムでは海外の年金からも受託があり、野村アセットマネジメント社の看板戦略である2つの世界株投資戦略のうち、中長期で持続性のある「複数の成長テーマ」を選別し、構造的な成長ドライバーを有する企業に集中投資する「世界株(グロース)」の魅力を解説しています。※8 グラフ等について ・将来の傾向や投資収益等を示唆又は保証するものではありません。
・野村アセットマネジメント社から提供された「ラップ専用・世界株式アクティブ(グローバル・マルチテーマ)」の分配金再投資基準価額データ(信託報酬等の費用考慮後)を「世界株(グロース)」の値として用い、またBloombergが提供する「MSCIワールド・インデックス(配当込み)」のデータを参考指標として用い、2023年7月19日およびその後の各月末日を基準に、基準日以降の最も近い月末日までの騰落率(ex.2023年7月の棒グラフの値は2023年7月19日から2023年7月31日までの騰落率)をFOLIOにて計算し作成しています。小数第3位以下を切り捨てて表示しています。
・「ラップ専用・世界株式アクティブ(グローバル・マルチテーマ)」の基準価額に市場価格が反映されるタイミングを考慮し、「MSCIワールド・インデックス(配当込み)」の計算期間開始日および終了日を前倒して表示しています。
・信頼できると考えられる情報を用いて算出しておりますが、情報の正確性、完全性等について保証するものではありません。
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・投資環境に関する過去の事実等の情報提供や作成時点での見解をご紹介するために、匠ラップの投資運用業務を行う株式会社FOLIOが作成した資料です。
・記載内容は作成時点のものであり、将来の市場環境の変動や運用成果等を示唆または保証するものではありません。
・信頼できると考えられる情報を用いて作成しておりますが、その正確性、完全性等について保証するものではありません。
■株式会社SBI証券
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