レポート・コラム

【匠ラップ1周年記念】各投資対象アクティブファンドの運用振り返り

【匠ラップ1周年記念】各投資対象アクティブファンドの運用振り返り

SBIラップ 匠の運用コース(以下、「匠ラップ」といいます)は、2023年7月15日にサービスを開始し、このたび1周年を迎えることができました。日頃より、多くのお客さまにご利用いただいておりますこと、心より感謝申し上げます。匠ラップでは、匠ラップの投資助言を行う野村アセットマネジメント(以下、「野村アセット」といいます)の数多くの運用戦略の中から厳選した、9つのアクティブファンドに投資を行っています。この記事では、匠ラップが投資対象とする9つのアクティブファンドの各運用担当者によるこの1年間の振り返りをご紹介いたします。

各投資対象ファンドの運用担当者からのメッセージ

サービス開始からの1年間、各投資対象ファンドにおける運用経過についてご紹介いたします。
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世界株(グロース)

複数の中長期的な成長テーマを選定し、テーマに沿った高い成長期待を有する世界の成長株式に投資するファンドです。匠ラップのサービス開始以降は、AI技術の発展がIT企業の業績だけではなく、第4次産業革命として社会を大きく変化させる可能性に注目してきました。この進展フェーズは、まだ初期のインフラ構築段階にあることから、銘柄選択においては、半導体関連企業、データセンター運営企業や電力インフラ関連企業など、すでにAI関連の収益貢献が確認できる銘柄に注目しました。個別企業の業績見通しに基づいた銘柄選別の結果、情報技術セクターでの銘柄選択(エヌビディアなど)などが基準価額のプラス要因となりました。

世界株(バリュー)

世界各国の優良銘柄に割安な株価で投資し、長期にわたって保有する運用戦略で投資を行うファンドです(いわゆる割安株投資)。匠ラップのサービス開始以降は、FRBによる利上げサイクル終了への期待が高まる中、AI関連株やマグニフィセント7といった高い利益成長が期待される銘柄(いわゆるグロース株)がけん引する上昇相場でした。こうした成長株優位の投資環境の中、株式市場全体と比べたパフォーマンス面では割安株に投資する当ファンドは苦戦したものの、マイクロソフト、TSMC、ブロードコムなどの株価上昇が当ファンドの基準価額上昇に寄与しました。

日本株

投資環境や企業の「変化」に着目し、運用担当者が割安と考える日本株銘柄に投資を行うファンドです。また確信度の高い銘柄にはしっかりとウエイトを張ることで、TOPIX(配当込み)を上回る運用成果を目指します。匠ラップのサービス開始以降は、日本株市場は、半導体関連株の上昇のほか、円安や日本企業のガバナンス改善期待などから海外投資家の買いも強く、堅調に推移しました。当ファンドでは、半導体製造装置における高い技術力とシェアにより、半導体の需要増加に伴う業績の成長に着目しているディスコ、事業ポートフォリオの再構築に期待を寄せる日立製作所などの組入上位銘柄が上昇し、TOPIX(配当込み)を上回る超過リターンを獲得しました。

外国債券(総合型)

ファンダメンタルズ分析や市場分析に基づいて、社債やモーゲージ証券なども含む幅広い債券に投資を行うファンドです。FRBの利下げ転換が金融市場で意識されることにより債券利回りの低下や米ドル安が進行すると想定していたものの、米国経済が予想以上に堅調に推移したことから債券利回りの上昇と米ドル高が生じ、為替やイールドカーブにおける超過収益がマイナスとなりました。一方で、社債への投資において個別の銘柄選択がプラスの超過収益を獲得したことから、全体としてはマイナスを一部相殺することができました。今後も複数の超過収益源泉を活用しながら、積極的な運用を行います。

外国債券(国債型)

日本を除く世界の高格付けの債券を主な投資対象とし、ファンダメンタルズに沿った中長期的な経済・金融市場見通しに基づいて投資判断を行うファンドです。匠ラップのサービス開始以降は、主要中央銀行による金融引き締めの累積的な悪影響が顕在化し景気が減速すると想定していました。結果的に米国景気が堅調に推移したことで、為替やイールドカーブのポジションからの収益がマイナスに働きました。一方で、債券利回りが大きく上昇した際にデュレーションを長期化したことで、その後利回りが大幅に低下した局面を捉えたことはプラスに寄与しました。景気、金融政策の方向性を的確に捉えながら超過収益を獲得していく方針です。

外国債券(米国ハイ・イールド)

米ドル建てハイ・イールド債券を主な投資対象とし、徹底したクレジット分析に基づいて投資判断を行います。FRBによる利下げ期待および底堅い企業業績を背景に米国ハイ・イールド債券市場が上昇する中、当ファンドでは米国ハイ・イールド債券市場のパフォーマンスを上回る結果となりました。保有していた金属包装銘柄が業績不振により下落したことがマイナスに寄与したものの、劇場運営銘柄、クルーズ船運営銘柄、航空機リース銘柄およびオフィス用器具レンタル銘柄など、新型コロナウイルスのパンデミックによる行動制限の影響を受けていた銘柄が、繰延需要増加に伴い反発したことなどが基準価額のプラスに寄与しました。

国内債券

『嵐の中でも倒れない樹の発掘』を個別銘柄選択における運用チームの基本コンセプトに掲げています。匠ラップのサービス開始以降は、景気後退や金融市場のショックなど、外部環境が悪化する環境下でも安定した事業基盤を持つ企業への投資を行うことで、安定したクレジットインカム収益の獲得が出来たことが超過収益獲得の主な要因になりました。また、日本銀行が約10年ぶりにマイナス金利政策の解除に踏み切るなど、円金利動向も従来以上に変動性が高まることで国内社債市場にも影響が波及しています。こうした局面を捉えてポートフォリオの社債ポジションを機動的にコントロールした結果、特に相場下落局面で社債ポジションを積み増すような『逆張り/バリュー投資』行動をとった事で、その後の値上がり益を享受できたことも、超過リターンの獲得につながったものと考えています。

グローバルREIT

トップダウン・アプローチによる国・地域、セクター配分の決定とボトムアップ・アップローチによる世界各国のREITの選定を組み合わせてポートフォリオを構築、運用を行うファンドです。匠ラップのサービス開始以降は、米国をはじめとする各国のインフレ動向や金融政策に加え、FRBのパウエル議長など金融当局者の発言の影響を受けた展開となりましたが、当ファンドにおいては、高齢者向け住宅の需要増大の恩恵を享受することが期待される米国のウェルタワーや、データセンターの需要増大の恩恵を享受することが期待される豪州のグッドマン・グループといった銘柄を組入上位としたことが基準価額のプラス要因となりました。

J-REIT

個別銘柄の詳細な分析により選定したJ-REITに分散投資を行い、高い投資成果を目指すファンドです。匠ラップのサービス開始以降は、世界的な物価上昇を受けて金利上昇局面が長期化する中で相対的に利回り面の魅力度が低下したことなどを受けて、J-REIT市場は軟調な推移となりました。期間中は、インバウンド(訪日外国人)需要の高まりから大きな回復を受けるホテル系REITなどが上昇した一方で、物流費上昇の影響などから物量停滞への懸念が高まった倉庫系REITの下落が目立ちました。当ファンドでは、GLP投資法人やジャパン・ホテル・リート投資法人などの上昇がプラス要因となりJ-REIT市場のパフォーマンスを上回る結果となりました。

出所:野村アセットマネジメントからの情報提供を基にFOLIO作成

匠ラップのパフォーマンス等を公開中

匠ラップの毎月のパフォーマンスや匠ラップが組み入れている各アクティブファンドのご紹介の振り返りも公開中です。各アクティブファンドのご紹介については、今後も随時コラムを追加していく予定です。 今後も野村アセットの厳選したアクティブファンドへの投資を通じて、高いパフォーマンスの獲得を目指します。 また以下のコラムでは、1周年を記念して、サービス開始以降の投資判断が匠ラップのパフォーマンスに与えた影響を振り返り、匠ラップの投資助言を行う野村アセットによる2024年後半の市場環境の見通しをご紹介しています。
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※ 本コラムについて

  • 市場環境に関する過去の事実等の情報提供や作成時点での見解をご紹介するために野村アセットの情報をもとにFOLIOが作成した資料です。そのため、上記のような投資判断を今後行うことを保証するものではございません。将来の投資成果を示唆あるいは保証するものではありません。

  • 掲載されている投資信託に関する見通しについては、参考情報を提供することを目的としており、実際に当該投資信託に投資を行うことを保証するものではありません。また特定銘柄の売買などの推奨、価格などの上昇や下落を示唆するものではありません。

  • 記載内容は作成時点のものであり、将来の市場環境の変動や運用成果等を示唆または保証するものではありません。

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