レポート・コラム

<SBIラップ 匠の運用コース 2025年6月の実績>

<SBIラップ 匠の運用コース 2025年6月の実績>

2025年6月の実績、投資配分、寄与度

「SBIラップ 匠の運用コース(愛称:匠ラップ)」(以下、「匠ラップ」といいます)は、野村アセットマネジメント独自の投資戦略と、同社が厳選したアクティブファンドを活用することで、リスクを抑えながら効率的にリターンを追求することを目指す「おまかせ運用」サービスです。2023年7月15日より提供を開始し、2023年7月19日に運用を開始しています。(※1)2025年6月の世界の株式市場を振り返ると、中旬にイスラエル・イラク間の対立を契機に中東で軍事的な衝突が発生したものの米国の介入で早期に停戦に至ったこと、また米関税政策に関して交渉の進展や米政権の態度の軟化等が伝えられたことが好感され、米国や中国を中心に堅調に推移しました。加えて、FRB(米連邦準備制度理事会)による利下げ期待から月末にかけて半導体・IT関連が物色され、S&P500は最高値を更新しました。為替市場では、中東情勢の緊迫化が「有事のドル買い」を招いたこと等で円安・ドル高が進みましたが、下旬は米国の利下げ期待等で米長期金利が低下したことから円高・ドル安に転じ、前月末とほぼ同水準に戻りました。以下は、そのような環境下における2025年6月の約1ヵ月間の匠ラップのパフォーマンスと各投資対象ファンドの騰落率(円建て)、および匠ラップの投資配分です。(※1,5,7)
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2025年6月のパフォーマンスの振り返り

2025年6月の匠ラップは、以下のような投資環境を想定し、株式、REIT、米国ハイ・イールド債券という比較的リスクが高い資産への投資比率を70.0%として、匠ラップの運用戦略において参考とする株式60%、債券40%と比べて高めのリスク水準で運用を行いました。
  • 米国が掲げている高い関税率のファンダメンタルズへの影響には引き続き注視が必要であるものの 、経済指標から評価する景気循環では、今後景気拡大期に移行する局面であることが示唆(*)されており、また中国をはじめとする各国と米国との間の貿易協定が7月上旬にかけてまとまる可能性が高いと判断していることから、これらが市場の景気期待を押し上げる要因となることを見込み、今後市場で景気期待が高まることへの備えを始める方針
    • (*)米大手半導体企業の決算や見通しが好調であることや、生成AI対応の設備投資需要が、トランプ米政権による関税政策等の不確実性の中においても堅調であること等が要因
  • 現状、金融政策の運営については、日本を除く先進諸国のほとんどの国において緩和政策がとられており、仮に失業率の上昇と物価上昇率の加速が生じた場合においても、物価よりも景気を優先して金融緩和を強化する可能性が高いと見込まれる(**)ことから、当面は緩和的な金融政策が維持されるとの見通しのもと、株式、債券価格とも底堅く推移することを想定
    • (**) 金融当局が政策運営において重視する物価については、短期的には米国の関税政策の影響を受けて加速することも見込まれており、実際にインフレ期待においては短期のインフレ期待の加速が確認されているものの、低下基調にあることが確認されて おり、 パウエルFRB 議長が長期のインフレ期待は「2%物価目標と整合的な水準にある」という従前の評価を繰り返し、中銀の責務は長期のインフレ期待を安定させることである旨を強調することにも示される通り、短期的な物価上昇率の加速が確認されたとしても金融政策は引き締めへと急転換されないと想定
 月間では、 すべての投資対象資産が上昇しました。中でも、米国や中国を中心とした株式市場の上昇を反映して、「世界株式(グロース)」「世界株式(バリュー)」「日本株」は大幅に上昇しました。匠ラップにおいては、大きく上昇した「世界株式(グロース)」「世界株式(バリュー)」を比較的多く保有していたことが特にプラスに寄与して、6月のパフォーマンスは+3.09%となりました。(※1,6)以下のグラフは、匠ラップのリターンに対する各資産の寄与度(どの資産がどのくらい匠ラップの騰落に影響を与えているか)です。(※7)
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リリース来の実績

以下の折れ線グラフは「匠ラップ(※1)(赤色線)」「合成指数(※2)(青色線)」の比較グラフで、開始点は2023年7月19日です。運用開始日の2023年7月19日から2025年6月30日の期間で、匠ラップの運用実績は+16.15%(※1,3)となり、参考とする合成指数(※2,3)との比較では-3.89pt(※4)となりました。
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 また以下は、直近1ヵ月、3ヵ月、6ヵ月、1年および匠ラップのリリース来のパフォーマンスです。(※6)
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※合成指数のパフォーマンスは手数料および信託報酬として運用資産額の年1.46%(年率・税込)を控除した数値を表示しています。

・運用実績は過去のものであり、将来の運用成果等を示唆または保証するものではありません。

・匠ラップは、オールウェザー戦略の考えを取り入れ、株式60%、債券40%の資産配分を参考としながら、事前想定リスク年率10%程度でリターンの最大化を目指し、資産配分を決定します。本グラフでは、匠ラップの運用戦略に基づく資産配分の決定がどれだけパフォーマンスに寄与しているかを示すために、前述の資産配分の参考値に基づきFOLIOが作成した合成指数(※2)を用いて、パフォーマンスの比較を行っています。

※1 匠ラップの運用実績について

2023年7月19日(サービスリリースした7月15日に申込を行い最短で運用を開始した場合の投資対象ファンドの最初の買付約定日)から表示日まで、または表示している期間において、匠ラップに投資していた場合の運用実績です。 投資対象ファンドの基準価額(信託報酬やその他の費用が考慮されており、分配金は当該ファンドに再投資したものと仮定しています。)をもとに、「(計算期間終了日基準価額/計算期間開始日基準価額)-1」で計算したものを%表示しています。リバランスは最適ポートフォリオとの乖離がないように実施したと仮定し、運用手数料を年率0.77%(税込)徴収したと仮定して計算を行っています。(※3)

※2 合成指数の推移について

「合成指数」のシミュレーションにあたっては、匠ラップが参考とする資産配分である株式60%、債券40%の割合でMSCIワールド・インデックス(配当込み、円換算ベース)とFTSE世界国債インデックス(除く日本、ヘッジあり・円換算ベース)を合成して計算しています。手数料および信託報酬として運用資産額の年1.46%(年率・税込)を控除した数値を表示しています。投資対象ファンドの基準価額に市場価格が反映されるタイミングを考慮し、合成指数の計算期間開始日および終了日を前倒して表示しています。(※3)

※3 運用実績および合成指数のシミュレーションについて

本文およびグラフ上で表示している割合は年率ではありません。計算後の数値の小数第3位以下を切り捨てて表示しています。将来の運用成果等を示唆または保証するものではありません。分配金やリバランス時の譲渡益にかかる税金は考慮していません。

※4 表示期間における、匠ラップの運用実績と合成指数のシミュレーションの比較です。小数第3位以下を切り捨てて表示しているため、表示上の数値を用いて計算すると数値が一致せず誤差が生じる場合があります。

※5 表示の投資配分はリバランス実施時に目標とする比率であり、実際の運用では市場変動等の影響により表示の比率と乖離が発生することがあります。

※6 1ヵ月、3ヵ月、6ヵ月、1年のパフォーマンスは、それぞれ直近Nヵ月前およびN年前の資産の評価額と2025年6月30日における評価額に基づいて計算しています。匠ラップリリース来のパフォーマンスは、2023年7月19日の資産評価額と2025年6月30日における評価額をもとに計算しています。表示している割合は年率ではありません。将来の運用成果等を示唆または保証するものではありません。

※7 騰落率グラフは2025年5月30日の基準価額を基準として、2025年6月30日における各投資対象ファンドおよび、匠ラップのリターンを示したものです。各投資対象ファンドの騰落率の計算は、「(2025年6月30日時点の基準価額/2025年5月30日時点の基準価額)-1」で行い、%表示をしています。寄与度グラフは騰落率グラフのデータを用いて、匠ラップの投資配分(指定期間の途中で行われたリバランスも考慮)に従って、匠ラップのリターンに対する各投資対象ファンドの寄与度を示したものです。投資対象ファンド毎に約定に要する日数が異なる点や計算期間中に実施されるリバランスの影響により、騰落率グラフが示す各投資対象ファンドのリターンがプラスであっても、寄与度グラフにおいてはマイナスとなる場合があります(逆の場合もあります)。匠ラップのリターンの算出方法については、※1をご参照ください。将来の運用成果等を示唆または保証するものではありません。

運用会社FOLIOからのメッセージ

匠ラップでは、「匠」の判断により投資配分を調整することに加えて、投資対象ファンドとして、インデックスファンドではない「匠」の戦略が詰まったアクティブファンドを活用することで、市場平均を上回るリターンの獲得を目指しています。2025年6月は5月に引き続き、「日本株」の運用における「匠」の目利きが冴えわたりました。「日本株」とその参考指数である「TOPIX(配当込み)」を比較してみると、「TOPIX(配当込み)」は1.96%の上昇に留まった一方で、月初から「TOPIX(配当込み)」をアウトパフォームしていた「日本株」は月間で+4.87%と、参考指数を2.91pt上回るパフォーマンスとなりました。(※8)
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 まさに、日々の投資環境や企業の変化から収益機会(オポチュニティ)の着想を得て、「成長企業」と「勝ち残り企業」の視点で銘柄を選定し、それらを投資環境に合わせて臨機応変に組み入れる、「匠」の目利きが奏功した結果、といえます。 「日本株」のアクティブファンドの運用戦略について、詳しくご説明したコラムもございますので、ご一読ください。

※8 グラフ等について

・将来の傾向や投資収益等を示唆又は保証するものではありません。

・「日本株」は野村アセットマネジメント社から提供された「ラップ専用・日本株式アクティブ(セレクト・オポチュニティ)」の分配金再投資基準価額データ(信託報酬等の費用考慮後)を用い、またBloombergが提供する「TOPIX(配当込み)」のデータを参考指数として用いて、2025年5月30日を基準としてFOLIOにて計算し作成したものです。小数第3位以下を切り捨てて表示しています。

・「ラップ専用・日本株式アクティブ(セレクト・オポチュニティ)」と「TOPIX(配当込み)」の2025年6月の月間騰落率である+4.87%と+1.96%との比較が2.91ptです。小数第3位以下を切り捨てて計算している箇所があるため、小数第2位以下の数値が必ずしも一致しない場合があります。

・信頼できると考えられる情報を用いて算出しておりますが、情報の正確性、完全性等について保証するものではありません。

2025年6月のマーケットを振り返る

ここで2025年6月のマーケットを振り返ります。

【米国市場概況】

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米国株式市場の指標であるS&P500は上旬、米中間の協議が進展したとの見方から貿易摩擦懸念の後退等が期待され、小幅に上昇しました。中旬には、イスラエルによるイラン攻撃に端を発する中東情勢の不安定化や、FRB(米連邦準備制度理事会)が政策金利を据え置き、早期利下げに慎重な姿勢を示したこと等が重石となり小幅に下落しました。下旬、イランの反撃が限定的であったことが認識され、米国によるイラン核関連施設の攻撃後、速やかに停戦に至ったことで安心感が広がりました。地政学リスクの後退とともに米国で年内の利下げが意識されたこと等で、大型ハイテク株を中心に上昇し、月末には最高値を更新して、最終的に前月比+4.96%となりました。

【先進国市場概況】

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日本株式市場の指標であるTOPIXは、上旬の不透明な米国の貿易政策や、中旬の不安定化した中東情勢に左右され、一進一退の推移となりました。下旬には、イスラエルとイランの停戦や米国の株高に支えられて上昇し、最終的には年初来高値を更新して前月比+1.83%となりました。欧州株式市場の指標であるストックス欧州600指数は、上旬にドイツで法人減税を含む将来の政策期待が高まったほか、市場の想定通りECB(欧州中央銀行)が利下げを決定したことで上昇しましたが、中東情勢の不安定化で中旬に大きく値を下げました。早期停戦が成立した下旬には反転しましたが、対米関税交渉の進捗に不透明感があるなか、ユーロ高も重石となって伸び悩み、最終的に前月比-1.33%となりました。

【新興国市場概況】

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中国株式市場の指標である上海総合指数は上旬に、米中首脳による電話会談や閣僚級会議で米国との貿易摩擦の緩和が期待され上昇しましたが、中旬には中東における武力衝突が市場心理を冷やし下落しました。下旬は中東リスクの後退で上昇基調となり、当局の支援策への期待も後押しして、最終的には前月比+2.89%となりました。インド株式市場の指標であるインドSENSEXは上旬に、インフレの減速とインド中銀による大幅利下げが好感され上昇しました。中旬には中東情勢の不安定化で下落する局面もありましたが、早期停戦後は堅調な経済指標や経済成長予測の上方修正等で上昇を続け、最終的に前月比+2.64%となりました。

【為替・その他】

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ドル/円為替相場は、上旬に米労働市場の減速懸念が後退したことや米中貿易摩擦の緩和期待等でドルが買われ、中東情勢の不安定化を受けた「有事のドル買い」等で中旬にかけても円安・ドル高傾向が続きました。しかし、下旬に停戦合意が成立した後は、米利下げ期待の高まりで日米金利差が縮小したことで反転し、最終的に前月末とほぼ同水準となりました。米国10年債利回りは、上旬から中旬まで地政学リスクの高まりによる米国債券買い(金利は低下)やパウエルFRB議長が利下げに慎重な姿勢を示したこと等の材料が交錯してもみ合いましたが、下旬には複数のFRB高官による年内の早期利下げを示唆する発言等で利下げ期待が高まり、最終的に4.22%台で6月を終えました。

各指数等のデータはBloombergが提供する値を用いています。表示されている値(米国10年債利回りを除く)は、小数第3位以下を切り捨てています。

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■本資料について

・投資環境に関する過去の事実等の情報提供や作成時点での見解をご紹介するために、匠ラップの投資運用業務を行う株式会社FOLIOが作成した資料です。

・記載内容は作成時点のものであり、将来の市場環境の変動や運用成果等を示唆または保証するものではありません。

・信頼できると考えられる情報を用いて作成しておりますが、その正確性、完全性等について保証するものではありません。

■株式会社SBI証券

金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第44号、商品先物取引業者

加入協会:日本証券業協会、一般社団法人 金融先物取引業協会、一般社団法人 第二種金融商品取引業協会、一般社団法人日本STO協会、日本商品先物取引協会、一般社団法人日本暗号資産等取引業協会

■株式会社FOLIO

金融商品取引業者(第一種金融商品取引業、投資助言・代理業、投資運用業) 関東財務局長(金商)第2983号

加入協会:日本証券業協会、一般社団法人日本投資顧問業協会