いよいよエヌビディア決算発表!好業績中小型半導体関連7銘柄

いよいよエヌビディア決算発表!好業績中小型半導体関連7銘柄

投資情報部 鈴木 英之 栗本奈緒実

2024/08/28

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いよいよエヌビディア決算発表!好業績中小型半導体関連7銘柄

東京株式市場では、8/16(金)に日経平均株価が38,000円を回復後、一進一退の展開が続いています。

8/27(火)時点で、東証プライム市場指数が7月末比▲4%と戻り軟調な一方で、東証グロース市場指数は同+3.5%とアウトパフォームしています。日米金利差縮小により為替市場では、円高ドル安が進行。影響を受けにくい内需株や、海外売上高比率の低い銘柄に買いが入りやすくなりました。また、米長期金利の低下時には、中小型のグロース株が物色されやすい傾向もあります。

8/28(水)に生成AI向け半導体最大手エヌビディア(NVDA)の決算発表を控え、様子見を決め込む投資家も多いようですが、発表直前のスーパーマイクロコンピュータ(SMCI)など関連企業の直近決算動向から、上方修正の余地もあると考えられます。ただ、新製品「ブラックウェル」の量産出荷が遅延するとの観測もあり、ガイダンスにどの程度影響を及ぼすか注目です。

8/4に公表された世界半導体出荷動向(WSTS・24/6)は、前年同月比15.6%増と前月の同22.6%増から伸び率鈍化となりました。民生品向けや車載向けの軟調が続き、特に自動車用や産業用機器などで使用されるCMOS Image Sensorsは同13.6%減と、前月の同5.7%増からマイナスに転じました。一方、生成AI向けにも使用されているDRAMやNANDなどのメモリーは、8カ月連続で2桁台以上の高い伸び率を維持した格好です。まだ当面、「半導体」が動意材料として注目される展開が続くと想定されます。

そこで、今回の「新興株ウィークリー」では、中小型半導体関連銘柄について再吟味します。半導体市況が分野によって強弱感がまちまちの中、堅調な業績を背景に、株価の上昇に転じる可能性のある銘柄を抽出するため、以下のスクリーニングを行ってみました。

(1)東証スタンダード市場、またはグロース市場上場銘柄

(2)SBI証券Webサイトの銘柄検索ウィンドウに「半導体」と入力し、出力される銘柄

(3)8/26(月)までの20営業日で1日当たり平均出来高2万株以上

(4)直近四半期(累計)の売上高が前年同期比で増収

(5)直近四半期(3カ月)の営業利益が前年同期比で10%以上の増益

(6)取引所または日証金、当社による信用規制・注意喚起銘柄を除く

図表の銘柄は、上記(1)~(6)の条件をすべて満たしています。掲載は、直近四半期(累計)営業増益率の前年同期比増益率の高い順(黒字転換が最上位)となっています。

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【参考】 日経平均株価と東証グロース市場指数の推移

【参考】 8/20(火)~8/27(火)で株価上昇が大きかった東証グロース市場指数構成銘柄

■図表 いよいよエヌビディア決算発表!好業績中小型半導体関連7銘柄

取引 チャート ポートフォリオ コード 銘柄名  株価
(8/27終値)
四半期(3カ月)
営業増益率
6927 6927 6927 6927 ヘリオス テクノ ホールディング 900 黒字転換
5381 5381 5381 5381 Mipox 587 黒字転換
6832 6832 6832 6832 アオイ電子 2,413 黒字転換
6855 6855 6855 6855 日本電子材料 2,810 357.6%
3652 3652 3652 3652 ディジタルメディアプロフェッショナル 2,226 114.4%
4970 4970 4970 4970 東洋合成工業 8,370 56.0%
6627 6627 6627 6627 テラプローブ 4,225 31.4%
  • ※Bloombergデータ、会社公表データをもとにSBI証券が作成。

一部掲載銘柄を詳細に解説!

■日本電子材料(6855)~テスト需要拡大で業績拡大期待

★日足チャート(1年)

  • ※データは2024/8/28(日足)10:30時点。
  • ※当社チャートツールを用いてSBI証券が作成。
  • ※上記は過去の実績であり、将来の運用成果を保証または示唆するものではありません。

★業績推移(百万円)

  • ※当社Webサイトの業績表示ツールをもとに、SBI証券が作成。

■半導体ウェハテスト用プローブカードで大手

当社は半導体ウェハテストで用いられるプローブカードの大手企業です。

プローブカード(Proveは「深針」、Cardは「基板」を意味)は半導体製造前工程で半導体の良否を判定するウェハテストで用いられる消耗品です。当社の売上構成比(24.3期)の99%はこのプローブカードを供給する半導体検査用部品関連事業で、残りは電子管部品関連事業となっています。

アジアを中心とする海外顧客にも販売しており、海外売上高比率(24.3期)は44%となっています。

■通期業績予想は改めて「上方修正」の可能性も

8/7に発表された25.3期1Q決算では、売上高が49億円(前年同期比20%増)、営業利益が11億円(同357%増)と増収・大幅増益でした。

プローブカードは非メモリー向けが国内先行需要向け拡販が継続したことに加え、メモリ向けも前年同期を上回る好調な売上となりました。高付加価値製品を含む海外向けの需要増大で国内工場の稼働率が上がり、大幅な増益につながりました。

好調な1Q決算を受け、会社側は25.3期2Q累計業績を上方修正し、売上高予想を95億円→100億円、営業利益予想を7→23億円に上方修正しました。

通期については、期初段階で売上高210億円(前期比20%増)、営業利益24億円(同175%増)と予想していましたが、いったん取り下げるとしています。会社側は「生成AI向け需要は引き続き拡大すると見込んでおり、下期以降のプローブカード需要についても、その影響を受ける可能性があります」と説明しており、前向きな取り下げであった可能性がありそうです。

プローブカードではライバルとなる日本マイクロニクス(東証プライム・6871)についても、24年4~6月期は大幅増益となり、24.12期は営業利益が118%増える見込みで、業界環境の好転がうかがえます。

株価は7/11に年初来高値4,145円を付けた後、株価急落のあった8/5に2,175円まで下落しました。その後、上記8/7の決算発表を経て少し持ち直したものの、再び上値が重くなっています。通期業績予想は改めて上方修正される可能性があり、押し目は買いの好機になる可能性が大きそうです。

■東洋合成工業(4970)~フォトレジスト用感光材トップ、需要が急回復

★日足チャート(1年)

  • ※データは2024/8/28(日足)10:30時点。
  • ※当社チャートツールを用いてSBI証券が作成。
  • ※上記は過去の実績であり、将来の運用成果を保証または示唆するものではありません。

★業績推移(百万円)

  • ※当社Webサイトの業績表示ツールをもとに、SBI証券が作成。

■フォトレジストの原料で世界トップシェア

半導体製造で電子回路を焼き付けるため、光に反応して性質を変える薬剤「フォトレジスト(感光性材料)」をウエハの表面に塗布します。同社は、フォトレジストの原料となる「感光材」で、世界シェアが5割超とトップを誇る企業です(会社調べ)。「グローバルニッチトップ企業 100 選」に選定された経歴も有します。

売上高構成比(24.3期)は感光材事業が61%で、化成品が39%です。また、感光材事業の85%が半導体・ディスプレイ・その他電子材料関係が占めています。主要顧客は信越化学(4063)で、相手別販売割合は23.3期が17%、24.3期は13%でした。

■積極設備投資で生産能力拡大

中期経営計画(23.3期-27.3期)では、期間累計の設備投資額300億円を掲げています。うち120億円は、感光材工場の先端品生産能力を1.8倍に拡大するために使用され、本年9月に完成予定です。

■需要急回復で会社計画を上方修正

直近では、8/9(金)に24.3期1Q(4-6月期)業績を発表。売上高92億円(前年同期比21%増)、営業利益13億円(同56%増)と増収増益を達成しました。

在庫調整が一巡し、四半期売上高は過去最高水準まで回復した形です。同発表と同時に、中間・通期計画の売上高及び各利益項目も上方修正を実施。想定以上の需要の急回復と円安が織り込まれています。

想定為替レートは、1ドル148円で据え置きでした。8/27時点で、会社想定より円高ドル安水準です。しかし、過去2期の1Qを振り返ると、あまり大きな悪材料にはならない可能性もあります。

ドル円レンジ:23.4‐6月期 1ドル130~144円

       24.4‐6月期 1ドル151~160円 

24.4-6期の営業利益は前年同期比4.6億円増でしたが、円安による押し上げは+0.7億円にとどまっており、売上増加の寄与(+6.9億円増)が大きかったようです。

また、SBI証券企業調査部によると、大手半導体メーカーの最先端半導体の生産動向を踏まえ、会社計画を保守的と言及。半導体微細化に伴い、同社製品の成長期待が続くとしています。会社計画の通期(25.3期)売上高382億円、営業利益36億円に対し、SBI証券予想は売上高384億円、営業利益38.5億円と上回っている格好です。

また、8/7(水)には国内大手証券会社が投資判断を「中立」→「買い」に投資判断の引き上げを実施しました。各社のアナリストによる目標株価は10,000円を超えており、現在値とかい離が大きい状態です。

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