「PBR1倍割れ」で割安感も、最高業績更新予定の中小型株6選

「PBR1倍割れ」で割安感も、最高業績更新予定の中小型株6選

投資情報部 栗本奈緒実 鈴木英之

2025/08/27

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「PBR1倍割れ」で割安感も、最高業績更新予定の中小型株6選

日経平均株価は、8/19(火)に過去最高値(取引時間中ベース)を更新。以降は、利益確定と見られる売りや、米テック株の下落の影響等を受け一服しました。8/27(水)にAI半導体大手エヌビディアの決算発表を控え、株式市場全体に様子見ムードが広がっています。

主要半導体関連株を中心とした株価上昇が小休止する中で、8/19(火)~8/26(火)の東証スタンダード市場指数の騰落率は+0.3%(東証プライム市場指数▲1.4%、東証グロース市場指数▲1.2%)と相対的に堅調でした。同期間のTOPIXグロース市場指数▲2.5%に対し、TOPIXバリュー市場指数▲0.5%と、バリュー株が市場の下支え役になった格好です。

今回の「新興株ウィークリー」では、過去最高売上の更新が期待されつつも、PBRが1倍未満の中小型割安銘柄を抽出すべく、以下のスクリーニングを行ってみました。

① 東証グロース市場、または東証スタンダード市場に上場

② 時価総額が100億円以上

③ 売買高移動平均(25日)が2万株以上

④ 前期売上高が過去最高を更新し、今期会社計画も更新予定

⑤ PBRが1倍割れ(8/25時点)

⑥ 今期会社予想純利益が4期連続で前期比増益となる見通し

⑦ 取引所、日証金、または当社による信用規制・注意喚起銘柄は除く

図表の銘柄は、上記条件をすべて満たしています。掲載は、今期会社予想売上高の増収率(前期比)が高い順です。

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【参考】 8/19(火)~8/26(火)で株価上昇が大きかった東証グロース市場指数構成銘柄

■図表 「PBR1倍割れ」で割安感も、最高業績更新予定の中小型株6選

取引 チャート ポートフォリオ コード 銘柄名 株価
【8/25・円】
今期予想
増収率
(前期比)
今期予想
EPS成長率
(前期比)
6357 6357 6357 6357 三精テクノロジーズ 2,154 13.2% 6.8%
2418 2418 2418 2418 ツカダ・グローバルホールディング 680 11.7% 40.9%
8772 8772 8772 8772 アサックス 826 8.6% 0.9%
3611 3611 3611 3611 マツオカコーポレーション 1,976 4.8% 10.8%
2652 2652 2652 2652 まんだらけ 329 3.8% 9.0%
7287 7287 7287 7287 日本精機 1,714 1.1% 33.0%
  • ※会社発表データ、Quick Workstation Astra ManagerデータをもとにSBI証券が作成。アサックスは26.3期(連結)と25.3期(非連結)を比較

一部掲載銘柄を詳細に解説!

■三精テクノロジーズ (6357)~舞台からテーマパークまで。安定と成長が両立?

★日足チャート(1年)

★業績推移(百万円)

■遊戯機器、舞台装置、昇降機に展開

遊戯機械、舞台装置、昇降機などの企画、設計、製作、施工、保守等を一気通貫で提供している会社です。

このうち遊戯機械は売上高(25.3期)の58%を占めている主力事業です。日本で初めてジェットコースターを遊園地向けに提供(1952年・浅草花やしき向け)した会社として知られています。現在では買収した欧米企業の活躍もあり、ジェットコースターをはじめ各種遊戯機械を世界のテーマパークに提供しています。ローラーコースターの年間世界販売台数では、グループで世界トップクラスを誇ります。

地域別売上高構成比(25.3期)は日本51%、米国21%、アジア14%、欧州6%で、海外売上高が約半数を占めており、遊戯機械のグローバル展開が主に反映されています。アジアではテーマパーク建設計画が相次ぐ中東が多く含まれているようです。

舞台機器は売上高(同)の30%を占めています。劇場やホール向けの床機構・吊物機構・音響反射板、またコンサート・テレビ・舞台・イベント向け仮設舞台設備・電飾等を提供しています。

また、昇降機部門は売上高(同)の12%を占め、住宅用からダム用まで多種多様なタイプを取り扱い、充実した保守・メンテナス体制を敷いています。

■利益面では舞台装置、昇降機が安定的

25.3期は売上高618億円(前期比18%増)、営業利益47億円(同52%増)、経常利益52億円(同47%増)と増収増益。売上高・経常利益は過去最高でした。主力の遊戯機械は順調な工事進捗も、一部不採算工事の影響で増収減益でした。しかし、売上高営業利益率が2割以上ある舞台装置、昇降機の増収増益が貢献しました。

このように、事業規模的には遊戯機器が中心ですが、安定した顧客層(全国の公共施設・ホール等)を有する舞台装置、保守・メンテナンスの必要性が大きい昇降機(保守・メンテナンスの収益開示はなし)の高い採算性が当社業績に安定性をもたらしています。

26.3期1Q(25.4-6月期)は売上高152億円(前年同期比11%増)、営業利益7.9億円(同166%増)と年度最初の四半期として好発進でした。主力の遊戯機械が国内大型案件の進捗で黒字転換したことが貢献しました。26.3通期では、売上高700億円(前期比13%増)、営業利益50億円(同4%増)、経常利益53億円(同0.12%増)と増収増益を目指し(期初予想から変更なし)ます。

中期計画では28.3期に売上高750億円、経常利益71億円を目標としています。ROEは6.9%とやや低いためか、最高益企業にもかかわらず予想PERは12.0倍、PBRは0.88倍(8/26時点)と低めです。中計では28.3期にROE10%を目指しており、それが実現できれば、市場からの再評価も期待できそうです。

■アサックス (8772)~不動産担保ローンのスぺシャリスト。専業として積み重ねてきたデータと独自の審査基準が強み?

★日足チャート(1年)

★業績推移(百万円)

■不動産担保ローンのスぺシャリスト

1969年の創業以来、不動産担保ローンに特化してきた会社です。

不動産担保ローンは、不動産(土地・建物)に抵当権を設定するため、無担保ローンと比較し、借入限度額が大きく、金利も低くなる傾向です。また、「簡易審査は1日×最短3日でご融資」と記載されているように、スピード感も特徴として挙げられます。

個人や中小企業がおもな融資先です。「不動産を相続したが売却をしておらず、手元資金が乏しい場合、相続税を納付するため」等の相続資金や、「新規受注をしたが、原料を支払う資金がない」等の運転資金などの実需が中心です。

不動産担保では、担保評価(不動産査定)が最重要であり、加えて返済能力や物件の流動性もあわせて判断されます。アサックスは半世紀以上にわたり専業として積み重ねてきたデータと独自の審査基準を背景に、精度の高い与信判断で差別化を図っています。

■金利上昇局面の動向が正念場?

直近業績は今期1Q(25.4-6月期)時点で、営業収益(一般事業会社の売上高)は20億円(前年同期比16%増)、営業利益は12億円(同9%増)で、増収増益となりました。

今期(26.3期)から米国で不動産賃貸業を行うASAX America,Inc.を連結決算へ移行。前期(25.3期)数値は、単独との単純比較である点を踏まえても、増収となった格好です。

平均貸付金利が微増にとどまる一方で、平均調達金利は22.3期の0.67%→26.3期1Qの1.27%へとほぼ2倍になり、利ざやはやや縮小傾向です。ただし依然として4.2%超と国内銀行の約4倍の利ざやを確保(参考:国内銀行の平均は1%弱*)。さらに貸倒償却額はゼロが続きました。(貸倒償却=「もう絶対に返ってこない」と判断した場合、その貸付金を会計上「損失」として処理します。これが0ということは、「審査の目利き力」と「担保評価の厳格さ」が極めて高いことを示唆します)


日銀が金融政策の大規模緩和から正常化に舵を切るなかで、金利上昇による貸出額の増加が業績押し上げ材料として期待されます。一方、担保となる不動産価格下落や流動性の低下が懸念材料です。金利上昇局面で、業績拡大の継続が確認されるかに注目が集まります。1Q(25.4-6月期)決算発表後、株価はじわじわ買われ、8/26(火)時点で年初来高値水準に位置しています。短期的には2024年につけた850円近辺が上値として意識されるでしょう。

*日本銀行公表(2025/6数値):普通預金べースで計算

新着記事(2025/08/27)

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