株価波乱で買い好機?好決算銘柄9選

株価波乱で買い好機?好決算銘柄9選

投資情報部 栗本奈緒実

2025/11/19

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株価波乱で買い好機?好決算銘柄9選

主力のAI・半導体関連銘柄に調整が入る中、11/18(火)の日経平均株価は大台である5万円を割り込みました。

目下の株式市場では、日本時間11/20(木)朝に発表予定のAI半導体最大手エヌビディアの決算動向に注目が集まっています。同社業績への市場期待自体がそもそも高いため、好業績を示した場合でも売られる展開も想定され、警戒感が高まっています。

そのような中、7-9月期の決算発表がほぼ一巡。決算内容が好感された銘柄が相場を下支えている状況です。発表時期は大型株と比較し、後半に集中する中小型や新興企業の決算発表も11/14(金)までにほとんどが通過しました。

決算発表では、業績計画の上方修正のほか、予想配当金の増額を行うなど、株主還元強化を実施した企業も目立ちました。11/17(月)時点で、11月に自社株買いの実施を発表した企業数は156社に上り、5月(3月決算企業の本決算発表時期)、2月(12月決算企業の本決算発表時期)に次いで、3番目に多いです。

今回の「新興株ウィークリー」では、前週の「上方修正・株価上昇期待の好業績銘柄6選」の後半戦として、好業績の中小型株を抽出してみました。

スクリーニング条件は、以下の通りです。

・時価総額100億円以上

・東証グロース市場または、東証スタンダード市場に上場

・売買高移動平均(25日)が2万株以上

・中間(2Q)決算を11/10(月)~11/17(月)までに発表

・経常利益の会社予想変化率が対前回からプラス

・中間期(2Q)時点の売上高の進捗率が直近3期平均より高い

・中間期(2Q)時点の経常利益の進捗率が直近3期平均より5%pt以上高い

・取引所または日証金、当社による信用規制・注意喚起銘柄を除外

掲載は、通期会社計画に対する中間期(2Q)時点の経常利益進捗率:直近-3期平均の進捗率(%pt)が大きい順です。


「今期2Q時点の通期計画に対する経常利益の進捗率(%)」-「直近3期の2Q時点の通期計画に対する経常利益の進捗率(%)」で計算され、数値が大きいほど今期業績が直近3期と比較し“良いペース”で業績が推移していることを示します。



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【参考】11/11(火)~11/18(火)で株価上昇が大きかった東証グロース市場指数構成銘柄

【銘柄一覧】 株価波乱で買い好機?好決算銘柄9選

取引 チャート ポートフォリオ コード 銘柄名 株価
【11/17・円】
〈経常利益2Q進捗率〉
直近ー3期平均の進捗率(%pt)※
7254 7254 7254 7254 ユニバンス 778 23.00
6145 6145 6145 6145 NITTOKU 2,513 18.94
1799 1799 1799 1799 第一建設工業 3,490 14.89
7271 7271 7271 7271 安永 1,013 14.78
1384 1384 1384 1384 ホクリヨウ 2,863 14.36
2469 2469 2469 2469 ヒビノ 2,590 13.54
5161 5161 5161 5161 西川ゴム工業 3,005 10.22
6317 6317 6317 6317 北川鉄工所 1,721 9.70
7235 7235 7235 7235 東京ラヂエーター製造 1,440 5.95
  • ※会社発表データ、Quick Workstation Astra ManagerデータをもとにSBI証券が作成
  • ※経常利益2Q進捗率:直近ー3期平均の進捗率(%pt)は、「今期2Q時点の通期計画に対する経常利益の進捗率(%)」ー「直近3期の2Q時点の通期計画に対する経常利益の進捗率(%)」の数値

一部掲載銘柄を詳細に解説!

■NITTOKU (6145)~巻線システムで「グローバルニッチトップ」。海外向けが好調

★日足チャート(1年)

★業績推移(百万円)

■“巻”に特化。グローバルニッチで世界トップ

巻線システム業界でトップ級のシェアを有する企業です。グローバルニッチトップ企業100選を2期連続で受賞した実績があります(2014年、2020年に受賞。経済産業省が不定期開催で実施)。

自動車や家電等の中には多数のコイルが使用されています。このコイルを製造するための「設備(巻線機)」を搬送・組立・検査を含むFA(自動化)システムまで一体で提供しています。

売上構成比は、巻線関連(ワインディングシステム)64%、メカトロニクス31%(25.3期)です。メカトロニクスは巻線工程を含まないFA(搬送・組立・検査)システム等で、2024年4月の子会社化の連結寄与などにより前期比で伸長しました。

■米国・ASEAN海外堅調で、上昇修正&増配を発表

11/14(金)に発表された今期中間(25.4-9月期)決算では、実績が事前の会社計画を上振れたほか、通期計画の各利益の上方修正を実施。巻線やFAシステム関連の受注高(個別ベース)は152億円(前年同期比36%増)、将来の売上につながる受注残高は247億円(同11%増)となりました。

米国やASEAN向けでの売上増加および想定よりも高い利益を確保できたことが寄与した模様です。また、海外売上高比率(25.3期)は51%と一定程度を占めることから、円安も押し上げ材料となったと考えられます。

前期(25.3期)に連結配当性向の目安を30%以上から40%以上に上方修正を実施しました。新たな目標数値を基に、中間期までの業績進捗が堅調だったこと踏まえ、1株当たりの会社予想年間配当金は50円→60円に増額されました。

■北川鉄工所 (6317)~鉄製品で高シェア多数~採算改善が実り始める?

★日足チャート(1年)

★業績推移(百万円)

■鉄製品を素材から産業機械まで

1918年創業、広島県府中市に本社を置く鉄製品の開発メーカーです。

金属素形材(25.3期売上高構成比:43%)、工作機器(同16%)、産業機械(同35%)の3事業を主に展開しています。鉄の塊を用いて鋳物(鉄を流し込むための型)を作り、それを活かした様々な部品や機械を製造しています。土台づくりから上物まで「鉄」に関する縦のつながりがある点が強みです。

高シェア製品を多数擁しており、同社が手掛ける自動車部品は世界中で約10台に1台の割合で使用されています。工作機器事業の製品は、回転精度などで他社製品と差別化しやすく、利益率も高くなりやすい傾向です。キタガワチャック(自動車等の部品加工で精度・安全を支える必須固定具。車のブレーキ円盤など丸い部品を削るとき、材料のズレを防ぐ固定用の道具)の国内シェアは60%以上に上ります(同社HPより)。

採算性改善への兆し?

同社の主要顧客業界である自動車・半導体は、景気指標や投資サイクルの影響を受けやすいため、業績が上下に振れやすい傾向があります。

業績は、23.3期に各利益が前期比で大幅減益(経常利益は前期比66%減、図表参照)となるなど、原材料高の影響等が重しとなりました。

今期からの中期経営計画(26.3期~28.3期)では、コンセプトの一つに「低採算からの脱却」を掲げ、採算性改善の道のりを歩んでいます。

11/12(水)の今期中間(25.4-9月期)決算では、各利益の実績が事前の会社予想を上振れたほか、通期計画の上方修正を実施。コスト低減活動や販売価格の改定などが寄与したと会社側は説明しています。

株価は25年4月にはおよそ15年ぶりの安値まで落ち込む場面もありました。今期(26.3期)は、1Q(4-6月期)に続き、前述の中間決算でも採算性改善に向けた進捗を見せたことで、株価は年初来高値の水準まで上昇しました。

株主還元方針で基準の明確化と下限の設定を行って以降、決算内容も好感され、株価は回復基調が継続しています。11/18時点での予想配当利回り4.55%(会社予想年間配当78円と11/18終値1,716円をもとに算出)、PBRは0.36倍と割安高配当株と言われる水準です。

新着記事(2025/11/19)

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