業績も好調なフィジカルAI関連中小型株

業績も好調なフィジカルAI関連中小型株

投資情報部 鈴木 英之

2026/01/14

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業績も好調なフィジカルAI関連中小型株

2026年の日本株市場は好調なスタートを切りました。日経平均株価は昨年末終値50,339円から、1月13日(火)には53,549円まで6.3%上昇し、過去最高値を更新しました。米国株の上昇に加え、国内で解散総選挙の可能性が急浮上し、高市政権の安定化や政策実行への期待が高まったことが要因とみられます。

今後はどうなるでしょうか。1月13日の東京株式市場では、日経平均株価への寄与度が高い値嵩株が軒並み買われており、先物主導の動きであることがうかがえます。TOPIXも史上最高値を更新しているため、現物株の動きも追従していますが、全面高の動きが長く続くとは考えにくいところです。ここは改めて投資対象を精査すべき局面でしょう。

こうした中、中小型株市場では、東証グロース市場250指数が年初来6連騰となるなど、幸先の良いスタートになっています。しかし、1月13日時点で昨年8月高値からは依然11%下げた水準にあります。

先週は「日本株投資戦略」(1月9日付)において、本年の最も注目され得る投資テーマである「フィジカルAI」関連銘柄をご紹介しました。株式市場全般が好調ということもありますが、関連銘柄は足元、おおむね堅調に推移しています。

フィジカル(物理)AIは、AI(人工知能)がロボットや機械などの「身体」を通じて現実世界(物理空間)を認識し、自律的に判断し、行動する技術です。カメラやセンサーを通じて周囲を理解し、AIがどう動くか判断し、ロボットや機械が実際に動くことによって現実の世界を変えていきます。動きの中には、モノを掴む、運ぶ、組み立てる、掃除する、倉庫で動き回るといった様々な動作が含まれます。

現地時間1月6日から米国で開催されていたテクノロジー見本市「CES 2026」において、AI半導体大手エヌビディアのジェンスン・ファンCEOが基調講演を行い、「チャットGPTモーメントがフィジカルAIにもやってくる。もうすぐだ」と述べました。

中小型株市場の中にも「フィジカルAI」関連銘柄はあるかもしれませんが、中小型株ゆえにいまだ出遅れ感が強い銘柄もありそうです。そこで、今回の「新興株ウィークリー」では、中小型株から「フィジカルAI」関連銘柄を抽出することとしました。決算発表シーズンが接近していることもあり、短期業績のチェックも施しています。抽出条件は以下の通りです。

抽出条件

  • 東証グロース市場または同スタンダード市場に上場、または東証プライム市場上場の時価総額1,000億円未満企業
  • 各種報道、業務内容等から「フィジカルAI」分野での展開が見込める銘柄であること
  • 今期会社計画が増収・営業増益見通し
  • 直近の四半期営業利益(累計)が前年同期比で増益、または黒字転換
  • 取引所または日証金、当社による信用規制・注意喚起銘柄を除外

図表の銘柄は上記の条件をすべて満たしています。掲載はコード番号順です。



日本株投資戦略における「フィジカルAI」に関するレポートは こちら

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【銘柄一覧】 業績も好調なフィジカルAI関連中小型株

取引 チャート ポートフォリオ コード 銘柄名 株価
【1/9・円】
投資のポイント
3741 3741 3741 3741 セック 3,310 屋内自律移動ロボット等、ロボットを制御するソフトウェアを開発
6324 6324 6324 6324 ハーモニック・ドライブ・システムズ 3,550 ロボット制御に減速機は不可欠な存在。人型ロボットに多くの引き合い
6908 6908 6908 6908 イリソ電子工業 3,215 ロボット組立適合コネクタが2021年度日本機械学会優秀製品賞受賞
6914 6914 6914 6914 オプテックスグループ 2,473 フィジカルAIに必要なセンサー、FA両方のノウハウを有する
7409 7409 7409 7409 AeroEdge 2,687 航空機部品で高技術力。AIを駆使し製造・検査に適用
9556 9556 9556 9556 INTLOOP 3,905 フィジカルAIの基盤になるエッジAIの知見が豊富な新興企業と提携
  • ※BloombergデータをもとにSBI証券が作成。「投資のポイント」は会社資料、各種報道等をもとに作成。

一部掲載銘柄を詳細に解説!

■ハーモニック・ドライブ・システムズ(6324)~減速装置に展開、AIロボット関連の面

減速装置と、その応用製品であるメカトロニクス製品(アクチュエーターおよび制御装置)を生産・販売しています。主力製品であるハーモニックドライブ®は、わずか3点の基本部品から構成され、小型・軽量でありながら高トルク(ねじる力・回す力)と高精度を兼ね備えた減速機です。産業用ロボット、半導体製造装置、車載向けを中心に幅広い分野で使用されています。販売先の地域別構成比(2025年3月期)は、日本39%、欧州30%、北米21%、中国10%と、地域分散が比較的バランスよく進んでいます。

2026年3月期第2四半期(2025年4~9月期)は、売上高278億円(前年同期比4.8%増)、営業利益4.65億円(前年同期は6.37億円の赤字)と増収・黒字転換となりました。営業利益は当初予想3億円を上回りました。中国向けが想定より良好だったことに加え、円安も寄与しました。将来の売上高につながる受注高も前年同月比14%増となりました。2026年3月期の営業利益は15億円と、前年の6百万円から大幅に回復する計画ですが、市場予想営業利益(Bloombergコンセンサス)は2026年3月期21億円、2027年3月期67億円が見込まれています。

現在、AI(人工知能)技術の進化に伴い、人型ロボットに代表されるAIロボットの開発が世界的に進んでいます。本格普及は2027年以降とされ、2050年には10億台規模の巨大市場が誕生する可能性があります。同社は2026年3月期第2四半期(2025年4~9月期)に、すでに15社からの引き合いに対応しています。株価は2020年12月高値の9,510円から大きく下落した水準にありますが、業績回復とAIロボット関連としての評価浸透が重なれば、失地回復の可能性もありそうです。



■イリソ電子工業(
6908)~ロボット組立適合コネクタは機械業界の「お墨付き」

各種コネクタを製造・販売しています。コネクタは電気回路・信号を電気的に接続したり切り離したりする部品で、電子機器には不可欠な存在です。

コネクタが使われる市場別の売上高構成比(2025年3月期)は、モビリティ(自動車等の乗り物)が86.2%です。カーナビやオーディオ等の「インフォティメント」向け、「センサー」向け、動力を車輪に伝える「パワートレイン」向けなどとなっています。その他、ゲーム機等のコンシューマーが8.2%、FA、エネルギーマネジメントなどのインダストリアルが5.6%となっています。

地域別売上構成比は日本16.0%、中国・韓国圏44.2%、アメリカ10.3%、欧州16.3%、ASEAN13.2%と世界に分散しています。生産は8割超が中国・東南アジア等の海外です。売上・生産ともに海外が8割超と、ワールドワイドで事業を展開しています。

業績は堅調に推移しています。2026年3月期第2四半期累計(2025年4月~9月期)は売上高309億円(前年同期比14.0%増)、営業利益27.1億円(同28.1%増)と増収増益でした。主力のモビリティ市場向けでは、中国・パワートレイン向けやインフォティメント向けが好調でした。2026年3月期通期では売上高580億円(前期比3%増)、営業利益55億円(同3.6%増)が会社計画です。

コネクタはAIロボットにおいても、AI(脳)が考えたことをモーター(筋肉)に伝える神経のような役割をする重要部品であり、ロボット市場の拡大は同社にとっても追い風になるとみられます。同社が開発した「ロボット組立適合コネクタ」は日本機械学会優秀製品賞(2021年度)を受賞するなど、その技術は機械業界のお墨付きを得ています。センサー向け市場にも展開しており、フィジカルAI市場に深く関わり得る事業展開になっています。



■オプテックスグループ(
6914)~フィジカルAIに不可欠なセンサーを中心にFAにも展開

SS(センシングソリューション)事業が売上高(2024年12月期)の45%を占めています。住宅、事業所、大型重要施設向けに防犯用センサーを提供するほか、シャッターや自動ドア向けのセンサーも提供しています。売上高営業利益率(同)は14%あり、稼ぎ頭です。IA(インダストリアルオートメーション)事業の売上高構成比(同)は54%で、工場の検査工程で品質向上に役立つ照明や、生産工程で自動化・省人化に役立つセンサーなどを提供しています。

グローバル展開しており、地域別売上構成比(2024年12月期)は日本48%、欧州・中東・アフリカ26%、北中南米15%、アジア・オセアニア11%と分散しています。グローバルニッチ市場でトップシェアを有し、屋外用侵入検知センサーで世界シェア40%、自動ドアセンサーで30%、検査用LED照明で30%(2025年12月期第3四半期決算説明会資料)を有しています。

2025年12月期第3四半期(2025年1~9月期)の売上高は476億円(前年同期比1.5%増)、営業利益62.1億円(同13.9%増)と増収増益でした。SS事業で大型重要施設向けの売上高が伸びました。2月13日決算発表予定の2025年12月期(通期)では、売上高660億円(前期比4.3%増)、営業利益74億円(同3.9%増)が会社計画です。3カ年計画の営業利益は2026年12月期85億円、2027年12月期100億円と拡大継続予定です。

「フィジカルAIに注力」といった類の会社側の明確なメッセージは確認できませんでした。しかし、AIとFA(ロボット)、センサーはまさしくフィジカルAIの重要要素であり、同社はすでに要素技術を持っているとみられます。事実、AIとロボットを活用した外観検査装置など「フィジカルAI」的商品の展開も見られます。また、欧米・アジアでデータセンター向け案件が伸長しており、世界的なデータセンター構築需要の高まりも追い風になっています。

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