AI・半導体で再注目?レアアース関連銘柄5選

AI・半導体で再注目?レアアース関連銘柄5選

投資情報部 鈴木 英之 髙田航輝

2026/07/01

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AI・半導体で再注目?レアアース関連銘柄5選

東京株式市場では、値動きが荒い展開が続いています。6/25(木)の日経平均株価終値は72,366円34銭で、終値ベースでは過去最高を更新しました。しかし、翌日は前日比3,000円を超えて下落し、終値は節目の7万円を割り込みました。

米国市場ではオープンAIの上場延期観測の報道などで半導体関連銘柄が売られる展開もありましたが、市場としては強く、6/29(月)にNYダウ(ダウ工業株30種平均)は52,182.74ドルで取引を終え、終値ベースで過去最高を更新し、6/30(火)も続伸しています。

市場での話題の中心は引き続き、AI・半導体関連株にあると思われます。6/29(月)には韓国半導体大手のサムスン電子とSKハイニックスが計800兆ウォン(約83兆円)を投じて、半導体工場を計4工場建設すると発表しました。半導体需要の底堅さを好感する意見がある一方で、半導体、メモリーの供給過多による値崩れを懸念する声もありました。

半導体市況の動向がマーケットに影響を与えている状況が続いています。

そこで今回の「新興株ウィークリー」では、半導体、EV、防衛装備品などの製造に必要とされる「レアアース」にスポットを当て、関連銘柄を探ります。

レアアース(希土類)はネオジムやセリウムなど、17元素の総称です。採掘可能な濃度で存在する鉱床が限られ、抽出・分離・精製に高度な技術を要するという特徴があります。さらに特定の国や地域が高い産出シェアを占めているため、外交問題や紛争が発生すると、供給懸念が生じる可能性があります。半導体製造などのハイテク産業には欠かせないレアアースについては、日本でも南鳥島沖レアアースの開発計画が進められており、関心が高まっているといえると思います。

スクリーニング条件は以下のとおりです。

(1)東証グロース市場または東証スタンダード市場に上場
(2)時価総額が1,000億円未満
(3)各種資料・報道などから、「レアアース」と関連性があるとみられること
(4)今期純利益の会社予想が黒字
(5)取引所または日証金、当社による信用規制・注意喚起銘柄を除く

図表の銘柄は上記の条件をすべて満たしています。

掲載の順番は銘柄コードが小さい順にしています。

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【銘柄一覧】AI・半導体で再注目?レアアース関連銘柄5選

取引 チャート ポートフォリオ コード 銘柄名 株価
【6/30・円】
投資のポイント
4125 4125 4125 4125 三和油化工業(3) 3,100 電子部品の基板などに含まれる希少金属、レアアースを回収する技術を持つ。
5698 5698 5698 5698 エンビプロ・ホールディングス(6) 831 2024年にレアアース磁石のリサイクルに関して英・HyProMag社とMOU(基本合意書)を締結。
5699 5699 5699 5699 イボキン(12) 1,449 アチハ社と共同の取り組みで、風力発電機解体工事においてレアアースを含むネオジム磁石をリサイクル。
5724 5724 5724 5724 アサカ理研(9) 2,440 ランタンおよびガドリニウム精製の事業化に向けた実証実験により、光学レンズ廃材からのレアアース回収および高純度化に成功。
9768 9768 9768 9768 いであ(12) 3,485 水中ロボットや海洋環境調査事業が将来、レアアース海洋開発に利用され、商用化されることに期待。
  • ※Quickデータ、会社公表データ、各種報道等をもとにSBI証券が作成しました。
  • ※銘柄名のカッコ内の数字は決算期を表しています。

一部掲載銘柄を詳細に解説!

アサカ理研(5724)~資源リサイクル関連企業として資源確保、国内循環、LiB(リチウムイオン電池)再生というテーマが追い風に

★日足チャート(6か月)

★業績推移(百万円)

◎貴金属や有用金属を含む材料・廃液などから資源を回収し、再生・精製・販売

1969年に創業された福島県郡山市に本社を置く資源リサイクル関連企業です。

中心事業は、貴金属や有用金属を含む材料・廃液などから資源を回収し、再生・精製・販売する事業です。電子部品メーカーや歯科関連業界などから、金・銀・パラジウムなどを含む材料を集荷し、独自技術で分離・回収しています。回収した貴金属は精製し、地金などとして販売しています。また、成膜装置部品に付着した貴金属を洗浄・回収する事業も行っています。

事業は大きく4つに分かれます。第一に、金地金・銀地金・白金地金・パラジウムなどの貴金属回収精製処理および販売を行う「貴金属事業」で2025年9月期の売上構成比は81%です。営業利益でも全社の約70%を占める稼ぎ頭です。第二に、使用済みの塩化第二鉄廃液を再生し、その過程で銅を回収して銅ペレットなどとして販売する「環境事業」で売上構成比は13%です。自動計測検査システムや計測ネットワークシステムを開発・販売する「システム事業」、工業薬品の運搬や廃液の収集運搬を行う「その他の事業」にも展開しています。

同社は、既存事業の収益力を高める一方で、次の成長分野としてLiB(リチウムイオン電池)の再生事業に取り組んでいます。同事業では、CO₂排出量の削減とレアメタルの高回収率を両立するプロセスの構築を進めており、いわき工場での生産設備導入も進行中です。量産稼働開始は2028年4月を予定しています。



20269月期会社予想業績を上方修正~ただし設備投資増加局面に

5/15(金)に発表された2026年9月期上半期(中間期)決算は大幅な増収増益でした。売上高は52.83億円で前年同期比19.8%増、営業利益は7.17億円で同191.7%増、経常利益は6.66億円で同290.8%増、中間純利益は4.94億円で同279.8%増となりました。売上高経常利益率は12.6%と、前年同期の3.9%から大きく改善しています。

増益の主因は、金相場の上昇と取扱数量の増加です。セグメント別では、主力の貴金属事業が売上高44.03億円(前年同期比18.6%増)、セグメント利益5.65億円(同420.1%増)と大きく伸び、全体の利益成長をけん引しました。環境事業も銅相場の上昇と販売数量増により増収増益でした。

会社側は上半期の好決算を受け、2026年9月期(通期)の業績予想を以下のとおり上方修正しました。

・売上高 95億円→107.5億円(前期比23.8%増)

・営業利益 5.9億円→12.4億円(同152%増)

・経常利益 3.5億円→10.4億円(同143%増)

・純利益 2.7億円→7.85億円(同161.7%増)

なお、下半期は、LiB再生事業の稼働開始に向けた整備費用や人員採用費などが増える計画のため、利益計上ペースは上期より緩やかになる見込みです。

財政面では、LiB再生事業向けの設備投資と借入により、総資産は170.99億円(前期末比23.8%増)へ拡大しました。自己資本比率は31.6%と前期末の35.4%から低下し、投資先行の色合いが強まっています。CF(キャッシュ・フロー)では営業CFは4.09億円のプラスでしたが、設備投資により投資CFは15.00億円のマイナス、フリーCFは10.91億円のマイナスでした。

既存の貴金属・環境事業が相場高を追い風に好調で、上期業績は非常に強い内容です。一方で、LiB再生事業への投資が進んでおり、下期は成長投資費用の増加が利益の重しになる見通しです。

長期的には、「新たな挑戦を通じて資源循環社会の実現に貢献できるNo.1企業」を目指しています。2034年9月期には、営業利益30億円、ROE15%の達成を目標に掲げています。収益構成としては、既存事業50%、LiB再生事業30%、新規事業20%というバランスの取れた事業ポートフォリオを目指しています。



◎金先物価格が株価下落の要因か~長期的には日本の資源確保、国内循環、LiB再生という強いテーマが追い風に?

株価は軟調です。2026年1月の高値5,500円に対し、足元は半値以下の水準に沈んでいます。同社の業績に影響を与えるとみられるNY金先物価格は1月高値1トロイオンス5,354ドルから足元は4,000ドル近辺に下がっており、業績面への悪影響が懸念されます。金先物価格下落が続いた場合、同社株価の下落が続く可能性に注意です。

バリュエーション面では単純に「安い」とは言い切れません。会社予想EPS155.99円を使うと、株価2,516円(6/29終値)での予想PERは約16.1倍です。1株純資産1,074.84円を使うとPBRは約2.3倍、年間予想1株配当金12円ベースの配当利回りは約0.47%です。PERだけなら極端に高くありませんが、PBRは素材・リサイクル系としては低くなく、配当利回りも投資妙味の中心と考えにくいようです。

こうした中で同社は、LiB原料であるレアメタルの供給懸念、EV廃棄に伴う資源消失、CO₂削減、鉱山開発による環境破壊防止を事業ニーズとしてとらえています。経産省は2026年6月に「蓄電池産業戦略」を「蓄電池・電源産業戦略」に改訂し、国内製造基盤、上流資源確保、サプライチェーン強靱化などを政策の柱に掲げています。 また、内閣官房資料でも、世界は重要鉱物・リサイクル資源の獲得競争に入っており、重要鉱物リサイクルや再生材活用は経済安全保障・産業競争力強化に資するものと位置付けられています。

日本の資源確保、国内循環、LiB再生というテーマは強く、同社の技術・既存の貴金属回収ノウハウとの親和性もあります。LiB再生事業が2028年に量産稼働し、顧客からの工程廃材を安定的に集荷でき、利益率が確認できれば、現在の評価軸は大きく変わる可能性があります。

いであ(9768)~水中ロボット、環境調査が将来レアアース開発に貢献することに期待

★日足チャート(6か月)

★業績推移(百万円)

環境・建設コンサルタントで社会インフラを支える

同社は社会基盤の形成と環境保全を手がける、総合コンサルタントです。東証スタンダード市場に上場しており、6/30(火)時点の株式時価総額は261億円です。セグメントは「環境コンサルタント事業」「建設コンサルタント事業」「情報システム事業」「海外事業」「不動産事業」の5つに分かれています。

メインは環境コンサルタント事業で売上高は全体の68.2%を占めています(※1)。同事業では環境保全に向けて、環境に関する様々な調査や分析、影響予測、評価などを行います。水中の調査には「TUNA-SAND」級ホバリング型AUV(自律航行型水中無人探査機)を使用することで、低速かつ決められた高度で潜航し、海底環境を自動で精密に調査することができます。ほかにも建設コンサルタント事業では道路や橋梁、港湾、ダムなどの社会インフラについて、国や地方自治体の依頼に基づき調査・企画立案から工事管理、施設運用までの一連のプロセスに参画しています。

※1:2026年12月期第1四半期参照。



1四半期は増収増益。今期会社計画比、順調な滑り出し!

5/7(木)に発表された2026年12月期第1四半期決算の売上高は70億円(前年同期比5.7%増)、営業利益は12億6,400万円(同7.6%増)でした。

ほかのセグメントに比べ売上規模は小さいですが情報システム事業の売上高が前年同期比16.3%増と大きく伸びています。画像解析による高度流量観測システム構築業務等の売上が増加したことが主な要因です。

今期業績予想は当初から変更なく、売上高257億円(前期比4.4%増)、営業利益34億円(同6.7%増)の会社計画です。会社計画に対する第1四半期時点の進捗率は売上高27.2%、営業利益37.1%と順調な滑り出しとなっています。また、年間の1株当たり配当金の予想は118円で前期実績から据え置きです。年間の予想配当利回りは3.38%です(※2)。

※2:2026/6/30(火)終値をもとに算出。



レアアースほか成長戦略17分野との関連性

同社は直接レアアースを採掘、精製している会社ではありませんが、海洋開発を行う際の海洋環境調査等で同社技術が利用できるのではないかと思われます。水中ロボティクスの分野でもAUVやROV(遠隔操作型水中ロボット)が今後、レアアース海洋開発に役立てられる可能性があり、関連銘柄としてピックアップしました。

また、経済安全保障重要技術育成プログラム(K Program)の課題「海空無人機による海洋観測・監視・調査システムの構築」において研究開発に携わっています。

事業報告書(2025年12月期)でもメタンハイドレートやレアアースの開発計画に資する海洋環境調査等を積極的に展開し、注力する方針が記載されています。ほかの都市鉱山やレアアースを直接取り扱う企業と比較してレアアース関連銘柄としての認知度は低いのではないかと思われますが、今後の展開に注目したい企業です。

また、環境コンサルタント事業、建設コンサルタント事業は政府が掲げる成長戦略17分野のうち「海洋」「防災・国土強靭化」「港湾ロジスティクス」などに関連しており、レアアース以外でも関連銘柄として物色の対象になる可能性があります。



◎今後の展開とリスク

同社が展開する事業は海洋、国土強靭化など政府が注力する分野に関係しており、関連テーマとして市場の関心が向かう可能性があります。一方で業績をみると第1四半期の売上高は1桁の増収率にとどまり、インパクトに欠けるという印象が否めません。

6/30(火)の株価終値は3,485円であり、1/14(水)の取引時間中につけた高値4,860円より28%低い位置にあります。また、前期実績PBRは約0.8倍であり1倍を割っている状況です。今期予想PERは約10.3倍で東証スタンダード市場指数の今期予想PER14.33倍を下回っています。

リスクについては、研究開発しているAUVなどが業績に大きく寄与せず失望売りを誘うことや、半導体関連主導の相場が続き、割安なまま放置されてしまうことが考えられます。


今後も、レアアースや海洋開発に関連する事業の進捗、同社技術の商用化状況、業績への寄与度について、決算発表や会社リリース等で確認していく必要があると思われます。

新着記事(2026/07/01)

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