株価はバブルか?

株価はバブルか?

投資情報部 鈴木英之 植田雄也

2026/06/30

AI・半導体関連株主導の荒い展開

■ 6月第4週(6/19-6/26)の株式市場動向

日経平均株価の6/26(金)終値は69,360円88銭で、前週末比1,889円18銭(-2.65%)安と週足ベースで反落しました。

週初は買いが先行した一方、韓国株急落や日銀の物価警戒で売りが拡大。週後半は米マイクロン好決算で一時反発したものの、最終日(6/26)はAI・半導体関連株の過熱感や半導体価格上昇による電子機器等の需要減少懸念が重荷となり、大幅安で週を終えました。


■ 騰落率の傾向(6/19-6/26)(図表4・5)

・上昇率上位:J.フロント リテイリング(3086が上昇率トップ。百貨店大手の企業です。
アクティビストとして知られる3Dインベストメント・パートナーズによる株式保有が判明し、資本効率改善や株主還元強化への期待が高まりました。

・下落率上位:古河電気工業(5801が下落率トップ。これまで相場をけん引してきたテーマ株が下落上位に並びました。米国市場でAI・半導体関連株の過熱感が意識され、国内でも先行して成長期待を織り込んできた銘柄に利益確定売りが広がりました。短期資金の流入が大きかった分、売りが集中したと考えられます。


■ 7月第1週のスタート(6/29)

日経平均株価は前週末比107円23銭高の69,468円11銭とほぼ横ばいでした。

韓国半導体大手2社の巨額投資発表を受け、製造装置・素材・検査装置関連株に買いが入る一方、キオクシア(285A)は競争激化やメモリー需給緩和への警戒から軟調でした。

今週は米ISM製造業景況指数と雇用統計の発表があります。市場予想ではいずれも前回から鈍化が見込まれていますが、上振れれば利上げ観測を強め、株式市場の重荷となる可能性があります。

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図表1 日経平均株価の値動きとその背景

図表2 日経平均株価

図表3 日米欧中央銀行会議の結果発表予定

図表4 日経平均株価採用銘柄の騰落率上位(6/19-6/26)

図表5 日経平均株価採用銘柄の騰落率下位(6/19-6/26)

株価はバブルか?

日経平均株価は高値圏にありますが、25日騰落レシオ※は直近で96.46%(6/29)にとどまり、過熱感の目安としている130%を33.54ポイント下回っています。指数だけを見ると割高に見えますが、値上がり銘柄数の広がりは乏しく、全面高型のバブルとは言いにくい状況です。したがって、指数の上昇が一部銘柄に偏っている可能性があり、相対的に出遅れている銘柄も存在すると考えられます。

※25日騰落レシオ・・・日々の値上がり銘柄数を過去25日分合計し、同期間の値下がり銘柄数で割った比率(単位:%)です。一般的には、130%以上で「高値圏」、70%以下で「安値圏」とされるテクニカル指標です。

図表6から読み取れるポイントは以下の通りです。

(1)日経平均株価の水準だけでは、相場全体の過熱は判断できない

日経平均株価の終値は2026/06/29に69,468.11円となりました。また、2026/06/25には一時72,594.22円まで上昇しています。しかし、この局面における25日騰落レシオは100%前後にとどまり、採用銘柄全体が一斉に買われている状況ではありません。

(2)25日騰落レシオは「高値でも熱狂ではない」ことを示している

直近の25日騰落レシオは96.46%で、過熱の目安とした130%を33.54ポイント下回っています。さらに、直近60営業日の最大値も114.42%(4/9)にとどまり、過熱ラインには届いていません。

(3)これは「指数主導・銘柄選別型」の上昇を示唆する

日経平均株価は値がさ株や特定テーマ(現状ではAI・半導体など)の影響を受けやすい指数です。指数が高くても25日騰落レシオが低い場合、上昇が一部銘柄に偏っており、出遅れ銘柄が残っている可能性が高いと考えられます。

東京株式市場は、現時点では「バブルではない」と考えられます。

相場の広がりが限定的である点は、全面高型の熱狂とは異なります。バブル的な上昇局面では、指数だけでなく市場全体の値上がり銘柄数も増加し、25日騰落レシオが130%超へ上振れしやすくなります。今回のデータでは、日経平均株価が高値圏にある一方で25日騰落レシオは低く、むしろ買いが広く行き渡っていない状況がうかがえます。

また、日経平均株価は「代表指数」であり、「全銘柄の平均」ではありません。225銘柄から構成される価格平均型の指数であり、値がさ株の影響を受けやすいという特徴があります。したがって、指数の高値更新だけで市場全体の割高感を判断するのは適切ではありません。

現状では「まだ割安な銘柄が多い」とみられます。25日騰落レシオが100%近辺で推移している場合、上昇に参加していない銘柄が相当数存在すると考えられます。業績が改善しているにもかかわらず株価が反応していない銘柄や、低PBR・高配当・自社株買いなどの株主還元余地がある銘柄には、見直しの余地が残されていると考えます。

日経平均株価の高値はあくまで「指数の高値」であり、「市場全体のバブル」を意味するものではありません。25日騰落レシオが130%を大きく下回っていることから、現在の相場は全面高の熱狂ではなく、一部主力株主導の上昇と見るのが妥当です。そのため、依然として割安な銘柄が多く、今後は出遅れ銘柄への物色拡大が焦点になると考えられます。

過去の事例として、平成バブルでは当初「含み資産株」や「トリプルメリット株」に資金が集中し、その後、「日経平均の品薄銘柄」へ物色が広がった段階でピークを迎えました。ITバブルでも同様に、当初は「ネット関連株」に集中し、その後「オールドエコノミー銘柄」へと資金がシフトした後にピークを迎えています。

ただし、注意も必要です。25日騰落レシオは市場の物色の広がりを示す指標であり、PER、PBR、利益成長率、金利、為替、需給といった要因を直接示すものではありません。25日騰落レシオの低さは「割安銘柄が多い」という前向きな解釈が可能である一方、「指数上昇の余地が限られている」というリスクサインとも解釈できます。今後、日経平均株価が高値を更新しながら25日騰落レシオも130%超へ上昇する場合には、全面高型の過熱へ見方を修正する必要があるでしょう。

図表6 日経平均株価と25日騰落レシオ

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信用取引のご注意事項

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・ 日経平均VI先物取引は、一般的な先物取引のリスクに加え、以下のような日経平均VIの変動の特性上、日経平均VI先物取引の売方には特有のリスクが存在し、その損失は株価指数先物取引と比較して非常に大きくなる可能性があります。資産・経験が十分でないお客さまが日経平均VI先物取引を行う際には、売建てを避けてください。

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