30万円以下で買える割安・高配当株8選

30万円以下で買える割安・高配当株8選

投資情報部 栗本奈緒実/鈴木英之

2025/07/04

30万円以下で買える割安・高配当株8選

日経平均株価は6月末にかけて5営業日続伸し、約5カ月ぶりに4万円台を回復。その後は短期的な過熱感を背景に利益確定売りが優勢となり、現在は39,000円台後半での推移が続いています。米国との相互関税の上乗せ分の一時停止期限が7/9(水)に迫る中、日米交渉は手詰まり感を帯びており、再び4万円台を回復するためには、懸念払しょくが必要とみられます。

半導体関連株などでは見直し買いが進んだことで、年初来高値水準まで回復した銘柄も多数あります。一方で、バリュエーション面で出遅れ感のある銘柄やセクターが依然として散見されます。

そのような中、7/3(木)に経団連は、大手企業の2025年夏季賞与(ボーナス)の1次集計結果を発表。4年連続でのプラスとなり、堅調な企業業績が反映された形です。まとまった資金を元手に株式投資を検討される方も多いのではないでしょうか。2024年からスタートした新NISAでは、夏のボーナスによる資金流入などを背景に、2024年1月から毎月徐々に減少していた成長投資枠の買い付け額が、2024年7月は反転し、前月比で増額となりました。


今回の「日本株投資戦略」では、夏の賞与で投資の検討しやすい、出遅れ感のある割安高配当銘柄を探すため、スクリーニングを行ってみました。

スクリーニング条件は以下の通りです。

①東証プライム市場上場銘柄

②時価総額(普通株式)が1,000億円以上

③株価(2025/7/1)が3,000円以下

④今期会社計画の利益項目のいずれかに赤字がない

⑤会社計画の年間配当金と2025/7/1終値に基づく予想配当利回りが4%以上

⑥業種平均(東証プライム・業種別)より、PBRと予想PERが30%pt低い

⑦24年末~2025/7/1までの株価騰落率がプラス

⑧取引所または日証金による信用規制・注意喚起銘柄を除く

東証プライム市場の予想配当利回りは2.14%(7/1)です。掲載銘柄の予想配当利回りは最低でも4%超と、大きく上回っているので「高配当利回り」期待銘柄と表現することは妥当であると考えられます。


図表の銘柄は、上記条件をすべて満たしています。掲載は、⑤の予想配当利回りが高い順です。

WEBリクエスト募集中!

気になる投資テーマ等がございましたら、こちらにご意見お待ちしております。

30万円以下で買える割安・高配当株8選

取引 チャート ポートフォリオ コード 銘柄名 終値(円)
【7/1】
予想
配当利回り
PBR
(倍)
5703 5703 5703 5703 日本軽金属ホールディングス 1,623 4.93% 0.43
8214 8214 8214 8214 AOKIホールディングス 1,649 4.85% 0.98
8600 8600 8600 8600 トモニホールディングス 546 4.76% 0.37
7994 7994 7994 7994 オカムラ 2,216 4.69% 1.13
4633 4633 4633 4633 サカタインクス 1,946 4.62% 0.89
4996 4996 4996 4996 クミアイ化学工業 798 4.26% 0.64
7981 7981 7981 7981 タカラスタンダード 2,458 4.07% 0.84
4043 4043 4043 4043 トクヤマ 2,953 4.06% 0.81
  • ※Quick Workstation Astra Manager、会社発表データをもとにSBI証券が作成
  • ※予想配当利回りは、会社計画の年間配当金と2025/7/1終値に基づき計算

一部掲載銘柄を解説!

■日本軽金属ホールディングス(5703)~アルミニウム総合メーカー。「関税」の直接的影響は軽微

★日足チャート(1年)

★業績推移(百万円)

■アルミニウム総合メーカーとして幅広い製品を供給

アルミニウム総合メーカー。素材から中間製品、最終製品まで幅広く製品を供給しています。

①アルミナ・化成品、地金(25.3期売上高構成比30%、営業利益構成比45%)

水酸化アルミニウム、アルミナ(中間材料)、各種化学品等の原料、紙・パルプ製造向け工業資材、各種アルミニウム合金等を製造・販売しています。

②板・押出製品(同19%、同21%)

アルミニウム板製品や、鉄道、トラック、半導体製造装置、建築・建材等向けに押出成形した製品を製造販売しています。

③加工製品、関連事業(同31%、同12%)

トラックボデー、自動車部品、業務用冷蔵庫・冷凍庫、クリーンルーム用のパネル等を製造販売しています。

④箔、粉末製品(同20%、同21%)

医薬包装向け加工箔、リチウムイオン電池向け外装箔の他、各種パウダー・ペースト製品、食品包装材、ハウスケア商品等を製造販売しています。

売上高(25.3期)の78%は国内向けで、海外は中国、タイ、インド、米国でも販売があります。市場別売上高構成比(同)は自動車31%、電気・電子、情報通信11%が大きく、その他は食品・日用品、公共・景観・建築向け他となっています。

26.3期も3期連続増収増益を計画。予想配当利回り4.8%

前期(25.3期)は売上高5,501億円(前期比5%増)、営業利益217億円(同19%増)と増収増益でした。板・押出製品の好調がけん引役となりました。

今期(26.3期)も売上高5,900億円(前期比7%増)、営業利益230億円(同5%増)と増収増益継続の会社計画となっています。リチウムイオン電池向け材料や、放熱用途パウダー等の好調が継続しそうです。

投資家としては「鉄鋼・アルミニウム関税」が気になるリスク要因です。米国の売上構成比は約5%。直接輸出は「僅少」で、直接的な影響は僅少・軽微であると会社側ではみています。ただ、自動車・半導体・鉄鋼業界等の減速等間接的な影響には「動向を注視」としています。

世界のアルミ市場は拡大が予想されています。軽い、強い、さびにくい、電気を通す他、多くの特性を有し、燃費向上を目指す輸送用機器での採用が増えています。また、リサイクルにより、低コストで新品同様の性能を有する製品を製造できるため、環境対応も優れているといえそうです。

26.3期の予想1株配当金は年間で80円(上半期25円、期末55円)の計画です。7/3(木)終値1,640円で計算される予想配当利回りは4.8%、予想PERは6.7倍、PBRは0.43倍と割安感が強めとなっています。2024年国内売上高・時価総額トップのUACJ(5741)の予想配当利回り2.9%、予想PER12.0倍、PBR0.83倍と比べてもかなり低くなっています。

■AOKIホールディングス (8214)~「快活CLUB」、「AOKI」等を運営。堅実に収益性改善&株主還元強化

★日足チャート(1年)

★業績推移(百万円)

■「快活CLUB」、「AOKI」、「コート・ダジュール」等を展開

インターネットカフェ「快活CLUB」や、スーツ・フォーマル服の「AOKI」など、複合事業を展開する企業です。

以下が主な事業です。

▸ファッション事業(25.3期:売上高構成比52%)

祖業であるビジネス・フォーマル衣装を扱う「AOKI」等を608店舗展開(25.5末時点)。現状は、この事業の売上高の6割超が紳士用ビジネスですが、レディースとカジュアルの販売増に注力する方針です。

▸エンタ―テイメント事業(同39%)

インターネットカフェ「快活クラブ」や、カラオケ「コート・ダジュール」、本格的ユーザー向け24時間ジム「Fit24」などを運営しています。業界に先駆け、鍵付完全個室な女性専用スペースを導入した実績を有します。

両事業はいずれも、郊外型中心の店舗構成の脱却を図り、収益性の見込める都心や駅前など好立地への出店・移転を拡大中です。

その他は、コア3事業の一つであるアニヴェルセル・ブライダル事業や、不動産賃貸事業を展開しています。

■売上拡大しながら利益率拡大

14.3期に過去最高業績を更新後、コロナ禍では各事業で大きな打撃を受けました。ファッション事業ではビジネスや服の需要が大幅減少、エンターテイメント事業では施設の臨時休業・時短営業を余儀なくされ、21.3期は119億円の最終赤字となりました。

その後、ネットカフェでは店舗運営の省人化や鍵付き個室の導入、ファッション事業ではニーズの多様化をを意識した商品の開発など、多方面で改革を実行。急激な大きな事業転換ではなく、複数の事業で地道に改善策を重ね、じわじわと収益体質の改善が継続しています。22.3期からは売上高が拡大し、利益率も向上が続いています。〈売上高営業利益率:22.3期3.5%、23.3期5.8%、24.3期7.4%、25.3期8.2%〉。株価も連動して回復傾向です。

2024年6月に『資本コストや株価を意識した経営の実現について』を発表し、総還元性向の目標は50%以上→70%以上となりました。1株当たりの配当金は23.3期20円、24.3期50円、25.3期75円、26.3期(会社予想)80円と4期連続で増配実施予定です。一方、7/1(火)時点で、PBRは0.97倍と1倍を下回っており、割安感の強い水準です。

新着記事(2025/07/04)

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