12月優待、20万円以下、好配当期待10銘柄

12月優待、20万円以下、好配当期待10銘柄

投資情報部 鈴木英之

2025/12/05

12月優待、20万円以下、好配当期待10銘柄

2025年は日経平均株価が大幅高~「株主優待」「配当」も上昇相場の主役に?

2025年の東京株式市場が終盤戦を迎えています。年初来の上昇率(12/3時点)は日経平均株価が25.0%、TOPIXが19.7%に達しています。春頃まではトランプ米大統領の通商政策に振り回されましたが、後半は生成AI(人工知能)関連銘柄の業績拡大期待を背景に、内外でテック株が主導する形で上昇基調となりました。日本の憲政史上初の女性首相である高市氏の登場した秋以降は、積極財政を背景とした経済政策への期待等が相場上昇を加速させました。

ただ、日本株の上昇要因は生成AI関連銘柄の上昇や高市政権への期待等にとどまりません。上場企業による株主優待制度の導入が増えてきたことや、配当の増加等により、株主投資の魅力が増してきたことも重要な要因と考えられます。株主優待については2021年を底に導入企業数が増加し、1,580社(2025年3月時点)に拡大。また配当については、上場企業の配当総額が2026年3月期は20兆円弱と過去最高記録に達する見通し(2025年7月の日本経済新聞社報道)です。

「株主優待」「配当」の充実はむしろ、上昇相場の一方の主役になっているのかもしれません。

■スクリーニング条件

今回の「日本株投資戦略」では、12月に株主優待の権利が確定する銘柄をご紹介します。スクリーニング条件は以下の通りです。

・12月に株主優待の権利が確定

・株主優待権利確定のための最低保有株数に基づく金額が、20万円以下(株価は12/2時点)

・上記の条件において、保有期間に関係なく株主優待の権利を確定させることが可能であること

・東証プライム市場に上場

・会社予想1株配当金を基準にした予想配当利回りが2.42%(12/2時点の東証プライム市場の予想配当利回り)以上

・直近四半期(累計)の純利益が黒字

・取引所または日証金、当社による信用規制・注意喚起銘柄を除く

掲載銘柄は上記条件をすべて満たしています。掲載の順番は、12/3時点でSBI証券の株主優待検索ページにおいて閲覧回数の多い順となっています。

■「株主優待」の注意点

なお、「12月に権利が確定する株主優待銘柄」のほとんどが12/26(金)を権利付最終日としています。この場合、12/29(月)の権利落ち日以降に買い付けができても、配当および株主優待の権利を確保することはできませんので、ご注意ください。

また、権利付最終日に優待実施銘柄を買い、権利落ち日に売ることで、効率良く株主優待の権利獲得を考える投資家の方もいらっしゃるのではないでしょうか。ここで注意すべき点は、買い付ける時の株価が予想外に高くなったり、売る時の株価が予想外に安くなったりなど、相当額の売却損が出てしまうケースです。配当取りも同様で、権利落ち日には配当実施分だけ株価が下がることが多くなっています。ノーコスト・ノーリスクで株主優待や配当を享受することは難しいでしょう。

それでも、コストやリスクを軽減して、株主優待の権利を確保する方法はあります。ひとつは、複数銘柄に投資をし、リスク分散を図る方法です。

もうひとつは「つなぎ売り」を活用した取引です。「つなぎ売り」で株主優待をお得に活用する方法については、SBI証券のWebページでご紹介していますので、参考にしてください。ただし、制度信用売りを利用した場合、株主優待品の価値を上回る逆日歩が発生する可能性があるため、注意が必要です。一般信用短期の在庫がある場合は、逆日歩が発生しないこちらの利用をご検討いただくことがよいと考えられます。また、「つなぎ売り」をした場合、信用取引の「売り」により、配当調整金を支払う必要が出て、実質的に配当を受け取れなくなるなど、重要な注意点*(下記脚注の詳細参照)があります。メリットとデメリットを十分理解した上でのご利用をお願い申し上げます。

重要な注意点 ~つなぎ売りを利用した場合の「配当金(現物と信用)受け払いの差額」~

※権利付き最終日の大引け時点でつなぎ売りをしている場合、現物については税金が差し引かれた配当金(配当金の約80%)を受取り、一般信用売り建玉については配当落ち調整金(配当金の100%相当)をお支払いいただきます。したがいまして、配当金の約20%相当の差額をお客さまにご負担いただくことになります。
※権利付き最終売買日と権利落ち日をまたいで信用売建玉がある場合、権利落ち日に予想配当金相当額(予定配当調整金)をあらかじめ委託保証金現金から拘束させていただき、配当金が確定後に拘束金から支払いを行います。信用売建玉に対する支払予定配当金相当額合計(予定配当調整金合計)は、ログイン後ページ内「口座管理」>「口座(円建)」>「信用建余力」>「建余力・追加保証金」の「増担保・配当調整金」に表示させていただいております。

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【銘柄一覧】12月優待、20万円以下、好配当期待10銘柄

取引 チャート ポートフォリオ コード 銘柄名 終値(円)
【12/2】
優待獲得最低株数での優待内容の概要
7613 7613 7613 7613 シークス 1,276 ギフトカード1,000円相当
3950 3950 3950 3950 ザ・パック 1,281 QUOカード1,000円相当
4326 4326 4326 4326 インテージホールディングス(6) 1,714 Kids Smile QUOカード500円相当
7272 7272 7272 7272 ヤマハ発動機 1,109 株主優待ポイント1,000ポイント
7989 7989 7989 7989 立川ブラインド工業 1,957 オリジナルQUOカード500円相当
4927 4927 4927 4927 ポーラ・オルビスホールディングス 1,342 優待ポイント15ポイント(1,500円相当)
9416 9416 9416 9416 ビジョン 1,277 優待券3,000円分×2枚
7347 7347 7347 7347 マーキュリアホールディングス 874 QUOカード2,000円相当
4848 4848 4848 4848 フルキャストホールディングス 1,669 食事優待券または商品(4食分)
6498 6498 6498 6498 キッツ 1,725 グループ会社優待券1冊
  • ※会社公表データ、当社HPデータ、データ等をもとにSBI証券が作成
  • ※「優待獲得最低株数での優待内容の概要」は、株主優待内容のすべてを記載したものではありません。正式な内容は各社Webサイト等でご確認ください
  • ※上記掲載銘柄についてはすべて、優待獲得最低株数は100株です
  • ※銘柄名横に(6)の表記がある銘柄は、6月決算銘柄。何も表記がない銘柄は12月決算銘柄です。

一部掲載銘柄を解説!

■シークス(7613)~抽選で海外工場見学も

大手総合インキメーカーであるサカタインクス(4633)が発行済株式数の22.95%(2025年6月末時点)を保有しています。電子部品の商社を行ってきましたが、現在は顧客企業の要望を受け電子基板実装業務が中心です。同社製品の65%が車載向け、19%が産業機器向け(ともに2024年12月期)です。売上高の78%(同)が海外というグローバル企業です。

25年12月期は売上高2,900億円(前期比4.1%減)、営業利益85億円(同0.7%減)、純利益10億円(同73.4%減)が会社計画です。中国不動産市況の悪化や欧州子会社清算を理由に予想純利益は52億円→10億円に下方修正(11/7)されました。1株当たり上期24円、期末24円、年間48円の配当政策に変更はありません。12/4(木)株価終値1,286円で計算される予想配当利回りは3.7%と高めです。

12月末付(権利付最終日は12/26)株主に対し、保有株式数に応じてギフトカードが贈呈されます。

・100株以上~1,000円相当

・500株以上~2,000円相当

・1,000株以上~3,000円相当

また、12月末付(権利付最終日は12/26)で1年以上保有している株主のうち毎年抽選で10名、同社海外工場視察を含む旅行に招待します。旅行は関西空港発着になるため、関西空港までの旅費は自己負担になります。

→その他注意事項や利用可能店舗等のご注意事項がございますので、詳細は 同社HP(外部サイトに遷移) でご確認をお願いします。

■インテージホールディングス(4326)~保有株数に応じて多彩な商品から選択

NTTドコモが発行済株式数の50.95%(2025年6月末時点)を保有している親会社です。セグメント別の売上構成比(2025年6月期・カッコ内は営業利益構成比)は、マーケティング支援(消費財・サービス)が69%(34%)、マーケティング支援(ヘルスケア:製薬会社等が顧客)が19%(50%)、ビジネスインテリジェンス(ソフトウェア開発等)が12%(16%)となっています。

2026年6月期は売上高700億円(前期比6.8%増)、営業利益56億円(同32.0%増)、当期利益32億円(前期比8.7%減)が会社計画です。パネル調査のリニューアル完了や値上げ効果で増収・営業増益を見込みます。ただし当期利益はCRO(医薬品開発業務受託機関)事業譲渡益計上(前期)の反動で減少が見込まれます。第1四半期は売上高143億円(前年同期比4.6%減)、営業利益5.7億円(同205%増)とおおむね順調ですが、上記譲渡益の反動で純利益は2.9億円(同74.2%減)と減益でした。

当期利益の50%を株主還元(配当金、自己株式取得)、残りを成長投資に振り向け、ROE12%以上を目指すことが基本的な資本政策です。2026年6月期の会社計画1株配当金は上期24円、期末24円、年間48円となっています。12/4(木)株価終値1,726円で計算される予想配当利回りは2.7%です。

12月末付(権利付最終日は12/26)株主に対し、保有株式数に応じてQUOカード、または商品(選択)が贈呈されます。

・100株以上~Kids Smile QUOカード500円相当

・200株以上~Kids Smile QUOカード1,000円相当

・400株以上~商品2,000円相当→(例)山形・夕鶴郷米はえぬき2㎏、群馬の豚 山峰 バラ焼肉用、国産とろける牛筋カレー、Kids Smile QUOカード2,000円相当他

・1,000株以上~商品4,000円相当→(例)北海道富良野産ゆめぴりか 4kg、贅沢いなり寿司詰め合せ、上州牛 ミニステーキ用、Kids Smile QUOカード4,000円相当他

・5,000株以上~商品8,000円相当→(例)滋賀県産こしひかり 6㎏、神戸牛 すき焼き・しゃぶしゃぶ用、Kids Smile QUOカード8,000円相当他

kids smile QUOカード・・・QUOカード・QUOカードPayを購入することで「笑顔でつなぐ未来基金」へ寄付され、子どもたちを笑顔にする活動に役立てられます
→その他注意事項や利用可能店舗等のご注意事項がございますので、詳細は 同社HP(外部サイトに遷移) でご確認をお願いします。

ビジョン(9416)~海外旅行者向け?「グローバルWiFi」のルーターレンタル等を贈呈

グローバルWiFi事業が売上高の55.9%、営業利益の76.8%(2024年12月期・消去前)を占める主力事業です。インバウンド・アウトバウンドの双方に対応し、モバイルWiFiルーターのレンタルを行っています。また、携帯・固定電話の加入取次やOA機器販売等を行う情報通信サービス事業が売上高の40.8%、営業利益の21.7%(同)を占めています。その他、自然の中でホテル並みの快適設備等を提供するグランピングツーリズム事業も行っています。

2025年12月期第3四半期(25年1月~9月期)の売上高は289億円(前年同期比10.7%増)、営業利益47.4億円(同10.0%増)でした。訪日外国人が増えたことに加え、日本人出国者数も改善傾向にあり、主力のグローバルWiFi事業が増収増益となりました。2025年12月期の会社計画は売上高400億円(前期比12.6%増)、営業利益64.3億円(同20.0%増)となっています。

2025年12月期の予想1株配当金は上期20円、期末30円(上場10周年の記念配当5円を含む)、年間50円となっています。12/4(木)株価終値1,296円で計算される予想配当利回りは3.8%と高めです。

12月末付(権利付最終日は12/26)株主に対し、保有株式数に応じて、当社サービスである国内外でモバイルインターネット通信が可能なWi-Fiルーターレンタルサービス「グローバルWiFi」、グランピング施設&温泉旅館「VISION GLAMPING Resort & Spa」の宿泊、およびスキンケアシリーズ「KO SHI KA | こしか」の3点セットに関するご利用券(割引券)を贈呈します。なお、株主優待は6月末付株主に対しても実施されています。

・100株以上~優待券3,000円分×2枚

・200株以上~優待券3,000円分×2枚(6月末株主は3枚)

・300株以上~優待券3,000円分×3枚

・1,000株以上~優待券3,000円分×3枚に加えて優待券10,000円分×2枚

※「グローバルWiFi」のルーターレンタルは申し込み1回につき最大29,000円分まで適用可能です。海外用Wi-Fiを選択の際は、ウェアラブル翻訳デバイス「POCKETALK S(ポケトークS)」、アクションカメラ「GoPro(ゴープロ)」を無料で利用できます。

※VISION GLAMPING Resort & Spaの申し込みは最大29,000円分まで適用可能です。

※「KO SHI KA | こしか:スキンケア3点セットの申込みは、1セットにつき最大6,000円分まで適用可能です。

→その他注意事項や利用可能店舗等のご注意事項がございますので、 詳細は 同社HP(外部サイトに遷移) でご確認をお願いします。

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