【アメリカNOW!】高値更新が続くダウ平均を押し上げている銘柄群:シャーウィンウィリアムズ、ジョンソン&ジョンソン、トラベラーズ、ホームデポ、ビザ

【アメリカNOW!】高値更新が続くダウ平均を押し上げている銘柄群:シャーウィンウィリアムズ、ジョンソン&ジョンソン、トラベラーズ、ホームデポ、ビザ

投資情報部 榮 聡

2026/07/06

先週の米国株式市場は、半導体株が利益確定売りに押される一方、大手テクノロジー株、ソフトウェア株に押し目買いが入り、出遅れ業種も相場を押し上げました。今週の株価材料として、テクノロジー株の物色動向、FOMC議事要旨(6月16日、17日開催分)、米国とイランの和平協議の行方が注目されます。

今回は高値更新を続けるダウ平均をけん引している銘柄から、シャーウィン ウィリアムズ(SHW)ジョンソン & ジョンソン(JNJ)トラベラーズ(TRV)ホーム デポ(HD)ビザ A(V)を選んでご紹介いたします。

図表1 S&P500指数の一目均衡表(日足、3ヵ月)

一目均衡表の定石通り、下値支持帯の「雲」の上限から反発しました。「三角保ち合い」を形成しつつあるように見えます。

※当社WEBサイトを通じてSBI証券が作成

図表2 業種別指数騰落率・個別銘柄騰落率(「5日」は6/25(木)終値~7/2(木)終値によります。)

S&P500業種指数騰落 5日 1ヵ月 3ヵ月
ヘルスケア 5.3% 7.4% 12.1%
一般消費財・サービス 4.4% 1.5% 8.9%
コミュニケーションサービス 4.3% -2.4% 7.8%
金融 4.1% 6.7% 11.6%
S&P500 1.7% 1.3% 13.2%
生活必需品 1.1% 1.3% 1.0%
素材 0.8% 3.6% 3.3%
不動産 -0.1% 0.2% 6.9%
資本財・サービス -0.1% 5.8% 11.7%
情報技術 -0.2% -1.1% 24.4%
公益事業 -0.2% 3.7% -0.9%
エネルギー -1.4% -7.1% -11.4%
騰落率上位(5日) 騰落率
パランティア・テクノロジーズ 20.5%
サービスナウ 18.8%
アドビ 13.6%
アップル 12.2%
IBM 12.1%
騰落率下位(5日) 騰落率
マイクロン・テクノロジー -19.6%
クアルコム -14.0%
ラムリサーチ -12.5%
アプライド・マテリアルズ -9.7%
インテル -9.4%

注:個別銘柄の騰落率上位、下位はS&P100指数が母集団です。銘柄名はBloombergの表記により、当社WEBサイト・本文中の表記と異なる場合があります。
※BloombergデータをもとにSBI証券が作成

先週の米国株式市場

S&P500指数は週間で1.8%、ダウ平均は2.0%、ナスダック指数は2.1%の上昇でした。

年初来株価が出遅れているヘルスケア、金融や原油価格の下落を受けて事業環境の改善が期待される消費関連銘柄が上昇、また、大手テクノロジー株の買い戻しに加え、ソフトウェア株の上昇などが相場を押し上げました。

AI関連銘柄は、メタプラットフォームズがクラウド事業に参入する、また、アップルが米政府のブラックリストに載る中国メーカーから半導体メモリーの調達を検討しているとの報道を受けて不安定化しました。フィラデルフィア半導体株指数は週間で4.3%下落しました。

経済指標では、6月雇用統計の非農業部門雇用者数が前月比5.7万人増と市場予想の同11.0万人増を下回りました。市場の利上げ期待を若干抑えて、相場押し上げに寄与したとみられます。

業種指数(6/25(木)終値~7/2(木)終値)では、ヘルスケア、一般消費財・サービス、コミュニケーションサービス、金融などが大きく上昇しました。AI関連からの物色ローテーションで選ばれた業種と言えるでしょう。情報技術は、半導体株が下落する一方、ソフトウェア株の上昇が相殺して全体では-0.2%でした。

今週の米国株式市場

半導体メモリーの不足と価格上昇が周辺産業のサプライチェーンを揺るがしており、テクノロジー株の不安定な状況が続きやすいと懸念しています。出遅れ業種への物色ローテーションはあっても、全体としてやや軟調になりやすいと考えられます。

今週の株価材料として、テクノロジー株の物色動向、FOMC議事要旨(6月16日、17日開催分)、米国とイランの和平協議の行方が注目されます。

テクノロジー株の物色については、フィラデルフィア半導体株指数が6/9(火)に付けた安値近くまで調整しており、テクニカル的に正念場を迎えているように見えます。7/3(金)のアジア市場では、SKハイニクス、サムスン電子、キオクシアとも反発に転じましたが、米国市場でも同様に反発に転じることができるか注目です。

今回のFOMC議事要旨は、ウォーシュ体制に変わってから初の議事要旨の公表になります。FOMCではFRBがタカ派姿勢に転換したと報じられましたが、市場の一部にはタカ派転換ではないという見方もあるため、議事要旨でFRBの考えがよりはっきりして、これに対する市場の反応が出る可能性があります。

米国とイランの和平協議は、カタールのドーハで実務者協議が2日間に亘って行われましたが、特使レベルの協議には至らず、不安定さを残しています。一方、ホルムズ海峡の航行回復は順調とされ、原油価格は下落基調となっています。

経済指標では上記のほか、7/6(月)に6月ISM非製造業景気指数(前月の54.5から54.2に悪化の予想)、7/9(木)に6月中古住宅販売件数(前月比1.9%増の予想)、などの発表が予定されています。

企業イベントでは、ペプシコ、デルタ航空などの決算発表が予定されています。

今週の5銘柄

今回は過去1ヵ月間にNYダウを押し上げた銘柄をご紹介いたします。

過去1ヵ月はテクノロジー株が不安定となる中、年初来で出遅れが目立っていたNYダウが相対的に堅調となりました。構成する30銘柄の株価パフォーマンス上位7銘柄を抽出したのが図表3です。

住宅関連、ヘルスケア、クレジットカード関連など事業内容がAIから遠い銘柄が多く、物色のローテーションが起こっている可能性がうかがえます。

住宅関連やクレジットカード関連が物色されているのは、原油価格の下落が要因とみられます。イラン戦争による原油価格上昇は、消費者の消費余力を狭め、インフレ加速による住宅ローン金利の上昇が懸念されました。しかし、米国とイランの和平協議が進む中で原油価格が下落していることから、そのような懸念が後退しているとみられます。

シャーウィン ウィリアムズ(SHW)、ジョンソン & ジョンソン(JNJ)、トラベラーズ(TRV)、ホーム デポ(HD)、ビザ A(V)を選んでご紹介いたします。

図表3 NYダウ構成銘柄の1ヵ月騰落上位銘柄

※BloombergデータをもとにSBI証券が作成

図表4 今週の5銘柄の投資指標

注:予想PERは今期予想EPSに基づいて計算しています。
※BloombergデータをもとにSBI証券が作成

今週の注目銘柄

取引 チャート 銘柄 株価
(7/2)
予想PER
(倍)
ポイント
買付チャートシャーウィン ウィリアムズ(SHW)352.48ドル30.0

【塗料・コーティング剤の老舗】

・塗料・コーティング剤の老舗。5,400超の小売店でSherwin-Williamsブランドの製品を販売するほか、他ブランドの製品はホームセンターなどで販売し、建築、船舶、自動車向けなど産業向け製品を120ヵ国超で展開します。47年連続増配の会社です。

・物価高や金利上昇を受けて米国の住宅市場が低調で、事業環境は厳しめとなっています。一方、原油価格が下落しつつあることから、マクロ環境の厳しさは緩和する期待があります。

買付チャートジョンソン & ジョンソン(JNJ)342.31ドル12.1

【ヘルスケア大手】

・医薬品を軸に医療機器も展開するヘルスケア大手。医療機器で世界2位、医薬品は同5位内です。主力薬は血液がん薬「ダラザレックス」、乾癬治療薬「トレムフィア」など。

・1-3月期決算は増収減益で、売上・利益とも市場予想を上回り、通期の業績見通しを若干引き上げました。特許が切れた乾癬治療薬「ステラーラ」は前年同期比で60%減の一方、「トレムフィア」は68%増加、「ダラザレックス」も23%増となりました。

買付チャートトラベラーズ(TRV)357.90ドル23.8

【損害保険の会社】

・米国トップ級の損害保険。個人向け自動車・住宅保険、法人向け労災保険、賠償責任保険、リスク・マネジメントなどの事業を展開します。元受保険料の9割超が米国内です。

・同社は米国最大級のマルチラインの損害保険会社で、その規模の大きさが武器となって成長できると期待されます。1-3月期決算は、前年同期の山火事による異常損失が減少して前年同期比大幅な増益でした。

買付チャートホーム デポ(HD)263.04ドル22.7

【ホームセンター最大手】

・ホームセンター世界首位級。米国、カナダ、メキシコを軸に約2,360店(2026年1月時点)を展開します。設置代行、道具・機材レンタルなど一般・プロ向けサービスに定評があります。

・物価高や金利上昇を受けて米国の住宅市場が低調で、事業環境は厳しめとなっています。一方、原油価格が下落しつつあることから、事業環境の厳しさは緩和する期待があります。記録的なホームエクイティ(住宅の純資産価値)や住宅ストックの経年拡大から事業機会は拡大していると考えられます。

買付チャートビザ A(V)362.13ドル24.3

【電子決済ネットワーク最大手】

・クレジットカード、デビットカードなど向けに電子決済ネットワークを提供しています。付加価値サービスや新しいマネーフロー(後払い決済やアプリでの決済など)への対応で成長を維持しています。

・原油価格上昇を受けて消費の鈍化が懸念されましたが、足もとまで堅調な業績が継続しています。1-3月期決算は、売上が前年同期比17%増、EPSが同20%増、それぞれ市場予想を5%、7%上回って好調でした。

注:予想PERはBloomberg集計のコンセンサス予想EPSによります。使用した予想EPSの決算期は、ホームデポが2027年1月期、ビザが2027年9月期、その他が2026年12月期です。
※会社資料、BloombergデータをもとにSBI証券が作成

主要イベントの予定

  経済指標・イベント 企業決算・イベント
6(月) ・米ISM非製造業景気指数(6月)  
7(火) ・米貿易統計(5月)
・米3年国債入札
・スペースXがナスダック100指数に組み入れ
8(水) ・FOMC議事要旨(6月16日、17日開催分)
・米10年国債入札
 
9(木) ・米新規失業保険申請件数(7月4日に終わる週)
・米中古住宅販売件数(6月)
・米30年国債入札
・NY連銀ウィリアムズ総裁が討論に参加
ペプシコ
10(金)   デルタ航空
13(月)    
14(火) ・日本機械受注(5月)
・中国実質GDP(4-6月期)
・中国鉱工業生産・小売売上高(6月)
・NFIB中小企業楽観指数(6月)
・米消費者物価指数(6月)
・ウォーシュFRB議長の議会証言
(下院金融サービス委員会)
・シカゴ連銀グールズビー総裁が炉端談義
JPモルガンチェース、バンクオブアメリカ、シティ
ウェルズファーゴ、ゴールドマンサックス
15(水) ・米生産者物価指数(6月)
・地区連銀経済報告(ベージュブック)
ジョンソン&ジョンソン、台湾セミコンダクター
モルガンスタンレー、ユナイテッドエアラインズ
16(木) ・米小売売上高(6月)
・米新規失業保険申請件数(6月11日に終わる週)
・米フィラデルフィア連銀製造業景気指数(7月)
・米中古住宅販売成約(6月)
ネットフリックス、ユナイテッドヘルスグループ
GEエアロスペース
17(金) ・米住宅着工・建設許可件数(4月)
・米鉱工業生産(6月)
・米ミシガン大学消費者信頼感(7月、速報値)
3M(E)

注:日付は現地時間によります。(E)はBloombergによる予想を示します。企業決算の赤字でのハイライトは、当社顧客保有人数の1~30位、青字のハイライトは31~50位を示します。
※Bloombergデータ、各種報道をもとにSBI証券が作成

※本ページでご紹介する個別銘柄及び各情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。

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