【アメリカNOW!】予想配当利回りが高い銘柄群:ベライゾン、UPS、モンダリーズ、デュークエナジー、フィリップモリス

【アメリカNOW!】予想配当利回りが高い銘柄群:ベライゾン、UPS、モンダリーズ、デュークエナジー、フィリップモリス

投資情報部 榮 聡

2026/07/13

先週の米国株式市場は、原油価格が反発してNYダウが反落する一方、AI関連銘柄への物色が復活して全体として上昇しました。今週の株価材料として、4-6月期決算発表、中東情勢、6月物価指標が注目されます。

今回は不安定な相場が続くことを想定して予想配当利回りが高い銘柄群から、ベライゾン コミュニケーションズ(VZ)ユナイテッド パーセル サービス B(UPS)モンダリーズ インターナショナル(MDLZ)デューク エナジー(DUK)フィリップ モリス インターナショナル(PM)を選んでご紹介いたします。

図表1 S&P500指数の一目均衡表(日足、3ヵ月)

一目均衡表の「雲」が強い下値支持帯となっているようで、「三角保ち合い」を上にブレイクしつつあるように見えます。ただし、週末に中東情勢が一段と悪化しているため、注意が必要でしょう。

※当社WEBサイトを通じてSBI証券が作成

図表2 業種別指数騰落率・個別銘柄騰落率

S&P500業種指数騰落 5日 1ヵ月 3ヵ月
情報技術 3.4% 1.7% 21.2%
エネルギー 3.2% -3.8% -4.2%
コミュニケーションサービス 2.3% 1.7% 4.0%
S&P500 1.2% 1.9% 10.0%
一般消費財・サービス 0.4% 1.2% 3.2%
金融 0.1% 4.7% 7.8%
不動産 -0.4% -1.5% 3.2%
公益事業 -0.8% 2.5% -2.2%
資本財・サービス -1.1% 3.4% 5.3%
生活必需品 -1.3% -2.5% 1.0%
ヘルスケア -1.8% 4.9% 8.7%
素材 -2.2% -1.7% -3.0%
騰落率上位(5日) 騰落率
メタ・プラットフォームズ 14.8%
ブロードコム 11.0%
エヌビディア 8.3%
アドバンスト・マイクロ・デバイセズ 7.7%
シスコシステムズ 7.6%
騰落率下位(5日) 騰落率
インテル -8.7%
ロウズ -7.0%
ディア -5.5%
ネットフリックス -5.5%
アッヴィ -5.0%

注:個別銘柄の騰落率上位、下位はS&P100指数が母集団です。銘柄名はBloombergの表記により、当社WEBサイト・本文中の表記と異なる場合があります。
※BloombergデータをもとにSBI証券が作成

先週の米国株式市場

S&P500指数は週間で1.2%、ナスダック指数は1.7%の上昇の一方、ダウ平均は0.5%の下落でした。

米国とイランの停戦が危うくなったことで原油価格が反発、先々週まで相場を押し上げていた消費関連銘柄は反落しましたが、AI関連銘柄への物色が戻って相場全体は上昇となりました。フィラデルフィア半導体株指数は週間で2.7%の上昇です。

韓国の半導体メモリーメーカーSKハイニクスのADRは7/10(金)にナスダック市場に上場、初日は公募価格の149.00ドルに対して12.8%高の168.01ドルで引けて好調なスタートとなりました。

FOMC議事要旨(6/16(火)、6/17(水)開催分)では、多くのメンバーがインフレが高止まりする可能性を懸念しており、一部参加者は利上げが必要になるとの見方を示していたことがわかりました。株式市場に対しては大きな影響はなかったと見られます。

業種指数では、半導体が反発した情報技術、原油価格が反発したエネルギーなどが大きく上昇しました。個別株で上昇が目立ったメタ プラットフォームズ A(META)は、7/1(水)にクラウド事業への参入が報じられてから上昇基調となっています。7/10(金)には9月から独自AIチップの生産を計画しているとの報道も好感されました。

今週の米国株式市場

半導体メモリーの不足の影響でテクノロジー株が不安定となる一方、週末に米国とイランの関係が悪化していることから、リスク回避の売りが出やすいと想定されます。

今週の株価材料として、4-6月期決算発表、中東情勢、6月物価指標が注目されます。

4-6月期決算の発表が始まります。S&P500指数採用企業のEPSはAI関連銘柄のけん引によって前年同期比23.3%増と高い伸びが予想されています。1-3月期実績の同28.8%増から低下していますが、テクノロジー大手に発生した巨額の一時利益の影響が剥落するためと見られます。

業種別に高い増益をけん引するのは、エネルギーの前年同期比122.1%増、情報技術の同63.3%増、素材の同35.2%増などです。ただし、エネルギーの大幅増益は4-6月期に高騰した原油価格によるもので、その後原油価格が下落しているため、一時的な押し上げにとどまります。

中東情勢は、週末に米国とイラン双方の攻撃が激化しており、和平に向けた覚書の有効性が不透明になっています。米国は先週から3回の攻撃を実施し、イランは湾岸諸国の米軍施設への報復攻撃を行ったうえでホルムズ海峡の封鎖を宣言しています。

6月消費者物価指数は、総合指数が前年比+3.8%の予想(前月は同+4.2%)、コア指数は同+2.9%の予想(前月は同+2.9%)、生産者物価指数は同+6.2%の予想(前月は同+6.5%)、コア指数は同+5.2%の予想(前月は同+4.9%)です。全般的に原油価格下落の影響が出てくる見通しですが、生産者物価指数のコア指数は伸びが高まる予想です。

経済指標では上記のほか、7/14(火)に中国の4-6月期実質GDP(前年比+4.5%の予想)、7/16(木)に米国の6月小売売上高(前月比+0.3%の予想)、7/17(金)に米国の住宅着工件数(前月比+12.5%の予想)・建設許可件数(前月比-0.7%の予想)、7月ミシガン大学消費者信頼感速報値(前月の49.5から51.0に改善の予想)、などの発表が予定されています。

企業イベントでは、大手金融から4-6月期決算の発表が始まります。そのほかに、ヘルスケア大手のジョンソン&ジョンソン、視聴習慣の低下が市場で取りざたされているネットフリックス、AI物色の行方に影響を与えるASML、台湾セミコンダクターなどの発表が予定されています。

今週の5銘柄

今回は配当利回りが高い銘柄をご紹介いたします。上記の「今週の米国市場」で述べたとおり、相場は軟調になりやすいとの想定に基づいて、その影響を相対的に受けにくい銘柄という視点です。

S&P100指数採用銘柄について、(1)予想配当利回りが2.5%以上、(2)来期業績が増収増益の予想、(3)過去3ヵ月に通期予想EPSが下方修正されていない、の条件を満たすものを図表3に抽出しました。

ここから、予想配当利回りが高いものを中心に、ベライゾン コミュニケーションズ(VZ)、ユナイテッド パーセル サービス B(UPS)、モンダリーズ インターナショナル(MDLZ)、デューク エナジー(DUK)、フィリップ モリス インターナショナル(PM)を選んでご紹介いたします。

図表3 予想配当利回りが高い銘柄(S&P100指数採用銘柄対象)

注:データは7/8(水)時点です。
※BloombergデータをもとにSBI証券が作成

図表4 今週の5銘柄の投資指標

※BloombergデータをもとにSBI証券が作成

今週の注目銘柄

取引 チャート 銘柄 株価
(7/10)
予想PER
(倍)
ポイント
買付チャートベライゾン コミュニケーションズ(VZ)42.12ドル8.5

【契約純増が好調】

・通信サービス大手です。2025年10月よりCEO(最高経営責任者)がシュルマン氏に交代しました。同氏は低下傾向にあるリテール向け携帯電話契約(後払い)のシェア回復を目指して、顧客体験を改善して解約率を引き下げ、より戦略的に販売促進を行うと述べました。

・1-3月期の携帯電話の後払い契約の純増が5.5万人と市場予想の-8.9万人を大きく上回り、2026年12月期の純増は75~100万人のレンジ上半分に到達する見込みとしました。

買付チャートユナイテッド パーセル サービス B(UPS)112.47ドル15.8

【ネットワークの効率化に取り組む】

・世界最大級の物流会社。遊休資産の売却、人員削減、自動化ツールの導入などにより、より機敏で収益性の高い会社への転換を図っています。利益率改善の一環として、売上高の約1割を占めるアマゾンとは2026年6月までに取扱量半減で合意しました。

・物流ネットワークの再構成はもうすぐ終わることから、下半期には利益率の改善が顕在化すると期待されています。

買付チャートモンダリーズ インターナショナル(MDLZ)58.83ドル19.3

【カカオ豆の価格高騰が一服】

・世界有数のスナック菓子メーカー。ビスケット、チョコレート、焼き菓子が主力。「オレオ」「リッツ」「キャドバリー」などのブランドを持ちます。2026年12月期の業績ガイダンスは前年比0~2%の売上成長、同0~5%のEPS成長で、達成可能と期待されています。

・天候不順の影響を受けて2024年、2025年と高騰したカカオ豆価格が2026年に入って下落しています。同社は高いコストで固定しているため、足もとの業績には表れませんが、中期的な業績リスクが低下していると考えられます。

買付チャートデューク エナジー(DUK)125.48ドル18.7

【データセンター向け投資を拡大】

・ノースカロライナに本社を置く米国最大手級の電力会社です。データセンター向けの増加で設備投資額は2026年~2030年に1,030億ドルに達する計画です。この投資によって年率5~7%のEPS成長目標は、同6~7%に高まる可能性があると見られています。

・イリノイ州の電力、一部再生可能エネルギー、テネシー州のガス配給事業、フロリダの電力などの事業を売却してデータセンター向けの投資に充てています。

買付チャートフィリップ モリス インターナショナル(PM)181.62ドル21.6

【IQOSによる成長が期待される】

・世界最大級のたばこ企業です。紙巻きたばこで世界シェアは2割強で、「マールボロ」などの有力銘柄を保有します。加熱式たばこ「IQOS」やニコチンパウチの「Zyn」など煙が出ないたばこ製品へのシフトが順調で、1-3月期には売上の43%を占めるに至っています。

・2026年12月期のガイダンスは、売上が前年比5~7%増、調整後EPSが同7.5~9.5%増(為替の影響を除いたベース)と堅調に伸びる見通しです。

注:予想PERはBloomberg集計のコンセンサス予想EPSによります。使用した予想EPSの決算期は、いずれも2026年12月期です。
※会社資料、BloombergデータをもとにSBI証券が作成

主要イベントの予定

  経済指標・イベント 企業決算・イベント
13(月)    
14(火) ・日本機械受注(5月)
・中国実質GDP(4-6月期)
・中国鉱工業生産・小売売上高(6月)
・NFIB中小企業楽観指数(6月)
・米消費者物価指数(6月)
・ウォーシュFRB議長の議会証言
(下院金融サービス委員会)
・シカゴ連銀グールズビー総裁が炉端談義
JPモルガンチェース、バンクオブアメリカ、シティ
ウェルズファーゴ、ゴールドマンサックス
15(水) ・米生産者物価指数(6月)
・地区連銀経済報告(ベージュブック)
・ウォーシュFRB議長の議会証言
(上院銀行委員会)
・NY連銀ウィリアムズ総裁が基調講演
・セントルイス連銀ムサレム総裁があいさつ
ジョンソン&ジョンソン、ASML、モルガンスタンレー
ユナイテッドエアラインズ
16(木) ・米小売売上高(6月)
・米新規失業保険申請件数(6月11日に終わる週)
・米フィラデルフィア連銀製造業景気指数(7月)
・米中古住宅販売成約(6月)
・ダラス連銀ローガン総裁の講演
台湾セミコンダクター、ネットフリックス
ユナイテッドヘルスグループ、GEエアロスペース
キンダーモルガン
17(金) ・米住宅着工・建設許可件数(6月)
・米鉱工業生産(6月)
・米ミシガン大学消費者信頼感(7月、速報値)
トラベラーズ
20(月) ・米景気先行指数(6月)  
21(火) ・米ADP週次雇用変化(7月4日までの1ヵ月) 3M、ゼネラルモーターズ
22(水) ・米20年国債入札 アルファベットIBMAT&Tテスラ、GEベルノバ
サービスナウ、テキサスインスツルメンツ
23(木) ・米新規失業保険申請件数(7月18日に終わる週)
・米シカゴ連銀全米活動指数(6月)
・S&Pグローバル日本製造業PMI(7月)
アルファベット、インテル、ロッキードマーチン
ユニオンパシフィック
24(金) ・S&Pグローバルユーロ圏製造業PMI(7月)
・S&Pグローバル米国製造業PMI(7月)
・米新築住宅販売件数(6月)
ベライゾンコミュニケーションズ、アメリカンエキスプレス

注:日付は現地時間によります。(E)はBloombergによる予想を示します。企業決算の赤字でのハイライトは、当社顧客保有人数の1~30位、青字のハイライトは31~50位を示します。
※Bloombergデータ、各種報道をもとにSBI証券が作成

※本ページでご紹介する個別銘柄及び各情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。

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