米国が「相互関税」を発表、それでも株価はボトム圏に接近?

投資情報部 鈴木 英之

2025/04/03

4/3(木)の東京株式市場では、日経平均株価が午前中に一時、前日比1,623円安となる34,102円まで下げました。

米国時間4/2(水)にトランプ米大統領が演説し、貿易相手国の関税率・非関税障壁を踏まえ、米国が海外からの輸入品に賦課する「相互関税」の詳細を発表し、投資家のリスク回避姿勢が強まったことが要因です。日本への相互関税が24%となった他、中国34%、EU20%、台湾32%、インド26%、韓国25%、ベトナム46%、カンボジア49%等、米国の輸入相手国として上位の国々・地域からの輸入品に高率の関税が課されることになりました。

事前には、関税率が穏当な水準にとどまるとの期待もあっただけに、市場はネガティブ・サプライズを受けた形です。日本への関税率は、EUと比べても、想定外に高いという印象です。

今回の米国による「相互関税」の賦課は、自由貿易体制の終焉につながる可能性がありそうです。また、米国に対する世界からの信頼が失われ、米国の孤立がいっそう進む可能性もありそうです。

「相互関税」により、米国で生産する物品の輸入品に対する価格競争力は上昇し、米国の貿易赤字が減少することが期待されます。しかし、米国が輸入品を代替する国内生産を短期に立ち上げることは難しいでしょう。また、米国の高い人件費を考慮すれば、関税がかかっても輸入品の方が安いというケースも多そうです。日用品・消費財、食品、電子機器、自動車、工業原材料等の多くは輸入に頼っており、広範囲な物品の値上がりにより、米国では物価上昇が加速しそうです。

米国をはじめ、世界経済の先行きはかなり厳しそうですが、当面の日経平均株価はボトム圏に接近している可能性が大きいように思われます。その理由は以下の通りです。

(1)他の国も広く関税の対象となり、日本の対米貿易における相対的競争力に大きな変化があるわけではない

(2)今回発表された税率が当面の最高税率で今後は交渉を通じ、低下していく可能性がある。

(3)米消費者、特に中低所得層への打撃が大きく想定され、米国にとっても関税政策は長期化させにくい

(4)米消費者、特に中低所得層への打撃を緩和すべく、所得減税等が実施される可能性が大きい

(5)日本の米相互関税によるGDP押し下げ効果はゼロ・コンマ数%との推定が多く、それ程大きい訳ではない。

(6)内需関連株の多くがツレ安となっており、それらが大きく下げる理由は乏しい

(7)日本の対米直接投資は5年連続で世界トップ。現地生産の対応は進んでおり、今後も増加の可能性がある。

冒頭でご説明したように、日経平均株価は一時34,102円まで下落しましたが、同水準での25日移動平均マイナスかい離率は8%になっていました。株価の下落局面では、同マイナスかい離率7~8%が底入れの目安となっており、テクニカル的にも底入れタイミングが接近していると考えられます。

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