日経平均5万円!?ベータ・キャプチャーでトレンドに乗る

日経平均5万円!?ベータ・キャプチャーでトレンドに乗る

投資情報部 土居雅紹 根津真由子

2025/10/21

日経平均、乱高下の一週間

10月第2週(10/1310/17)の株式市場動向

・日経平均株価10/17(金)終値は47,582円15銭で、前週末比-506円65銭(-1.05%)安と8週ぶりに反落。

・政局不安や米中対立などに翻弄された不安定な1週間となりました。


・日経平均株価の変動要因

①週初の急落:10/14(火)の日経平均は1,241円48銭安(-2.6%)と大幅下落。自民公明の連立解消により政局不安や米中対立に対する懸念が重しに。

②週中は買い:米企業の好決算や、政局不安の後退から投資家に安心感が戻り、買いが継続。

③週末の反落:米地銀の信用不安が再燃し。前日の米株市場では各種指数が値下がりし、日本市場にもこの流れが波及。

 

■ 騰落率の傾向(10/1010/17

・上昇率上位:首位のイオン(8267)は、8月中間期営業利益が前年同期比で約20%増。売上高、営業利益ともに過去最高を更新したことが評価され、買いが集まりました。17日には2,278円50銭をつけ、株式分割考慮後の上場来高値を更新しました。

・下落率上位:ベイカレント(6532)は、15日に2026年2月期上期の決算を発表。売上収益は前年同期比26.6%増、最終利益は同28.9%増と大幅な増収増益となりましたが、市場の期待は高く、売りに出されました。

10月第3週のスタート(10/20

・10/20は終値ベースで前日比1,603円35銭高(+3.37%)と高騰しました。

・米中対立や米地銀を巡る警戒感が後退したことに加え、自民党と日本維新の会が新たな連立政権樹立で合意したことが要因と考えられます。

・今週24日には、発表が延期されていた9月の米消費者物価指数(CPI)が発表されます。予想では前年同月比で3.1%の上昇が見込まれており、注目が集まります。

図表1 日経平均株価およびNYダウの値動きとその背景

図表2 日経平均株価

図表3 NYダウ

図表4 ドル/円相場

図表5 主な予定

図表6 日米欧中央銀行会議の結果発表予定

図表7 日経平均株価採用銘柄の騰落率上位(10/10~10/17)

図表8 日経平均株価採用銘柄の騰落率下位(10/10~10/17)

日経平均5万円!?ベータ・キャプチャーでトレンドに乗る

■株価指数に投資して、大きな流れを逃さない

株式市場が大きく動くとき、個別銘柄もその流れに巻き込まれるのが常です。たとえば、日経平均が2%上昇する局面では、ほとんどの銘柄が程度の差こそあれ上昇します。投資銘柄数が増えるほど、ポートフォリオ全体の値動きは日経平均やTOPIXに近づいていきます。これは、いわば市場全体の値動き(ベータ)に自然と近づいていくともいえます。

一方で、夜間の海外市場でサプライズが起きたり、国内の政局が東証の引け後に急展開したりすると、翌朝の市場は注文が殺到し、寄付きが遅れることがあります。このような状況下で、個別銘柄に成行注文を出すのは、乱高下のリスクを考えると得策とは言えません。特に銘柄数が多いと、ポジション管理の難易度は一気に上がります。

そこで有効なのが、「ベータ・キャプチャー戦略」です。やり方は意外に簡単で、まず株価指数に投資して、市場全体の流れに乗ることを優先します。その後、落ち着いたタイミングで個別銘柄に乗り換えて、ポートフォリオを再構築します。この戦略は、指数の値動き(ベータ)を捉える(キャプチャー)ことから名付けられ、機関投資家が相場急変時に用いる手法として知られています。

■ベータ・キャプチャー戦略の実践例

以下の手順は、図表9に示した「ベータ・キャプチャー戦略」と通常の株式投資との比較イメージに基づくものです。相場の波乱が予想される局面では、次のように行動します:

①相場が荒れそうだと感じたら、まずポジションの一部を手仕舞いし、待機資金を厚くしておく。

②夜間の外国株・為替・日経平均先物の大きな値動きを確認。

③順張りが原則。上昇なら日経平均先物やCFDで買建て、下落なら売建て。まずはトレンドに乗る。

④市場が落ち着いたら、個別銘柄にポジションを移す。
 (現物株購入+先物・CFDの転売、または現物株売却+先物・CFDの買戻し)

図表9  ベータ・キャプチャー戦略(大幅上昇時のイメージ)

■ベータ・キャプチャー戦略には、早朝の店頭CFD取引(SBI CFD)利用が効果的

ベータ・キャプチャー戦略では、株式の取引資金を温存しつつ相場の流れに乗るために、デリバティブの活用が欠かせません。特に国内株を中心に投資している場合、米国株市場の終値を確認してから、日本株の取引が始まる前に戦略を実行できるのが理想です。

図表10は、日経225先物と店頭CFD取引(SBI CFD)の比較です。ベータ・キャプチャー戦略で重要なのは取引可能な時間帯です。米国株の取引は日本時間の朝6時(夏時間は5時)に終了します。これを確認してから先物で取引しようとしても、夏時間なら1時間の猶予がありますが、標準時間では先物も同時刻に終了してしまい、使えません。

一方、店頭CFD取引(SBI CFD)なら標準時間で6:00〜6:55、夏時間なら5:00〜5:55と、米国株の取引終了後に55分間の取引が可能です。これは、戦略実行のタイミングとして非常に有利です。

さらに、「夏時間の5時起きはさすがに厳しい」「新聞の朝刊をじっくり読んでから、8時頃に戦略を実行したい」という場合もあるでしょう。先物ではこの時間帯に取引できませんが、店頭CFD取引(SBI CFD)なら標準時間で8時から、夏時間なら7時から取引可能です。柔軟な時間設定が、店頭CFD取引(SBI CFD)の大きな魅力です。

■想定元本の柔軟性も店頭CFD取引(SBI CFDの強み

ベータ・キャプチャー戦略では、取引する株式の総額に応じて「想定元本」を調整する必要があります。日経225先物(ラージ)では1枚で約4,800万円の想定元本となり、個人投資家には大きすぎます。日経225マイクロなら約48万円と扱いやすくなりますが、それでも刻みが粗く、調整が難しい場面があります。

たとえば、300万円の株式取引を想定してマイクロ先物を6枚買建てた後、130万円分の株式を購入したとしても、先物を130万円分だけ売却することはできません。リスク調整が思うようにいかないのです。

その点、店頭CFD取引(SBI CFD)なら1枚あたりの想定元本が約4万8,000円と小刻みに設定できるため、細かい調整が可能です。ベータ・キャプチャー戦略において、極めて使い勝手の良い手段と言えるでしょう。

今後も、国内株の取引時間外にトランプ政権発の大ニュースが飛び出したり、重要な国際会議やFOMCの影響を受けたり、国内政治の動きが相場に影響を与える場面が続くと予想されます。そうした局面では、店頭CFD取引(SBI CFD)と株式取引を組み合わせたベータ・キャプチャー戦略の出番がますます増えることでしょう。

■雑所得扱いとなるデリバティブ取引の申告と損失対策

CFD、FX、先物・オプションなどのデリバティブ取引による損益は「雑所得」として扱われ、税率は一律20.315%(所得税15.315%+住民税5%)の申告分離課税が適用されます。株式や投資信託との損益通算はできず、特定口座も利用できません。そのため、年間の利益(経費控除後)が20万円を超える場合は、確定申告が必要です。

また、損失が出た場合は、確定申告を行うことで翌年以降3年間にわたり繰り越すことが可能です。株式とデリバティブを併用して取引している場合、損益が交互に発生することも多いため、この損失繰越制度を活用することで、通算できない不利を補うことができます。

図表10  日経225先物と店頭CFD取引(SBI CFD)の比較

損失は限定的!日経平均の予想に応じたオプション取引戦略を動画でご紹介

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信用取引のご注意事項

信用取引に関するリスク

信用取引は、差し入れた委託保証金額の約3倍の取引を行うことができます。そのため、現物取引と比べて大きなリターンが期待できる反面、時として多額の損失が発生する可能性も含んでいます。また、信用取引の対象となっている株価の変動等により、その損失の額が、差し入れた委託保証金額を上回るおそれがあります。この場合は「追加保証金」を差し入れる必要があり状況が好転するか、あるいは建玉を決済しない限り損失が更に膨らむリスクを内包しています。
追加保証金等自動振替サービスは追加保証金が発生した際に便利なサービスです。

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委託保証金として差し入れられている代用有価証券と同一銘柄の信用買建を行うことを「二階建て」と呼びます。当該銘柄の株価が下落しますと信用建玉の評価損と代用有価証券の評価額の減少が同時に発生し、急激に委託保証金率が低下します。また、このような状況下でお客さま自らの担保処分による売却や、場合によっては「追加保証金」の未入金によって強制決済による売却が行われるような事態になりますと、当該株式の価格下落に拍車をかけ、思わぬ損失を被ることも考えられます。よって、二階建てのお取引については、十分ご注意ください。

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・ 指数先物の価格は、対象とする指数の変動等により上下しますので、これにより損失を被ることがあります。市場価格が予想とは反対の方向に変化したときには、比較的短期間のうちに証拠金の大部分、またはそのすべてを失うこともあります。その損失は証拠金の額だけに限定されません。また、指数先物取引は、少額の証拠金で多額の取引を行うことができることから、時として多額の損失を被る危険性を有しています。

・ 日経平均VI先物取引は、一般的な先物取引のリスクに加え、以下のような日経平均VIの変動の特性上、日経平均VI先物取引の売方には特有のリスクが存在し、その損失は株価指数先物取引と比較して非常に大きくなる可能性があります。資産・経験が十分でないお客さまが日経平均VI先物取引を行う際には、売建てを避けてください。

・ 日経平均VIは、相場の下落時に急上昇するという特徴があります。

・ 日経平均VIは、急上昇した後に数値が一定のレンジ(20~30程度)に回帰するという特徴を持っています。
日経平均VIは、短期間で急激に数値が変動するため、リアルタイムで価格情報を入手できない環境での取引は推奨されません。

・ 指数オプションの価格は、対象とする指数の変動等により上下しますので、これにより損失を被ることがあります。なお、オプションを行使できる期間には制限がありますので留意が必要です。買方が期日までに権利行使又は転売を行わない場合には、権利は消滅します。この場合、買方は投資資金の全額を失うことになります。売方は、市場価格が予想とは反対の方向に変化したときの損失が限定されていません。また、指数オプション取引は、市場価格が現実の指数に応じて変動しますので、その変動率は現実の指数に比べて大きくなる傾向があり、場合によっては大きな損失を被る危険性を有しています。

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