「2026年」日経平均予想と重要日程

「2026年」日経平均予想と重要日程

投資情報部 鈴木 英之 植田 雄也

2025/12/23

FOMC・日銀会合を無難に通過

12月第3週(12/1512/19の株式市場動向

日経平均株価12/19(金)終値は49,507円21銭で、前週末比1,329円34銭安(-2.61%)と週足ベースで反落しました。

・日経平均株価の変動要因

15(月):【前週末比668円44銭安】米ハイテク株安を受け、ソフトバンクG(9984)やアドバンテスト(6857)などの下げが目立った。18-19日の日銀金融政策決定会合での利上げがほぼ確実視され、銀行株が上昇。

16(火):【前日比784円82銭安】15日の米国市場にてSOX指数が約5%下落。その流れでハイテク株中心に売り優勢。

17(水):【同128円99銭高】2026年度予算案で歳出総額が120兆円超の過去最大と報道。緩和的な財政政策を市場は好感。一方で、財政悪化懸念などから円は対ドルで155円台前半に下落。

18(木):【同510円78銭安】米国でAI分野の大型投資や資金調達を巡る警戒感が再び強まり、ハイテク株売りの流れが波及。

19(金):【同505円71銭高】金融株・大型株を中心に上昇。金融政策決定会合にて政策金利を0.25%引き上げ。依然として実質金利はマイナスであり、翌年以降の継続的な利上げ期待が後退したことで株価は上昇。

■ 騰落率の傾向(12/12-12/19

・上昇率上位:景気循環に左右されにくい内需ディフェンシブ株が選好されました。ハイテク株の調整を受けて内需セクターの相対妙味が高まりました。

・下落率上位:ハイテク関連株が中心。米国でAI投資・資金調達の持続性に対する警戒が再燃し、SOX指数(半導体指数)の下落や米テック株の選別が続いた影響を引き継いだ格好となりました。

12月第4週のスタート(12/22

日経平均株価は大幅高。日銀金融政策決定会合を無難に通過したことが好感されました。

米国はクリスマス休暇に入り、商いは薄くなる様相です。

年内のポジション清算や損益通算を通じた売りなどには注意が必要です。

図表1 日経平均株価

図表2 日米欧中央銀行会議の結果発表予定

図表3 日経平均株価採用銘柄の騰落率上位(12/12-12/19)

図表4 日経平均株価採用銘柄の騰落率下位(12/12-12/19)

「2026年」日経平均予想と重要日程

■市場の関心は「2026年」に

12/22の日経平均株価は大幅に続伸し、ついに5万円の大台を回復しました。FOMC(米連邦公開市場委員会)や日銀金融政策決定会合を無難に通過したことで、年末ラリーへの期待感が一段と高まっています。ただし、クリスマス休暇を控えて海外投資家が取引を控える傾向も強まる時期であり、方向感が出にくい環境でもあります。そのため、市場参加者の関心は、むしろ「2026年」へと向かいやすくなっていると考えられます。

■日経平均株価は今年かなり上げたが、さらに上値余地はあるのか?

図表9の通り、12/22時点の日経平均株価は年初来で26%上昇し、3年連続で20%前後の上昇となりました。1989年以降の年間騰落率の平均は「+3.9%」であることを踏まえると、今年の上昇率は極めて高い水準といえます。また、連続上昇年数という観点では「3〜4年で一服しやすい」傾向もみられるため、2026年の相場はこれまでの数年間と同じようにはいかない可能性もあります。

図表5 日経平均株価の年間騰落率(1989~2025年)

■日本株は36年で上昇率35%、出遅れ感顕著

年末というタイミングもあり、日経平均株価を長期的視点で振り返ってみます。日経平均株価は平成バブル崩壊後長期間低迷し、1998年の金融危機、そしてリーマンショック後の2009年安値で大底を付けました。

その後、2012年11月の「野田首相(当時)・安倍自民総裁(当時)の党首討論」を契機とした解散総選挙、安倍内閣の成立、異次元緩和を背景に大きな上昇相場へと転じました。

36年間の前半は「デフレ相場」、最近は「脱デフレ相場」へと環境が変化してきています。2012年時点で約1万円だった株価が現在5万円に到達しているため「かなり上がった」という印象は当然です。しかし、1989年高値からみれば36年間の上昇率はわずか35%にとどまります。同期間にNYダウは約17倍へと成長している点を踏まえると、日本株は依然として出遅れ感が残っているといえます。

2026年末「55,000円」が平均シナリオ?

図表10では、1年後の予想EPS(1株利益)にPER(17〜21倍)を掛けた場合の日経平均株価の想定レンジを示しています。日経平均採用企業の来期純利益は「1割増」がコンセンサスとみられます。

この前提に基づくと、1年後の予想EPSは現在より1割増えて2,889円となり、現在の予想PER(18.74倍)に近い19倍を掛けると、想定日経平均株価は約5万5千円となります。企業業績や財務指標を基に考えれば、2026年の日経平均株価は「10%程度の上昇余地」は十分に見込めるのではないでしょうか。

図表6 1年後に想定される日経平均予想EPS(1株利益)にPER(17~21倍)を掛けたときの想定日経平均株価

■意外な投資テーマも浮上?

図表11としてご参考までに、2026年の重要日程(予定)をご紹介しています。AI相場が続くと考えるならば、3月の「エヌビディアGTC」が重要日程でしょう。また、3月下旬の春闘集中回答で企業の賃上げが順調であれば、年央にも日銀による追加利上げが想定されます。米国の金融政策を見るうえでは「ポスト・パウエル」も話題になりそうです。

スポーツイベントが数多く開催を予定されていることも特徴的です。「スポーツ関連株」は2026年の隠れた投資テーマになるかもしれません。

図表7 【ご参考】2026年の重要日程(経済統計発表・中銀会合等を除く)

新着記事(2025/12/23)

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