企業業績は上振れの公算大きく、日経平均の追い風に

企業業績は上振れの公算大きく、日経平均の追い風に

投資情報部 鈴木英之 

2026/09/29

9月の日経平均株価は膠着状態

9月相場も終わろうとしています。日経平均株価は8月末終値66,311円に対し、9/28(月)終値は65,877円と小幅安水準になっています。

中東情勢では、米国とイランの和平交渉が膠着状態に陥る中、原油相場(WTI先物)が9月中旬に1バレル105ドル超の水準まで上昇し、インフレが懸念され続ける状態になっています。そうした中、9/10(木)にECB(欧州中銀)が、9/16(水)にFRB(米連邦準備制度理事会)が、9/18(金)には日本銀行が相次ぎ政策金利を引き上げ、グローバル経済は金利上昇期の様相を強めています。

そうした中、米国ではAI・半導体関連銘柄が落ち着きを取り戻し、総じて上昇傾向となりました。これを反映し、米ナスダック総合指数は9/22(火)に過去最高値を更新しました。

インフレ懸念と金利上昇基調が逆風となる一方、AI・半導体を中心とする米国株の堅調が下支えとなり、強弱が対立する構図になっています。日経平均株価はこのまま膠着状態が続くのでしょうか。

企業業績は上振れの公算大きく、日経平均の追い風に

足元の株価を押し上げる方向に働いているのは「好調な企業業績」であると考えられます。図表1は、そんな「企業業績」と日経平均株価の推移をみたものです。足元の株価は「企業業績の上振れ」が追い風になっている形です。なお、以下「純利益」は金融を含む全産業の数字を使用しています。集計ごとに対象社数がやや異なりますが、企業業績の傾向は示していると考えます。

2026年3月期第3四半期の決算発表はおおむね本年1月下旬から2月中旬にかけて実施されました。決算発表後の2/20付で日本経済新聞社が集計した2026年3月期・通期の純利益は1.3%増の予想(990社)でした。微増益予想ですが、中間決算発表後の前年11/21付の集計では2.5%減益予想(993社)でしたから「減益予想が一転増益予想」に上振れた形です。

2026年3月期の本決算はおおむね本年4月下旬頃から5月中旬頃にかけて実施されました。決算発表後の5/22付で日本経済新聞社が集計した2026年3月期・通期の純利益は前期比12.5%増の着地(1,037社)でした。第3四半期決算発表後の本年2/20付の集計では1.3%増益予想でしたから増益率が上振れた形です。新しい年度となる2027年3月期は前期比5.2%増益の予想(957社)となりました。

そして2027年3月期第1四半期の決算発表はおおむね本年7月下旬頃から8月中旬頃にかけて実施されました。決算発表後の8/19付で日本経済新聞社が集計した2027年3月期・通期の純利益は前期比14.3%増の予想(967社)でした。前期本決算発表後の本年5/22付の集計では5.2%増益予想でしたから増益率が上振れた形です。

このように、足元の上場企業業績(3月決算企業)は決算発表ごとに前回予想を上回る実績や予想を出す形になっています。それを反映して、日経平均株価は決算発表期間ごとに水準を切り上げている形(桃色の矢印)です。

この展開は続くのでしょうか。

図表1 決算発表と日経平均株価

3月決算企業の2027年3月期中間(2026年4月~9月)決算は、おおむね10月下旬から11月中旬にかけて発表される予定です。日経平均採用銘柄の、9月下旬時点での業績動向はどうなっているでしょうか。それをチェックしたものが図表2です。

日経平均株価の動向に大きな影響を与えるのは、そのウェイトが高い銘柄群です。図表2は9/25(金)時点でのウェイト上位20銘柄の動向をみたものです。20銘柄のウェイト合計は60%を超えており、日経平均の値動きを考えるうえで影響度が大きいとみられます。

ウェイト上位は業種的には電気機器を中心に、AI・半導体関連銘柄が多いのが特徴です。逆に言えば、日本の半導体・電子部品産業の裾野は広く、AI・半導体産業の成長の恩恵を受けやすい構造であると考えられます。

今期会社予想純利益に対し、市場予想(Bloombergコンセンサス)がどの程度上回っているのかを示した列が「(B)-(A)」であり、ほとんどの銘柄はプラスの値を取っています。すなわち、会社予想は保守的であると考えているアナリストが多いことを示しています。もし、アナリストの見方が正しければ、中間決算では通期業績予想を上方修正する会社が多くなりそうです。

図表最右列は、市場予想EPSが過去4週間で何円増減したかを示しています。ここで重要なのは変化の方向です。20銘柄中15銘柄で予想EPSが上方修正されており、アナリストが企業業績を上振れ傾向とみていることを示しています。

また、日経平均採用銘柄ウェイト上位20銘柄の集計では、市場予想純利益は今期が前期比25%増、来期が22.5%増になっています。企業業績の拡大は来期も続き、日経平均株価の上昇要因になりそうです。

既述したように、2027年3月期第1四半期の決算発表はおおむね本年7月下旬頃から8月中旬頃にかけて実施されました。決算発表後の8/19付で日本経済新聞社が集計した2027年3月期・通期の純利益は前期比14.3%増の予想(967社)でした。前期本決算発表後の本年5/22付の集計では5.2%増益予想でしたから増益率が上振れた形です。ちなみに2026年4月~6月期の純利益は前年同期比64.7%増と大幅増益でした。通期業績予想はさらに上振れる可能性もありそうです。

図表2 けん引する日経平均株価ウェイト上位銘柄は「増益予想」が目立つ

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