レポート・コラム

SBIラップ 匠の運用コース  半期運用レポート(2023年度下期)

SBIラップ 匠の運用コース 半期運用レポート(2023年度下期)

「SBIラップ 匠の運用コース(愛称:匠ラップ)」(以下、「匠ラップ」といいます)は、野村アセットマネジメント独自の投資戦略を活用し、同社の厳選したアクティブファンドへの投資を通じて、投資環境に左右されにくい安定した高いパフォーマンスの獲得を目指します。2023年度下期の金融市場は、引き続き米国の金融政策とそれに伴う金利動向見通しの変化に大きく左右され一時的にリスク回避的になる局面もありましたが、大局としては、米国経済の軟着陸への期待や米国ハイテク企業の好決算等が好感されたこと等で、概ねリスク選好的となり株式等は上昇基調となりました。米ドル/円為替は、2023年12月に一時1ドル140円台まで円高・ドル安が進行した局面もありましたが、2024年3月末時点では1ドル151円台となり、最終的に2023年9月末比では、1.3%程度の円安・ドル高となりました。そのような市場環境の中で、「匠ラップ」がどのようなパフォーマンスだったのか、約半年間を振り返ります。

2023年度下期のパフォーマンス

2023年9月末から2024年3月末の期間における「匠ラップ」のパフォーマンスは+13.56%(※1,3)となりました。「匠ラップ」 は同期間において、比較的リスクを抑えた運用としながらもプラスリターンを確保することができましたが、参考とする合成指数(※2,3)との比較では-1.15%(※3)となりました。以下の折れ線グラフは「匠ラップ(※1)(赤色線)」「合成指数(※2)(青色線)」の比較グラフで、開始点は2023年9月29日です。
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*合成指数の値は運用にかかる費用等を考慮していません。

・運用実績は過去のものであり、将来の運用成果等を示唆または保証するものではありません。

・「匠ラップ」は、オールウェザー戦略の考えを取り入れ、株式60%、債券40%の資産配分を参考としながら、事前想定リスク年率10%程度でリターンの最大化を目指し、資産配分を決定します。本グラフでは、「匠ラップ」の運用戦略に基づく資産配分の決定がどれだけパフォーマンスに寄与しているかを示すために、前述の資産配分の参考値に基づきFOLIOが作成した合成指数(※2)を用いて、パフォーマンスの比較を行っています。

リバランスと「匠の判断」を振り返る

「匠ラップ」は、2023年9月末から2024年3月末までの期間において、計6回のリバランスを行いましたが、将来の相場見通しを踏まえ各回とも投資配分を大きくは変更しませんでした。
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同期間においては、以下のような「匠の判断」を統合した結果、「匠ラップ」の運用戦略において参考とする株式60%、債券40%をやや下回るリスク水準で運用を行いました。
  • 定量的な分析による長期目線での戦略
    • 金融市場の景気期待について、10月以降一貫して中立的な局面を示唆していました。
    • 市場のインフレ期待について、10月以降剥落するような局面としていましたが、2月以降はその程度が軽微になることを示唆していました。
  • 定性的な分析による短中期目線での戦略
    • 実体経済の動向について、10月以降、欧米での金融引き締めや家計の過剰貯蓄などのコロナ禍以降の経済を支えたと見られるプラス効果の剥落などにより、悪化が進行すると想定していました。3月にはソフトランディング(緩やかな景気減速から安定成長への移行)が実現する可能性を認識しつつも、景気見通しが後退する可能性への警戒を怠るべきではないとの想定は維持していました。
 金融環境の動向について、欧米においてインフレ率のピークアウトが確認されて減速が続き、利上げ局面が終了して次の金融政策変更が利下げ局面となる可能性が高まっていることで、債券市場では今後徐々にボラティリティ(市場変動性)が落ち着きを取り戻し、債券利回りが低下(価格は上昇)していくことを想定していました。
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続いてリバランスがパフォーマンスに与えた影響を振り返ります。まずは、リバランスの内容が特にマイナスに影響した2024年1月と2月です。両月ともに、世界の株式市場が堅調であったため、「世界株(グロース)」「世界株(バリュー)」を比較的多く保有していたことがプラスに寄与した一方で、比較的多く保有していた「外国債券(国債型)」の下落がマイナスに影響しプラス幅を伸ばせず、合成指数との比較では1月は-0.59%、2月は-0.49%(※3)となりました。(前述のパフォーマンス推移、または月次レポート 2024年1月2024年2月をご確認ください)一方で、2023年11月においては、合成指数と比べて良いパフォーマンスを発揮することができました。(※4)

2023年11月の投資配分と月間パフォーマンス

2023年11月に「匠ラップ」の投資対象ファンドは全て上昇しましたが、中でも相対的に上昇幅が大きかった「世界株(グロース)」を比較的多く保有していたことなどがプラスに寄与して、「匠ラップ」の月間パフォーマンスは+6.20%(※5)となり、合成指数と比較して+0.16%となりました。(※3,4,5)「匠」の戦略が詰まったアクティブファンドである「世界株(グロース)」とその参考指数である「MSCIワールド・インデックス(配当込み、円換算ベース)」を比較してみると、「世界株(グロース)」は11月月間で+11.88%(※5)と参考指数を+2.45%(※6)上回りました。
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なお、以下のコラムでは海外の年金からも受託があり、野村アセットマネジメント社の看板戦略である2つの世界株投資戦略のうち、中長期で持続性のある「複数の成長テーマ」を選別し、構造的な成長ドライバーを有する企業に集中投資する「世界株(グロース)」の魅力を解説しています。

※1 「匠ラップ」の運用実績について

2023年9月末から2024年3月末まで、または表示している期間において、「匠ラップ」に投資していた場合の運用実績です。 投資対象ファンドの基準価額(信託報酬やその他の費用が考慮されており、分配金は当該ファンドに再投資したものと仮定しています。)をもとに、「(計算期間終了日基準価額/計算期間開始日基準価額)-1」で計算したものを%表示しています。リバランスは最適ポートフォリオとの乖離がないように実施したと仮定し、運用手数料を年率0.77%(税込)徴収したと仮定して計算を行っています。(※3)

※2 合成指数の推移について

「合成指数」のシミュレーションにあたっては、「匠ラップ」が参考とする資産配分である株式60%、債券40%の割合でMSCIワールド・インデックス(配当込み、円換算ベース)とFTSE世界国債インデックス(除く日本、ヘッジあり・円換算ベース)を合成して計算しています。投資対象ファンドの基準価額に市場価格が反映されるタイミングを考慮し、合成指数の計算期間開始日および終了日を前倒して表示しています。(※3)

※3 運用実績又は運用シミュレーションの計算方法について 本文およびグラフ上で表示している割合は年率ではありません。計算後の数値の小数第3位以下を切り捨てて表示しています。将来の運用成果等を示唆または保証するものではありません。分配金やリバランス時の譲渡益にかかる税金は考慮していません。表示期間における、匠ラップの運用実績と合成指数のシミュレーションの比較においては、小数第3位以下を切り捨てて表示しているため、表示上の数値を用いて計算すると数値が一致せず誤差が生じる場合があります。

※4 匠の運用の好事例のみを示しており、市場動向等によっては上記のような運用ができない場合があります。毎月の運用実績は、匠ラップウェブサイトにてマンスリーレポートをご確認ください。

※5 2023年11月の運用実績等および投資対象ファンドの騰落率については、それぞれ前月末の値を基準として当月末までを対象期間として計算しています。「(当月末の評価額(基準価額)/前月末の評価額(基準価額)-1」で計算を行い%表示をしています。計算根拠については、※1,2,3をご参照ください。

※6 「世界株(グロース)」と「MSCIワールド・インデックス」の推移比較について

・将来の傾向や投資収益等を示唆又は保証するものではありません。

・「世界株(グロース)」は野村アセットマネジメント社から提供された「ラップ専用・世界株式アクティブ(グローバル・マルチテーマ)」の分配金再投資基準価額データ(信託報酬等の費用考慮後)、およびBloombergが提供する「MSCIワールド・インデックス(配当込み)」のデータを基に、2023年10月31日を基準としてFOLIOにて計算し作成したものです。小数第3位以下を切り捨てて表示しています。

・「世界株(グロース)」と「MSCIワールド・インデックス(配当込み)」の2023年11月の月間騰落率である+11.88%と+9.42%との比較が+2.45%です。小数点以下第3位を切り捨てて計算している箇所があるため、小数点以下第2位の数値が必ずしも一致しない場合があります。

・信頼できると考えられる情報を用いて算出しておりますが、情報の正確性、完全性等について保証するものではありません。

市場動向を振り返る

<10月>株式市場は、米国の金融引き締め長期化見通しが意識されて長期金利が上昇し、欧米を中心に下落基調となりました。為替は、米国の長期金利上昇を受けて日米の金利差拡大が意識され円安・ドル高が更に進行しました。<11月>株式市場は、FRBの追加利上げ観測が後退するなどし、欧米を中心に上昇基調となりました。為替は、米国の長期金利が低下し、日米金利差の縮小が意識される中で、円高・ドル安となりました。<12月>株式市場は、米国のインフレ鈍化およびFRBによる利上げ終了観測等から欧米を中心に上昇基調となりました。為替は、FRBによる利上げ終了およびその先の早期利下げを織り込む形で米国債利回りが低下したことに加え、日銀による金融政策変更が意識され円高・ドル安となりました。<1月>株式市場は、FRBの早期利下げ観測が後退して軟調となる局面もありましたが、下旬に入ると、米国経済の軟着陸や企業決算への期待が高まる中、欧米を中心に上昇基調となりました。為替は、米国で長期金利が上昇した一方、日銀による早期のマイナス金利政策解除への期待がやや後退したため日米金利差が拡大して、円安・ドル高傾向となりました。<2月>株式市場は、米国ハイテク企業の好決算等が好感されたことで上昇し、日米の株価指数が史上最高値を更新する展開となりました。また中国では、政府が相次いで打ち出した相場支援策が奏功して、上昇基調となりました。為替は、米国の雇用統計が強い結果となったこと等で、早期の利下げ観測が後退し米長期金利が上昇したことや、日銀による金融緩和の長期化観測などから円安・ドル高傾向となりました。<3月>株式市場は、米国ハイテク企業の業績への期待の高まりや、欧米の中央銀行の金融政策が利下げに向かうとの観測が好感されたことなどで、欧米を中心に上昇基調となり、欧米などの株価指数が繰り返し最高値を更新する展開となりました。為替は、上旬から中旬にかけて日銀によるマイナス金利の解除観測から円高になる局面がありましたが、月末にかけて再び円安・ドル高傾向となりました。

おかげさまで「SBIラップ」は2周年を迎えました

2022年3月31日より提供を開始した「SBIラップ」は、2024年3月末で2周年を迎えることができました。日頃より、多くのお客さまにご利用いただいておりますこと心より感謝申し上げます。サービス面では、「匠ラップ」が2023年7月に加わり、開始当初から提供している「SBIラップ AI投資コース(愛称:AIラップ)」と合わせて、特色ある運用コースが集まった唯一無二のラップサービスとなりました。以下コラムでは、このようにお客さまとともに進化を続けてきた「SBIラップ」の2年間を振り返りつつ、注目を集めている新NISA制度と「SBIラップ」の組み合わせについても説明しておりますので、是非ご一読いただければ幸いです。 

最新の投資配分の確認方法

「匠ラップ」では野村アセットマネジメント独自の投資戦略を活用して、同社の厳選したアクティブファンドへの投資配分を決定しています。最新の投資配分が気になる方は、「匠ラップ」契約後のサマリー画面にてご確認いただくことができます。口座開設・ログインはこちら

スマートフォンでの利用方法

SBI証券スマートフォン専用サイトや各種アプリを経由して、スマートフォンでも「匠ラップ」を便利にご利用いただけます。詳しくはコラムでご紹介しています。

■本資料について

・投資環境に関する過去の事実等の情報提供や作成時点での見解をご紹介するために、「匠ラップ」の投資運用業務を行う株式会社FOLIOが作成した資料です。

・記載内容は作成時点のものであり、将来の市場環境の変動や運用成果等を示唆又は保証するものではありません。

・信頼できると考えられる情報を用いて作成しておりますが、その正確性、完全性等について保証するものではありません。

■株式会社SBI証券

金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第44号、商品先物取引業者  加入協会:日本証券業協会、一般社団法人 金融先物取引業協会、一般社団法人 第二種金融商品取引業協会、一般社団法人日本STO協会、日本商品先物取引協会

■株式会社FOLIO

金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第2983号 加入協会:日本証券業協会、一般社団法人日本投資顧問業協会