「トランプ関税」に強い?主力銘柄11選

投資情報部 鈴木英之/栗本奈緒実
2025/04/04

当ページの内容につきましては、SBI証券 投資情報部長 鈴木による動画での詳しい解説も行っております。東証プライム市場を中心に好業績が期待される銘柄・株主優待特集など、気になる話題についてわかりやすくお伝えします。
日本株投資戦略
※YouTubeに遷移します。
「トランプ関税」に強い?主力銘柄11選
4/3(木)の東京株式市場では、日経平均株価が午前中に一時、前日比1,623円安となる34,102円まで下げました。4/4(金)も売り先行で取引開始となりました。
米国時間4/2(水)にトランプ米大統領が演説し、貿易相手国の関税率・非関税障壁を踏まえ、米国が海外からの輸入品に賦課する「相互関税」の詳細を発表し、投資家のリスク回避姿勢が強まったことが要因です。日本への相互関税が24%となった他、中国34%、EU20%、台湾32%、インド26%、韓国25%、ベトナム46%、カンボジア49%等、米国の輸入相手国として上位の国々・地域からの輸入品に高率の関税が課されることになりました。
事前には、関税率が穏当な水準にとどまるとの期待もあっただけに、市場はネガティブ・サプライズを受けた形です。日本への関税率は、EUと比べても、想定外に高いという印象です。今回の米国による「相互関税」の賦課は、自由貿易体制の終焉につながる可能性がありそうです。また、米国に対する世界からの信頼が失われ、米国の孤立がいっそう進む可能性もありそうです。
ただ、当面の日経平均株価はボトム圏に接近している可能性が大きいように思われます。他の国も広く関税の対象となり、日本の対米貿易における相対的競争が大きく落ち込むとは限らないためです。今回発表された税率が当面の最高税率で今後は交渉を通じ、低下していく可能性があります。米消費者、特に中低所得層への打撃が大きく想定され、打撃を緩和すべく、所得減税等が実施される可能性は高いです。
そもそも、内需関連株の多くはツレ安となっており、それらが大きく下げる理由は乏しいと思われます。日本の対米直接投資は5年連続世界トップで、現地生産の対応は進んでおり、今後も増加の可能性があります。
ただ、トランプ氏の政策に対する不透明感は当面残るとみられ、東京株式市場では選別物色が強まりそうです。今回の「日本株投資戦略」では、トランプ氏が大統領選で優勢と伝わった2024/11/6以降、本年3/31まで株価がプラスを維持した銘柄で、かつ好業績が期待できる銘柄を抽出すべく、以下のスクリーニングを行ってみました。
①東証プライム市場に上場
②3月決算銘柄(3/31にデータを取得。以下、3月決算企業の来期は26年3月期)
③株価騰落率:トランプ氏が大統領選で優勢と伝わった2024/11/6~3/31の騰落率が+10%以上、かつ2024年末~3/31までの騰落率がプラス
④来期業績予想社数が3以上
⑤来期市場予想/直近実績の売上高と純利益が増収増益、もしくは黒字転換
⑥四半期ごとの売上高実績と事前市場予想とを比較し、今期1Q~3Qの売上高が、全て市場予想を上回る
⑦取引所または日証金、当社による信用規制・注意喚起銘柄を除く
図表の銘柄は上記のすべてを満たしています。掲載は年初来騰落率(~3/31)の高い順です。
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■図表 「トランプ関税」に強い?主力銘柄11選
取引 | チャート | ポートフォリオ | コード | 銘柄名 | 終値(円) 【3/31】 |
年初来 株価騰落率 |
24/11/6からの株価騰落率 |
7832 | 7832 | 7832 | 7832 | バンダイナムコホールディングス | 5,004 | 32.4% | 49.5% |
8136 | 8136 | 8136 | 8136 | サンリオ | 6,870 | 24.0% | 40.5% |
9766 | 9766 | 9766 | 9766 | コナミグループ | 17,580 | 18.8% | 23.9% |
7011 | 7011 | 7011 | 7011 | 三菱重工業 | 2,526 | 13.6% | 11.6% |
7575 | 7575 | 7575 | 7575 | 日本ライフライン | 1,528 | 10.8% | 19.4% |
9719 | 9719 | 9719 | 9719 | SCSK | 3,690 | 10.8% | 30.7% |
6013 | 6013 | 6013 | 6013 | タクマ | 1,835 | 10.6% | 15.3% |
9409 | 9409 | 9409 | 9409 | テレビ朝日ホールディングス | 2,535 | 10.6% | 30.8% |
1893 | 1893 | 1893 | 1893 | 五洋建設 | 711.2 | 8.7% | 11.8% |
8252 | 8252 | 8252 | 8252 | 丸井グループ | 2,699.5 | 7.4% | 12.3% |
9364 | 9364 | 9364 | 9364 | 上組 | 3,494 | 2.0% | 11.6% |
- ※Quick Workstation Astra Managerデータ、会社発表データをもとにSBI証券が作成。
- ※年初来株価騰落率は、3/31終値の2024年末終値に対する騰落率。
一部掲載銘柄を解説!
■日本ライフライン(7575)~「商社」と「メーカー」の2つの顔をもつ医療機器会社
★日足チャート(1年)

★業績推移(百万円)

■「商社」×「メーカー」
医療機器分野で「商社」×「メーカー」の2つの顔を持つ企業です。
ペースメーカ治療の黎明期であった1981年、心臓ペースメーカの医療機器専門商社として創業。日本の医師のニーズに応えるため、1999年から自社製品の開発を始めました。自社製品比率は徐々に増えてゆき、24.3期時点では全売上高の約59%に達しています。
■成長のための新領域を開拓
取扱い製品のほとんどが、高度な技術や安全性などが求められる高度管理医療機器です。
品目別売上高構成比率(24.3期)は、EP(電気生理)/アブレーション*47%、心臓ペースメーカ等を含むリズムディバイスが26%、外科関連が24%、消化器が3%です。
*アブレーション→焼灼。特定の組織を高温や低温、レーザーなどで破壊する治療法
祖業の心臓血管領域で、事業を拡大してきました。しかし、市場では、競合品参入のリスクを指摘する声が一部から聞こえるようです。そのような中、新たな成長領域として、2017年に消化器領域、2022年に脳血管領域に参入。特に専門的知識や営業経験が必要な脳血管領域は、1年目から好調なスタートを切れたと会社側はコメントしています。
■直近決算では、上方修正&増配を発表
今期3Q(24.4-12月期)時点までの業績は堅調。売上高428億円(前年同期比11%増)、営業利益99億円(同15%増)等、売上高と各利益項目が3Q累計として過去最高を更新しました。
コア製品群が成長をけん引し、新領域も販売が好調でした。公定価格の改定や、販管費の増加などを吸収し、伸長した格好です。競合他社の参入があったコア製品(心腔内除細動カテーテルBeeAT)でも、引き続き95%の高シェアを維持していると説明しています。
上記決算時には、通期会社計画の上方修正と、配当性向の目安40%に基づき、1株当たり配当の増額を発表(1株配当年間46円→53円)。4/2(水)時点での配当利回りは3.5%超と高水準です。また、26.3期の市場予想純利益を基に配当を試算すると、1株当たり58円となります。
■SCSK(9719)~13期連続増収・増益を目指す大手SIer。「トランプ関税」もビジネスの種に?
★日足チャート(1年)

★業績推移(百万円)

■住友商事系大手SIer。顧客業種が多様。
1968年設立のコンピューターサービス(87年からCSK)、1969年設立の住商コンピューターサービス(92年から住商情報システム)が設立母体。2011年に住商情報システムを存続会社として、統合し「SCSK」に商号変更し、現在にいたっています。
住友商事が50.59%の株式を保有(24年9月末時点)する親会社です。同グループのITソリューション事業の中核企業であり、売上高の約15%が同グループ向けとなっています。
日本の大手SIer(システムインテグレーター)の一角を占めています。コンサルティング、システム開発、検証サービス、ITインフラ構築、ITマネジメント、ITハード・ソフト販売、BPO(業務委託)等、「すべてのITサービスを提供」(会社側)できる強みがあります。
顧客企業は、多くの上場企業を含む、日本の産業構造を代表する大手・中堅企業が中心で、顧客企業数は約8,000社(24.3期)に達しています。顧客企業の業種別構成比(同)は製造業31.1%、流通業16.8%、金融業21.9%、通信・運輸業13.2%、その他17.0%で、業種に偏りが少なく、安定した収益基盤の構築につながっています。
■12期連続増収増益
事業別には「産業IT」が売上高(24.3期)の34%、営業利益(調整前)の37%を占める稼ぎ頭です。おもに製造、通信、エネルギー、流通、サービス、メディア等の顧客に対し「基幹系システム」「情報系システム」「SCM(サプライチェーンマネジメント)」「CRM(顧客関係管理)」等のシステム開発や保守・運用を行っています。
その他、「金融IT」(同売上構成比13%、営業利益構成比13%)、自社開発ERPパッケージ他を提供する「ITソリューション」(同15%、同10%)、顧客のビジネスを柔軟にサポートする「ITプラットフォーム」(同18%、同21%)、データセンターを利用したアウトソーシングやクラウドインフラを提供する「ITマネジメント」(同14%、同17%)等に展開しています。
24.3期まで12期連続で増収・営業増益を達成。売上高営業利益率もコロナ禍の20.3期を除いて拡大基調で、14.3期の8.3%から24.3期は11.9%まで拡大。NTTデータの6.6%を上回り、NRIの16.3%を追うポジションにあります。
25.3期は上期売上高2,515億円(前年同期比8%増)、営業利益269億円(同0.1%増)とやや低調でしたが、3Q(24.10~2期)は売上高1,333億円(同10%増)、営業利益159億円(同13%増)と順調で、受注高は同15%増、受注残は74%増と伸長しました。幅広い業種で事業拡大や競争力強化を目的に、IT投資が拡大傾向にあるようです。
25.3期会社予想売上高は業績好調に加え、ネットワークインテグレーター大手ネットワンシステムズの子会社化もあり、以下のように修正(1/31)されています。
・売上高5,100億円→5,960億円(前期比24%増)
・営業利益620億円→665億円(同16%増)
・1株当配当金(年間)68円→71円(13期連続増配見通し)
■「トランプ関税」がビジネスの種に?
25.3期は主力「産業IT」で、「デジタルサプライチェーン案件の増加」が寄与しています。製造業のグローバルに展開するサプライチェーンを、AI・データサイエンスを活用して高度化・効率化するビジネスです。「トランプ関税」により、製造業のサプライチェーンを再吟味する動きが広がれば、ビジネチャンスの拡大につながりそうです。
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