成長期待の割安プライム銘柄7選

成長期待の割安プライム銘柄7選

投資情報部 栗本奈緒実 鈴木英之

2025/10/03

成長期待の割安プライム銘柄7選

日経平均株価は9/25(木)に終値ベースで過去最高値を更新後、若干の調整こそありましたが、10/2(木)の終値は44,936円と依然として高値水準を維持しています。10/4(土)に自民党総裁選の投開票という重要イベントを前に、東京株式市場では様子見ムードが漂っています。

米国市場も堅調です。政府機関の一部閉鎖という大きな懸念材料がありながらも、S&P500は10/2(木)に終値ベースで過去最高値を更新し、強気局面が継続中です。米9月雇用統計は日本時間10/3(金)に公表予定です。しかし、同様の状況である2013年と同じシナリオを辿った場合、米9月雇用統計の発表は延期される可能性があります。

懸念材料が払拭できていない中、株式市場は堅調な推移を見せています。そのような状況では、過熱感のある銘柄も一部で見受けられます。

今回の「日本株投資戦略」では、過熱感が指摘される相場環境下でも、成長性に対して株価が割安な銘柄を抽出するため、以下のスクリーニングを実施しました。

条件は以下の通りです。

・株価騰落率(2025/3/31~2025/9/30)が0~18%→同期間のTOPIXの騰落率が18%のため

・今期3Qまで決算発表済み企業は除く→上方修正のサプライズが少ない

・今期会社予想の売上高が前期比5%以上増収

・PEGレシオが1倍以下(PEGレシオとは、成長も加味して株価が割高か割安かを判断する指標。PER ÷ 予想成長率で計算される。本稿のPEGは経常利益ベースで定義。予想経常利益は前々期、前期、今期を使用。前々期、前期は通期決算発表直前、今期は10/1時点)

・東証業種で、銀行業、証券・商品先物、その他金融は除く

・取引所または日証金、当社による信用規制・注意喚起銘柄を除く

図表の銘柄は上記の条件をすべて満たしています。掲載は、ネットキャッシュ/時価総額が大きい順です。



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【銘柄一覧】成長期待の割安プライム銘柄7選

取引 チャート ポートフォリオ コード 銘柄名 終値(円)
【9/30】
株価騰落率
(3/31~9/30)
今期会社予想
増収率
4847 4847 4847 4847 インテリジェント ウェイブ 1,059 0.1% 11.6%
8136 8136 8136 8136 サンリオ 6,951 1.2% 16.5%
9416 9416 9416 9416 ビジョン 1,245 3.4% 12.6%
3561 3561 3561 3561 力の源ホールディングス 1,445 4.6% 9.1%
2980 2980 2980 2980 SREホールディングス 3,235 5.5% 31.1%
2220 2220 2220 2220 亀田製菓 4,130 5.8% 33.2%
1820 1820 1820 1820 西松建設 5,242 9.2% 14.5%
  • ※Quick Workstation Astra Manager、会社発表データをもとにSBI証券が作成。

一部掲載銘柄を解説!

亀田製菓 (2220)~米菓大手。北米事業規模、2030年前半に25.3期比の10倍拡大を目指す

★日足チャート(1年)

★業績推移(百万円)

■国内米菓大手。「亀田の柿の種」や「ハッピーターン」

国内米菓市場で販売額シェアNo.1を誇るメーカーです。お馴染みの商品には、「亀田の柿の種」、「ハッピーターン」、「ソフトサラダ」などが挙げられます。

あられやおせんべいの米菓メーカーから、米を起点とした食品事業へ本格的に展開し、事業領域を拡大中です。防災用の長期保存食や、米粉パン、植物性原料100%のサラダチキン等を提供しています。

■北米事業規模、2030年前半に25.3期比の10倍拡大を目指す

人口減少により国内米菓市場は縮小が見込まれており、海外事業を強化しています。現在は米国、アジアを中心に展開し、全売上高に対する海外売上高比率は17%です(25.3期)。

従来はグルテンフリー米菓市場を主戦場としていましたが、今後はプレミアムスナック市場(グルテンフリー・低脂肪・低アレルゲンなど)の拡大を視野に入れてゆくとしています。

また、商品ラインナップに関しても、「うす焼」を中心とした製造ノウハウの提供にとどまらず、多様な商品展開を行っていく方針を明らかにしています。

2030年代前半目標には、連結売上高1,800億(25.3期:1,032億円)のうち海外売上高880億円(同172億円)、海外売上高比率は約50%(同17%)まで引き上げる方針です。25.3期比で北米事業規模10倍を掲げています。


■米TH FOODS, INC社を今期から完全子会社化

2025年6月、元々持ち分法適用会社だった米 TH FOODS, INC.(以下THF)を完全に子会社化しました。今期(26.3期)から業績に計上されます。

■海外事業は前期初の黒字化を達成。安定収益化が鍵


THF連結化前である前期(25.3期)には、通期ベースで初めて海外事業が黒字化するなど、収益性改善の兆しが見受けられました。

足元の今期1Q(25.4-6月期)業績は、THFの持分法による投資利益が消滅したことが影響し、経常利益は14億円(前年同期比27%減)と減益でした。

一方、売上高338億円(前年同期比40%増)、営業利益16億円(同49%増)と増収増益。北米事業のポートフォリオ見直しや、原材料の米価格高騰を価格改定で対応したことが寄与したと説明し、単にTHF連携化の効果だけではなかったとしています。海外売上高の割合は、15%(24.1Q)→36%(25.1Q)まで拡大しました。

北米での安定収益化が今後も継続的に進んだ場合、同社株の見直し買いが進むと期待されます。スクリーニング条件のPEGレシオが1倍以下であるほか、PBRも0.91倍(10/2)と1倍割り込む割安水準です。

西松建設 (1820)~準大手の建設会社。2025年から伊藤忠の持分法適用会社に

★日足チャート(1年)

★業績推移(百万円)

■創業以来150年の準大手建設。祖業は土木

1874年創業の老舗の建設会社です。

創業者の西松桂輔は岐阜県安八郡出身。河川が入り交じり、洪水が頻発した地域で幼少期を過ごしたことが創業の契機となりました。また創業当初は「鉄道は西松の恩人」という言葉があるように、鉄道土木が主体でした。その後土木で培った技術を生かし、建設分野に進出しました。

売上高構成比(25.3期)は、土木29%(売上高営業利益率8.2%)、建築53%(同3.3%)です。土木事業では道路工事が中心ですが、祖業の鉄道向けのほか、治山・治水案件も多いことが特徴です。建築事業では倉庫・物流施設に一定の強みを持っており、売上構成比が相対的に高くなっています。

アセットバリューアッド事業は全売上構成比(25.3期)の7%を占めます。魅力的な街づくりや地方創生を目的とした再開発、商業ビル・オフィスビルの開発・運営など、いわゆる不動産開発事業となっています。売上高営業利益率(同)は27.6%と高収益部門です。このほか、国際事業は東南、南西アジア中心ですが、25.3期は若干の赤字となりました。

工事現場の想定しない課題に対応できる「現場力」が強みと会社側は自負しています。

■伊藤忠と資本業務提携。本年から伊藤忠の持分法適用会社に

2021年に伊藤忠の出資を受ける資本業務提携を実施。2025年5月には伊藤忠の出資比率が19.9%から22%に引き上げられ、持分法適用会社となりました。

すでに伊藤忠が案件の取りまとめを行い、同社が設計・施工を実施するケースが出ています。同社業績が伊藤忠の業績にも影響を与える関係になったことから、今後は伊藤忠との連携が増えてくる可能性がありそうです。

2Qでの増益確保が鍵

今期(26.3期)の会社計画は以下の通りです。

・売上高 4,200億円(前期比14%増)

・営業利益 250億円(同18%増)

・経常利益 240億円(同18%増)

・純利益 176億円 (同0.3%増)

・建設受注高(個別) 4,700億円(同9%増)

しかし、1Q(25.4-6月期)は売上高829億円(前年同期比2%減)、経常利益25億円(同48%減)と低調でした。個別受注高も前年同期比58%減と不安を感じさせる内容でした。

ただ会社側では、建設事業について「過去実績に基づく売上高・売上総利益の伸びや収益改善プランの進捗」等から「業績予想は達成する見込み」(1Q決算短信)としています。不動産販売計画も予定通りで、「(通期の)業績予想に変更はございません」(同)と説明しています。

大手証券の一角では、2Q(25.7-9月期)から増益に転じると予想し、目標株価の引き上げを行っています。今秋に発表が予定される2Q決算発表で、実際に増益をキープできれば、現在の保ち合い相場から上放れることも可能になりそうです。

新着記事(2025/10/03)

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